著者
宮津 純一郎 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1124, pp.74-77, 2002-01-14

問 情報技術(IT)革命の最中、通信産業は成長セクターとはやされましたが、ITバブルが崩壊すると、設備過剰を抱える不況業種に転落しました。成長産業、成熟産業のどちらなんでしょうか。 答 IT産業に固有の問題ではなく、資本主義自体がおかしくなってきた。そんな感じがある。技術革新が起きたら、俺は、それが地球上にいる人間みんなに行き渡ってほしいと思う。
著者
スウィト アノタイシンタウェー チャイヤワン ワッタナチャント 野村 こう 大石 孝雄 天野 卓 Anothaisinthawee Suwit Chaiyawan Wattanachant Koh Nomura Takao Oishi Takashi Amano
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.63-70,

濃厚飼料給与量を体重の1パーセントとした給餌条件下で飼育したタイ産肉用ヤギ3集団の屠体成績を得ることを本研究の目的とした。南部タイ在来種,2元交雑(50%アングロヌビアン種×50%在来種),3元交雑(50%ボアー種×25%アングロヌビアン種×25%在来種)から健康な1歳雄18頭を無作為に選び,24時間絶食後,屠殺した。3元交雑は2元交雑および在来種に比べ,屠殺前生体重,枝肉重量,枝肉長の値が有意(P<0.01)に大きかった。枝肉歩留は50.20~54.28%で,3元交雑が有意(P<0.01)に低かった。3元交雑のロース心面積は,2元交雑や在来種に比して有意(P<0.01)に大きかった(それぞれ16.97,11.19,8.13cm^2)。屠体の物理学的特性,肉の化学組成と微細構造は,骨と肉の比率を除いて3集団に差はなかった。在来種の骨量は他集団に比べ有意(P<0.01)に低く,筋肉─骨比はほかの2集団に比べて有意(P<0.01)に高かった。また可食肉(筋肉+脂肪)─骨比も有意(P<0.05)に高かった。肉のタンパク含量は3元交雑(22.4%)が有意(P<0.05)に高く,脂肪も同様(P<0.01)であった。肉の剪断力価と肉色は集団により有意(P<0.05)に異なった。胸最長筋の剪断力価は大腿二頭筋や上腕三頭筋より低く(P<0.05),国際標準照度値による肉色測定では大腿二頭筋と上腕三頭筋の肉色は胸最長筋よりも暗かった(P<0.05)。The objective of this study was to assess the carcass characteristics of three genotypes of meat goats in Thailand, kept in a semi-intensive system with concentrated feed at 1% of body weight. Eighteen healthy male yearlings, including Southern Thai native, two-way crosses (50% Anglo-Nubian ×50% native) and three-way crosses (50% Boer ×25% Anglo-Nubian ×25% native) goats were randomly selected and slaughtered after being starved for 24 h. Three-way crosses had greater (P<0.01) fasted live weight, carcass weight and carcass length than two-way crosses and native goats in the same environment. The dressing percentage (based on empty body weight) ranged from 50.20% to 54.28%, with highly significant differences between genotypes. Three-way crosses had greater (P<0.01) loin eye area than two-way crosses and native goats (16.97, 11.19, and 8.13cm^2, respectively). Physical properties, chemical composition of meat, and muscle microstructure of the three genotypes were determined. There were no differences in physical properties between genotypes, except for bone percentage. Native goats had lower (P<0.01) bone content than two-way and three-way crosses. The muscle-bone ratio was higher (P<0.01) in native goats than in other goats, even using the criterion of edible meat (muscle+fat-bone ratio, P<0.05). The protein percentage of muscles was significantly higher in three-way crosses (22.4%) than in two-way crosses and native goats (P<0.05). The fat percentage of three-way crosses was higher (P<0.01) than that of two-way crosses and native goats. Genotype had a significant (P<0.05) influence on meat quality in regard to shear force and lightness. The longissimus dorsi had a lower shear force value than the biceps femoris and triceps brachii (P<0.05). The International Commission on Illumination system values for the biceps femoris and triceps brachii were lower (P<0.05) than those for the longissimus dorsi.
著者
野村 恭彦 片山 貴嗣 斉藤研一郎 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.72-81, 2005-06-15
参考文献数
28
被引用文献数
1

知識の共有・活用は企業の重要課題となっており,そのための情報の蓄積・検索のメカニズムや,掲示板を活用したQ&A メカニズムが提案されてきた.しかし,多くのナレッジ・マネジメントの実践を通して,知識を必要とする人と,その知識を持つ人の間の相互理解や信頼関係がなければ,知識がうまく流れないことが明らかになってきた.本論文では,今は知らない相手でも,出会ったときに「持ちつ持たれつ」あるいは「尊敬しあえる関係」になれる人同士の関係を「潜在ソシアルネットワーク」と呼び,その探索手法の提案を行う.提案手法は,各ユーザの回答可能な知識領域と,各ユーザの持つ知識ニーズを管理し,状況に応じて互恵関係を検索・提示する.プロトタイプを構築し,「私はあなたを助けられるし,あなたは私を助けられる」という関係を提示することが,パブリックに質問を投げて回答を期待する手法に比べ,回答獲得可能性が高く,質問に回答する人の多様性が増すことを示す.Sharing and utilization of knowledge is an important issue among companies. Mechanisms of information retrieval and Q&A by utilizing bulletin board were proposed for such issue. However, it was discovered through number of knowledge management practices, that successful flow of knowledge is difficult if there are no mutual understanding and relationship of trust between those who need the knowledge and those who have such knowledge. In this report, we call "potential social network" which describes the situation where strangers meet each other for the first time and can have relationship of "give and take" or "mutual trust" and will propose its method to search. This method is to manage each user's possible response of knowledge domain and their knowledge needs and search reciprocal relationship according to the condition. Compared to the method that questions the public and wait for their answers, the method that creates prototype and presents the relationship of "I can help you and you can help me," will i crease the possibility of obtaining the response as well as the diversity of the respondents.
著者
野村 佳絵子 黒田 浩一郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.449-467, 2005-03-31
被引用文献数
1

日本では, 1970年代の半ば頃から, 人びとの健康への関心が高まり, それまでよりも多くの人びとが健康を維持・増進するための行動を心がけるようになったといわれている.周知のとおり, これらの現象は「健康ブーム」と呼ばれている.医療社会学では, このような「ブーム」の背景に, 「健康至上主義」の高まりを想定している.しかし, 「健康ブーム」も「健康至上主義」の高まりも, それらの存在を裏付ける証拠はいまのところ存在しない.そこで, 本論では, 書籍ベストセラーが人びとの意識や関心を反映しているとの仮定のもとに, 健康に関するベストセラーの戦後の変遷を分析することを通して, 人びとの健康についての意識の程度やあり方の変化を探った.その結果, 健康に関する本のベストセラーは1970年代の半ばに初めて登場したわけではなく, 1950年代後半から今日まで, そう変わらない頻度で現れていることが見出された.また, 「健康ブーム」といわれる時期の初期およびその直前には, 医学をわかりやすく解説する啓蒙書がベストセラーになっていることが発見された.したがって, 1950年代後半から今日まで, 人びとの健康への関心の程度にはそれほど変化がないということになる.また, 「健康ブーム」とされる時期に特徴的なことは, 健康への関心の高さではなく, むしろ, 健康に良いと信じられていることに対する批判的な意識の高まりではないかと推測される.
著者
野村 克也 佐藤 珠希
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.436, pp.118-121, 2018-10

──2017年12月8日に虚血性心不全で妻の沙知代さんが亡くなって、半年以上が過ぎました。 人間って厄介だなって思うのは、そばにいた時は何とも思わなかったのに、いなくなるとその存在の大きさを痛いほど感じること。家に帰って話をする人がいないのがこんな…
著者
野村 俊之 杉岡 健一 徳本 勇人 木下 卓也
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、バイオフィルム形成メカニズムの解明と、磁場を利用したバイオフィルムの形成制御技術の開発を行った。その結果、バイオフィルムの形成パターンは、微生物が固体界面に付着するときの自由エネルギー変化の値により異なることを明らかにした。また、流れ場においてバイオフィルムが形成されやすい場所に、予め分解酵素を吸着させた磁性粒子を磁場により固定化しておくと、バイオフィルム形成を抑制できることを明らかにした。
著者
蕪山 典子 立野 玲子 後藤 敏行 影井 清一郎 富樫 卓志 菅野 純夫 恒川 隆洋 野村 信夫
出版者
Chem-Bio Informatics Society
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.27-37, 2004 (Released:2004-07-15)
参考文献数
9

ヒト遺伝子の機能解明の手かがりとして、その産物であるタンパク質が細胞のどの小器官に局在するかに注目している。産生タンパク質をEYFPとの融合タンパク質として発現させると、タンパク質局在は蛍光顕微鏡下で各小器官に対応した蛍光像として観察される。約3万2千個と判明したヒト遺伝子の完全長cDNAクローンに対して網羅的に客観的な尺度によって局在する小器官を高速に判定するシステムを開発している。顕微鏡像を画像として記録し、パターン認識手法によって画像を小器官のカテゴリに分類するシステムである。ある遺伝子を導入しても細胞によって、現れる局在の像は多様である。本論文では、この多様性に適合する画像の分類を提案する。各小器官を標識する局在ベクターを用いた試行実験で97.9%の認識率が得られ、提案手法の有効性が検証された。今後は対象を完全長cDNAクローンによる局在へと拡張する予定である。
著者
三原 陽子 森川 大 野村 泰志 西井 良典
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.102-105, 2017 (Released:2017-10-31)
参考文献数
4

The (−)-podophyllic aldehydes (Figure 1) exhibit notable antineoplastic cytotoxicity by apoptosis-inducing activities. In this study, we analyzed the selectivity mechanisms of some important reactions in the asymmetric total synthesis of (+)-podophyllic aldehydes which are enantiomers of the (−)-podophyllic aldehydes, by the molecular orbital method. As a result, it was shown that the selectivity of the Grignard reaction in compound 1 (Figure 2) is caused by steric hindrance. Furthermore, it was also indicated that the selectivity of the reduction in compound 2–1 is caused by the localization of LUMO at the reactive site, and the reduction in compounds 2–2 and 2–3 Scheme 2) does not proceed due to the steric hindrance by the trimethoxyphenyl group.
著者
野村 恵美 鎌田 恭子 久保 知子 福岡 達仁 碓井 裕史
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.53-60, 2007 (Released:2007-09-28)
参考文献数
11

肥満の成立には食物の摂取量,食習慣や運動量の他に遺伝素因も関与することがわかってきた。β3アドレナリン受容体遺伝子には安静時代謝量が低下する多型があり,日本人の約30%が該当する。減量指導にこの遺伝子の多型を調べ応用した。対象は職域健診でBMI (体格指数) 24以上の男女で,遺伝子検査を承諾し,生活習慣病の治療を受けていない45人 (男性39人,女性6人) とした。遺伝子多型は静脈血白血球から抽出したDNAを用いて,PCR法および制限酵素切断法により解析した。β3アドレナリン受容体の遺伝子型は変異なし群33人,変異あり群12人であった。保健師が各人の生活習慣や食行動を調査し,職域を巡回して,遺伝子検査結果の説明および減量のための個別指導をおこなった。指導開始から3か月後にBMIの低下した人は変異なし群75%,変異あり群92%で,いずれの群も指導前に比べBMIは有意に低下した。指導8か月後では変異なし群で57%,変異あり群では67%の人にBMIの低下が見られた。ただし,どの時点においても遺伝子の変異あり,なし両群間におけるBMIの変化に有意差を認めなかった。また,変異なし群は49%,変異あり群は75%に行動変容が認められ,約80%の人が「自分の身体に興味が持てた」や「ダイエットのきっかけになった」など遺伝子検査を受けて良かったと答えた。遺伝子解析結果を応用することで個別性のある減量指導をおこなうことができた。
著者
野村 佳司 高橋 利郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.100, no.6, pp.372-377, 2005-06-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7

清酒には固有の色があり, 品質の4部であるともに風味のバロメータ4になっている。流通段階で清酒が過度に着色するとクレーム対象となるため, 日光着色については万全の対策が講じられている。一方, 着色は日光ばかりではなく蛍光灯によっても起こることはしばしば経験される。筆者らは蛍光灯による清酒の着色現象を詳細に調べている。本稿は着色の実態とその防止策について貴重な情報を提供している。
著者
野村 哲志
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.343-348, 2017-07-25 (Released:2017-08-29)
参考文献数
11

高齢者は加齢と共に身体機能の変化が起こり,種々の病気を合併し,薬剤の使用などの影響も受けやすい状況です.それらの影響で,昼夜逆転を含んだ睡眠障害を起こしやすい状況にあります.特異のものとしてレム睡眠行動障害があり,せん妄と鑑別の上で内服加療の必要があります.せん妄には背景因子があり,認知症患者で見られる周辺症状も含めた対応としては,病態の背景を理解し,生活指導の上少量の薬剤で対応する必要があります.
著者
中根 志保 沖 淳義 薄葉 文彦 桐山 誠一 浜田 俊之 野村 文一 遠藤 真弘
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.443-448, 2009 (Released:2013-05-23)
参考文献数
12

左冠動脈肺動脈起始症は先天性心奇形の0.3%を占める極めて稀な疾患である. 本症には側副血行路の発達が悪く, 無治療では生後1年以内に約90%が心筋虚血や致死的心室性不整脈などで突然死するといわれている乳児型と, 側副血行路が発達し無症状で小児期を経過し, 成人になってから発見される成人型がある. 成人型は本症の約10%を占めるとされるが, 今回, 高齢にいたるまで無症状であった本症を経験し, 稀な症例と考えられたので報告する. 症例は70歳, 女性. 労作時息切れにて当院循環器科を受診した. 心エコーでは左心房, 左室の拡大, 心収縮率の低下, 左室壁運動の低下, 僧帽弁逆流症が認められた. 冠動脈造影では, 右冠動脈は約8mmと著明に拡張し, 発達した側副血行路を介して左前下行枝が逆行性に造影された後, 主肺動脈への造影剤の流入がみられた. 以上より左冠動脈は主肺動脈より起始していることが判明し, 僧帽弁形成術, 左冠動脈主幹部移植術, 三尖弁形成術を施行し, 退院した.
著者
野村 恭子 中尾 睦宏 竹内 武昭 藤沼 康樹
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.619-625, 2005
参考文献数
20
被引用文献数
1

うつ状態の26歳男性にparoxetine 10mgを4カ月間投薬後, 家庭的・経済的理由により三環系抗うつ薬へ変更した.Paroxetine中止3〜4日後より衝動性, 易刺激性, 激越などが出現したが, うつ状態のコントロール不良が前景に立っていたため, SSRI退薬症候群の診断が困難であつた.患者は突然の症状に動揺し, 診察予約を無断キャンセルするなどその後の治療経過に難渋した.海外の疫学研究では, 同症候群は早期に自己寛解する経過良好の疾患群で, 希死念慮や投薬量について因果関係は検討されていなかつた.SSRIの投薬を中断する場合には, たとえ最低量の中断においても, 患者に予期される症状を十分に説明することが, 円滑な治療の継続のため重要であると考えられた.
著者
野村淳一・天野圭二 天野 圭二
出版者
星城大学
雑誌
星城大学経営学部研究紀要
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-12, 2015-03-27

AbstractIn this paper, we proposed the instructional design and evaluation method of game-basedlearning for business administration. We also discussed educational effects and some problemswith practical examples.Game-based learning is classified as a complementary method to traditional educationtechniques for management education; lectures, exercises and case method. Playing managementsimulation game with intent to learn, students can comprehensively utilize the knowledge ofvarious subjects they have learned in lectures.From the questionnaire results in our case study, the original goal of teaching, such asimprovement of systematic understanding of business administration and learning motivation, aregenerally achieved, and effectiveness of game-based learning can be confirmed.
著者
上田 泰之 浦辺 幸夫 山中 悠紀 宮里 幸 野村 真嗣
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.323-328, 2009 (Released:2009-07-24)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

〔目的〕本研究は,上肢挙上運動時にさまざまな負荷を与えた際の肩甲骨および体幹の運動を分析することにより,どの程度の負荷量が肩甲骨上方回旋,後傾運動および体幹伸展運動を増大させるかを明らかにすることを目的とした。〔対象〕対象は肩関節に疼痛の訴えがない健常成人男性15名とした。〔方法〕無負荷,2 kg,4 kg,6 kgを上肢に負荷した状態での上肢挙上動作を,デジタルビデオカメラにて撮影し,肩甲骨上方回旋角度,肩甲骨後傾角度,胸椎伸展角度,腰椎伸展角度,骨盤前傾角度を算出した。〔結果〕肩甲骨上方回旋角度は上肢挙上角度150°以降で6 kgの負荷が無負荷より有意に大きかった。胸椎伸展角度は上肢挙上角度60°,90°で4 kg,6 kgの負荷が無負荷より有意に大きく,上肢挙上角度120°以降では2 kg,4 kg,6 kgの負荷が無負荷より有意に大きかった。〔結語〕負荷を与えた上肢挙上動作では,肩甲骨上方回旋に加え,胸椎伸展運動も大きくなっていた。
著者
野村 亮太 丸野 俊一
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.12-23, 2009

本研究の目的は、自然言語処理技術を援用して、熟達した噺家の語りに〈核〉として現れる中心的な概念を明らかにすることである。インタビューの逐語記録(芸談)をデータとし、複数の語が同一の文に同時に含まれるという共起情報を利用して、語によって表現される信念どうしの相互関係を推定し、信念地図を作成した。この手法は、先入観によるバイアスや見落としの危険性を低減させ、噺家の信念地図の時系列的な変化や師匠と弟子とのあいだの信念地図の類似性を客観的・定量的に検討することを可能にするものである。
著者
野村 昌史
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

各地の農業試験場等にアンケート調査を行ったところ、キャベツ等にキンウワバ類の被害が多いという回答を得られたが、イラクサギンウワバの発生が見られるという回答は少なく、本種の認識がなされていない可能性が示唆された。そこで特にキャベツほ場等を中心にキンウワバ類の幼虫採集を行った。その結果、多くの地域での本種の発生が確認された。主として6月および10月に行ったが発生するキンウワバ類には違いが見られた。すなわち6月の時期にはどの地域でもタマナギンウワバが優占種であり、イラクサギンウワバの発生は少ないものであった。ところが10月の時期に採集を行うと、西日本では優占種が交代し、ほとんどのほ場ではイラクサギンウワバしか発生がみられなかった。千葉県では優占種はタマナギンウワバで変わらなかったが、イラクサギンウワバの比率が増加していた。さらに12月に入った調査ではイラクサギンウワバの個体数は急激に減少し,タマナギンウワバより早く野外で見られなくなった。その要因のひとつとして,イラクサギンウワバは低温に弱く,冬の早い段階でほとんどが死滅するためと考えられたため室内実験を行い、各ステージの低温耐性を求めた。各ステージを5℃条件下に長時間さらしてその死亡率などを求めた。その結果、幼虫ではイラクサギンウワバの死亡率がタマナギンウワバよりも高く、イラクサギンウワバは低温耐性が低いことが判明した。冬の寒い時期でも発生が見られ,翌年春先から再び出現し始めるタマナギンウワバに比べ,冬にほとんどが死滅してしまうイラクサギンウワバは,翌年の発生が遅くなると考えられた.イラクサギンウワバの発生源調査は今回のデータだけでは明らかにできなかったが、室内実験ではキンウワバトビコバチというキンウワバに特異的な寄生蜂に日本産のイラクサギンウワバは寄生されなかった。北米個体群では寄生されることが分かっており、実験にも用いられるほどであるから、北米個体群が日本に入り込んでいる可能性は低いと考えられた。