著者
宮田 章裕 塩原 寿子 藤村 考
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1438-1452, 2011-04-15

本論文では,文章を読む方向とそれに直交する方向を考慮した2次元のブロックを索引・検索のキーとする2次元文字ブロック検索手法を提案し,書籍内の局所領域にデジタルコンテンツへのハイパーリンク設置を可能にするシステムKappanを紹介する.従来,書籍内にハイパーリンクを設置する際はマーカを用いる方法があったが,この手法はあらかじめ書籍内にマーカを記載する必要がある.一方,システム上に書籍内のテキストと位置を関連付けておけばマーカは不要である.すなわち,書籍内を撮影した画像をシステムに送信すれば,システムは画像からOCR(Optical Character Recognition)により抽出したテキストを検索語として位置を特定し,その位置に関連付けられたコンテンツを提示できる.このとき,大量の書籍の中から一意に位置を特定するためには,長く連続するテキストを検索語とする必要がある.ところが,一般ユーザが撮影した画像にはOCR誤認識が約35%発生するため,長いテキストには誤認識文字が含まれて正しく検索できないという問題があった.特に書籍内の局所領域からは抽出できる検索語数が少なく,この問題は深刻である.提案手法は少ない文字数で書籍内の各局所領域に固有なパターンを表現できるので,OCR誤認識が発生する書籍内の局所領域画像から一意に位置を特定できる.73,231文書から局所領域画像を含む文書を一意に特定する検証実験では,提案手法はノイズがない状態で99%,ノイズが33%の状態でも92%の精度を示し,比較手法を上回ることを実証した.We present a text search method which takes into account not only the reading direction but also the non-reading direction. We use this method to develop a prototype system called Kappan. It enables service providers and users to create hyperlinks in books without markers. Existing techniques generally require markers to be printed on the page if a hyperlink is to be created. We consider that utilizing the concept of the search index makes markers unnecessary, i.e., the system can detect positions using text extracted from images via OCR (Optical Character Recognition) and provide users with position associated digital contents. Traditional text indexing methods must extract long character sequences from the partial image in order to identify the area exactly given the sheer number of book pages. However, considering that the average OCR error rate is more than 35 percent if the partial image is captured by a camera-equipped cellular phone, it is highly probable that many characters would be misrecognized and area identification would thus fail. In contrast, our indexing method can extract area-specific clues using fewer characters that can identify the area exactly even when the partial image is small and the extracted text contains misrecognized characters. An experiment proves that our method can identify the exact area from 73,231 documents with the high accuracy rates of 99 percent and 92 percent for OCR error rates of 0 percent and 33 percent, respectively.
著者
大越 昌子 胡 景杰 石川 隆二 藤村 達人
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.125-133, 2004-09-01
参考文献数
31
被引用文献数
3 10 1

古代に栽培されていたイネの品種や来歴を明らかにすることを目的として,遺伝的変異を比較的よく保有していると考えられる日本の在来イネ(Oryza sativa L.)73品種について,複数のマイクロサテライトマーカーを用いた多型解析による分類を試みた.基準品種として,中国より導入した陸稲4品種および形態的・生理的形質に基づいてIndicaおよびJaponicaに分類されているアジアの在来イネ8品種を用い,多型性の大きい8種(RM1,RM20A,RM20B,RM30,RM164,RM167,RM207,RM241)のマイクロサテライトマーカーを選んで分析した.その結果,日本の在来イネはIndicaおよびJaponicaに大別され,そのうち8品種がIndicaに,残り65品種がJaponicaに属していることが明らかになった.後者に属するものはさらに3つのサブグループ,すなわち陸稲グループ(J-A),陸稲・水稲混合グループ(J-B)および水稲グループ(J-C)に分類された.このうち,グループ(J-B)は陸稲グループ(J-B_1)と水稲グループ(J-B_2)の2つのグループに分類され,前者は熱帯Japonica,後者は温帯Japonicaであることが示された.陸稲の「古早生」,「福坊主」および「関取」は,温帯Japonicaの品種と同じグループ(J-B_3)に属していた.これらは水稲と近縁であることから,水稲から転用された陸稲であったと考えられる.本研究に用いた8種のマイクロサテライトマーカー(RM1,RM20A,RM20B,RM30,RM164,RM167,RM207,RM241)は,イネ,特に日本の在来種の分類・識別に有効なマーカーとなりうると考える.
著者
河合 潤 山田 隆 藤村 一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.183-186, 2004 (Released:2004-09-13)
参考文献数
16
被引用文献数
13 15 7

A potable X-ray fluorescence spectrometer composed of an electric battery X-ray generator and a silicon drift detector was made. Several kinds of samples, including toxic elements, such as lead and cadmium, were measured in air using this spectrometer. A possibility to analyze these toxic elements is discussed. It has been demonstrated that sufficient intensity for lead and cadmium was obtainable within 100 seconds to identify these elements.

1 0 0 0 OA 若菜集

著者
島崎藤村 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1897
著者
藤原 孝幸 輿水 大和 藤村 恒太 藤田 悟朗 野口 孔明 石川 猶也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:18827810)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.85-94, 2002-06-15
被引用文献数
4 3

デジタルカメラで撮影した顔画像を全自動で立体的にデジタル化する技術と,3 次元的な顔の特徴点を抽出してデフォルメする技術について提案する.複数のデジタルカメラの通常撮影,シルエット投影撮影とパターン光照射撮影から顔の色彩と凹凸情報を取り込み,自動抽出可能な44 特徴点から構成される82 パッチにより頭部を3 次元モデル化した.顔の3 次元データから目,鼻,口などの部分顔領域を抽出し,その領域から得られる特徴点を用いることで複数の顔画像間での対応が実現できた.そして,複数の顔モデルからデータ間の平均をとった平均顔を基準顔として生成し,それを比較対照として全周3D 似顔絵を生成した.また,この技術を用いた似顔絵のフィギュア製作の可能性を示した.This paper proposes a methodfor modeling 3D face from 2D facial images capturedfrom the surrounding 2D cameras by which the color texture and surface shape information of the face are synchronously measured.And 3D facial caricaturing method is proposed by using the 3D (the polygon data)face model.Automatic method for extracting regions of the facial parts is technically proposed,and the feature points are extracted from those regions.We propose the mesh model composed of 44 feature points and 82 meshes to cover a head.To generate the caricature from this polygon data,the individuality feature is de fined in value by the difference of the feature points between the input face and the mean face,which was de fined from the average of many input faces.And,we proposed the successive method for producing the 3D figure of human facial caricature.
著者
長崎 栄三 国宗 進 太田 伸也 五十嵐 一博 滝井 章 近藤 裕 熊倉 啓之 長尾 篤志 吉川 成夫 久保 良宏 上田 雅也 牛場 正則 日下 勝豊 塩野 友美 島崎 晃 島田 功 榛葉 伸吾 西村 圭一 早川 健 藤森 章弘 牧野 宏 松元 新一郎 望月 美樹 森 照明 藤村 和男 半田 進 家田 晴行 松田 泉 浅沼 健一 小俣 弘子 清水 壽典 村越 新 安部 浩一 飯嶌 一博 久永 靖史 山根 浩孝 山口 啓
出版者
公益社団法人日本数学教育学会
雑誌
日本数学教育学会誌 (ISSN:0021471X)
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.11-21, 2008-04-01
被引用文献数
5

算数・数学教育における新たな目標として「算数・数学の力」を考えた.算数・数学の力とは,算数・数学のあらゆる活動に関わるはたらきで,大きく「算数・数学を生み出す力」,「算数・数学を使う力」,「算数・数学で表す力」,「算数・数学で考え合う力」の4つの力で構成される.初めに,我が国の算数・数学科の教育課程の史的分析,算数・数学のカリキュラムの国際比較,算数・数学教科書の研究,数学的な考え方・問題解法の史的分析,社会の算数・数学教育に関する意識の分析を行った.その上で,算数・数学教育の目的・目標に算数・数学の力を位置付けた.そこでは,算数・数学教育の目標を概念理解と能力習得とで均衡を図った.そして,算数・数学の力を,算数・数学的内容との一体化,算数的活動・数学的活動の重視などの原則の下で構造化し,その質の高まりを具体化するための算数・数学の力の水準の重要性を指摘した.
著者
中村 大 神田 和重 小柳 勝 山村 俊雄 細野 浩司 吉原 正浩 三輪 達 加藤 洋介 Mak Alex Chan Siu Lung Tsai Frank Cernea Raul Le Binh 牧野 英一 平 隆志 大竹 博之 梶村 則文 藤村 進 竹内 義昭 伊東 幹彦 白川 政信 鈴木 裕也 奥川 雄紀 小島 正嗣 米谷 和英 有薗 尚倫 久田 俊記 宮本 晋示 野口 充宏 八重樫 利武 東谷 政昭 伊藤 文俊 亀井 輝彦 亀井 輝彦 丸山 徹 井納 和美 大島 成夫 大島 成夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.6, pp.25-29, 2008-04-10
被引用文献数
10

43nm CMOSテクノロジを用いた16ギガビット4値NANDフラッシュメモリを開発した.66NANDと新規コントロールゲートドライバー回路を用いた構成とし、アレー上にパワーバス配線を配することでチップサイズ120mm^2を実現し、micro SDカードへ実装可能とした.デュアルステージドライバーを用いることで1.8V VCCQで25nsのサイクルタイムを実現した.
著者
東 朋美 神林 康弘 藤村 政樹 大倉 徳幸 吉崎 智一 中西 清香 西條 清史 早川 和一 小林 史尚 道上 義正 人見 嘉哲 中村 裕之
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.s212-s217, 2014

The frequency and scale of Asian dust events have increased rapidly in East Asia since 2000. In connection with this, the effects of Asian dust (<i>kosa</i>) on human health, especially on allergic diseases, are major concern in Japan. We herein discuss the effects of <i>kosa</i> on allergic diseases, including asthma, chronic cough and Japanese cedar pollinosis. Epidemiological studies, as well as experimental studies, have demonstrated the association between <i>kosa</i> and the exacerbation of asthma and allergic diseases.The <i>kosa</i> particles increase airway inflammation as one of the major sources of atmospheric particulate matter. Furthermore the <i>kosa</i> particles absorb various atmospheric gases, including air pollution. Such environmental pollution enhances the response to allergens, including Japanese cedar pollen. Recently, some epidemiological studies used the <i>kosa</i> data obtained by the light detection and ranging (LIDAR) system, which distinguish between mineral dust and other spherical particles, by identifying differences in the shape of the particles. Further studies using the LIDAR system will help to identify the <i>kosa</i> aerosol components that have adverse health effects, leading to provide new strategies to prevent environmentally induced allergic diseases.

1 0 0 0 OA 仏蘭西だより

著者
島崎藤村 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1922
著者
坂尻 浩一 増子 史織 金子 拓馬 増田 治加 藤村 忠正 渡辺 順次 戸木田 雅利
出版者
The Imaging Society of Japan
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.426-429, 2014

水分散性に優れるナノダイヤモンドと水溶性のポリビニルアルコールを用いナノコンポジット薄膜を作製した.これまでナノダイヤモンドは主に研磨材などの力学的な特長を発揮させた用途で使用されてきた.ここでは,ナノダイヤモンドの高い屈折率 (2.42) に着目し,透過率や光散乱などの光学特性を評価した.その結果,高透過率でありながら光を散乱させることが示された.透き通っているため背景を眺めることができると同時に,プロジェクターなどで画像を投影することができ,透明スクリーンとして機能することが見出された.今後は高層ビル,ショッピングウインドウ,水族館や動物園の窓材,車のヘッドアップディスプレイなどに,必要に応じて,広告や情報を表示するための材料として光学的な応用が期待される.
著者
藤原 孝幸 輿水 大和 藤村 恒太 藤田 悟朗 野口 孔明 石川 猶也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.426, pp.27-32, 2001-11-09

デジタルカメラで撮影した顔画像を全自動で立体的にデジタル化する技術と, 3次元的な顔の特徴点を抽出してデフォルメする技術について提案する.複数のデジタルカメラの通常撮影, シルエット投影撮影とパターン光照射撮影から顔の色彩と凹凸情報を取り込み, 頭部を自動抽出可能な44特徴点から構成される82パッチにより3次元モデル化した.顔の3次元データから目, 鼻, 口などの部分顔領域を抽出し, その領域から得られる特徴点を用いることで複数の顔画像間での対応が実現できた.そして, 複数の顔モデルからデータ間の平均を取った平均顔を基準顔として生成し, それを比較対照として全周3D似顔絵を生成した.また, この技術を用いた似顔絵のフィギュア製作の可能性を示した.
著者
藤村 好美
出版者
東京大学大学院教育学研究科生涯教育計画講座社会教育学研究室紀要編集委員会
雑誌
生涯学習・社会教育学研究 (ISSN:1342193X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.35-45, 1997-03-31

Myles Horton pursued a truly democratic society through the practice at the Highlander Folk School. In search for a better way of educating people, Horton came across Bishop Grundtvig's ideas of Folkehojskole and were greatly influenced by him. Horton himself says in his paper, ".. .it was not his educational ideas, but Bishop Grundtvig himself that attracted me." In this paper, I study Grundtvig's ideas of Folkehojskole and see how they influenced Horton's ideas of folk school, so that I can reconfirm the modern meaning of Grundtvig's philosophy. This is one of a series of my work tracing the thinkers who influenced Horton's philosophy of adult education. First, I roughly trace some thinkers who had influence on Horton in accordance with his life history. Secondly, I review Grundtvig's ideas of Folkehojskole together with their historical background in Denmark. Thirdly, I study what Grundtvig's ideas meant to Horton and consider why Horton was disappointed with the folk highschools after Grundtvig's days. Finally, I study the modern meaning and the universality of the ideas of Grundtvig and Horton in relation to the popular education in Latin America.
著者
藤村 幸三
出版者
滋賀大学
雑誌
滋賀大國文 (ISSN:02866803)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.28-37, 1966