著者
日山 亨 田中 信治 茶山 一彰 吉原 正治
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.1437-1443, 2018 (Released:2018-08-20)
参考文献数
22

判例データベースで検索可能で,かつ,判決文が入手可能な上部消化管内視鏡・X線検査が関係した民事訴訟事例は,13事例(内視鏡検査関連9事例およびX線検査関連4事例)認められた.内視鏡検査が関係した9事例の内訳は,前処置後のショックが関係したものが4事例,胃癌の見落としおよび生検後の大量出血に関係したものがそれぞれ2事例,鎮静後の交通事故に関係したものが1事例であった.X線検査が関係した4事例の内訳は,胃癌の見落としとバリウムによる腸管穿孔に関係したものがそれぞれ2事例であった.5事例で医療機関側が勝訴しており,患者に悪い結果が生じたからといって,必ずしも医療機関側の責任とされてはいなかった.医療機関側の責任が認められるためには,3つの要件(患者側の損害,医療機関側の過失,因果関係)が揃う必要がある.事故時には,速やかに上記3要件について検討し,患者側に対する医療機関側の態度を決定する必要がある.
著者
田中 信之
出版者
日本医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

我々は、解糖系阻害剤2-Deoxy-D-glucose (2-DG)が、解糖系の阻害ではなく、マンノース代謝からタンパクの糖鎖修飾(N-結合型鎖)を抑制することで、炎症性サイトカイン受容体の糖鎖修飾を抑制し、そのことで炎症反応が抑えられるということを明らかにした。実際に、2-DGやtunicamycin等の糖鎖修飾阻害剤を投与することで、細胞及びマウス個体でのIL-6やTNF-αの受容体への結合と応答が阻害された。更に、炎症性腸疾患、敗血症、関節リウマチ等のマウスモデルの発症を抑制する結果を得た。よって、糖鎖修飾を標的として炎症性疾患を効果的に治療することが可能であると考えられた。
著者
田中 信忠 梅田 知伸 日下部 吉男 中西 雅之 北出 幸夫 中村 和郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.133, no.5, pp.527-537, 2013 (Released:2013-05-01)
参考文献数
30
被引用文献数
4 4

The human malaria parasite Plasmodium falciparum is responsible for the death of more than a million people each year. The emergence of strains of this malaria parasite resistant to conventional drug therapy has stimulated the search for antimalarial compounds with novel modes of action. Here the structure-function relationship studies for two Plasmodium proteins are presented. One example is the structural studies for S-adenosyl-L-homocysteine hydrolase from Plasmodium falciparum (PfSAHH) and the other example is those for 1-deoxy-D-xylulose reductoisomerase from Plasmodium falciparum (PfDXR). In the former study, the clue for design of species specific PfSAHH inhibitors was obtained by the structural comparison of the active site of PfSAHH with that of human SAHH (HsSAHH). Our study revealed that the inhibitor selectivity depends on the difference of only one amino acid residue in the active site; Cys59 in PfSAHH vs. Thr60 in HsSAHH. In the latter study, the inhibition of PfDXR enzyme by fosmidomycin has proved to be efficient in the treatment of uncomplicated malaria in recent clinical trials conducted in Gabon and Thailand. Our crystal structure analyses of PfDXR/inhibitor complexes revealed the molecular basis of fosmidomycin's action in P. falciparum. We expect that the structure-function relationship studies on Plasmodium proteins are useful for developing the more effective antimalarial compounds.
著者
堀切 豊 日吉 俊紀 川平 和美 田中 信行 渡邊 智 藤原 敏雄 川崎 義巳
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.95-100, 1998 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15

Phthalides and ligustilide in Senkyu extract and limonene and fravonoids in Chimpi extract have been reported to have strong vasodilation effects.In the present study the circulatory effects of Senkyu and Chimpi extract (crude drug extract) were studied as bath agent in 40.0°C bath water (Senkyu ext. 224mg and Chimpi ext. 272mg/2001). Thirteen healthy men (36.2±5.8 years old) took a bath at 40.0°C for 10 min with and without (only with flavor and dye) crude drug extract and the circulatory effects were followed for 30 min after bathing.Heart rate and cardiac output were increased equally by 10 min bathing either with or without crude drug extract. Although systolic blood pressure was slightly increased during bathing, diastolic blood pressure and total peripheral resistance were significantly decreased during and after bathing with and without crude drug extract. Forehead skin blood flow and sublingual temperature were significantly increased during bathing, and remained at higher level for 10-30 min after bathing with crude drug extract. Venous blood pO2 and pH were significantly increased and pCO2 was decreased equally with and without crude drug extract. Plasma NE was significantly increased by bathing with crude drug extract.Bath agent with Senkyu and Chimpi extract are considered favorable as bath agent to keep high skin blood flow and sublingual temperature probably due to its vasodilating effects.
著者
田中 信行
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稻田法學 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.245-273, 2017-03-30
著者
齋藤 友紀雄 五関 善成 荒井 悌子 大滝 裕香 山下 淳 田中 宏和 石山 泰三 田中 信大 山科 章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SUPPL.2, pp.S2_87-S2_91, 2011 (Released:2012-12-05)
参考文献数
7

症例は42歳, 男性. 自宅で夜間就寝中に突然うなり声を発した後, 意識消失したため, 妻が救急要請した. 娘が心肺蘇生術(CPR)の講習受講者であったため, 確認したところ, 心肺停止状態で消防庁司令室の指示により協力して, 11歳の息子が胸骨圧迫を開始した. 救急隊現着時, モニター上, 心静止であったため, 救急隊がCPRを引き継いだところ心室細動(VF)波形となった. DC 200J施行し, CPR継続したところ心拍再開した(心停止時間16分). 当院救急センター搬送後, 低体温療法開始し, 神経学的な後遺症は認めなかった. 冠動脈造影上有意狭窄なく, アセチルコリン負荷は陰性であった. ピルジカイニド負荷試験では右側胸部誘導にST変化を認めなかった. 心臓超音波検査では心機能良好で, 器質的心疾患を認めなかった. 重度睡眠時無呼吸症候群を認めたが, CPAP療法は希望しなかった. 特発性心室細動の診断で, 第21病日に植込み型除細動器(ICD)植え込み術を施行し, 以後経過良好にて退院した. 現在までのところ, ICD作動は認めていない.
著者
田中 信一郎
出版者
明治大学大学院
雑誌
政治学研究論集 (ISSN:13409158)
巻号頁・発行日
no.24, pp.153-172, 2006
著者
渡邊 芳之 瀧本 孝雄 サトウ タツヤ 田中 信市
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
pp.28.1.11, (Released:2019-06-18)

日本パーソナリティ心理学会(旧・日本性格心理学会)初代理事長で本学会名誉会員でもある詫摩武俊先生のご逝去については,パーソナリティ研究第27巻1号の訃報でお知らせしたとおりです。訃報記事で予告しましたように,本号では詫摩先生にゆかりのある3人の本学会会員から寄稿を得て追悼特集とし,会員の皆さまとともに詫摩先生を偲びたいと考えます(渡邊芳之)。
著者
勝俣 道夫 瀧川 雅浩 杉浦 丹 田中 信 古川 福実
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.803-809, 2000-12-01
参考文献数
6

脂漏性皮膚炎の治療には,従来からステロイド外用剤が広く用いられてきたが,外用抗真菌剤であるケトコナゾールクリーム(商品名;ニゾラール<SUP>&reg;</SUP>クリーム)は海外において高い評価を得ており,また国内で実施された治験においても改善率は70~80%であることが報告されている。今回我々は,顔面に病変部を有する脂漏性皮膚炎患者54例において,ケトコナゾールクリームと非ステロイド系抗炎症外用剤であるイブプロフェンピコノールクリーム(商品名:スタデルム<SUP>&reg;</SUP>クリーム)との比較検討を行った。その結果,両群の治癒率および改善率&middot;有用性は,ケトコナゾールクリーム投与群ではそれぞれ59%,93%,93%,イブプロフェンピコノールクリーム投与群ではそれぞれ8%,56%,56%であり,両群間には有意な差が認められた。ケトコナゾールクリームは,脂漏性皮膚炎に対してイブプロフェンピコノールクリームより有用性が高いと考えられた。
著者
小田 辰也 岩切 大輔 生駒 成亨 田中 信行
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.86, 2016 (Released:2016-11-22)

【はじめに】びまん性軸索損傷(diffuse axonal injulry 以下DAI)は6時間以上の意識障害に加え、画像上その原因としての頭蓋内点処病変を認めず低酸素や脳虚血によらない遷延するびまん性脳損傷を指す.一般的にDAI後の予後は不良とされる報告が多く、長期的な経過を辿る例も少なくない.今回、DAIにて予後不良が予測されたが良好な経過を辿った学童について、文献的考察を交え以下に報告する.【症例紹介】11歳男児.自宅ロフトから転落し受傷.搬送時GCSは7点(E1V2M4).24時間以上の意識消失あり.MRIにて脳梁後部・峡部・膨大部への挫傷、多発点状出血痕を確認.CTにて約4mmの正中構造偏位を確認.医師よりDAI、骨盤骨折、肝損傷と診断.同日入院の運びとなる.【経過及び所見】受傷2日目、理学療法士、言語聴覚士介入開始.受傷10日目、作業療法士介入開始.介入時GCSは11点(E4V2M5).利き手は右.常時苦悶様表情.発話は奇声のみ.口答指示・文書理解困難.身体機能面は左側良好.麻痺症状はないが右側上下肢運動無視あり.上下肢深部腱反射は亢進.バビンスキー反射は右陽性、左陰性.足クローヌスは右陽性、左陰性.高次脳機能面は紙面上検査困難.観察、保護者情報より注意機能低下、発動性低下、易疲労性、衝動行為、性格変化、興味欠損を確認.FIM45点.実用歩行困難.摂食嚥下、呼吸、排泄は良好.受傷14日目、実用歩行獲得も右側上肢運動無視継続.課題指向型の食事動作訓練導入.評価手段としてshapingを作成し段階的難易度を指定.介入時は右手での物品使用困難.易疲労性と注意転動のしやすさから、途中で席を立つ、手掴みで食べる等の行為が頻発.受傷18日目、右手の補助的使用を確認.受傷21日目、右手で道具を使用し全量摂食可.左手の補助的使用を確認.受傷24日目、MRIにて浮腫減少を確認.shaping上の課題はすべて獲得.単語レベルの発話出現.内容は他罰的で脈絡を欠くものが主.簡単な音読、文書理解可.易怒性、衝動行為は残存.受傷26日目、誘因なく言語機能、衝動行為改善.受傷前後の記憶あり.紙面上検査可.記憶、知能、遂行機能、語彙年齢良好.選択性注意、語の流暢性に問題あり.FIM109点.自宅復帰可能と判断され、受傷33日目、自宅退院の運びとなる.【考察】本症例の意識消失時間、CT所見よりGennarelliらの分類の中等度DAI.TCDBにおけるCT分類のびまん性脳損傷Ⅱと考えた.これら分類の転帰良好率は30%台と低く、予後不良と長期的経過が予測された.臨床症状・画像所見より、右側上下肢運動無視は左側皮質脊髄路由来の神経線維への軸索流途絶に加え、肢節運動失行・補足運動野由来の症状が考えられた.言語障害は前頭葉内側部症状を主に呈し、尚且つ聴覚理解・復唱・呼称障害から運動性失語が考えられた.上記症状遷延によりlearned non-useによる左半球退行障害併発を予測.予後不良に拍車をかける危険性が考えられた.その予測に反し、受傷26日目、誘因なく言語機能、情動面の改善を確認.その要因として浮腫軽減による軸索流改善は勿論、小児特有の脳可塑性の高さが影響したと考えられた.また、脳幹網様体からの上行性投射による大脳皮質への賦活が阻害されなかったことも、症状改善に寄与したと考えられた.上記要因と訓練によるneuro feedbackにより脳機能再構築が促進された結果、機能改善に至ったと考えた.小児中途障害例は、先天障害例と比較し障害部位が多彩な為、体系化された対処手段が構築されていないのが現状である.今後、DAI後の転帰不良因子の比較検討を行い、予後予測の判定等に役立てられるようにしていきたい.【倫理的配慮,説明と同意】報告にあたり、当院の倫理委員会の承認(承認番号16-003)及び、対象者、家族の同意を得た.
著者
田中 信之
出版者
富山大学国際機構
雑誌
富山大学国際機構紀要 = Journal of the Organization for International Education and Exchange, University of Toyama (ISSN:2434642X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-11, 2018-12

本研究では初級文法クラスにおける授業引継ぎの授業記録の分析により,教師が共有しようとする中身を明らかにした。テキストマイニングにより授業記録を分析した結果,「授業の様子」では日本語学習や体調や態度について,どのような学生が多かったかを記述していた。また,文型や会話の練習に関する記述があり,そこには教師の振り返りも見られた。「学生の様子」では,理解と形の頻度が高かった。理解は文法や文型と共起し,形は活用形として使用される場合や,変換や間違えるなどの語と共起していた。これには文法積み上げ型の授業の実施が背景にあると考えられる。授業記録と講師ミーティング議事録と比較した結果,語の一致率が低く,両者は異なる役割があることが確認された。その一方で,どちらにも教師の内省があまり見られなかった。今後,授業引継ぎや講師ミーティングは教師が振り返り,それを教師間で共有していく場としていく必要がある。
著者
引地 宏 田中 信行
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.88, no.11, pp.1154-1157, 1967-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
15

滴下水銀電極におけるヘキサアンミンクロム (III) イオンの一電子還元波は, マンガン (II) イオンおよびマンガン (II) -オキシエチルエチレンジアミン三酢酸 (HEDTAと略記) 錯体が存在するとき, 2段に分裂する。これはつぎのような電極反応[Cr (NH3) 6]3++e→Cr2+aq+6NH3MnX-+jH+⇔Mn2+aq+HjX (3-j)-Cr2+aq+HjX(3-J)-〓+jH+(j=0, 1)CrX-→CrX+eに基づくものであるが, その第1波の限界電流値は適当な条件では, クロム (II) イオンとHEDTAとの錯形成反応の速度に依存する。水銀滴1滴間の電流-時間曲線を測定し, その結果を解析することにより, 25℃, μ=1, ρH4. 1~5. 1における正反応の速度定数 k+X, k+HXとして, k+X=5.7x 1010 and k+HX=1. 2×105l・mol-1・sec-1の値を得た。
著者
田中 信壽 高木 英行
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.301-311, 2006-06-30 (Released:2017-02-01)
参考文献数
23

We propose a design method of virtual reality (VR) environment for maximizing VR presence and minimizing VR sickness by controlling angular velocity and visual angle and evaluate this method. The system that materializes the proposed design method has two neural networks. One neural network (NN) learns user's VR sickness characteristics. Another NN learns user's VR presence characteristics. The optimum condition for user is calculated by combining these two NNs. First, we analyze the overall tendency and the individual variation about the VR sickness and presence characteristic of subjects. As a result, it was confirmed that these two characteristics are in the trade-off relationship and that the individual variation is large. Next, we evaluate the effectiveness of our proposed design method. This method had a potential to design VR environment that realize low VR sickness and high VR presence taking account of the difference of user's characteristics. Especially, this method worked effectively for subjects who develop heavy symptom of VR sickness.
著者
味澤 幸義 赤羽 健司 赤羽 増夫 佐藤 和明 玉井 哲郎 斉藤 勝 田中 信之 鎌田 晃爾 小林 通洋
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.116, no.9, pp.735-747, 1996-09-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

A number of benzimidazole derivatives were synthesized and tested for cholecystokinin A (CCK-A) receptor inhibitory activity in order to study structure-activity relationships. Significant CCK-A receptor inhibitory activities were found in the compounds having carboxyl or tetrazolyl group. As the most preferred compound, 4-(5, 6-dichlorobenzimidazol-2-yl)-N-(3-methoxypropyl)-N-pentylglutaramic acid (4g) was selected.
著者
田中 信三 窪田 清己 田辺 正博
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.287-292, 1984-08-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
9

Living canine larynx was blown through the trachea with both arytenoid cartilages fixed in the median position. The sound pressure level and fundamental frequency of the voice were measured under various flow rates and subglottal pressures, with and without electric stimulation of the thyroarytenoid muscles. From this experiment, the role of the thyroarytenoid muscles in voice regulation was found to be as follows:1) When the glottis is sufficiently closed, contraction of the thyroarytenoid muscles does not affect the relationship between aerodynamic power (flow rate times pressure) and the sound pressure level, in spite of increased glottal resistance (pressure divided by flow rate).2) When the glottis is sufficiently closed, contraction of the thyroarytenoid muscles decreases the fundamental frequency in relatively large aerodynamic powers.
著者
上松 幸三郎 渕上 徹郎 津守 伸浩 田中 信次 森本 典夫
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.557-560, 2012-09-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
4

我々は高度肥満が原因で腰椎硬膜外脂肪腫症を発症したと考えられる1例を経験したので報告する.症例は71歳女性,身長150cm体重91kg BMI 40.4 肥満4度 糖尿病以外の合併症はなくステロイド投与歴はなかった.2カ月前から腰痛,両下肢の痺れ,間欠性跛行をきたし当院初診.MRIにてL4/5椎間にて硬膜外脂肪の増生による著明な硬膜管の狭小化を認めた.脊髄造影でも同様の所見であったため硬膜外脂肪腫症と診断し脊椎除圧手術を施行した結果,術後症状は軽快した.脊椎硬膜外脂肪腫症は外因性ステロイド長期投与や肥満に伴い脊柱管内に増生した脂肪組織により硬膜管が圧迫されることにより発症するとされる比較的稀な疾患である.日本人は欧米に比べれば高度肥満者の割合が少ないため肥満のみが原因で神経症状を有する硬膜外脂肪腫症を発症するのは比較的稀である.