著者
谷口 充 藤本 健治
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.141-149, 2011 (Released:2011-12-19)
参考文献数
10
被引用文献数
3

This paper is devoted to path following control for port-Hamiltonian systems whose desired path is time-varying. Most of the existing results on path following can only take care of time invariant paths, hence they cannot be applied to control systems whose environments change, e.g., path following control with a path crossing itself or with moving obstacle avoidance. The proposed method solves this problem by employing decoupling control of three particular directions in the phase space which allows one to assign time-varying potential functions and vector fields.
著者
谷口(藤本) 麻起子 金綱 知征 タニグチ(フジモト) マキコ カネツナ トモユキ Makiko Taniguchi(Fujimoto) Tomoyuki Kanetsuna
雑誌
聖泉論叢
巻号頁・発行日
no.20, pp.1-10, 2013

関西圏私立四年制大学在籍の学生187名を対象とした『大学において「心理学」を学ぶことの期待』に関する質問紙調査,及び同20名を対象とした『大学の専攻動機と,その変化過程』に関する半構造化面接調査を実施した.心理学系学生は非心理学系学生に比べて,資格取得を心理学に期待する傾向や,他者の問題解決のための能力獲得を期待する傾向が示されたことから,心理学を学ぶことで臨床心理士をはじめとする対人援助職を志している可能性が推測された.一方面接調査において,「内的なもののため」という動機が心理学系学生にのみみられたことに加えて,「仕事のため」,「適性のため」という動機も,他者理解や他者援助が主軸として置かれていたわけではないことから,動機の側面からみた心理学への期待は他者理解・他者援助よりもむしろ,自己理解・自己援助のためといえた.考察では,これらの質問紙調査と面接調査の結果の矛盾について検討した.
著者
白樫 祐介 杉浦 丹 藤本 篤嗣 加茂 真理子
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.14, pp.3343-3348, 2011-12-20 (Released:2014-11-13)

2008年12月から2010年10月に当科において,既存の治療のみでは効果不十分な重症アトピー性皮膚炎患者7名(男性6名,女性1名,年齢19歳~60歳,体重57 kg~90 kg)を対象とし,シクロスポリン1 日量100~150 mg(1.1~1.9 mg/kg)を1日1回朝食前に投与し,投与2週間後に日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎重症度分類による臨床症状の改善度と,副作用の有無を評価した.また,期間中に血中シクロスポリン濃度(C0:投与前,C1:内服1時間後,C2:内服2時間後,C4:内服4時間後)を測定し,ここからAUC0~4を算出した.結果全例で重症度スコアが38~65%(平均51%)改善し,血清Cr値や血圧上昇などの副作用は経験しなかった.Cmaxは768~1,379(平均1,010)ng/ml で,全例で内服1時間以内にTmaxに達し,AUC0~4は1,589~2,449(平均2,003)ng・hr/mlであった.これらの結果から,アトピー性皮膚炎に対してシクロスポリンを1日1回食前に投与し,内服1,2時間後の血中濃度を目安に投与量を調節する方法は,安全かつ有用な方法の一つであることが示唆された.
著者
藤本 奈緒子
雑誌
日本文學
巻号頁・発行日
vol.102, pp.53-69, 2006-03-15

『三人吉三廓初買』は、白波物作者として有名な河竹黙阿弥の代表作である。吉三と名乗る三人の盗賊が義兄弟の契りを結ぶ。彼らは悪党でありながらとても魅惑的で、ある種の美しさを持っていた。華々しさ、気風の良さ。それは悪の美と呼ばれるものであった。しかしこの劇の軸に華々しさはない。犬に呪われた家族、多くの血を吸う刀と金。因果に支配された世界は悲劇に彩られている。劇を分解し一つ一つ検証してゆくことで、作品の魅力のありかはどこか、いわゆる悪の美とは何なのか、『三人吉三廓初買』の本質に迫る。
著者
藤本 成明 ムサジャノワ ジャンナ 佐藤 斉 星 正治
出版者
広島大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

放射線の影響を理解するためには、外部被曝ばかりでなく内部被曝の影響評価が重要であるが、現在のところ、防護上で両者の影響は同等とされている。最近、我々は放射性微粒子による内部被曝が強い生物学的影響を示す場合があることを報告した。本研究では、この内部被曝実験を展開し、分子生物学的解析によりその障害作用とメカニズムの詳細を解明することを目的とする。本研究は放射線被曝の防護と安全に関わる極めて重要な国際共同研究である。
著者
藤本 直子
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.86, pp.23-29, 2023-01-16

新型コロナウイルス感染症の拡大によって,全国の大学で面接授業(対面授業)が難しい状況に陥っており,コロナ禍でも対応可能な授業内容や学習システムの構築が求められている.鳥取短期大学生活学科情報・経営専攻においても,Google Workspace for Education を活用した授業を行っており,その実施過程でICT を活用した授業の成果と課題が出てきている.本稿では,特にGoogle Classroom を利用した授業実践を通して浮き彫りになった,授業指示・課題提出・管理の在り方や成績データの蓄積などの成果と,学生自身が抱えるPC スペック問題やWi-Fi 環境整備などの課題を明らかにする.
著者
山本 雅司 奥野 未佳 佐々木 崇博 藤本 雷 片岡 葉子 川島 佳代子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.979-988, 2020 (Released:2020-12-14)
参考文献数
17

【背景・目的】IL-4受容体抗体薬デュピルマブは,Th2型炎症疾患のキードライバーであるIL-4,13を介するシグナル伝達路を阻害することで,アレルギー性鼻炎に対する治療効果が期待できる.今回重症アトピー性皮膚炎患者において,デュピルマブのアレルギー性鼻炎に対する治療効果の検討を行った.【方法】デュピルマブによる治療を開始した重症アトピー性皮膚炎患者のうち,通年性アレルギー性鼻炎を合併した21症例に対して前向き観察研究を行った.アレルギー性鼻炎に関して最重症・重症群と軽症・無症状群に分けて検討を行った.【結果】最重症・重症群においては自覚的な鼻症状,アレルギー性鼻炎に関わるQOLの評価,フェイススケール,鼻内所見において,一部項目を除き有意な改善を認めた.軽症・無症状群においては全ての項目で有意な改善を認めなかった.また自覚的所見においては他覚的所見と比較すると低く評価される傾向を認めた.【結語】重症アトピー性皮膚炎患者において,デュピルマブは重症通年性アレルギー性鼻炎に対して治療効果を持つと考えられる.
著者
磯 直樹 香川 めい 北村 紗衣 笹島 秀晃 藤本 一男 藤原 翔 平石 貴士 森 薫 渡部 宏樹 知念 渉
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、現代日本における文化と不平等の関係を、「文化がもたらす不平等」と「文化へのアクセスの不平等」という観点から、理論的かつ経験的に社会学の観点から分析する。すなわち、①文化が原因となる不平等とは何か、②文化資源の不平等な配分とは何か、という2種類の問題を扱う。これらの問題を研究するために、理論的には社会分化論として文化資本概念を展開させる。社会調査としては、関東地方で郵送調査とインタビュー調査を実施し、調査で収集されるデータを、多重対応分析の特性を活かした混合研究法によって分析する。
著者
藤本 龍児
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.323-350, 2015-09-30 (Released:2017-07-14)

国家と宗教について考える際の基本理念は「政教分離」である、とされる。しかし、日本の「政教分離」は、欧米諸国のそれと比べて特殊な類型に属すと言わねばならない。しかも、欧米ではその理念じたいが見直され始めている。そこで本稿では、とくにアメリカの「政教分離」を中心に論じ、その思想的問題を明らかにすることを試みた。第一章では、まず日本における「政教分離」理解を、判例や学説を通して確認する。また、その特徴を明らかにするために、欧米における国家と宗教の類型を整理する。第二章では、世界で初めて憲法に「政教分離」を謳った、と考えられているアメリカの憲法についてみていく。ここでは、とくに日本の判例や学説に大きな影響を与えた「分離」原則について論じる。第三章では、一九八〇年代以降の変化について論じ、それまでに確認された国家と宗教にまつわる原理や原則、そしてその背後にある思想について整理し、その問題点を明らかにする。
著者
藤本 一男 山尾 貴則
出版者
作新学院大学 作新学院大学女子短期大学部
雑誌
作大論集 = Sakushin Gakuin University Bulletin (ISSN:21857415)
巻号頁・発行日
no.5, pp.385-409, 2015-03-15

概 要 本稿は、本学人間文化学部で開講されている「社会調査及び実習1」で実施された調査の報告である。調査のテーマは中学生・高校生の携帯電話利用実態の把握であるが、前回、前々回(2013、2012実習)と同様に、それらを踏まえながらも「携帯電話利用の中からどのようなコミュニケーション・ルールが見出されるか」を中心的な調査課題としている。今回は更にLINE利用に関する質問を追加し、対面/非対面コミュニケーションの選択が、性別や学年(年齢)といった回答者属性によるものと、LINEなどの利用/非利用によるものに区分できる可能性の示唆を得た。加えて、それを踏まえて、リテラシー教育の課題をさぐる手がかりを提示する。
著者
山内 康太 小柳 靖裕 岩松 希美 熊谷 謙一 藤本 茂 鈴木 聡
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.418-424, 2013-11-25 (Released:2013-11-25)
参考文献数
18
被引用文献数
3

要旨:【背景・目的】Scale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)は脊髄小脳変性症における運動失調の評価を目的として作成された.脳卒中による運動失調をSARA にて評価した研究は少ない.本研究では急性期脳卒中におけるSARA の有用性について検討した.【方法】2011 年6 月から2012 月7 月までに椎骨脳底動脈領域の脳卒中による運動失調に対しリハビリテーションを施行した18 例を対象とした.発症1 週目におけるSARA,National Institute of the Health Stroke Scale(NIHSS),Functional Ambulation Category(FAC),Barthel Index(BI)および入院期間を調査し,SARA の有用性を検討した.【結果】発症1 週目におけるNIHSS とBIは相関を認めなかった(p=0.557,r=−0.148).しかしSARA とBI は有意な負の相関を認めた(p=0.001,r=−0.725).FAC に関しては,NIHSS との相関は認められず(p=0.582,r=−0.139),SARA とは負の相関を認めた(p<0.001,r=−0.800).NIHSS と入院期間に相関は認めなかった(p=0.550,r=0.151).SARA と入院期間は正の相関を認めた(p<0.001,r=0.874).【結論】脳卒中に伴う運動失調の重症度評価において,SARA はNIHSS に比べてFAC,BI,入院期間と相関が高く,有用であることが示唆された.
著者
清水 修 永井 栄寿 藤田 稔之 藤本 博志 角谷 勇人 高橋 英介 山口 宜久 谷 恵亮 佐藤 正憲
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.1095-1100, 2021 (Released:2021-10-07)
参考文献数
10

電気自動車の性能的課題である航続距離の課題解決のために磁界結合方式の走行中給電が提案されている.磁界結合方式で用いる磁界中に導体が存在すると渦電流が発生し,電力損失となる.本研究では,アスファルト路面に埋設したコイルで電力伝送を行うことで,給電効率が道路構造による影響の検証を行った.
著者
藤本 明宏 河島 克久 渡部 俊 村田 晴彦
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.507-522, 2021 (Released:2022-02-16)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本研究では,大雪時のスタック発生メカニズムの解明を目的に,大雪による車両滞留時の路面圧雪調査および圧雪路面での停車試験,タイヤ空転試験および車両発進試験を実施した. 路面圧雪調査では,大雪による車両滞留時の圧雪路面に窪みや波打つような凹凸の発生を確認した.停車試験およびタイヤ空転試験より,タイヤの輪荷重,熱および回転は圧雪を融解や圧密させ,タイヤを圧雪に沈ませると同時に,タイヤ直下のすべり摩擦係数を低下させることが分かった.車両発進試験より,輪荷重が大きいほどスタックは発生し難いことが分かった. 上記の研究より,車両のスタックは以下のメカニズムで発生することを明らかにした.大雪時には車両の走行性が低下し,停車時間や発進回数が増える.停車時間や発進回数の増大は,圧雪路面の窪みの発生やすべり摩擦係数の低下を誘発する.これらがタイヤの空転を助長し,それが圧雪路面の窪みの拡大やすべり摩擦係数のさらなる低下を引き起こす負の循環を生じさせ,スタック車両の発生に至る.本論文では,このメカニズムを踏まえて,タイヤが圧雪窪みに嵌った状態からスタックに陥る場合とスタックを回避する場合のフローチャートを示した.
著者
笹山 琴由 野口 真理子 藤本 尚子 鴨 浩靖 新出 尚之
雑誌
第47回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.161-166, 2006-01-10

makeは、依存関係の定義をもとに、ターゲットの更新に必要となる動作を行うツールで、ソフトウェア開発に広く用いられている。makeの動作は、依存関係のルールを記述したファイルに基づき、ターゲットを構築するためのルールを見つけ出し、必要なアクションを再帰的に起こすというものである。これは、論理プログラミング言語であるPrologの動作と類似している。そこで我々は、makeのPrologによる再実装を行うプロジェクトを進行している。動作の検証を行う対象としてはNetBSDのシステム全体のmakeを選び、ある程度大規模なソフトウェア開発に対してもこのプロジェクトが有効であることを示す。本発表では、我々のプロジェクトの紹介と、現在の進行状況について述べる。