著者
堀 龍介 安里 亮 田中 信子 嘉田 真平 平塚 康之 金子 賢一 児嶋 久剛 赤水 尚史 伊藤 壽一
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.95, no.8, pp.825-829, 2002-08-01
被引用文献数
8 9

Congenital piriform sinus fistula, which is usually unilateral, is recognized as a cause of acute suppurative thyroiditis. We have encountered a rare case of bilateral piriform sinus fistulae. The patient, a 53-year-old female, was referred to our hospital because of right neck swelling, which improved after conservative treat. Three months later, an abscess of the left thyroid lobe was presented and was improved after incision and drainage. The diagnosis of bilateral piriform sinus fistulae was made by hypopharyngeal enhancement radiography. Total fistulectomies were performed. There was no recurrence observed six months after surgery.
著者
田中 信之
出版者
金沢大学人間社会環境研究科 / 金沢大学
雑誌
金沢大学人間社会環境研究科博士論文 199p.
巻号頁・発行日
2011-09

The purpose of essay writing guidance in Japanese language education is not only to improve the student’s ability in essay writing but to also enhance the student’s autonomy, or sense of self-responsibility when writing. Students carried out the peer response activity, were then surveyed and after analysing their responses, improvements were made to the peer response activity. In addition, the effectiveness of using peer response in feedback activities and whether the use of peer response leads to improvement in the student’s autonomy was reviewed. This study, based on the analysis of these 2 aspects, examined the significance of peer response in Japanese language education. After exploring the effectiveness of peer response, it was evident that peer response played a large influence in how students revised the organization and content of their essays. In order to carry out peer response activities effectively, it is implied that the method and content of instruction needs to be considered carefully. Furthermore, it was clear that students were able to judge the relevance of peer feedback and there were indications that this activity contributed to how students revised their work from peer response. It was understood that students adapted to peer response from analyzing their reflective writings after carrying out the peer response activities. Students who were teacher dependent can adapt to collaborative learning, which leads to autonomous learners. This is a result of the effectiveness of peer response improving autonomy. Based on this study, it became clear the effectiveness feedback has on peer response and at the same time, the possibilities as an activity to cultivate an autonomous writer. 本研究は、日本語教育におけるピア・レスポンス(peer response)を有効性と自律性の観点から考察したものである。 日本語教育における作文指導の目的は、学習者の作文能力を向上させることだけではなく、文章執筆における学習者の自律性を高めることにある。しかしながら、従来の作文指導の中心である、文法・語彙等を直接訂正する教師添削では、学習者を教師に依存させてしまうおそれがあり、学習者の自律という目的とは相反する結果となることがある。このような状況において、本研究では、学習者同士が協働的に推敲活動を行うピア・レスポンスを取り上げ、検討した。 ピア・レスポンスは、多様な仲間からのフィードバックが受けられることや、それらのフィードバックを通して、批判的思考が身に付くことなどの利点がある一方、東アジア系学習者はピア・レスポンス活動に適応しにくいという指摘もある。そのため、本研究では、ビリーフ調査を行い、その調査結果をもとに実践を改善することを目指した。そのうえで、本研究では、(1)ピア・レスポンスがフィードバック活動として有効か、(2)ピア・レスポンス導入により、学習者の自律性にどのような影響を及ぼすのかを検討した。本研究の目的は、これらの二つの研究課題の分析によって、日本語教育におけるピア・レスポンスの意義を考察することである。 本研究は、大きく分けて、ピア・レスポンスの改善を目的とする研究(第2章)と、研究課題を実証する研究(第3章および第4章)という二つの部分で構成されている。 第2章は、ピア・レスポンスに対するビリーフを調査することにより、実践の改善を行うことを目的とした。 第1節ではアンケートによるビリーフ調査を行った結果、先行研究ではピア・レスポンスについて否定的な結果が見られたが、本節ではむしろ学習者の積極的な意識が見られた。しかしながら、仲間に作文を読まれたくないという活動に消極的な意識が見られたこと、クラスの仲間の作文を訂正することに否定的な意識も見られたことから、ピア・レスポンスの実施方法を十分に検討する必要があることが明らかとなった。 第2節では、第1節の結果をもとに、記述ピア・レスポンスを取り入れた作文授業を行い、ピア・レスポンスに対し、どのようなビリーフを持つか調査した。その結果、コメントを書くこと、仲間のコメントの効果には否定的なビリーフが見られた。しかし、これらはすべての学習者に共通するものでなく、仲間の作文を読むこと、仲間に作文を読まれることには肯定的なビリーフが見られた。これらのことから、東アジア系学習者(本節では中国人学習者)は必ずしもピア・レスポンスに否定的だとは言えないことが明らかとなった。 以上の結果に基づき、改善策として、(1)話し合いの方法を取り入れること、(2)導入法の充実を図ること、(3)教師の介入を多くすることの3点を提案した。 第3節では、前節の改善案を受け、口頭ピア・レスポンスを実践し、ビリーフ調査をもとに話し合いの問題点を考察した。その結果、学習者は記述コメントより、仲間と話し合う方法のほうを好む傾向があることがわかった。しかし一方で、(1)教師への依存度の高さ(自律性の低さ)、(2)個性の差異、(3)日本語能力の制限、により活動に適応できないということが明らかとなった。 話し合いについては、「基本的には日本語で話し、うまく表現できないときは母語で話したい」と考えている学習者が多かったにもかかわらず、実際の話し合いでは母語を多用している学習者が多く見られた。以上のことから、母語利用を検討する必要があるが、まずは学習者のできるだけ日本語で話したいという意識を活動に生かすべきだという提案をした。 第4節では、前節で課題となった話し合いにおける母語利用について検討した。ピア・レスポンスにおける話し合いの言語、および、それと深く関わるグループ編成について、実践を行い、ビリーフ調査をもとに改善を行った。 前期授業では教師がグループ編成をし、日本語で話し合いを行った。授業後の調査の結果、①母語で話し合いたい②グループに不満がある等の意見があった。そこで、後期授業では話し合いの言語を特定せず、グループ編成も自由にした。後期授業の後、調査した結果、前期授業の問題点は解決できたが、新たな問題が出てきた。①日本語で話し合いたい学習者がその機会を失った、②活動に集中しなくなった、等である。今後は以下のように実践を改善し、実施することを提案した。(1)話し合いの言語については、日本語と母語のどちらがいいということではなく、なぜ教師の指示する言語を用いるのかを学習者に明確に説明する必要があること、(2)グループ編成は教師が行うが、一部に自由な編成を取り入れること、の2点である。 第2章には残された課題が二つある。一つ目は、教師依存の学習者に対する活動改善である。二つ目の課題はグループの人間関係作りである。前者については第4章で考察した。後者については、作文の完成まで仲間とのかかわりを増やすこと、作文の目標を共有化すること、グループの存続期間を見直すことを提案した。 第3章では、ピア・レスポンスの有効性を検証した(研究課題1)。 第1節では、作文プロダクトの観点からピア・レスポンスの効果を検証した。先行研究では、ピア・レスポンスは作文の内容や構成の評点を向上させるという結果がある一方で、ピア・レスポンス後の推敲は表面的な推敲の割合が非常に高いという矛盾した結果が見られた。そこで、先行研究における分析方法の問題点を整理したうえで、次の2点を提案した。(1)ピア・レスポンス後の推敲において、作文評価が向上するかどうかを調べるため、第一作文と推敲作文を比較すること、(2)ピア・レスポンス後の推敲作文の変化についてアイデア・ユニットを用いた分析を行うこと、である。 このような分析方法を用い、ピア・レスポンスの有効性を分析した結果、ピア・レスポンス後の推敲により、作文評価、特に内容の評点が向上する傾向が示された。 しかし、第1節には、第一作文と推敲作文の比較方法や、推敲ソースを分析していないことなど、課題が残った。さらに、フィードバックに関する教示(instruction)も再検討する必要があることを指摘した。この二つの課題については第3節で分析した。 第2節では、フィードバックの教示の観点から、どのように推敲を指導したらよいかを考察した。 推敲に関する講義が推敲結果にどのような効果を及ぼすのか調査した。二つの条件(講義を受ける群、講義を受けない群)を設定し、作文を推敲させた。講義では作文の内容・構成の推敲を促すために、推敲基準を示した。講義の効果を調べるために、推敲前と推敲後の作文を量的、質的、誤用率、および作文評価の面から分析した結果、本節における講義は、作文の質的変化を大きくさせたが、作文評価は向上させなかった。すなわち、講義の効果は認められるが、講義内容および方法は再検討する必要があると言える。このような結果から、第3節では、推敲基準を示すだけではなく、学習項目をもとにした講義を検討し、ピア・レスポンスを実践した。 第3節では、第1節および第2節の結果を踏まえ、ピア・レスポンスを実施した。第1節で述べた分析方法、(1)ピア・レスポンス後の推敲において、作文評価が向上するかどうかを調べるため、第一作文と推敲作文を比較すること、(2)ピア・レスポンス後の推敲作文の変化についてアイデア・ユニットを用いた分析を行うこと、に加え、(3)推敲におけるピア・レスポンスの影響を明らかにするため、推敲の際のソースをポスト・インタビューにより特定すること、を提案した。 本節におけるフィードバックの教示は、学習項目(論理性、文章構成など)に基づき、作文の内容・構成のみについてフィードバックを行わせるものであった。ただ内容・構成に関する推敲基準を示すのではなく、授業において学習した知識をもとにして、推敲するように促した。 ピア・レスポンスの実施後、上述した三つの方法によって分析した結果、以下の二つの効果が確認できた。(1)ピア・レスポンスは推敲全体の約7割に影響していた。また、文章の意味内容に影響を及ぼす推敲のうち、約9割がピア・レスポンスによるものであった。(2)第一作文に比べ、第二作文の評点は、作文の「構成」では有意に向上し、「内容」では向上する傾向が見られた。 これらのことから、ピア・レスポンスが作文の内容・構成の推敲に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。また、ピア・レスポンスを効果的に行うためには、単にフィードバックの焦点を絞った教示をするだけではなく、講義やフィードバックの練習等と有機的に結びついた教示を行う必要があることが示唆された。 第4節では、フィードバックの教示と推敲の二つの観点から、学習者作文に対する学習者のフィードバック(ピア・フィードバック)を分析した。内容・構成に関するフィードバックのみを行うように教示し、ピア・レスポンスを実施した後、ピア・フィードバックを分析した。その結果、(1)フィードバックに関する教示がピア・フィードバックの対象や妥当性に強く影響していること、(2)書き手である学習者はピア・フィードバックの妥当性を判断し、採用するため、推敲成功率が高いことがわかった。 ピア・フィードバックは教師フィードバックのように完全なものではない。だが、ピア・フィードバックの不完全さを補うものとして、学習者にはピア・フィードバックの妥当性を判断する能力があることが明らかとなった。 第4章では、ピア・レスポンス導入による自律性への影響を調べた(研究課題2)。第1章および第2章では、学習者の教師依存度の高さがピア・レスポンス実施の障害になっていることを指摘した。そこで、このように教師依存度の高い学習者のためにデザインされたピア・レスポンスを実施することにより、日本語学習者がピア・レスポンスに適応するかを分析した。第2章で述べたように、教師依存的な学習者ほど協働学習に適応できないことから、協働学習に適応していくことが学習者の自律につながると考えられる。本章では、学習者のピア・レスポンスへの適応の分析を通して、ピア・レスポンスが自律的な書き手を育成する活動となり得るのかを検討した。 テキストマイニングを用い、学習者の内省文を分析した結果、活動第1回目後の内省文に比べ、活動第3回目後の内省文では活動の熟達化が見られること、学習者が作文能力の向上を実感していることなど、ピア・レスポンスに適応していることが窺えた。このことから、自律的な書き手を育成する活動としてのピア・レスポンスの可能性を示すことができた。 ただし、一部の学習者には仲間に依存する意識や潜在的な教師主導の学習観があり、ピア・レスポンスに適応できないケースが見られた。 本研究の成果は三つ挙げられる。第一の成果は、ビリーフ調査によるピア・レスポンス改善の可能性を示したことである。第二の成果は、ピア・レスポンスの有効性を示したことである。これには二つの要因が挙げられる。一つは、ピア・レスポンス分析方法を再検討したことで、もう一つはフィードバックに関する教示内容および方法を改善したことである。第三の成果は、協働学習と自律性との関連性を指摘し、自律的な書き手を育成する活動としてのピア・レスポンスの可能性を示したことである。 本研究ではピア・レスポンスが作文の内容・構成の推敲に大きな影響を及ぼしていることを明らかとしたが、ピア・レスポンスが学習者の推敲能力の向上に貢献したか否かは明らかにしていない。本研究におけるピア・レスポンスの有効性の検証は、作文指導による学習者の作文能力向上のための基礎的研究であり、今後はピア・レスポンスを継続することによって、学習者の推敲能力が向上するかを分析する必要がある。また、第4章において、一部の学習者にピア・レスポンスに適応できない学習者が見られたが、今後も実践の改善を図っていく必要がある。 金沢大学博士学位論文 田中信之, Theisis of Nobuyuki TANAKA
著者
田中 信吾 山浦 隆博 菅沢 延彦 谷澤 佳道 山口 健作 渋谷 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.39, pp.53-58, 2010-05-13

昨今,映像のハイビジョン化などによる高画質化・高解像度化により,ネットワーク上を流れる映像・音声などのリッチコンテンツのデータ量が増加している.ネットワークにおける通信プロトコルには主にTCP/IPが使われているが,現在その処理はCPUによって行われているため,特に組み込み機器の分野ではCPUの動作周波数や消費電力の増大が問題となってきた.そこで我々は,専用ハードウェア(専用回路)を用いたTCP/IPオフロードエンジンNPEngine^<TM>を開発し,従来の組み込みCPUに比べて動作周波数あたりで80倍,消費電力あたりで22〜28倍の伝送レートを実現した.本稿では,NPEngine^<TM>で用いられている提案方式(ハイブリッド構成,ダイレクト転送,パイプライン処理)を中心にNPEngine^<TM>の構成と特長,及び,その性能評価結果について述べる.
著者
ハ木橋 勉 松井 哲哉 中谷 友樹 垰田 宏 田中 信行
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.85-94, 2003-08-25
被引用文献数
8

1.ブナ林とミズナラ林の分布の気候条件の関係を定量的に明らかにするために,日本全国の植生と気候値の3次(約1k?)メッシュデータを用いて分類樹による統計解析を行った。2.気候値には,それぞれの分布域の温度(暖かさの指数と最寒月最低気温)と降水量(暖候期降水量と寒候期降水量)を用いた。3.その結果,上記の気候値によってブナ林とミズナラ林の分布が約9割の確立で分類された。4.ブナ林は多雪地域に多く,最寒月最低気温が-12.45℃未満の冬の寒さの強い地域,暖候期降水量760.5mm未満の成長期の降水量の少ない地域,暖かさの指数73.95以上または,寒候期降水量が441.5mm未満n積雪が少ないと考えられる地域で分布が制限されていると考えられた。5.分類のための気候要因は,地域によって異なっており,従来から指摘されていた低温にかかわる要因,夏季の湿潤さ,積雪の寡多がかかわっていることを裏付けた。全国的には,これらが複合的に作用して分布が決定していることが明らかになった。
著者
藤井 良知 阿部 敏明 田島 剛 寺嶋 周 目黒 英典 森 淳夫 佐藤 肇 新納 憲司 砂川 慶介 横田 隆夫 秋田 博伸 岩田 敏 佐藤 吉壮 豊永 義清 石原 俊秀 佐野 友昭 中村 弘典 岩井 直一 中村 はるひ 宮津 光伸 渡辺 祐美 久野 邦義 神谷 齊 北村 賢司 庵原 俊昭 桜井 實 東 英一 伊藤 正寛 三河 春樹 久保田 優 百井 亨 細井 進 中戸 秀和 西村 忠史 杉田 久美子 青木 繁幸 高木 道生 小林 陽之助 東野 博彦 木野 稔 小林 裕 春田 恒和 黒木 茂一 大倉 完悦 岡田 隆滋 古川 正強 黒田 泰弘 武田 英二 伊藤 道徳 松田 博 石川 純一 貴田 嘉一 村瀬 光春 倉繁 隆信 森田 秀雄 森澤 豊 浜田 文彦 辻 芳郎 横尾 哲也 林 克敏 冨増 邦夫 木戸 利彦 上原 豊 森 淳子 森 剛一 内田 哲也 大塚 祐一 本廣 孝 半田 祥一 山田 秀二 沖 眞一郎 吉永 陽一郎 荒巻 雅史 織田 慶子 阪田 保隆 加藤 裕久 山下 文雄 今井 昌一 鈴木 和重 岡林 小由理 金子 真也 市川 光太郎 曽田 浩子 清水 透子 長田 陽一 木葉 万里江 石橋 紳作 高橋 耕一 杉山 安見児 三宅 巧 荒木 久昭 垣迫 三夫 前野 泰樹 下飛田 毅 高岸 智也 松隈 義則 平田 知滋 田中 信夫 永山 清高 安岡 盟 林 真夫 天本 正乃 津村 直幹 小野 栄一郎 神薗 慎太郎 中嶋 英輔 永光 信一郎 野正 貴予 松尾 勇作 樋口 恵美 長井 健祐 末吉 圭子 橋本 信男 弓削 健 久保田 薫 川上 晃 渡辺 順子 藤澤 卓爾 西山 亨 岩永 理香子 牛島 高介 山川 良一 山村 純一 富永 薫 臺 俊一 安藤 寛 久田 直樹 藤本 保 元山 浩貴 丸岡 隆之 伊達 是志 杉村 徹 西依 淳 朝木野 由紀 山田 克彦 是松 聖悟 早川 広史 佐々木 宏和 木村 光一 山田 孝
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.921-941, 1995-07-01
被引用文献数
19
著者
田中 信男 池上 亨
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

高速型、および、高理論段数型、モノリスシリカキャピラリーカラムの開発、高性能化を行った。シリカキャピラリー管内でテトラメトキシシランとメチルトリメトキシシランを原料とするシリカモノリスの調製において、シリカ量、ならびに、1-2μmのマクロ細孔と約10nmのメソ細孔の大きさを制御することにより、溶媒のカラム通過時間10sで10000理論段、5000sで1000000理論段の発現を可能とし、超高性能分離を実現した。
著者
田中 信雄 辻田 純三 堀 清記 千賀 康利 大槻 寅之助
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.47-55, 1979-03-01

1)男子大学生の1年生一般学生126名,3年生の一般学生178名および運動選手114名について身体計測を行って,次のような結果を得た。2)3年生の一般学生は1年生の一般学生と比較すると身長はわずかに高く,体重,胸囲,腹囲,上腕囲,大腿囲の平均値もわずかに大きく,皮下脂肪および体脂肪含有量は著しく増加していた。3)3年生の運動選手は一般学生と比較して,身長,体重,胸囲,腹囲,上腕囲,大腿囲の平均値ははるかに大きく,比胸囲およびローレル指数も有意に大きかった。皮下脂肪および体脂肪含有量については同学年一般学生より著しく少なく,1年生の一般学生とほとんど変わっていない。運動選手の身体的特徴は運動鍛練によって加令による体脂肪の増加傾向が抑えられ,秀れた呼吸循環機能をもつに至ったことに対する身体的な変化をよく現わしている。4)身長および体重の統計より身長(Hcm)に対する体重(Wkg)の過不足を評価するために,身長より予知される標準体重直線をそのグループの個人の測定値が不明であっても,身長の平均値(H^^-),体重の平均値(W^^-),およびそれらの標準偏差σH,σWから W=3W^^-/H^^-H-2W^^- 又は W=(σW)/(σH)H-(σW)/(σH)・H^^-+W^^- を用いる方がBrocaの標準体重を基準とするより秀れていることを示した。5)縦軸に体重と体脂肪含有量,横軸に身長の3年生の一般学生を基準とした標準測度で表わした図で運動選手と一般学生の体構成と体型を比較した。
著者
山本 雅 渡邊 俊樹 吉田 光昭 平井 久丸 本間 好 中地 敬 永渕 昭良 土屋 永寿 田中 信之 立松 正衛 高田 賢蔵 澁谷 均 斉藤 泉 内山 卓 今井 浩三 井上 純一郎 伊藤 彬 正井 久雄 村上 洋太 西村 善文 畠山 昌則 永田 宏次 中畑 龍俊 千田 和広 永井 義之 森本 幾夫 達家 雅明 仙波 憲太郎 菅村 和夫 渋谷 正史 佐々木 卓也 川畑 正博 垣塚 彰 石崎 寛治 秋山 徹 矢守 隆夫 吉田 純 浜田 洋文 成宮 周 中村 祐輔 月田 承一郎 谷口 維紹 竹縄 忠臣 曽根 三郎 伊藤 嘉明 浅野 茂隆
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

近年、がん遺伝子、がん抑制遺伝子の研究が進み、がんを遺伝子ならびにその産物の機能に基づいて理解することが可能になった。それと共に、細胞増殖のためのシグナル伝達機構、細胞周期制御の機構、そして細胞死の分子機構の解明が進んだ。また細胞間相互作用の細胞社会学的研究や細胞表面蛋白質の分子生物学的研究に基づく、がん転移の機構についての知見が集積してきた。一方で、がん関連遺伝子の探索を包含するゲノムプロジェクトの急展開が見られている。また、ウイルス発がんに関してもEBウイルスとヒトがん発症の関連で新しい進展が見られた。このようながんの基礎研究が進んでいる中、遺伝子治療のためのベクター開発や、細胞増殖制御機構に関する知見に基づいた、がんの新しい診断法や治療法の開発が急速に推し進められている。さらには、論理的ながんの予防法を確立するための分子疫学的研究が注目されている。このような、基礎研究の急激な進展、基礎から臨床研究に向けた情報の発信とそれを受けた臨床応用への試みが期待されている状況で、本国際学術研究では、これらの課題についての研究が先進的に進んでいる米国を中心とした北米大陸に、我が国の第一線の研究者を派遣し、研究室訪問や学会発表による、情報交換、情報収集、共同研究を促進させた。一つには、がん遺伝子産物の機能解析とシグナル伝達・転写調節、がん抑制遺伝子産物と細胞周期調節、細胞死、化学発がんの分子機構、ウイルス発がん、細胞接着とがん転移、genetic instability等の基礎研究分野のうち、急速な展開を見せている研究領域で交流をはかった。また一方で、治療診断のためには、遺伝子治療やがん遺伝子・がん抑制遺伝子産物の分子構造に基づく抗がん剤の設計を重点課題としながら、抗がん剤のスクリーニングや放射線治療、免疫療法に関しても研究者を派遣した。さらにがん予防に向けた分子疫学の領域でも交流を図った。そのために、平成6年度は米国・カナダに17名、平成7年度は米国に19名、平成8年度は米国に15名を派遣し、有効に情報交換を行った。その中からは、共同研究へと進んだ交流もあり、成果をあげつつある。本学術研究では、文部省科学研究費がん重点研究の総括班からの助言を得ながら、がん研究の基盤を形成する上述のような広範ながん研究を網羅しつつも、いくつかの重点課題を設定した。その一つは、いわゆるがん生物の領域に相当する基礎生物学に近いもので、がん細胞の増殖や細胞間相互作用等の分子機構の急激な展開を見せる研究課題である。二つ目の課題は、物理化学の分野との共同して進められる課題で、シグナル伝達分子や細胞周期制御因子の作用機構・高次構造に基づいて、論理的に新規抗がん剤を設計する試みである。この課題では、がん治療薬開発を目的とした蛋白質のNMR解析、X線結晶構造解析を推進する構造生物学者が分担者に加わった。三つ目は、極めて注目度の高い遺伝子治療法開発に関する研究課題である。レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクターの開発に関わる基礎側研究者、臨床医師、免疫学者が参画した。我が国のがん研究のレベルは近年飛躍的に向上し、世界をリ-ドする立場になってきていると言えよう。しかしながら、上記研究課題を効率良く遂行するためには、今後もがん研究を旺盛に進めている米国等の研究者と交流を深める必要がある。また、ゲノムプロジェクトや発生工学的手法による、がん関連遺伝子研究の進展によって生じる新しい課題をも的確に把握し研究を進める必要があり、そのためにも本国際学術研究が重要な役割を果たしていくと考えられる。
著者
勝木 俊雄 明石 浩司 田中 智 岩本 宏二郎 田中 信行
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.25-34, 2008-06-25
被引用文献数
1

マツ科トウヒ属の樹木であるヤツガタケトウヒとヒメバラモミは本州中部にのみ分布し,個体数が少ないことから絶滅危惧植物としてリストされている。保全対策をおこなうためには,現在の詳細な分布状況を把握するとともに,分布適地を判定することが重要である。現地踏査によって2種の分布域を3次メッシュセル単位(緯度30"×経度45")で特定したところ,ヤツガタケトウヒ52セル,ヒメバラモミ74セルに出現が確認された。2種の出現セルの中部地域における気候特性を分析した結果,年平均気温が低く(ヤツガタケトウヒ出現セルの平均値5.8℃;ヒメバラモミ出現セルの平均値5.9℃以下同様),年降水量が少なく(ヤツガタケトウヒ1,635mm;ヒメバラモミ1,676mm),最深積雪が少なかった(ヤツガタケトウヒ33cm;ヒメバラモミ33cm)。各月の平均気温と降水量・最深積雪の上限値と下限値を用い,全国の3次メッシュセルに対し適合性を判別した結果,ヤツガタケトウヒで376セル,ヒメバラモミで351セルが気候適合セルとして抽出された。表層地質と2種の出現率の関係について分析した結果,最も高く出現した区分は石灰岩であり,ヤツガタケトウヒの出現率は47%,ヒメバラモミは80%であり,強い関係があることが示された。これらの結果から,南アルプス北西部の石灰岩地(ヤツガタケトウヒで33セル,ヒメバラモミで34セル)において,今後も2種の存続する可能性がもっとも高いと考えられた。
著者
田中 信行
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
アジア經濟旬報
巻号頁・発行日
no.1183, pp.1-2, 1981-04-01