著者
田中 千晶 岡田 真平 高倉 実 橋本 圭司 目澤 秀俊 安藤 大輔 田中 茂穂 Anthony D Okely
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.327-333, 2020-08-01 (Released:2020-07-15)
参考文献数
24
被引用文献数
4

This study examined the relationship between meeting the World Health Organization’s (WHO) 24-Hour Movement Guidelines for the Early Years and motor skills and cognitive function in preschool children. Participants were 4-year-old boys and girls in urban and rural areas (n=69). Physical activity was measured using a triaxial accelerometer (ActiGraph GT3X). Screen time and sleep duration were assessed via self-report by guardians. Meeting the 24-h movement guidelines was defined as: 10 to 13 h/night and nap of sleep, ≤1 h/day of sedentary screen time, and at least 180 min/day more than 1.5 METs. Motor skills were evaluated by the Ages & Stages Questionnaires, Third Edition (ASQ-3). Executive functions (shifting, visual-spatial working memory and inhibition) were evaluated by the Early Years Toolbox (Japanese translation). The prevalence of children meeting all three recommendations was 7.2% and 7.2% met none of the three recommendations. Children meeting physical activity recommendation had a better inhibition score compared to children meeting none of the recommendation (p=0.005). While, children not meeting the sleep recommendation had a better inhibition score compared to children meeting of the recommendation (p=0.042). In conclusion, meeting the physical activity or sleep recommendations were positively or negatively associated with the inhibition score. On the other hand, meeting none of the sedentary behaviour and the 3 recommendations was not associated with motor skills or cognitive function.
著者
濵本 真一 兵 行義 田中 浩喜 舘 俊廣 森田 倫正 福島 久毅 原田 保
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.106, no.8, pp.693-697, 2013 (Released:2013-08-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1

Kawasaki disease (KD) is an idiopathic systemic vasculitis common in infants and children that affects predominantly small and medium-sized extraparenchymal muscular arteries. KD manifests various clinical symptoms, of which coronary aneurysms are the most important complication. However, the association of sensorineural hearing loss with KD is rare. A 7-year-old girl with KD was referred to our department with a chief complaint of hearing loss. In her hearing test, she showed a high degree of bilateral sensorineural hearing loss. Although the patient was treated with steroid pulse therapy (methylprednisolone), her hearing level deteriorated. Two weeks after steroid therapy, a slight improvement was seen. Thereafter, the patient started to use hearing aids. About one year has elapsed since the onset of hearing loss, but her hearing level has not improved.
著者
日置 佳之 須田 真一 百瀬 浩 田中 隆 松林 健一 裏戸 秀幸 中野 隆雄 宮畑 貴之 大澤 浩一
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.43-89, 2000-08-10 (Released:2018-02-09)
参考文献数
97
被引用文献数
3

東京都練馬区にある東京都立石神井公園周辺の1930〜40年代と1980〜90年代における生物相を50余点の文献から明らかにした.また,同地のランドスケープを地図と空中写真を用いて縮尺1/2,500で図化した.2つの年代間で生物相の比較を行ったところ,すべての分類群で種の多様性が顕著に低下していることが明らかになった.また,ランドスケープの変化を地理情報システムによって分析した結果,樹林地は比較的高い率で残存していたものの,草地,湿地は大きく減少し,水路などの流水域と湧水はほぼ完全に消失していた.開放水面の面積は微増し,市街地は大幅に増加していた.同地域における種多様性の変化要因を明らかにするためにギルド別の種数変化と生育(息)地の規模変化の関係を求めた結果,種数の変化は生育(息)地の規模変化に対応していることが認められた.また,ギルドによって,生育(息)地の分断化に対する抵抗性に差異が認められた.研究の結果,地域において種多様性を保全するためには,生育(息)地として機能するランドスケープ要素(生態系)の多様性を確保することが不可欠であることが示唆された.
著者
伊庭 幸人 田中 美栄子 平岡 千佳 可児 美佳子
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.914-924, 1996-08-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
田中 文憲
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
vol.38号, pp.1-22, 2010-03

リーマン・ショック後のアメリカの金融界は混乱が続いている。繁栄を極めた投資銀行の権威は地に落ち、人々は今「銀行業とは何か」という根源的な問を発するに至っている。本稿は20世紀の初めに「ピープルズ・バンク」を掲げて銀行を起こし、わずか40年で世界一の銀行を作り上げたA.P.ジアニーニの発想と行動を分析することでこの問に答えようとするものである。A.P.ジアニーニはイタリア系移民の子として生まれ、早くから農産物の仲買いで成功し、やがて銀行業に転じた。彼は庶民を相手に小口の預金と貸出しを皮切りに業容を拡大していった。やがて彼は全米への業務展開という野望を抱き、その目標に向かって邁進するが、その時拡大の手段になったのが「ブランチ・バンキング」である。しかし、「ブランチ・バンキング」に対しては、ライバルの銀行はもちろん、バンク・オブ・アメリカの巨大化・独占化を恐れた銀行監督当局も強く反発した。A.P.ジアニーニは、こうした抵抗を「政治」の力を使いながら切り抜け、第二次世界大戦が終わった時点でバンク・オブ・アメリカを世界一の銀行にした。A.P.ジアニーニの成功は彼自身の才能のなせる業であることは間違いないが、同時に彼を取り巻く環境、つまりカリフォルニアの大発展も見逃せない要因である。彼は状況の変化を先見性をもって適確に判断し、革新的な手法(たとえば割賦方式による消費者ローン)の開発や新分野(たとえば映画産業)への参入を積極果敢に行った。1990年代以降の規則緩和の流れの中でネイションズバンクとの合併によって巨大化し、さらに総合化したバンク・オブ・アメリカは、しかし、さまざまな問題を抱えるに至った。今、バンク・オブ・アメリカおよびその他の銀行に必要なことは「預金と貸出しこそ銀行業の基本である」との理念、つまりピープルズ・バンクの精神を取り戻すことである。
著者
松田 浩珍 野村 義宏 吉川 欣亮 好田 正 折戸 謙介 田中 あかね 松田 研史郎
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2016-05-31

難治性炎症性疾患において、末梢組織に存在するマスト細胞が局所病態発現に関与するが、内在する起炎性物質は多種にわたり、放出動態に動物種を含め物質特異性を有する。これら起炎性物質は血中に放出された後、遠隔部位で病態誘導する場合があり、近年マスト細胞活性化症候群という新たな概念が提唱されている。本研究では、マスト細胞の活性化と病態発現部位について、組織微小環境を背景に疾患および動物ごとの機能性物質を同定し、多種類の動物を対象とする獣医領域において未だ十分に解明されていない難治性炎症性疾患の病態解析と再定義をすることによって、病因と病勢評価につながる新たな診断法および治療薬の開発を目指す。1.マウスの皮膚をコラゲナーゼ、ヒアルロニダーゼおよびDNaseを含む酵素消化液で処理、シングルセル化した細胞懸濁液を染色して得られたKIT/FcεRI陽性分画をセルソーターにて単離し皮膚マスト細胞の単離に成功した。また、消化管寄生虫感染により腸管マスト細胞の増殖を誘導し、その単離を試みた。ソーティングによりNaphthol AS-D陽性の腸管マスト細胞を得た。これら皮膚および腸管マスト細胞に加え腹腔内マスト細胞、骨髄由来培養マスト細胞を材料としてラベルフリー定量ショットガンプロテオミクスによる網羅的なタンパク質比較解析を実施、現在その解析中である。2.transient receptor potential (TRP) A1が相対的酸素変化をセンシンシングすることを突き止めた。3.マウスのマスト細胞トリプターゼ欠損マウスの作成に成功した。4.未熟児網膜症モデルにおいて、網膜の異常血管誘導因子の同定に成功した。この研究成果はJournal of Clinical Investigationに掲載された。5.ウマ蕁麻疹症例の末梢血中において、高濃度のマスト細胞トリプターゼの測定に成功した。
著者
井上 敬介 浦山 由巳 上久木田 務 白井 俊光 白木澤 治 杉山 篤央 須藤 眞生 田中 広徳 田原 繁広 那須川 真澄 平原 茂人 堀江 匠 光吉 浩 三原 宏美 宮本 貴之 村上 大吉郎 山中 邦昭
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.5-93, 2015 (Released:2015-08-12)

This publication has been prepared to express a sound and practical view on the better manufacturing environmental control for non-sterile pharmaceutical dosage forms, which has been discussed for several years by a special working group members of Kansai Study Group (KSG) accredited as one of the committees in Parenteral Drug Association (PDA) Japan Chapter. The opinions proposed or advanced in the document are formed for the purpose of furnishing a beneficial and valuable guide with advisability to any persons or organizations concerned in establishing appropriate manufacturing control systems for quality products.   The leading topics discussed among the WG are focused on the prevention against cross-contamination and foreign matter ingress, and categorized into five subjects composed of HVAC systems, premises, gowning, cleaning, and cleanliness standards. Constructive and earnest discussion therein has been devoted to the key processes, wherein considerable amounts of powders are handled for the successful operations of weighing, granulation, mixing, and tableting. In the expectation of good usage, many of the principles and the way of thinking presented hereupon, in particular can be applied or rearranged to a wide spectrum of other manufacturing processes for various dosage forms of non-sterile drug products.
著者
長柄 美保子 田中 千代
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.165-172, 2019 (Released:2019-07-31)
参考文献数
19

新生児期に先天性心疾患と確定診断された子どもの父親の体験を明らかにすることを目的に、父親7名に半構成的面接を行い質的記述的に分析した。その結果、二つの視点が見出され、父親としての思いや姿勢には<子どもが心臓病と知った時のショックと受け入れがたい気持ち><父親としての責任感と男性であることの無力感><自分の気持ちを抑えたり病気のことは考えないようにしながら自分ひとりで取り組む>などの10カテゴリーが抽出され、家族の中での支え合いには<子どもの様子を伝えたりそばにいることで妻を支える><夫婦で支え合って子どもを育てる>などの3カテゴリーが抽出された。言葉や表情に表れにくいが、父親の心情を理解し感情表出の場を提供することの重要性が示唆され、また、家族の中での支え合いが父親の支えにもなっており、夫婦が支え合えるよう支援することも必要である。
著者
田中 浩史 イム ウンス 川田 博美 伊藤 一秀
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.225-239, 2022 (Released:2022-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

環境中にゴミとして流出した一部のプラスチック類は,海洋中で力学的・光化学的作用により崩壊・微細化し,ミリメートル(mm)からマイクロメートル(μm)スケール以下の粒子となり海洋中に蓄積することが明らかとなっており,所謂,海洋マイクロプラスチック問題として社会的関心事となっている。一方,室内には多くのマイクロプラスチックの発生源となるプラスチック類製品が多様に存在し,室内環境中でのマイクロプラスチック汚染の可能性や健康影響への懸念が完全には否定できないにも関わらず,現時点では十分な議論が行われておらず,全国規模の実態調査の実績も無い。本報を含む一連の研究は,室内環境中(空気中もしくはダスト中)に存在するマイクロプラスチックの調査法(サンプリング法),ならびに定性・定量分析法を確立した上で,全国規模の調査を行うことで室内マイクロプラスチック汚染問題の実態把握を行うことを最終目標とする。特に本報はその第一歩として,既存のハウスダストサンプリング法と海洋マイクロプラスチック成分の分析法を組み合わせることで,室内環境を対象としたマイクロプラスチック調査への適用可能性に関して基礎的な検討を行った結果を報告する。
著者
伊藤 早苗 林 望 西村 慎太郎 浅田 徹 内田 保廣 田中 大士 谷川 惠一 井黒 佳穂子
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-16, 2015-10-16

●メッセージ「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」への期待●研究ノート仁和寺旧蔵古活字版『魁本大字諸儒箋解古文真宝(後集)』について近代茨城のジャーナリスト・長久保紅堂の「発見」――連携研究「大震災後における文書資料の保全と活用に関する研究」と茨城史料ネット――「国文学論文目録データベースの、あまりよく知られていないこと●トピックス第8回日本古典文学学術賞受賞者発表第8回日本古典文学学術賞選考講評文部科学省における当館大型プロジェクトの展示第39回国際日本文学研究集会日本学術会議と公開シンポジウムを共催第1回日本語の歴史的典籍国際研究集会「可能性としての日本古典籍」総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況
著者
田中 雅一
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
雑誌
コンタクト・ゾーン (ISSN:21885974)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2013, pp.30-59, 2014-03-31

本稿の目的は、日本におけるセックスワーク(売春)の性質を、肉体労働、感情労働、官能労働の3つの労働から理解しようとするものである。資料は5人の日本人女性セックスワーカーたちへのインタビューに基づく。セックスワークは、1970年代に作られた言葉で、売春をほかの仕事(ワーク)と同じく合法的な活動(サービス産業)ととらえるべきであるという主張がこめられている。しかし、このような主張には、根強い批判が認められる。ひとつは、セックスワーカーが人身売買の犠牲者であって、セックスワークを合法化しようとするのは、その犯罪性を隠蔽することになるという主張である。二つ目は、セックスワークは若くて未熟なワーカーが喜ばれ、価値もあるという点で、熟練度が重視される通常の仕事と同じだとみなすべきではないという主張である。最後の批判は、本来私生活に属するセックスを仕事とすることで、ワーカーたちは多大な精神的被害を受けるはずであるため仕事とはいえないという批判である。本稿では、セックスワーカーたちと顧客との親密なやり取りについての語りを分析することで、これらの批判の妥当性を吟味した。日本のセックスワーカーは、1時間から2時間を単位として顧客と限られた時間を過ごす。彼女たちは、顧客の支払額を増やすためにできるだけ長くいること(延長)を顧客に求め、また収入を安定させるために繰り返し一人の女性を指名する常連を増やそうとする。顧客はワーカーが自分に好意を示し、自分との性行為によってオーガズムに達することを好む。このような顧客の要望に応じるため、ワーカーは「感情労働」を通じて好意があるかのような演技をする。オーガズムについては、あたかも女性が感じているかのようなふりをする「官能労働」が必要となる。本稿のデータから明らかなのは、どのワーカーも自分を犠牲者だとみなしていないことである(だからといって、日本のセックスワーカー全員が犠牲者ではないとはいえない)。また、素人が好まれることから、素人のようにふるまう技術を身につける。さらに、顧客の気づかないところで気を遣い、暴力を回避するための交渉を行っている。顧客の要望に応じて、感情労働や官能労働の主体として彼女たちは積極的に顧客と接しているのである。たしかに、セックスを仕事にすることで私生活に影響が出るが、これはむしろ合法化することで解決可能だと考えられる。問題があるから合法化すべきでないというのは本末転倒であろう。

13 0 0 0 OA 博物図

著者
田中芳男 編
出版者
玉井忠造等
巻号頁・発行日
vol.鳥獣之部, 1877
著者
岡本 一 川村 軍蔵 田中 淑人
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.449-454, 2001-05-15
被引用文献数
1 7

魚の摂餌行動に及ぼす背景色の影響をみることを目的とした水槽行動実験を行った。供試魚にはスズキを用い, 白, 赤, 緑, 青を背景色として擬餌5種類(白, 赤, 緑, 青および透明)を同時に投入し, 擬餌に対する魚の行動記録を水中ビデオカメラで撮影記録し, 解析した。背景が白では, 緑の擬餌に対する食付き頻度が顕著に高かった。また, 背景が赤および青では, 透明および白の擬餌に高い食付き頻度を示した。高頻度で選択される擬餌の色は背景色によって異なり, 背景色とルアー色の普遍的な組み合わせは見出せなかった。
著者
田中 聡 池田 めぐみ 池尻 良平 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.147-157, 2021-09-10 (Released:2021-09-22)
参考文献数
36

個人が自己や環境に能動的・主体的に働きかけて組織適応を図るプロアクティブ行動は,業務能力向上など職場における能力向上を促すと言われているが,そのプロセスについては明らかになっていない.そこで,本研究の目的は,若年労働者のプロアクティブ行動が職場における能力向上に与える影響を,リフレクションの媒介効果に着目して検討することであった.国内企業に勤務する20代942名(平均26.6歳, 女性46.0%)に調査を実施した.因子分析によってプロアクティブ行動がフィードバック探索行動,組織情報探索行動,ネットワーキング行動から成ることを示した上で,それらがリフレクションを媒介して能力向上に与える影響を検討した.パス解析の結果,フィードバック探索行動と組織情報探索行動がリフレクションを媒介して,職場における能力向上に正の影響を与えることが明らかになった.以上の結果から考えられる本研究の意義と今後の課題について検討を行った.