- 著者
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玉置 理沙
藤本 まなと
諏訪 博彦
安本 慶一
- 雑誌
- 第28回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
- 巻号頁・発行日
- pp.98-105, 2020-11-04
近年,糖尿病患者のための血糖値コントロール支援が盛んに行われている.しかし,糖尿病患者ではない成人を支援する手法はほとんど存在しない.血糖値の高すぎるピークや長時間に及ぶ食後高血糖は,2 型糖尿病をはじめとする生活習慣病を引き起こす原因となり,糖尿病患者と診断される前の未病の段階で予防することが重要である.そのためには,血糖値コントロールが必要であり,リアルタイムで血糖値を把握しながら血糖値を予測できることが望ましい.本研究では,摂取予定の食事を撮影すると,事前に予測血糖値を提示し,また,血糖値の高いピークが生じる可能性が高い場合には摂取して良い食べ物と摂取すべきでない食べ物を提示することで,血糖値をコントロールするシステムを提案する.本研究では,血糖値コントロールシステムへの実現に向けた第一段階として,血糖値推定モデルの作成と検証を目的としたデータ分析を行った.具体的には,4 名の被験者から血糖値推定を目的とし,食事中の GI 値や前回の食事時間からの経過時間,睡眠時間のデータを収集・特徴量を抽出し,各被験者に対する血糖値推定モデルをランダムフォレストを使って構築した.その結果,最も精度の高い被験者の RMSE(二乗平均平方根誤差)は 10.09,R^2(決定関数)は 0.82,MAE(平均絶対誤差)は 6.00 であった.この結果から,提案システムの実現可能性が示された.