著者
中野 雄一郎 藤本 悠介 杉江 俊治
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.269-274, 2019 (Released:2019-04-16)
参考文献数
8
被引用文献数
3 1

This paper proposes an approach for automatic controller tuning based on experimental data only. It determines the controller parameters for a given cost function without knowing the true plant dynamics via Bayesian optimization. The validity of the proposed method is tested through some numerical simulations. Then, the proposed method is applied to PID controller tuning for an actual motor positioning system. The experimental results show that the proposed method improves the control performance effectively.
著者
藤本 泰文 福田 亘佑
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.111-118, 2023-04-25 (Released:2023-04-30)
参考文献数
38

Although overfishing has been recognized as a major factor threatening the existence of rare freshwater fishes, no case studies exist on the impact of collection pressure by fish enthusiasts and traders. In 2021, a habitat of reintroduced Acheilognathus typus, a species rarely seen the previous year, was visited every day by such enthusiasts. A monitoring survey indicated subsequently that the mean number of captured A. typus had decreased from 25.0 individuals/day in July 2021 to 1.6 individuals/day in October, the October 2021 figure being about one-tenth of that for September-October 2020. In addition, the standard length of A. typus in 2021 (56.8–59.5 mm) was greater than in 2020 (47.2 mm), possibly due to a thinning effect caused by the reduced fish numbers. During the period surveyed, some 50 to 100 fish enthusiasts and traders visited the habitat, apparently collecting thousands of A. typus by fishing or in bait traps. Such collecting pressure has clearly driven the reintroduced population of these rare fish to significantly low levels within a short period.
著者
藤本 将志 渡邊 裕文 蔦谷 星子 大沼 俊博 三好 裕子 赤松 圭介 中道 哲朗 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.91-95, 2005 (Released:2006-01-26)
参考文献数
4
被引用文献数
1

Lateral shift using one hand while sitting on a seat is an important ability in sitting up, for locomotion, to reach the other side. We sometimes control muscle tone of the trunk to change lateral weight bearing on one hand in hemiplegia caused by cerebrovascular diseases in which movements are difficult to perform because of trunk collapse. In this study, we analyzed the activity of the trunk muscles (obliquus abdominis, obliquus externus abdominis, obliquus internus abdominis and lumbar back) with EMG in changing the weight bearing in lateral shift with one hand while sitting on a seat. The results show that the supporting hand is necessary in sitting on the seat. The supported obliquus abdominis muscles, obliquus externus abdominis muscles and lumbar back muscles acted to maintain and fix the trunk as the weight increased. The supported obliquus external abdominis muscles acted to stabilize the upper trunk and rib cage, and the unsupported obliquus abdominis muscles, obliquus internus abdominis muscles and lumbar back muscles elevated pelvis as the weight decreased. Therefore, it is suggested that in the change of weight bearing in lateral shift the supporting hand serves an important purpose in maintaining trunk stability.
著者
朝日 稔 金 秀浩 藤本 基秋 岡田 崇志 平田 英周
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.55-61, 2006 (Released:2006-08-29)
参考文献数
14

Traumatic atlanto-axial subluxation (AAS) is a rare injury which can be diagnosed by flexion-extension dynamic radiograph on the cervical spine. Here we report on a case of delayed progression of AAS in the chronic phase after a cervical spinal injury. The described case is a 58-year-old man who sustained a closed occipital head injury with subsequent severe tetraparesis and was admitted to our hospital. Although, no obvious bony injuries of the cervical spine were revealed on plain radiograph and CT scan, Magnetic resonance imaging demonstrated intramedullary spinal cord injury at the level of C1-2. In the acute phase, the patient was treated conservatively and the motor dysfunction was well ameliorated. However, the patient gradually suffered again from motor deterioration eight months later and the radiological examinations revealed delayed progression of AAS. After the unsuccessful trial of external reduction for AAS, the patient underwent atlas laminectomy and occipito-cervical internal fixation with compact Cotrel-Dubousset instrumentation. The motor disability improved again after the operation. Sufficient decompression of spinal cord and stable fixation of craniovertebral junction have been obtained for over two years post-operatively. The unique clinical course of the present case is discussed.
著者
細尾 咲子 森 伸晃 松浦 友一 森 直己 山田 恵里奈 平山 美和 藤本 和志 小山田 吉孝
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.12, pp.2556-2562, 2015-12-10 (Released:2016-12-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

40歳,女性.実子に続く感冒様症状を主訴に来院し,急性呼吸不全と血圧低下を伴う重症肺炎の診断で入院となった.血液培養および喀痰培養からA群溶血性レンサ球菌(group A streptococci:GAS)が分離され,劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome:STSS)と診断した.Benzyl penicillin G(PCG)とclindamycin(CLDM)による治療を開始後,薬剤性肺障害などの有害事象が生じたため,ceftriaxone(CTRX)とlevofloxacin(LVFX)に変更し,計24日間の抗菌療法により軽快した.経過中,急性腎不全を合併し,計6回の血液透析を必要とした.GASによる市中肺炎は頻度が低く,時にSTSSを合併し致死率が高い.健常人におけるSTSSの発症機序は明らかでなく,解明が待たれる.
著者
森脇 潤 下鶴 倫人 山中 正実 中西 將尚 永野 夏生 増田 泰 藤本 靖 坪田 敏男
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.242, 2013 (Released:2014-02-14)

動物が高密度に生息する地域において,集団の血縁関係を明らかにすることは,その地域を利用する個体毎の繁殖,行動および分布様式を解明する上で重要である.そこで知床半島ルシャ地区におけるヒグマの繁殖,行動および移動分散様式を解明することを目的として,個体識別調査および集団遺伝学的解析により,個体間の血縁関係を解析した.材料は,同地区でヘアートラップ,ダートバイオプシー等により収集された遺伝子材料 51頭(雄 21頭,雌 30頭)分と,周辺地区(斜里,羅臼および標津地区)で学術捕獲あるいは捕殺個体 164頭分の遺伝子材料および各種メディアの情報を利用した.遺伝子解析には 22座位のマイクロサテライト領域を利用した.その結果,ルシャ地区には 15頭の成獣メスと,その子供からなる集団が生息しており,血縁は大きく2つの母系集団に分かれていた.また,最大で 3世代が共存していた.ルシャ地区で繁殖に関与する父親は,現在までに 5頭認められ,近親交配やマルチプルパタニティーが存在することが明らかになった.ルシャ地区を利用する個体の中で,5頭の亜成獣オスが斜里および羅臼地区側へ移動分散して捕殺されていることも明らかになった.このように,高密度に生息する知床半島ルシャ地区でのヒグマ集団の血縁関係を明らかにすることは,従来の野外調査では明らかには出来ないヒグマの繁殖システムの解明に寄与するだけではなく,繁殖個体の周辺地域への移動分散を明らかにすることができる.尚,本研究はダイキン工業寄附事業 「知床半島先端部地区におけるヒグマ個体群の保護管理,及び,羅臼町住民生活圏へ与える影響に関する研究」の一環として行われたものである.
著者
藤本 由紀夫 新宅 英司 田中 義和 藤吉 潤
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.78, no.791, pp.2438-2449, 2012 (Released:2012-07-25)
参考文献数
8
被引用文献数
4 5

Pad type compressive force sensor suitable for high speed impact force measurement is developed. A piezoelectric film is sandwiched by a pair of the thin metal sheets. The electric wire is connected to the metal sheets which are the electrode of piezoelectric film. The whole of the sensor is covered by thin resin sheet, and layer components inside the sensor are fixed together in one body. A sensor is about 1mm in thickness and it can be made in the various shape according to the purpose of use. Several pad sensors are made for trial purpose, and the performance are examined through experiments by applying fluctuating loads and impact loads. Finally, the pad sensor is applied to the impact force measurement of golf ball shot by setting up the sensor to No5 and No9 golf irons.
著者
高田 祐輔 中谷 知生 山本 征孝 堤 万佐子 田口 潤智 笹岡 保典 藤本 康浩 佐川 明 天竺 俊太
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Bb0768, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 近年、治療用装具として長下肢装具を積極的に活用することの有用性が認識されつつある。脳卒中片麻痺患者の歩行練習に際し、長下肢装具を使用する利点の一つとして、ターミナルスタンス(以下Tst)における股関節伸展・足関節背屈運動が保障されると考えられており、先行研究においても短下肢装具装着下に比べ足関節背屈運動の可動域が拡大することが明らかとなっている。しかし長下肢装具を装着することによる、股関節伸展運動への影響についてまとまった報告はこれまでなされていない。そこで今回、長下肢装具を装着することが麻痺側立脚期の股関節伸展角度に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、短下肢装具装着下との比較検討を行ったのでここに報告する。【方法】 対象は当院入院中の脳卒中片麻痺患者6名(左片麻痺3名・右片麻痺3名、男性3名、女性3名、平均年齢69±10歳)とした。発症日からの平均経過日数は155±39日で、下肢Bruunstrom Recovery Stageは3が4名、4が2名であった。すべての対象者が当院にて長下肢装具作成後カットダウンを行っており、計測時点では短下肢装具を用いた歩行トレーニングを行っていた。作成した下肢装具はいずれも足継手に底屈制動・背屈フリーの機能を有する川村義肢社製Gait Solutionを使用していた。計測は長下肢装具、短下肢装具それぞれ前後3mの予備路を設けた10mを自由速度で歩行する様子を、矢状面から三脚台に固定したデジタルカメラにて撮影した。すべての対象者は杖を使用し、計測時は転倒防止のため理学療法士が見守った。デジタルカメラは床面から1.2mの高さの位置に歩行の進行方向と垂直になるように、歩行路から4m離れた位置に設置した。股関節角度は倉林らの報告を参照に股関節点(上前腸骨棘点と大転子最外側突出点を結ぶ線上で大転子最外側突出点から1/3の位置)をとり、上前腸骨棘、膝関節外側裂隙を結んだ線のなす角とした。対象者には上記3点にマーカーを貼り付け、静止立位時の角度を基準にそこからの増減角度を計測した。計測は2回実施し、画像解析ソフト(NIH ImageJ)を利用し得られた3歩行周期分の平均角度を、Wilcoxonの符号付順位和検定を用い統計学的処理を行った。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は所属施設長の承認を得て、対象者に口頭にて説明し同意を得た【結果】 Tstでの股関節伸展角度は、長下肢装具装着下では5.8±2.3°であり、短下肢装具装着下では-0.9±2.1°であった。すべての対象者が長下肢装具装着下ではTstにて股関節伸展位を保持でき、短下肢装具装着下と比べ股関節伸展角度が有意に増大していた。短下肢装具装着下ではTstで股関節伸展位を保持できた者は3名(1±0.4°)であり、屈曲位となった者が3名(-2.7±0.9°)であった。【考察】 脳卒中片麻痺患者の歩行の特徴の一つとして、Tstにおける股関節伸展運動の不足が挙げられる。吉尾らは、股関節伸展運動の不足により股関節屈筋群が十分に伸張されず、遊脚初期に必要な筋力の発揮が困難となると述べている。当院において長下肢装具を積極的に使用する目的の一つは、不足する股関節伸展運動を補い、力学的に有利なアライメント下で歩行練習が行えるという点にある。しかし、実際に短下肢装具装着下と比較しTstでの股関節伸展角度が増大しているのかについては目測の域で終わってしまうことが多かった。今回の調査から、すべての対象者において長下肢装具装着下のTstの股関節伸展角度は有意に拡大し、長下肢装具の有する役割が明らかとなった。一方、短下肢装具装着下ではTstにて股関節伸展位を保持することが可能な者と不可能な者の2群に分けられた。一般的に長下肢装具におけるカットダウンの基準は、立位での麻痺側下肢の支持性、歩行時の下肢アライメントなどが挙げられている。今回、股関節屈曲位となった3名について運動学的見地からはカットダウンの時期でなかった可能性があるが、病棟での生活動作においても使用することを目的に短下肢装具へと変更していた。理学療法場面においては、より有利なアライメント下での歩行練習としては長下肢装具が適していると考えられるが、カットダウンについては症例の個別性も配慮する必要性があると考える。【理学療法学研究としての意義】 本研究は長下肢装具を装着することで、短下肢装具と比較しTstでの股関節伸展角度が有意に増大することを示したものである。このことにより、脳卒中片麻痺患者の歩行練習において長下肢装具を使用することの利点がより明確にされたものと考える。
著者
佐々木 洋平 近藤 静香 市橋 駿也 藤本 秀子
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.47-51, 2016 (Released:2016-03-17)
参考文献数
12

【目的】フレイルの評価は多数あるが未だに統一されていない。そこで今回は学術的に最も受け入れられているCardiovascular Health Study(以下,CHS)とその有用性が多く報告されているStudy of Osteoporotic Fracture(以下,SOF)という2種類のフレイルの評価を実施し,両者の関連性および特性について確認した。【方法】当院通所リハビリテーションの利用者(24名)に対し,CHSおよびSOFをそれぞれ実施した。結果についてはJSTAT for Windowsを使用し,Spearmanの順位相関係数を算出した。【結果】CHSとSOFの結果について,両者の間に有意な相関関係を認めた(r=0.669,p<0.01)。【結論】フレイルの評価は病院や施設など設備が充実した環境ばかりではなく,自宅や地域活動の場などさまざまな物理的制約が存在する環境でも実施される。したがってフレイルの評価を行う際は,さまざまな条件を鑑みたうえで,CHSとSOFそれぞれの特性を考慮し,妥当な評価方法を選択することが重要であると考える。
著者
藤本 圭一郎 和田 英一 沖田 耕一
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.230-235, 2015-07-05 (Released:2017-06-08)

月や火星などの地球低軌道以遠への有人宇宙探査を実現させるためには,飛躍的に高い信頼性・安全性を有する大規模システムを現実的な開発及び運用コストで作り込む新しいリスク管理法の確立が必要である.本研究では,その鍵である数値シミュレーションを中心とした定量的リスク評価による開発プロセスを提案した.また,定量的なクルー安全性評価法の提案も行い,爆発ハザードからの離脱成功確率評価への適用を通し,その有効性を示した.定量的リスク評価による開発プロセスは,設計の手戻りの防止,大規模試験数の削減による開発コスト低減,設計マージンの適正化,及び上流段階での信頼性・安全性検討の強化を実現するものであり,広く他産業分野においても適用可能なものである.
著者
藤本 将志 伊藤 陸 小島 佑太 池田 幸司 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.33-39, 2022 (Released:2022-12-23)
参考文献数
5

We recommend performing a top-down physiotherapy evaluation rather than a bottom-up evaluation. During an assessment, it is desirable to detect problems at the impairment level and narrow them down to one problem in terms of order and relevance. By intervention for narrowed-down problems and re-evaluation of changes, a clearer physical therapy can be developed. In this study, we introduce abnormal postures and movements that are characteristics of patients with musculoskeletal diseases involving lumbar and hip joint impairment. Furthermore, we present one problem focusing on muscle weakness and decreased muscle tone as the possible underlying cause of impairment. We explain intervention methods for this impairment using kinematic and anatomical viewpoints and electromyography.
著者
金子 尚樹 西澤 英雄 藤本 潤一 七尾 大観 木村 康宏 大和田 玄 森村 太一
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.271-274, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
8

低カリウム血症では近位尿細管でのアンモニア産生が増加するため,肝性脳症患者では高アンモニア血症の増悪因子となり得る。ただし,肝不全や門脈体循環シャントがないにもかかわらず低カリウム血症により高アンモニア血症をきたした報告例は非常にまれである。本症例は77歳の脂肪肝患者で,常用薬であった芍薬甘草湯の偽性アルドステロン症による低カリウム血症と,意識障害を伴う高アンモニア血症を認めたが,血清カリウム値の上昇に伴い高アンモニア血症と意識障害も改善した。①低カリウム血症による近位尿細管でのアンモニア産生増加や,②アルカローシスによるアンモニアの血中への移行増加,③慢性低カリウム血症による尿素合成能低下や④脂肪肝による尿素合成能低下によって高アンモニア血症をきたしたと考えられた。したがって,肝機能障害の程度にかかわらず,低カリウム血症と意識障害を認めた際は高アンモニア血症を鑑別する必要がある。
著者
常岡 有希子 長谷川 稜 吉田(田宮) 彩 佐原 利典 横田 和久 野原 千洋子 花岡 希 藤本 嗣人 中村(内山) ふくみ
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.8, pp.1656-1663, 2021-08-10 (Released:2022-08-10)
参考文献数
10

32歳,男性.夏季に近位筋優位の筋痛,筋力低下,握力低下,CK(creatine kinase)高値を認め,対症療法で自然軽快した.発症1週前,同居の娘に上気道症状があったとの病歴を聴取し,パレコウイルスA3型(Parechovirus A3:PeV-A3)感染症を疑った.咽頭ぬぐい液からPeV-A3遺伝子が検出され,PeV-A3感染による流行性筋痛症と確定診断した.本症は夏季に乳幼児のPeV-A3流行に伴って成人に発生する.特徴的な筋症状から本症を疑い,詳細な病歴,特にsick contactの聴取が重要である.
著者
早田 荘 赤松 圭介 藤本 将志 田尻 恵乃 水上 俊樹 貝尻 望 大沼 俊博 渡邊 裕文 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.57-62, 2010 (Released:2011-01-13)
参考文献数
1
被引用文献数
1

The efficacy of physical therapy for a patient with impaired hair-washing motion due to dysfunction of the inferior fibers of the trapezius was assessed. Surface electromyography was performed to investigate the clinical implications, and to elucidate the relationship between changes in the speed of elbow joint flexion-extension during simulated hair-washing motion and the corresponding activities of the superior, intermediate, and inferior fibers of the trapezius and of the caput longum of triceps brachii. In a sitting position, the subject moved the shoulder joint approximately 110 degrees in flexion and the elbow joint approximately 45 degrees horizontally on the measured side, and performed flexion-extension of the elbow joint in which the middle finger on the measured side reciprocated between the torus occipitalis and vertex in a hair-washing motion-simulating task. The motion speed was set at 40, 80, 120, and 160 motions per minute using a metronome and electromyograms of the superior, intermediate, and inferior fibers of the trapezius and the caput longum of triceps brachii were measured for 10 seconds 3 times during each task. Electromyogram waveforms of these fibers at each speed and the influence of changes in the elbow joint flexion-extension speed on the relative integrated electromyogram value were investigated. In the caput longum of triceps brachii, the amplitude of the electromyogram waveform in a single elbow joint flexion-extension motion was compared among the tasks at different speeds. The waveform amplitude increased and the relative integral value tended to increase as the elbow joint flexion-extension speed increased only in the inferior fibers of the trapezius. These findings suggest that to evaluate and improve hair-washing motion in patients with impairment of the scapulothoracic joint, the arm should be maintained in an elevated position during this motion. Furthermore, attention should be paid to the activity of the inferior fibers of the trapezius, which are assumed to be involved in stabilization of the scapula during the elbow joint flexion-extension motion, in this posture.
著者
坂野 好幸 長畑 直和 藤本 大三郎
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
澱粉科学 (ISSN:00215406)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.187-192, 1991-06-30 (Released:2011-07-01)
参考文献数
22

Pseudomonas amyloderamosa isoamylase and Klebsiella pneumoniae pullulanase were crystalline preparations obtained from Hayashibara Biochemical Laboratory, Inc., Okayama, Japan. Bacillus acidopullulyticus pullulanase was purified from Promozyme 200 L (Novo Nordisk Bioindustry, Ltd., Copenhagen, Denmark) by the method of Kusano et al. (Agric. Biol. Chem., 52, 2293). These three enzyme preparations showed a single band on PAGE. Optimum pH of Pseudomonas isoamylase for amylopectin was 3.5 with a shoulder near pH 5. The optimum pH for Br-CDs shifted from 3.5 for amylopectin to 4.5-4.7 (Br-α- and -β-CDs) and 4.0 (G3-, G4-γ-CDs). The pH curve for Br-γ-CDs had a shoulder near pH 5.0. Optimum pHs of Klebsiella and Bacillus pullulanases for pullulan and Br-γ-CDs were 5.5 and 5. 0, but those for Br-α-CDs were 6.0 and 4. 0, respectively. Kinetic parameters of these enzymes for Br-CDs indicated that (1) all of them cleaved more easily the a(1→6) linkages of G3-G5-CDs than those of G2-CDs, (2) they split more easily the a(1→6) linkages of Br-r-CDs than those of the other Br-CDs, (3) Pseudomonas isoamylase hydrolyzed readily the a(1→6) linkage of G2-7-CD and (4) Br-r-CDs were better substrates for kinetical analysis of debranching amylase than amylopectin and pullulan.
著者
松田 晋哉 村松 圭司 藤本 賢治 峰 悠子 高木 邦彰 得津 慶 大谷 誠 藤野 善久
出版者
日本ヘルスサポート学会
雑誌
日本ヘルスサポート学会年報 (ISSN:21882924)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-14, 2021 (Released:2021-04-15)
参考文献数
11

【研究目的】高齢期において自立した生活を継続するためには、要介護度の悪化に関連する要因を把握し、それらへの対策が求められる。そこで本研究では、認定調査票データ、医科及び介護レセプトを用いて要介護度の悪化に関連する要因の明らかにすることを試みた。【資料及び方法】 東日本の一自治体における介護保険の認定調査データと介護レセプト、医科レセプトを個人単位で連結したデータベースを作成した。このデータベースから2014年度の要介護認定で要介護1と認定された在宅の対象者11,658人を抽出して、2017年まで追跡し、データベースで把握できる状態像や傷病に関する変数を用いて、要介護度の悪化に関連する要因をロジスティック回帰分析によって検討した。【結果】分析の結果、状態像としては寝返り、起き上がり、座位保持、両足および片足での立位、歩行、移乗、移動といった筋力の低下に関連する項目で自立していない者、そしてその結果として外出の頻度が少なく、買い物に関して他者に依存している者で要介護度が悪化していた。使用している医療介護サービスで福祉機器を利用している者が悪化していたが、この結果は「福祉機器を利用するような状態にある者」が高リスクであると解釈することができる。傷病に関しては下肢関節障害、脊椎障害のあるもので有意に悪化がみられた。利用している医療・介護サービスでは、医療保険および介護保険ともに訪問看護を利用している者で有意に悪化の割合が低かった。【考察及び結論】本研究の結果、要介護度の悪化予防には筋力低下の予防及び看護の視点からの継続的なケアが有効であることが示唆された。
著者
荒木 誠一 鈴木 護 藤本 昌俊 木村 誠
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.599-602, 1995-08-15 (Released:2008-02-15)
参考文献数
21
被引用文献数
29 37

ビタミンB2 6.25~100mg/kg を大腸菌接種1日前にマウスに筋注すると, 用量依存的な致死抑制効果が認められた. また, 緑膿菌, 肺炎桿菌, 黄色ブドウ球菌及びアクチノバシルス菌接種に対しても効果を発揮した. 末梢血白血球数の増加, 特に好中球及びマクロファージ数の増加が認められ, ざらにマクロファージの貧食能の亢進が認められた.
著者
藤本 順子 紅露 瑞代 米澤 義彦
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3-4, pp.140-147, 2014 (Released:2019-09-28)
参考文献数
30

中学校理科第2分野における「花粉の発芽と花粉管の伸長」に関する実験材料,発芽用基材および培地組成について再検討を行った.実験材料としては,従来から使用されているホウセンカやインパチェンスげフリカホウセンカ)に加えて,①花粉が置床後10分以内に発芽すること,②花期が長いこと,③花粉粒内で雄原細胞の分裂が行われており,減数分裂によって染色体数が半減したことが確認できること,などの理由から,ヒガンバナ科のミドリアマナも有効であることがわかった.また,発芽用基材としては,教科書等に記載されている「寒天培地」よりも,市販の「普通セロハン」(吸水性のセロハン)にスクロース液をしみこませた「スクロース―セロハン培地」が簡便で有効であることがわかった.さらに, 10%スクロース液に100 ppmのホウ酸と300 ppmの硝酸カルシウムを加えると,花粉粒の破裂を防ぐことができることができ,観察できる確率が高くなることが示された.