著者
酒井 浩二 乾 敏郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.211-219, 1999-08-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
19
被引用文献数
1 3

We investigated the distortion that occurs during the storage of representations in visual short-term memory by using smooth closed figures with varying stimulus complexity and similarity. In similarity judgments, the results suggested that the psychological similarity between two figures was based on averaging physical similarities of matched features. In a detection experiment, the results showed that the processing of detection was limited in its capacity for the precision of shape, and that it was more difficult to detect the precise shape in the case of complex figures. In a recognition experiment, the results showed that forgetting occured during a one-second retention interval. These two results showed that internal noise distorts both detection and retention processes. These findings suggested that representations of the complex figures with many features were distorted to a larger degree because each feature was individually masked with internal noise. It is concluded that the psychological similarity between an input pattern and a distorted pattern stored in short-term memory is invariant with stimulus complexity.
著者
/ 船越 和久 末宗 洋 大石 武 秋田 弘幸 酒井 浄 Kiyoshi Sakai
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.3058-3060, 1986-07-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
9
被引用文献数
7 9

Microbial reduction of 7-methoxycarbonyl bicyclo[4. 3. 0]non-3-en-8-one ((±)-3) afforded the optically active (-)-3, which was efficiently converted by ring contraction using thallium (III) nitrate to the intermediate (11) used to synthesize carbacyclin (1).
著者
神藤 英二 望月 英隆 寺畑 信太郎 古谷 嘉隆 内田 剛史 酒井 優
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.2210-2214, 1997-11-01
被引用文献数
8

盲腸に発生した, 腺癌と偏平上皮癌の成分を含む内分泌細胞癌の症例を経験した. 肉眼的には典型的な2型腫瘍であったが, 組織学的検索から同一腫瘍内に内分泌細胞癌と腺癌の領域を認め, さらに内分泌細胞癌の内部には偏平上皮癌への分化を示す部分を多数認めた. 内分泌細胞癌の診断の過程で行った免疫染色では, neuron-specific enolase に陽性を示したものの, クロモグラニンAには陰性であったため, 電子顕微鏡検査を追加, 内分泌顆粒を認めたことで, 最終的に内分泌細胞癌の診断を得た. 臨床的には悪性度が高く, 肝転移を認めたため肝切除を含む根治度Bの手術を施したが, 残肝再発を来し, 術後9か月目に死亡した. 今回の症例は, 組織学的多様性から, 腫瘍発生母地, およびその分化の過程が注目されるので報告した.
著者
酒井 哲也 野上 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.105-112, 2009-01-15
参考文献数
15

(株)ニューズウォッチは,ユーザの情報要求の変化をシステム側が促進し,ユーザが繰り返し検索を行う過程で有用な情報に 「出会う」 ことを可能にする探検型検索サイト「コトバ ノ ウチュウ」 を 2008 年 9 月に正式リリースした.このサイトでは,情報要求の変化促進の手段として,日本語版ウィキペディアの参照関係を視覚したインタフェース 「ギンガ」 を提供している.本研究では,「コトバ ノ ウチュウ」の 2008 年 10 月分のクエリログおよびクリックスルーデータを用い,ユーザが 「ギンガ」 上でどのようなクエリからどのようなクエリに遷移するかを分析した.その結果,ユーザは,人名から人名,組織名から組織名,地名から地名といったように現在のクエリと同一のタイプのクエリに遷移する明確な傾向があることがわかった.本知見は,探検型検索においてより有用なクエリ候補をユーザに提示するために役立てる予定である.In September 2008, NewsWatch, Inc. released an exploratory Web search site called KotobaNoUchu (Galaxies of Words), which encourages change in the user's information need and enables "serendipitous search" through repeated querying. To this end, KotobaNoUchu visualises the graph structures of Japanese Wikipedia, in a graphical interface called ginga (galaxy). In this study, we analyse the query log and clickthrough data of KotobaNoUchu from October 2008, to see how users move from a certain type of query to another on the ginga interface. Our results show that users clearly tend to make transitions within the same query type - from person names to person names, from place names to place names, and so on. We plan to utilise this finding for providing the user with more useful query candidates for exploratory search.
著者
藤澤 令夫 小澤 和道 美濃 正 山本 耕平 木曽 好能 酒井 修
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

昨年度に続いて本年度も各研究分担領域で「壊疑」のもつそれぞれの意味と役割を究明し, 西洋哲学における壊疑論の歴史的変遷を跡づけることに努めた. 古代ギリシアでは後期に懐疑派が現れるが, この派の哲学の全体的特徴はセクストス・エンペイリコス著『ピュロン哲学の概要』に述べられている. それによれば懐疑哲学では判断保留とそれに伴う平静な悟脱の心境が問題とされ, 特にその判断保留の十箇の方式をめぐってはその著の第14章で詳述されている. 教父哲学ではアウグスティヌスによる新アカデミア派の懐疑論克服が問題とされるが, 彼の『自由意志論』第2巻では「神の存在論証」と相俟って真理の超越的独存性が立証され, 真の認識の成立根拠が確証される. 彼の影響下にある中世哲学では基本的には懐疑の問題は主要な関心事とはならなかった. このような哲学としてはトマスの哲学が取り上げられ, 彼のessentia概念の二義性が抽象説との関係において論じられる. 近世ではデカルトが一切のものに対して徹底して懐疑を行なった末にcogito ergo sumという不可疑的な真理の発見に到るが, これに対するストローソンの批判が考察される. 彼のデカルト批判によれば, cogito ergo sumを成立させる「私」という個体の存在は「私」以外の他の個体の存在を既に前提とする. つまり, 個体指示表現が有意味であるためには, 個体とそれ以外の個体との識別可能性の原理の働くことを認めねばならないと言えよう. 現代の英米哲学においても懐疑論に関係する多くの問題がみられる. その一つに, 経験的認識の証拠による不十分決定underdeterminationの問題が挙げられる. 今日の反実在論の多くはこの「証拠による不十分決定」に依拠している点である意味での懐疑論の変種とみなすことも不適切とは言えない. 又, 懐疑論・弁証法・解釈学・ニヒリズム相互の関係も本研究において深く問題としてきた哲学的・倫理的課題である.
著者
末宗 洋 田中 正一 尾葉石 浩 酒井 浄
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.15-21, 1988-01-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
9
被引用文献数
9 18

Synthesis of prostaglandin A2 (PGA2) by means of a route involving enzymatic reactions is described. Enantioselective reduction and hydrolysis of trans-3, 4-bis(methoxycarbonyl)cyclopentanone (1) were examined using yeasts or enzymes, and it was found that (+)- and (-)-1 are easily obtained by an enzymatic procedure. Compound (+)-1 was converted to the Corey intermediate for PGA2 via the regioselective hydrolysis of the (+)-diacetate (8) with porcine pancreatic lipase. This synthesis based on the enzymatic approach was proved to be useful for the synthesis of both PGA and PGE from (-)-1.

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著者
大島 利雄 酒井 英行 長谷川 修司 蓑輪 眞 島田 敏宏 小間 篤 中村 正治 中村 栄一 杉田 精司
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.6-14, 1999-09

古くて新しい代数解析/三体力の検証/電子の海のさざ波/ボロメータによる暗黒物質の直接検出/有機薄膜成長の精密制御/有機化学反応の解析:予測における量子力学計算の利用/惑星表面の高速衝突現象
著者
酒井 哲也 野上 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.105-112, 2009-01-15

(株)ニューズウォッチは,ユーザの情報要求の変化をシステム側が促進し,ユーザが繰り返し検索を行う過程で有用な情報に 「出会う」 ことを可能にする探検型検索サイト「コトバ ノ ウチュウ」 を 2008 年 9 月に正式リリースした.このサイトでは,情報要求の変化促進の手段として,日本語版ウィキペディアの参照関係を視覚したインタフェース 「ギンガ」 を提供している.本研究では,「コトバ ノ ウチュウ」の 2008 年 10 月分のクエリログおよびクリックスルーデータを用い,ユーザが 「ギンガ」 上でどのようなクエリからどのようなクエリに遷移するかを分析した.その結果,ユーザは,人名から人名,組織名から組織名,地名から地名といったように現在のクエリと同一のタイプのクエリに遷移する明確な傾向があることがわかった.本知見は,探検型検索においてより有用なクエリ候補をユーザに提示するために役立てる予定である.In September 2008, NewsWatch, Inc. released an exploratory Web search site called KotobaNoUchu (Galaxies of Words), which encourages change in the user's information need and enables "serendipitous search" through repeated querying. To this end, KotobaNoUchu visualises the graph structures of Japanese Wikipedia, in a graphical interface called ginga (galaxy). In this study, we analyse the query log and clickthrough data of KotobaNoUchu from October 2008, to see how users move from a certain type of query to another on the ginga interface. Our results show that users clearly tend to make transitions within the same query type - from person names to person names, from place names to place names, and so on. We plan to utilise this finding for providing the user with more useful query candidates for exploratory search.
著者
酒井 紅
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.55-58, 2018 (Released:2018-04-01)
参考文献数
4
被引用文献数
2

環境問題への意識の高まりから,木質バイオマスの有効活用が注目を集めており,その中でも特に近年,その応用展開が期待される素材として,セルロースナノファイバー(CNF)の研究が世界各国で活発になっている。一般的にCNFは,木質パルプに機械処理を加えることで得られるが,セルロース同士の強固な水素結合によって,機械処理のみで完全ナノ化(幅3-4nm)したCNFを得ることは困難であった。木質パルプから効率的にCNFを得る方法として,当社では機械処理の前に「リン酸エステル化」という前処理を行い,パルプ中のセルロース分子にリン酸基を導入し,水の浸透圧効果とイオンの静電的反発力の発現により,①微細化時のエネルギーの大幅削減,②ほぼ100%の収率で完全ナノ化可能,③高い透明性と粘性とを発現する,といった特徴を持つCNF水分散液を得ることに成功した。この水分散液は,汎用の天然系増粘剤と比較して透明性に優れ,かつ10倍以上の高粘度を持つため,工業用,化粧品用増粘剤としての利用を検討している。また,当社では他にも,パウダー状,シート状のCNFを開発しており,パウダーでは疎水化パウダーの開発による,塗料,インキ等新たな分野への応用,シートでは高透明性,高強度,熱安定性,フレキシブル性を生かした,フレキシブル電子基板材料やディスプレイ材料への利用が期待される。2016 年のCNF 分散液の実証設備導入を皮切りに,2017 年下期にはシートの実証設備も導入し,更に当社CNF の普及,事業化を加速していく考えである。
著者
酒井 耕一 小平 和良
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1247, pp.30-43, 2004-06-21

注 : 東証1部上場企業の2003年10月〜2004年3月の決算期末(中間決算を含む)と2001年10月〜2002年3月の決算期末を比較。2年前は各銀行が上位10位までの大株主に入っていたが、今年はそこから銀行の名前がなくなった企業を対象とした出所 : NEEDS-FinancialQUEST、『日経会社情報2004年夏号』を基に本誌作成。
著者
酒井 裕一 ラクシンチャラーンサク ポンサトーン 清水 郁子 永井 正夫 ウルブリヒト ダーク アドマット ロルフ
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第54回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.158, 2011 (Released:2012-03-09)

歩行者事故削減のため,カメラを用いて道路上の歩行者検出を行う運転支援技術が提案されているが,車両運動が発生した場合,歩行者検出性能が低下してしまう.本研究では,単眼カメラを用いた車両運動に影響されない歩行者衝突警報システムの開発を目的とする.本報告では,単眼カメラ映像から算出した車両運動を用いて,横断歩道と歩行者位置の補正を行うシステムを構築し,実車実験にてその有効性を確認した.
著者
酒井 清孝
出版者
日本膜学会
雑誌
(ISSN:03851036)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.2-9, 2012 (Released:2012-09-14)
参考文献数
34

The most commonly used artificial organ is the artificial kidney using dialysis membrane, a machine that performs a treatment known as hemodialysis. This process cleanses the bodies of renal failure patients by dialysis, filtration and adsorption which are simple physicochemical processes. Dialysis membranes account for the largest volume of artificial membranes, far outstripping other fields. Worldwide, the consumption of dialysis membranes has reached some 300 million square meters a year. More than 70% of the dialysis membranes in use are made of polysulfone. This paper describes dialyzers and dialysis membranes so far developed for blood purification.
著者
石渡 奈緒美 堤 一磨 福岡 美香 渡部 賢一 田口 靖希 工藤 和幸 渡辺 至 酒井 昇
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.265-274, 2012-08-05
参考文献数
19
被引用文献数
1

IHクッキングヒーターを加熱源とし,フライパンでハンバーグを片面ずつ焼成する時の温度と水分移動を予測できる数学モデルを構築するため,モデル試料(シリコン,ボロニアソーセージ)を用いた解析を行った。蓋をしたフライパン内全体を調理空間とみなした伝熱モデルは,IH発熱層,フライパン伝熱層,フライパンと試料との接触層および試料から構成される伝導伝熱領域と,フライパン内の空気との熱伝達からなる。試料表面と空気との熱伝達とともに,フライパンから空気への放熱が,試料の温度上昇に影響をおよはずことから,試料のないフライパン面と空気との熱伝達も考慮した。水分移動の計算では,試料表面とともに,試料内部も水分蒸発の計算領域とした。本モデルの妥当性を検証するため,調理中に形状が一定とみなせるボロニアソーセージを用い,中心温度50℃で一度反転させた際の温度と含水率変化を算出した。その結果,解析値は実験値と同様な傾向を再現可能であった。