著者
長谷川 丈 杉山 大介 熊坂 美紀子 菱沼 美和子 松尾 公美子 井出 壮一郎 田中 聡 鬼頭 剛
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.144-149, 2008-04-25
参考文献数
10
被引用文献数
7

「電流知覚閾値(患者が感じる最小電気刺激量)」と「痛み対応電流値(痛みと等価の電流量)」から「痛み度」を数値化する知覚・痛覚定量分析装置ペインビジョン<sup>TM</sup>が開発された.疼痛治療の評価におけるペインビジョンの有用性を,治療により疼痛が軽減した16症例(疼痛低下群)と疼痛が軽減しなかった9症例(疼痛不変群)の合計25症例で,視覚的アナログ疼痛スケール(VAS)で評価した痛みの程度(VAS値)との関係から検討した.疼痛低下群では,治療後にVAS値,痛み対応電流値,痛み度は有意に低下し,電流知覚閾値は有意に上昇した.疼痛不変群では,VAS値,痛み対応電流値,痛み度は有意に変化せず,電流知覚閾値は有意に低下した.VAS値と最も強い相関を示したのは痛み度であった.以上より,疼痛の治療前後にペインビジョンで評価することで,痛みという主観的な感覚の変化を,痛み度という数値の変化として表現できることが示された.
著者
田中 優大 阿部 大輔
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.97-100, 2019 (Released:2019-07-22)
参考文献数
15

1960年代、京都市では高度経済成長による都市問題の解決や行政運営の効率化に向け、総合計画の作成を試みた。本研究は、その総合計画の試行過程における都市像の変遷と経緯を整理・概観し、1960年代の京都市における都市計画の思想の一端を明らかにすることを目的とする。京都市では、1960年代に三度総合計画の作成が試みたが、各総合計画で構想された都市像は、動態著しい社会構造の変化や市政の変化を受け、形を変えた。その過程では、大規模な事業を行い、都市構造を根本から転換させようとする壮大な都市像も構想された。当時構想された都市像は、その後の京都市における都市像に大きく影響を与えている。
著者
田中 薫 大沢 貫寿 本田 博 山本 出
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.75-82, 1981-02-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
20
被引用文献数
38 53

エレクチンはアズキゾウムシの雄の交尾器を突出させて交尾を誘導するフェロモンであり, 単独では活性のない二つの区分の共力作用によるものである. 一つの区分は数種の炭化水素, 具体的には3-メチルペンタコサン, 11-メチルヘプタコサン, 3-メチルヘプタコサン, 11-メチルノナコサン, 13-メチルノナコサン, 11,15-ジメチルノナコサン, 9,13-ジメチルヘントリアコンタンおよび11,15-ジメチルトリトリアコンタンからなり, いま一つの区分は一種のジカルボン酸, (E)-3,7-ジメチル-2-オクテン-1,8-二酸からなる. この交尾フェロモンは雌からも雄からも得られるが, 雄にしか活性を呈しない.
著者
田中 建彦
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.51-60, 2002-03-31

アイルランドではほとんどの人がケルト語に属するゲール語を話していたが,英語を話すイングランド人によって植民地化され,この国の言語は英語にとって代わられ,アイルランド語(アイルランドで使われているゲール語をアイルランド語と呼ぶ)は次第に衰退していった.植民地支配者の言語である英語が少しずつ社会に浸透していったことに加えて,教育現場でアイルランド語の使用を禁止し,すべての教科を英語で教えることを命ずる政策が実施されたこともアイルランド語の衰退に大きな役割を演じた.19世紀に自治権を獲得したアイルランド政府は,
著者
田中 幹也 春山 和男 山田 陽 若佐 裕治 明石 卓也
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌 (ISSN:18814808)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.95-103, 2008-02-15 (Released:2008-02-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2

少子高齢化の進展に伴い高齢者の福祉現場では様々な問題が生じている。特に中小規模の高齢者福祉施設や一般家庭では介護者の人手不足が深刻で高齢者の移動を自動的に検知し通報するシステムの開発が望まれている。このためここでは中小規模の高齢者福祉施設や一般家庭でも導入可能であり,安全で,安価で,故障の少ない超音波レーダと電灯線通信を用いた移動検知通報システムを開発したので報告する。本システムは高齢者がベッドから離れようとした場合や居室から出ようとした場合にそれを検知し,管理室や別室の介護者に警報を発する移動検知通報システムである。
著者
由利 禄巳 兼田 敏克 東 泰弘 由利 拓真 田中 歩
出版者
一般社団法人 日本老年療法学会
雑誌
日本老年療法学会誌 (ISSN:2436908X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-3, 2023-08-29 (Released:2023-09-05)
参考文献数
7

本研究の目的は,地域在住高齢者の買い物能力を評価する買い物工程分析表の内容妥当性を検証することである。COSMINに基づき関連性,包括性,分かりやすさを検討した。協議者は地域在住高齢者に携わる経験10年以上の作業療法士とした。結果,買い物準備から物品収納までの4工程10項目判定基準5段階からなる観察評価尺度を作成し,内容妥当性について合意を得た。今後は信頼性や妥当性を検討する予定である。
著者
奥野 武俊 三宅 秀明 田中 紀男
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
関西造船協会誌 210 (ISSN:03899101)
巻号頁・発行日
pp.19-25, 1988-09-25 (Released:2018-04-01)

The boundary layer on the wall surface of the nozzle, the wave suppresser and the channel wall itself affects strongly to the velocity profile of the test section of a circulating water channel. The velocity near the free surface is always smaller than the uniform velocity which is normally determined by the mean value at fairly deep position. In order to obtain the uniform velocity near water surface, the rotor method, a jet-like flow generated by the rotor at the edge of the nozzle accelerates the velocity, is employed here. In this paper, it is shown that at first the two-dimensional wake theory represents the velocity defect near the free surface, and the two-dimensional jet flow theory can be used for representing the flow by the rotor itself. The uniformed velocity profile is obtained by superimposed these two prof les. The optimum rotation number of the rotor is theoretically determined as a function of the uniform velocity.
著者
田中 優子 犬塚 美輪 藤本 和則
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.509-527, 2022 (Released:2022-09-15)
参考文献数
123

Pervasive misinformation is a primary social issue in the digital age. A common method for resolving this issue is making corrections to mitigate false beliefs due to misinformation. However, the influence of misinformation is often predominant, thereby resulting in correction having a limited effect on alleviating people's false memory and reasoning. This psychological phenomenon is known as the continued influence effect of misinformation. Rapidly evolving research has accumulated into a sizable literature explaining the psychological processes that cause this effect. This article seeks to clarify the psychological processes for exploring ways to harness the negative impact of misinformation on our minds. Specifically, we review cognitive models and factors related to the continued influence effect, as well as a potential side effect of correction. Moreover, we summarize practical recommendations for interventions based on psychological characteristics. Finally, we discuss future directions in psychology and how emerging interdisciplinary research contributes to controlling the harmful impact of misinformation on our society.
著者
若林 香織 田中 祐志
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.5-12, 2012-08-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
34

Phyllosoma, a zoeal larva with extremely flat body and long appendages of spiny and slipper lobsters, is morphologically different from other decapod zoeas. In natural environments, phyllosomas often associate with planktonic gelatinous organisms such as jellyfish although its ecological implication is still unclear. Here we review the interaction between phyllosomas and gelatinous organisms. Our recent examinations showed that phyllosomas feeding exclusively on jellyfish successfully develop into juvenile, and that phyllosomas could associate with and prey on various species of venomous jellyfish. These results suggest that phyllosomas utilize gelatinous organisms as food sources as well as floating vehicles.
著者
山本 博之 田中 篤 北川 諭 鈴木 高祐 藤田 善幸 丸山 正隆
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.579-585, 2003-11-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
22
被引用文献数
2 1

症例は35歳男性. 入院10カ月前から防風通聖散を服用していた. 入院3カ月前にはじめて肝機能異常が出現. 入院6週間前に近医受診, この時点で肝機能障害は増悪していたが, 5種の薬剤を新たに投与され, 防風通聖散はそのまま服用していた. 入院1週間前から黄疸・皮膚掻痒感が出現したため当院へ入院となった. 防風通聖散, および併用薬は入院前日まで服用していた. 入院時ALT 2996IU/l, AST 7174IU/l, T. Bil 15.1mg/dl, PT 30.6%であり, 第2病日肝性昏睡2度となったため劇症肝炎急性型と診断, 血漿交換および血液濾過透析とステロイドパルス療法を開始した. この結果意識清明となり肝機能も急速に改善したが, その後黄疸が遷延し, 肝機能は薬剤中止後4カ月に正常化した. 本症例ではもともと防風通聖散による薬物性肝障害が存在し, そこへ併用薬の影響が加わって最終的に劇症化に至ったものと考えられた.
著者
管原 亮平 清水 伸泰 石丸 幹二 徳田 誠 田中 良明
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

トノサマバッタおよびサバクトビバッタ等のトビバッタフン抽出液中には、バッタの産卵を抑制する活性とバッタの卵を殺す活性が存在する。本研究では、その原因となる成分の化学構造を特定し、作用機構についても解明を試みる。まず、食草の種類が本活性に与える影響を検証することにより、植物における当該成分もしくはその前駆体の含有量について知見を得る。次に、殺卵活性は他の昆虫に対しても有効であるか否かを検証する。さらに、産卵忌避反応が野外でも起こるか検証する。最後に、フン抽出液から該当成分を分画し、化学構造の同定を行う。本研究は、新規農薬シーズとして合成農薬研究、および、害虫防除研究に資することが期待される。

15 0 0 0 OA 死生の境

著者
田中万逸 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.前篇, 1912