著者
吉川 聡 渡辺 晃宏 綾村 宏 永村 眞 遠藤 基郎 山本 崇 馬場 基 光谷 拓実 島田 敏男 坂東 俊彦 浅野 啓介 石田 俊 宇佐美 倫太郎 海原 靖子 大田 壮一郎 葛本 隆将 黒岩 康博 桑田 訓也 古藤 真平 小原 嘉記 坂本 亮太 島津 良子 高田 祐一 高橋 大樹 竹貫 友佳子 谷本 啓 徳永 誓子 富田 正弘 中町 美香子 長村 祥知 根ヶ 山 泰史 林 晃弘 藤本 仁文 水谷 友紀 山田 淳平 山田 徹 山本 倫弘 横内 裕人 栗山 雅夫 佃 幹雄
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

東大寺図書館が所蔵する未整理文書のうち、中村純一寄贈文書と、新修東大寺文書聖教第46函~第77函を調査検討し、それぞれについて報告書を公刊した。中村文書は内容的には興福寺の承仕のもとに集積された資料群であり、その中には明治維新期の詳細な日記があったので、その一部を翻刻・公表した。また中村文書以外の新修東大寺文書からは、年預所など複数の寺内組織の近世資料群が、元来の整理形態を保って保存されている様相がうかがえた。また、新出の中世東大寺文書を把握することができた。
著者
永田 郁子 上國 愛 岡本 淳子 井町 海太 䑓丸 裕 中西 慶喜 大下 孝史 藤本 英夫
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.39-45, 2016

<b>背景</b> : 腹腔内原発二相型滑膜肉腫の腹腔内洗浄水と腫瘍捺印の細胞像を報告する. <br><b>症例</b> : 50 歳代, 女性. 約 15 cm 大の腹腔内腫瘍に対し, 腹腔内洗浄細胞診と腫瘍捺印細胞診が行われた. 腹腔内洗浄水では, 孤立性の紡錘形異型細胞が少数と小集団の上皮様異型細胞が, 腫瘍捺印では, 細胞密度の高い紡錘形異型細胞集塊と小集団や孤立性の上皮様異型細胞が認められた. 紡錘形異型細胞は, 葉巻状核や核のくびれ, 核内細胞質封入体が, 上皮様異型細胞は類円形で, N/C 比大, 核圧排像, 相互封入像がみられた. 病理組織学的には, 束状配列の紡錘形細胞成分と, 胞巣状の上皮様細胞成分が認められ, EMA, AE1/AE3, CK7, vimentin, calretinin に陽性であった. また, RT-PCR で SYT-SSX1 transcript が証明され, 腹腔内原発二相型滑膜肉腫と診断された. <br><b>結論</b> : 二相型滑膜肉腫の細胞診断には, 紡錘形異型細胞と上皮様異型細胞の腫瘍細胞の出現が手掛かりになると思われ, また, 診断には融合遺伝子の証明が有用である.
著者
藤本 拓也
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.693-716, 2011-12-30

二十世紀フランスの思想家エミール・シオランは、無信仰者と自己規定しつつ、一方で神への渇望をしばしば語っている。シオランの神に対するアンビヴァレントな態度は、メランコリー=鬱という情動と強く結びついたものである。すなわち、メランコリーにおいて神の喪失が悲しまれ、同時に、不在の神に対する憎しみや怒りが吐露されるのである。こうしたシオランの姿勢に窺われるのは、神を感じる主体の情動を問題にする思考である。言い換えれば、シオランは神の「存在」自体を存在論的に思考するのではなく、感じられるか/感じられないかという自身の情動ないし感覚の水準で神を捉えているのである。本稿では、虚無や空虚のような鬱的情動に根差した「無」に関わるシオランの語りを考察することにより、シオランが否定的情動の裡に神をどのように把握していたかを明らかにする。それにより、信仰/無信仰、有神論/無神論という二分法には収まらないシオランの「情動の神秘主義」と、そこにおいて語り出された特異な神観を解明する。
著者
藤本 武
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

今日のアフリカは解決の困難なさまざまな問題に直面しているとされる。ただしその状況は地域や社会によって決して一様ではなく個々に精細な把握が必要である。本研究課題は社会の持続性という観点からエチオピア西南部の少数民族諸社会を対象に、主食作物の加工調理法の検討や、牧畜民と農耕民の間で発生してきた紛争の比較分析、そして半世紀以上にわたって進行してきたフロンティア地域における集落放棄の考察などを行った。
著者
但馬 康宏 北出 大蔵 中野 未知子 藤本 浩司 中林 智 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.76, pp.7-12, 2007-07-24

本研究において、比較的長い対話に対する話題分割を行う手法を提案する。隠れマルコフモデル(HMM)による話題分割は、これまでも盛んに研究されており、音声認識の分野で特に成果をあげている。しかし、一般的に対話を単語の列として取り扱うため、長さが数百語程度以上の対話の場合にその対話の発生確率が著しく低くなり、有効精度不足となる。本手法では、対話における発話を HMM の出力単位として話題分割を行う。対話における1発話ごとにベイズ推定によりあらかじめ話題のラベルを付けた後、そのラベル列を出力する HMM を構成することにより話題の切り替わりを特定する。ここで、HMM はすべての状態間の遷移を許したモデルとした。68 名の被験者で対話実験を行い、62 対話を作成し、本手法の有効性を検証した。この結果、1500 単語程度の長さの対話にたいして良好な分割精度を出せたことを報告する。We propose a dialogue segmentation and topic structure finding method via Hidden Markov Model (HMM). HMM has been applied for this problem in previous studies and its advantages have been shown. Nevertheless, the length of the dialogue must be restricted about a hundred words because of computational errors, i.e. the occurrence probability of a dialogue which has a thousand words tends to be less than 10-1000 and we fail to construct HMM because of lack of computational precision. In this paper, we propose a new approach for this problem by HMM whose state outputs a symbol of an utterance. Every utterance is classified into some symbols of a segment by a Bayesian classifying method, then we construct an HMM for the target dialogue. The HMM in our method can handle a long dialogue whose length is about 1500 words for 1000 kinds of words. We used 62 dialogues by 68 testee and evaluate our method.
著者
藤本 由香里
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

次の各地を訪れて、現地のマンガ文化の在り方、その中での日本マンガの出版・流通状況について、市場調査および出版社・関係者への聞き取り調査を行った(中国・香港、韓国・タイ・ベトナム・インドネシア・シンガポール、フランス・ドイツ・イタリア、アメリカ)。その結果明らかになったのは、海外、とくにアジアでは、マンガは書店ではなく、ニューススタンドや専門店で売られることが多いということと、学習マンガの意外な存在感である。これは、学習マンガだけは書店で売られるという理由が大きい。また、アジアで読み切りマンガの人気が高いのも、バックナンバーが買えないという理由も大きいと考えられる。
著者
藤本 誠
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.239-275, 2006-01

論文はじめに一 上巻第五「本記」と『古屋家家譜』 (一) 『古屋家家譜』と紀伊国大伴系同族 (二) 上巻第五「本記」と『古屋家家譜』の影響関係 (三) 大部連屋栖野古と推古天皇二 上巻第五「本記」の作成目的 (一) 「本記」と『日本書紀』 (二) 屋栖野古の居地・冠位と大伴宿禰氏 (三) 「本記」における「賛」と宇治大伴連氏おわりに
著者
森山 敏文 中西 竜哉 山口 芳雄 山田 寛喜 藤本 京平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.94, no.140, pp.21-28, 1994-07-15
被引用文献数
1

この報告では,不均一媒質である雪に対してレーダポーラリメトリを適用した結果について述べる.レーダポーラリメトリとは,電波の持つベクトル性である偏波の情報を最大限に利用する技術である.今まで,単一周波数での理論展開が主体であった.しかし,広帯域レーダであるFM-CWレーダにもレーダポーラリメトリが適用でき,自由空間において物体の識別や強調,抑制などが行なえることがわかっている.しかし,雪のような不均一媒質中での適用は初めてである.今回は,FM-CWレーダを用いて実際に雪の中で測定を行ないレーダポーラリメトリのフィルタとしての有効性について検討した.
著者
中里 純二 藤本 賢司 菊池 浩明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.2068-2077, 2005-08-15
被引用文献数
3

本論文では,ロバスト性を保証して回答者のプライバシを守る,ウェブでのアンケートを行うセキュアプロトコルを提案する.提案プロトコルは,Cramerらによって提案された効率の良い秘匿性を満たしたセキュア電子投票プロトコルに基づいている.秘匿性と効率性は,選挙とアンケートの両方に共通する要求条件である.しかし,特にアンケートにおいては複数の選択肢を同時に選択することが許されていることがあり,選択肢数nに対して,通信量が指数関数的に増加するという課題が生じることを本論文で指摘する.この課題を解決するために,正当性の証明コストをΘ(2n) からΘ(n)に削減するプロトコルの提案を行う.また,試験実装に基づいたパフォーマンス評価を与える.This paper proposes a secure protocol for web-based questionnaire that preserves the privacy of responders and ensures the robustness. The proposed protocol is based on secure electronic voting protocol proposed by Cramer et al. with confidentiality and efficiency, which are common requirements for both applications. This paper points out an issue particular in the secure questionnaire, that is, a requirement to deal with a multiple-choice question, and shows that the communication overhead grows exponentially with the number of choices n. To address the issue, the proposed protocol reduces the cost from Θ(2n) to Θ(n). The performance based on the experimental implementation is also shown.
著者
藤本 文朗 太田 富雄 加瀬 進 小川 克正 河相 善雄 玉村 公二彦 後藤 容子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本研究は、障害児教育教員の免許制度(養成・採用・研修に関する懸案事項)を解決するため盲・聾・養護学校並びに都道府県教育委員会・教員養成大学の実情を把握することとともにこの制度についての歴史的研究と国際比較を通して、総合的な観点から免許制度と教師教育の在り方について立案することを意図した。(1)第3年次としてまとめの年で今後あるべき方向として障害児学校の教師には研修として総合的な障害児教育の基礎免許状(教員養成大学学部)を義務づけ、障害別の免許状は大学院専攻科レベルで取れるとしてそのカリキュラムを草案として示した。(2)又ベトナムホーチミン市に障害児教育師範大学(2年、現取対象)の創立、カリキュラム教師派遣に援助して発展途上国の教師教育について討議した。
著者
藤本 憲一
出版者
武庫川女子大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

◎本年度研究報告本年度は、最終年度にあたり、大容量のDVDメディアを標準としたデータベース作成を試みた。年頭の計画書に記したとおり、成果の集約をはかった。1)ネットワーク家族の現在形として、「モバイル(携帯)」メディアの使用実態に関するフィールドワークを実施した。また、「携帯電話」と「携帯食(モバイル食・中食)」と呼ばれる、通信と食の領域に関するアンケート調査を実施した。そのなかで抽出された特異なサンプルについては、とくに再度ヒアリングをおこない、生活史的調査をおこなった。2)調査結果に基づき、以上のような考察をえた。・血縁家族を単位とした、家と家との結びつきは、家庭機能の外部化や、冠婚葬祭等コミュニティ行事・イベントの減少に比例して、質量ともにネットワーク力を低下させている。生活史調査によれば、家庭だけでなく、学校や職場等「準-家族的集団」も、ネットワーク力を低下させている。・家族成員は、それぞれ「携帯電話」と「携帯食(モバイル食・中食)」を通じて、家庭外での新しい非血縁コミュニティを形成しつつある。それは、友人というよりも家族に代わる親密な集団、いわば「ネットワーク家族」として機能しつつある。・空間距離学的にいえば、家族という物理的に近い同居集団よりも、「ネットワーク家族」という物理的には離れて暮らす非同居集団のほうが、「リアル」な親密性を獲得し、心理的な距離を縮めつつある。
著者
ニナ ノコン 藤本 彰三
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.112-120, 2006-03-09

野菜は多くのフィリピン人にとって安価な栄養源であるだけでなく,少数の裕福な人々にとっては,健康的な生活を送るための重要な食物の一つである。この少数の裕福な人々が,フィリピンにおいてニッチマーケットである有機野菜産業を支えている。有機野菜の需要動向を検討するため,我々はマニラにおけるホテルやレストランなどの外食産業と一般消費者の有機野菜需要について,2002〜2003年に質問票及びインタビュー調査を実施した。調査対象はホテル・レストランが11軒,一般消費者が118人,スーパーが7軒,及び有機農産物を販売する4つの市場である。本研究の主な成果は,以下の通りである。(1)主要なホテルやレストランは有機野菜を購入しないが,一般消費者は購入する可能性が高い ; (2)有機農産物市場で売られる75種類の野菜のうち,ニンジンが総量の30%を占めた ; (3)中型サイズのニンジン,普通サイズのトマト,たまねぎ,中型サイズのジャガイモは,価格変動への弾力性が大きい。それは安定供給による価格低下が可能となれば,需要は増加する可能性があることを意味する ; (4)ガン患者やガン予防のために,ニンジンはセロリと一緒にジュースとして消費されることが多いと言われている点を,両者の交差価格弾力性の計測結果から明らかにした。