著者
佐藤 隆一 藤本 司 向山 正孝 大滝 博和 佐藤 知樹
出版者
The Japan Academy of Neurosonology
雑誌
Neurosonology:神経超音波医学 (ISSN:0917074X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.175-178, 2000-11-30 (Released:2010-10-14)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

Cerebral blood flow changes during and after indirect moxibustion stimulation at the acupuncture point HO-KU (L-14), which is located between the thumb and index finger, were measured by transcranial Doppler ultrasound (TCD) . The mean blood flow velocities (Vm) of the right middle cerebral artery (MCA) in 10 normal subjects were measured continuously during and until 15 minutes after the stimulation. The Vm showed 2 peaks, at 1 minute after and 7 minutes after the stimulation. The extent of change in flow velocity was 23% at the first elevation and 20 - 26% at the second elevation. The second elevation of the flow velocity continued until 15 minutes after the stimulation. The heart rate increased at the first elevation and then returned to its previous level, but did not change at the second elevation. To evaluate vascular reactivity, a hyperventilation test was done before and after the examination ; it showed normal vascular reactivity at both points. The second elevation seemed to be induced by the effect of moxibustion. Vascular reactivity remained normal and no significant vascular diameter changes seemed to occur. From our results, a significant increase of cerebral blood flow is induced by indirect moxibustion stimulation.
著者
藤本 徹 荒 優 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.267-273, 2019-12-31 (Released:2020-02-14)
参考文献数
33

近年の大規模公開オンライン講座(MOOC)の進展により,世界規模で受講者を集めるグローバルなオンライン教育プラットフォームが普及した.その一方で,学習意欲の向上や継続的な学習支援の仕組みの不足が指摘されている.本稿では,MOOC の学習支援の手法としてゲーミフィケーションに着目し,MOOC のコースデザインにゲーミフィケーションを取り入れた先行研究をレビュー調査した結果をもとに,ゲーミフィケーションの構成要素やそのコースへの導入のための基本的なモデルや理論的枠組みの研究動向を検討した.MOOC のコースデザイン上の課題に対し,ゲーミフィケーションを試行的に取り入れた研究が見られ,デザインフレームワークを体系化する取り組みも見られるが,ポイントやバッジなどの実装しやすい要素の導入が多いことが確認された.
著者
須藤 ありさ 片桐 誠一朗 赤羽 大悟 大月 俊輔 山田 晃子 勝呂 多光子 浅野 倫代 吉澤 成一郎 田中 裕子 古屋 奈穂子 岡部 聖一 藤本 博昭 後藤 守孝 後藤 明彦
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.83-88, 2022 (Released:2022-03-08)
参考文献数
15

剥離性食道炎は食道扁平上皮組織のシート状脱落を特徴とする稀な疾患である。抗凝固薬など薬剤性の報告があるが,造血幹細胞移植に合併した報告は少ない。今回,移植後早期に剥離性食道炎を発症した急性骨髄性白血病(AML)を経験した。症例は52歳,女性。FLT3-ITD変異陽性AML第一寛解期にFBM(fludarabine 180 mg/m2,busulfan 12.8 mg/m2,melphalan 80 mg/m2)による非血縁者間同種末梢血造血幹細胞移植を実施した。GVHD予防は,tacrolimusおよび短期methotrexateを実施した。前処置中よりCTCAE grade 3の嘔吐を認めていた。移植後5日目に嘔吐した際,長さ10 cm,幅1 cmの白色帯状物を口腔内より排出した。上部消化管内視鏡検査で食道全域の粘膜剥離を確認し剥離性食道炎と診断した。保存的加療で改善を認めた。前処置関連毒性を背景に,頻繁な嘔吐による食道への機械的圧力が粘膜剥離に寄与した可能性が考えられた。移植前処置として普及しているFBMにおいても剥離性食道炎に対し,十分な注意が必要である。
著者
藤本 憲太郎 フジモト ケンタロウ Kentaro Fujimoto
出版者
関東学院大学人間環境学部人間環境学会
雑誌
関東学院大学人間環境学会紀要 (ISSN:13489070)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.89-100,

This paper will consider the role of architectural facades in Miyazaki Hayao's movie Spirited Away with particular reference to their metaphorical function in:(1)realizing meaning in the movie and how this ought to be read and,(2)introducing messages to the audience not only as layers of metaphor to be interpreted but also as the means for the movie maker to directly bring out aspects of his movie over and above the main theme.
著者
井上 晴洋 塩飽 洋生 岩切 勝彦 鬼丸 学 小林 泰俊 南 ひとみ 佐藤 裕樹 北野 正剛 岩切 龍一 小村 伸朗 村上 和成 深見 悟生 藤本 一眞 田尻 久雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.1249-1271, 2018 (Released:2018-06-20)
参考文献数
143

日本消化器内視鏡学会は,新たに科学的な手法で作成した基本的な指針として,「POEM診療ガイドライン」を作成した.POEM(Peroral endoscopic myotomy)は,食道アカラシアおよび類縁疾患に対して本邦で開発された新しい内視鏡的治療法であり,国内外で急速に普及しつつある.したがって,本診療ガイドラインの作成が強く望まれた.しかしながら,この分野においてこれまでに発表された論文はエビデンスレベルの低いものが多く,また長期成績はまだ出ていないため,専門家のコンセンサスに基づき推奨の強さを決定しなければならなかった.主として,トレーニング,適応,検査法,前処置,麻酔,方法,成績,有効性,偶発症,他治療との比較などの項目について,現時点での指針をまとめた.
著者
藤本 優子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.119, pp.2125, 2021-11-30 (Released:2021-11-27)

慶應義塾大学メディアセンターにおける和書の電子書籍の購入,管理,提供について,Maruzen eBook Libraryを例に報告する。本学では,Almaを使用して,購入済みタイトル,契約,発注・支払情報を一元管理している。メタデータはAlmaのCentral KnowledgeBaseを使用しているが, 様々な問題を抱えている。検索システムKOSMOSに試読可能タイトルも含めて搭載し,利用者に提供しており,リクエスト機能と管理者画面の購入機能も活用している。また,コロナ禍での業務や利用状況を振り返り,和書の電子書籍が直面している電子化の遅れや利用条件等の改善の必要性についても述べる。
著者
中島 経夫 藤岡 康弘 前畑 政善 大塚 泰介 藤本 勝行 長田 智生 佐藤 智之 山田 康幸 濱口 浩之 木戸 裕子 遠藤 真樹
出版者
The Japanese Society of Limnology
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.261-270, 2001
被引用文献数
5

1998年3月から2000年11月にかけて,琵琶湖南湖周辺の10市町村の琵琶湖岸,内湖,河川,水路,池など879地点を調査し,16科42属55種(亜種を含む)の魚類を採集した。オイカワ,カワムツA型,カワムツB型,タモロコ,カマツカ,ギンブナ,アユ,トウヨシノボリなどの在来種は多くの調査地点に分布していた。一方,外来種のブルーギルやオオクチバスも多くの調査地点で採集された。分布パターンを魚種で分類するためにクラスター分析を行った結果,AからDの4つのクラスターが不明瞭ながら認められ,分布パターンと地形との間に関係が認められた。オイカワやカマツカに代表されるクラスターAとタイリクバラタナゴやメダカに代表されるクラスターBの多くは,デルタ帯,扇状地帯に広く分布するが,カワムツA型やタモロコに代表されるクラスターBの一部はデルタ帯に分布しない。その一方で,カワムツB型に代表されるクラスターCは丘陵地に分布し,ブルーギル(クラスターD)はデルタ帯に分布していた。タモロコやカワムツA型などクラスターBの一部の魚種はブルーギルの影響を強く受けているものと思われた。
著者
菅本 守 弓林 司 片桐 奏羽 菅本 晶夫 藤本 直明 コリン レッドパス
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4I3GS201, 2020 (Released:2020-06-19)

ハートラインはカブトガニの視覚が側抑制のメカニズムを持っていることを発見した。側抑制とは、強い刺激をより強く、弱い刺激をより弱くするメカニズムである。側抑制の機構によって、外界の様子をはっきりと捉えることができる。本研究では、側抑制のメカニズムを応用することによって、エッジ検出の新しいフィルターを作った。それらはラプラシアンフィルターを含むより一般的な定式化である。
著者
杉浦 淳子 藤本 保志 安藤 篤 下田 伊津子 中島 務
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.69-74, 2008-04-30 (Released:2021-01-22)
参考文献数
13

頭頸部腫瘍術後患者で,Shaker法やMendelsohn法などの喉頭挙上訓練が実施困難であった例に対し,座位で徒手的に抵抗負荷をかける筋力増強訓練を考案し,嚥下機能の改善を得られたので報告する.症例は頸部食道癌の62歳女性および甲状腺癌の56歳女性,根治術施行後,著明な気息性嗄声,頸部筋群の筋力低下および喉頭の可動域制限があり,仰臥位での頭部挙上は不可能であった.嚥下造影検査で喉頭挙上不良,挙上期型誤嚥,クリアランス低下を認めた.嚥下機能の改善と安全かつ効率的な経口摂取を目的に,間接訓練として頸部筋群の可動域拡大訓練,椅子座位での等張性および等尺性筋力増強訓練,リクライニング位での頭部挙上訓練,pushing exercise,直接訓練として代償嚥下法指導(super-supraglottic swallow,顎引き chin-down等)を実施した.この結果,両症例ともに気息性嗄声と声の持続がわずかながらも改善,訓練開始後28~53日で全量経口摂取可能となり,訓練後の嚥下造影検査では両症例ともに舌骨変位量の増加を認め,症例1は誤嚥がなくなったが症例2は若干の誤嚥が残存した.いずれの症例も頸部の筋力低下による喉頭挙上不良に声門閉鎖不全が合併したために気道防御がより重篤に障害された例だったが,積極的な筋力増強訓練を行った結果,頸部筋群の筋力増加と喉頭の可動性に改善を得て経口摂取可能となった.このことより,頭頸部腫瘍術後の筋力低下などによってShaker法など自動的な頭部挙上訓練が実施困難な喉頭挙上不良嚥下障害例に対しては,他動的な徒手的抵抗負荷をかけた筋力増強訓練が有効と考えられた.
著者
北村 繁幸 佐能 正剛 清水 良 杉原 数美 藤本 成明 渡部 容子
出版者
日本薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-10-21

生活用品に含まれる化学物質は日常生活を豊かにするうえで欠かせない。生活用品には、防腐剤、品質の維持、着色料、着香料、柔軟剤、可塑剤、紫外線吸収剤や難燃剤などがあり、多かれ少なかれ化学物質が含まれている。本研究課題では、生活用品に含まれる化学物質を広く取り上げ、生体機能維持に重要な働きをする核内受容体に対する活性化についての検討を行った。その結果、幾つかの化学物質が核内受容体を活性化することを見出した。さらに、それぞれの核内受容体の活性化に対応したシトクロムP450分子種が誘導されることを明らかにした。また、近年使用量が増えているリン系難燃剤が薬物代謝酵素活性へ直接的な影響を及ぼすことを示した。
著者
小向 佳奈子 藤本 修平 近藤 国嗣 大高 洋平
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.819-824, 2016-09-10

要旨 【目的】リハビリテーション分野において,経験に基づく臨床思考はよく用いられる.しかし,臨床思考が経験によってどのように変化するかについての検討はない.本研究では,装具を選定する際の理学療法士の臨床思考を明らかにし,経験年数による相違について検討した.【対象と方法】質的調査と量的調査を混合して行うミクストメソッドを用いた.まず,構造化面接により,装具選定の際にどのような視点や評価指標を参考にしているかについて,理学療法士22名を対象に調査した.その結果より,主要な視点と用いる評価についての質問紙を作成した.次に,作成した質問紙を用いて量的調査を理学療法士40名に実施した.解析は,視点ごとに選択している評価の割合を集計し,経験年数による相違を検討した.また,視点と評価の関連を視覚的に検討するため,コレスポンデンス分析を実施した.【結果】質的調査から,視点として装具の必要性,角度設定など6項目が,評価として可動域,筋緊張など14項目が抽出された.量的調査の結果,装具の必要性における予後の評価や,角度設定における麻痺側の支持性の評価について,経験年数によって相違があった.コレスポンデンス分析の結果,経験年数4年目以上のほうが3年目以下よりも,評価と視点が集約する項目が明確であった.【結語】理学療法士は多様な視点や評価から装具を選定しており,それらは経験年数によって相違があることが示唆された.
著者
豕瀬 諒 細見 光一 朴 ピナウル 藤本 麻依 髙田 充隆
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.586-594, 2014-10-10 (Released:2015-10-10)
参考文献数
36
被引用文献数
4 3

To examine the association between biologics for rheumatoid arthritis and serious infections (hepatitis B, hepatitis C, tuberculosis, pneumonia and sepsis), we analyzed the US Food and Drug Administration Adverse Event Reporting System (FAERS) and the Japanese Adverse Drug Event Report database (JADER) of Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PMDA). The reporting odds ratio was calculated and used to detect spontaneous report signals, with detection defined as a lower limit >1 in a 95% confidence interval. In addition, time to onset and age at onset of tuberculosis were investigated. Drug-reaction pairs were identified in both FAERS (n = 29,017,485) and JADER (n = 2,079,653). In both databases, significant associations were observed between biologics and infections (hepatitis B, tuberculosis, pneumonia and sepsis). JADER data revealed a significant association of etanercept with hepatitis C. In FAERS, the majority of tuberculosis events, associated with all drugs, were observed within 1 month of administration, whereas most tuberculosis infections associated with biologics were observed during the 5 months following administration. In JADER, most cases of tuberculosis associated with all drugs and with biologics, respectively, were observed during the 2 months after administration. In conclusion, hepatitis C associated with etanercept treatment should be closely monitored in clinical practice. In addition, tuberculosis associated with biologics should be carefully monitored for 5 months following drug administration. Further studies are needed to confirm these findings.
著者
北村 達也 正木 信夫 島田 育廣 藤本 一郎 赤土 裕子 本多 清志
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.379-382, 2006
参考文献数
8
被引用文献数
13

MRI装置の普及と高磁場化に伴い,撮像時の騒音は無視できない問題となっている。しかし,装置内の騒音測定には磁性体を含む一般的な装置を利用することができない。また,強磁場下で利用可能な測定装置を使っても,その一部に導電体が含まれていればRFパルス(電磁波)に起因するノイズが混入する可能性がある。本研究では非導電体のみで構成された光マイクロホンを用いてこの問題を解決し,1.5TのMRI装置を対象にしてSpin-echo T1強調,Fast spin-echo T2強調,RF-FAST,及びSingle-shot EPIの4種の撮像シーケンスの騒音を測定した。その結果,これらの騒音の音圧レベルはそれぞれ112.6dB,112.5dB,107.8dB,110.6dBであった。
著者
三浦 玲 梶原 健吾 八木 喜崇 坂本 和香奈 芹川 亜実 西山 景子 吉井 隆一 西口 佳彦 山本 紗友梨 中村 朋文 梶原 奈央 藤本 歌織 尾上 友朗 富田 正郎 向山 政志
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.395-399, 2018 (Released:2018-06-28)
参考文献数
14

本邦における2型糖尿病患者数は増加の一途をたどっている. メトホルミンの単独療法では低血糖のリスクは低く, 他の血糖降下薬にて懸念される体重増加も少ないうえに, インスリン抵抗性の改善を期待でき心血管保護作用もあいまって, その適応は増加している. メトホルミンの極めて稀な副作用として乳酸アシドーシスがあるが, 致死率が非常に高く迅速な対応を必要とする. 今回, われわれは53歳の患者におけるメトホルミンを原因とした重症乳酸アシドーシスに対し, 点滴加療を施行するも改善不十分であり, 血液透析にて救命することができた1例を経験したため報告する. 乳酸アシドーシスは発症すると重篤であるため, ハイリスク患者ではあらかじめ投与を避けることや, 脱水, シックデイ, 過度のアルコール摂取など患者への注意指導を行うことで発症自体を予防することが重要だが, 発症した場合は遅滞なく透析を含む積極的治療介入を検討する必要がある.
著者
嘉名 光一 藤本 和男 赤崎 弘平
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.397-402, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
11

呉公園屋台は、営業場所を道路区域から公園区域に変更し、呉市都市公園条例の適用及び、蔵本通りの屋台に関する要綱を制定することで新規屋台の営業を可能とした全国的にもめずらしい公園屋台である。2002年には新規屋台を公募し、現在はこれまでの中華そば、おでんが主流の既存屋台とイタリアン、オリジナル料理などの新規屋台が混在している。本研究では、こうした新旧混在する屋台の実態とそれにより生まれる街や通りの賑わいの効果について考察することを目的とする。
著者
藤本 修平 小林 資英 小向 佳奈子 杉田 翔
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.196-200, 2019 (Released:2019-06-20)
参考文献数
28

【目的】リハビリがかかわる医療機関Web サイトにおける医療広告ガイドラインの遵守実態を検証することとした。【方法】リハビリがかかわる医療機関のWeb サイトを抽出するため,国土数値情報(国土交通省)から東京都23 区内の医療機関を抽出し,医療機関名と住所を組み合わせWeb サイトの検索を行った(database: Google)。Web サイトの質を評価するために,医療広告ガイドラインを参考に6 項目評価した。【結果】診療科目で本来使用すべき「リハビリテーション科」という標榜以外の記載をしているWeb サイトは993 件中461 件(46.4%)であった。医療機関の名称の語尾に“センター”と標榜するもののうち,名称として認められていないものは47 件中38 件(80.9%)であった。【結論】本来医療機関の名称として認められていない標榜を採用している医療機関が多く,情報提供者は,医療機関に関する情報をより正確に説明する必要がある。