著者
張 斌 田辺 聡 加藤 恵美 佐々木 徹 樋口 勝彦 小泉 和三郎 西元寺 克禮 三富 弘之 田辺 由美
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.151-155, 2002-04-30
被引用文献数
1

症例は53歳女性。平成13年8月,検診にて異常を指摘され上部消化管内視鏡検査を施行。十二指腸第2部に山田IV型のポリープを認めたため当院紹介受診となった。上部消化管造影検査では十二指腸第2部に長い茎を有する表面は平滑な山田IV型のポリープを認めた。上部消化管内視鏡検査にても同様の所見を認め,平成13年12月5日ポリペクトミーを施行した。組織学的には十二指腸粘膜固有層から粘膜下層浅層にかけてBrunner腺の増生が見られた。また,粘膜下層を主体に成熟した異型のない脂肪細胞と小血管の増生がみられ,平滑筋線維も錯綜して走行していたが,平滑筋芽細胞は見られず,過誤腫と診断した。十二指腸の過誤腫は非常に稀であり,文献的考察を含めて報告する。
著者
赤池 正巳 奥泉 良一 田辺 好幸 小川 建 西尾 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27
被引用文献数
1

高周波能動回路の効率の改善において、アイドラのリアクティブ処理が重要である。アイドラリアクティブ処理の方法の一つとして、負荷を解放/短絡にすることがある。しかし、従来の大信号解析では、負荷のインビーダンスが有限な数値であるため、各調波ごとの負荷の解放/短絡の表現が難しかった。本報告では、ハーモニックバランス法を用いた解析において、各調波ごとの負荷の解放/短絡を、仮想的な電圧源を負荷と直列に挿入することで表現し、その効果の検討を行う。これは、文献[1]の方法を応用し、数値解を求めたものである。これらの解析の表現法をまとめたものを表1に示す。
著者
馬場 政道 草野 力 福元 俊孝 野口 靖彦 中野 静雄 森永 敏行 榎本 稔美 田辺 元 吉中 平次 愛甲 孝 島津 久明
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.1970-1976, 1989-08-01
被引用文献数
7

胸部食道癌根治手術142例を3領域郭清70例と2領域郭清72例にわけて,拡大リンパ節郭清に伴う術後合併症を検討した.3領域郭清群の咳嗽反射の出現日は平均5.8日,気管内チューブの抜管日は平均7.7日であった.反回神経麻痺は49%に,誤嚥は13%に認められた.肺炎は27%(19/70例)に認められ,19例中9例(47%)が誤嚥に続発する肺炎で,その出現は術後平均26日と遅いが,いったん発生すると重篤な肺炎に移行しやすい.総ビリルビン4mg/dl以上の86%は直接ビリルビン優位で術後5〜8日に出現し,3領域郭清群に出現頻度が高率であった.なお,3領域郭清群では郭清範囲の拡大にもかかわらず縫合不全の増加は認められなかった.
著者
田辺 浩介 高久 雅生 江草 由佳
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.1-6, 2013-01-18

本稿では,FRBR モデルに基づく書誌管理システム,特に Work/Expression の関連性の登録に着目したシステムを試作した結果について報告する.本研究では,関連管理システムを開発し,国語教科書の書誌データを収録している既存の目録システムに対して, FRBR の Work/Expression 関係に基づいた著作の関連データを付与できるようにした.This article reports on the development of a cataloging system based on FRBR model, especially focused on Work/Expression relationship. In this research, we developed an entity-relationship management system based on FRBR model, which can add Work/Expression relationships on the existing cataloging system that holds bibliographic records of Japanese language textbook.
著者
平松 亮 田辺 英紀 近藤 明悳 村尾 健一 中澤 和智 島野 裕史 安田 宗一郎 井上 洋人 柴田 真帆 高畠 望 國枝 武伸 三木 義仁 黒岩 敏彦
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.264-268, 2009 (Released:2010-03-20)
参考文献数
14

Terson's syndrome (TS) is a vitreous hemorrhage that develops in patients with subarachnoid hemorrhage (SAH) most frequently due to ruptured aneurysm. The reported incidence of TS has varied between 1.4 and 16.7%. Of 36 consecutive SAH patients that we treated, TS was diagnosed in 12 patients (33%). The reason that the incidence of TS in our patients series was much higher than previously reported was due to the use of a mydriatic agent to accurately diagnose TS and the examination of all 36 consecutive patients, including those with a high Hunt and Kosnik grade. In our study, the incidence of TS was significantly greater among patients with a higher grade of SAH according to a H & K classification, as noted in past reports (P-value=0.0047<0.05). Additionally, the incidence of TS was greater in patients with a higher SAH grade according to the classification proposed by Fisher (P-value=0.088>0.05). In this connection, we speculated that the mechanism of TS was the reflux of an abundance of blood drained into the orbital cavity via the Virchow-Robin space. Long-term retention of blood in the vitreous body may cause cell damage and delay the start of rehabilitation. Therefore, early treatment is preferable.
著者
田辺 孝二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.621-628, 2012-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

シンガポールは東南アジアに位置する小さな都市国家であるが,情報通信技術を活用し,世界最先端の情報化社会を実現し,魅力的なグローバル都市として発展している。本稿は,シンガポールの情報化先進性を国際ランキングと具体的な事例で示すとともに,シンガポール政府の情報化政策と電子政府への取り組みを紹介し,その特徴を考察する。特に情報化政策の歴史と情報化計画iN2015の目標と達成状況,また電子政府推進の経緯とiGov2015 Masterplanの狙いについて解説する。
著者
坂東 美和子 田辺 智 伊藤 章
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.505-514, 2006-07-10
被引用文献数
1 2

4ターン投法でパフォーマンスが異なる(世界のトップレベルから地方学生レベルまで)26名の成人男子ハンマー投げ選手の公式競技会における投てきのハンマーヘッドの運動を三次元解析し,以下の結果を得た.記録の良い選手ほどヘッドの初速度が高い傾向にあったが(r=0.917,p<0.001),記録とりリース高および投射角との間には有意な相関関係が認められなかった.すべてのターンにおけるヘッド速度の最大値と最小値は記録との間で有意な正の相関関係が認められた.指導現場では1ターン目は速度を遅くし,徐々に加速するように指導する傾向があるが,本研究の結果では優秀選手が速い回転速度で1ターン目を開始しており,異なる結果を得た.また,指導現場ではヘッドの軌道を規定する曲率半径を大きくするように指導がなされる場合があるが,本研究の結果では曲率半径が短い局面でヘッドが加速しており,また曲率半径が短い局面で法線加速度が増加する傾向が観察された.そして,記録の良い選手ほど法線加速度が高く,法線加速度の発揮速度も高かった.以上の結果を先行研究を参考にまとめると,ハンマー投げの選手は回転の中心方向にヘッドを引くことによって法線加速度を高め,その結果曲率半径が減少しながらヘッドを加速する可能性が示唆された.
著者
長崎 暢子 篠田 隆 田辺 明生 石井 一也 油井 大三郎 酒井 啓子 清水 耕介 井坂 理穂
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、近年再評価されつつあるガーンディーに関する文献購読、史資料調査、および現地調査(インドのアフメダーバード、ワルダー、イギリスの大英博物館、南アフリカのダーバンなど)を行い、ガーンディーの歴史的役割の重要な一端(非暴力的な紛争解決)の詳細とその影響を明らかにすることが出来た。具体的には、彼は、当時の南アフリカに存在した紛争(人種差別)を非暴力的に解決する「方法としての非暴力」をこの時代に編み出し、それによって有色人種(インド人 & 中国人)に対する白人の人種差別の一角を崩すことに成功したのである。のみならず、この方法は、北欧、中東(イラン)の紛争解決、米国の人種差別反対運動にも影響を与えた。
著者
宮治 昭 市川 良文 入澤 崇 岩井 俊平 岡本 健資 小泉 惠英 佐藤 智水 田辺 勝美 永田 郁 芳賀 満 福山 泰子 山田 明爾
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

パキスタン,インド,日本,欧米に散在する多量のガンダーラ美術(彫刻)を実地調査し,写真資料を収集して(総計1,849件),それら画像に関する文字情報を入力して,データベース化のための基礎資料を作成した。これらの資料をもとに,インド・ヘレニズム・イランの諸文化を吸収しつつ独自の仏教美術を形成した様相を明らかにし,仏教信仰の実態にも迫った。その成果は中間報告書(平成23年5月),全体報告書(2冊)と国際シンポジウム報告書(平成25年3月)として刊行した。
著者
田辺 洋二
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-26, 1990-03-25

本稿の目的は, 和製英語の形態を特性によって分類することにある.資料はカタカナ辞典, 辞書, 現代用語辞典などから和製用語と見なされる単語と, 和製英語と表示のある複合語を摘出したもので, さまざまな特性によって分類を試みた.語数は2191語である.分類には, まず 1)単語型と複合語型, 2)同義型と異義型, 3)完全形型と省略形型の3対を基本とした.次いで, 完全形型と省略形型の下位類型特性として音声借用, 文字借用, 帰化, 混種, 略語, 接頭辞や接尾辞, 置き換え, 倒置などの特性を設定した.同義型と異義型は, 意味構造のための特性であるが, 和製英語の形態分類には, 帰化や混種などを含めて, 意味の関与から逃れることが出来ない.また, 英語及び英語らしい語句を日本語として使う特殊性からも意味の確認が必要になるのである.複合語型の中の単独の特性として, かぱん語型と頭字語型を置いた.これらは, 省略形型の中でも, かぱん語は省略形, 頭字語型は中・後省略形に関わるもので, 和製英語をつくり出す強力な能力をもつ特性である.それと比較し省略は非常に少ない。頭字語型では,ちょうど「早稲田大学」が頭を摘みとって「早大」となるように, 漢字合成語と同じ造語法をとる.和製英語には複合語の形態のものが多いが, その多くのものが後省略, 中省略, それに中・後省略である.これは和製英語の複合語の特徴的形態と言って過言ではないだろう。本分類は和製英語が持つ形態的多面性を基準に行ったものなので, 同じ例が2特性以上に関わることがしぱしばある。トラペンなどの不規則型については, ほとんどのものが頭字型に準じるが, 不規則型をひとつの分類特性と考えることは不可能ではない.
著者
田辺 正男
出版者
國學院大學国語研究会
雑誌
国語研究 (ISSN:04506677)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-8, 1963-08
著者
佐郷 ひろみ 町田 秀夫 和田 宏 加口 仁 田辺 宏暁
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
no.1, pp.383-384, 2001-08-22

A part of the SORE system was developed for Reactor Vessel. SORE is prototype system that calculates stress history and creep-fatigue damage for main component of MONJU using plant data In this study, the calculating method of stress and temperature using plant data and the procedure of fatigue damage and creep damage evaluation using calculated history of temperature and stress was investigated.
著者
桑原 保正 森 直樹 田辺 力
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.91-95, 2007-06-07
参考文献数
11

ジヤスデ目イトヤスデ科のオカツクシヤスデKiusiozonium okai(Takakuwa and Miyosi,1949)の防御分泌物には,Polyzonimineと2',3',5',6',7',7a'-ヘキサヒドロ-2,2-ジメチルスピロ[シクロペンタン-1,1'-{1H}ピロリジン]-7'-オキシム-O-メチルエーテルが主成分として,またニトロポリゾナミンが微量成分としてそれぞれ含まれることを確認した.このオキシムエーテルは中米産矢毒蛙のスピロピロリジンアルカロイド236であり,カエルと同所的な中米のジヤスデにこれまでその存在が証明されていたが,今回同じ化合物を日本のヤスデから検出した.
著者
原 實 川崎 信定 木村 清孝 デレアヌ フロリン ユベール デュルト 落合 俊典 岡田 真美子 今西 順吉 木村 清孝 末木 文美士 岡田 真美子 ユベール デュルト 田辺 和子 落合 俊典 デレアヌ フロリン 松村 淳子 今西 順吉 津田 眞一 北田 信 清水 洋平 金子 奈央
出版者
(財)東洋文庫
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

平成18年度より3年間、「古代インドの環境論」と題し、同学の士を誘って我々の専攻する学問が現代の緊急課題とどの様に関連するかの問題を、真剣に討究する機会を持ち得た事は極めて貴重な体験であった。外国人学者を交えて討論を重ねる間に、我々の問題意識はインド思想や佛教の自然観、地球観にまで拡がって行ったが、それらは現代の環境破壊や無原則な地域開発に警告する所、多大なるものがあった。「温故知新」と言われる所以である

2 0 0 0 坂の上の雲

著者
田辺 敬貴
雑誌
神経心理学 : Japanese journal of neuropsychology (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.5-12, 2004-03-25
被引用文献数
1
著者
田辺 信介 國頭 恭 岩田 久人 本田 克久 中田 晴彦
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

本研究では、野生の高等動物に蓄積している内分泌かく乱物質の汚染と影響を地球的視点で解明し、化学物質の安全な利用と生態系保全のための指針を提示することを目的とした。まず、アジアの先進国および途上国で捕獲した野生の留鳥について有機塩素化合物および有機スズ化合物の汚染実態を調べたところ、PCB等の工業用材料として利用された化学物質は先進国および旧社会主義国で汚染が顕在化しているのに対し、DDTやHCH(ヘキサクロロシクロヘキサン)などの有機塩素系農薬は途上国で著しい汚染が確認された。また、アジア地域を飛翔する渡り鳥は、越冬地や繁殖地で地域固有の汚染暴露を受けることが判明し、南方地域で汚染を受け体内に蓄積した有害物質の影響が、北方地域で営まれる繁殖活動時に現れること、すなわち内分泌かく乱物質の影響は汚染の発生源のみならず遠隔地つまり汚染とは無縁な場所でも発現することが示唆された。さらに、アザラシやカワウを対象に、ダイオキシン類の汚染と影響を検証したところ、毒性の閾値を越えるきわめて高濃度の蓄積がみられ、そのリスクは高いと推察された。CdやHgなどの毒性元素は、陸域に比べ海洋の高等動物で高濃度蓄積がみられ、その細胞内分布や解毒機能の種特異性が示唆された。ところで、鰭脚類や鯨類ではCYP酵素の活性や血中性ホルモン濃度と有機塩素化合物濃度との間に相関関係がみられた。アザラシやカワウの場合、毒性の強いダイオキシン類異性体ほど肝臓に集積しやすい傾向がみられ、AhR関与の毒性に対し本種は敏感であることが示唆された。さらにリンパ球の生育阻害は30-40ng/gの血中ブチルスズ化合物濃度で起こることが明らかとなり、一部の沿岸性鯨類ではこの閾値を超える汚染が認められた。以上の結果を総合すると、生物蓄積性内分泌かく乱物質による野生生物のリスクは水棲哺乳類および魚食性鳥類で高いと推察された。