著者
金井 雅弥
出版者
将棋と文学研究会
雑誌
将棋と文学スタディーズ
巻号頁・発行日
vol.2, pp.46-60, 2023

坂口安吾「町内の二天才」は、一九五三年一二月発行の『キング』に掲載された。安吾は将棋の観戦記や将棋を題材とした小説などを書き残しており、将棋に関係する作品が数多く存在する。近年では、二〇一八年に中央公論新社から安吾の将棋と囲碁に関する作品のアンソロジーである『勝負師』が刊行されている。しかし、「町内の二天才」は、将棋が題材となっているのにもかかわらず、このアンソロジーに収録されていない。また、奥野健男が「つまらない」と述べるように先行研究での評価は芳しくなく、これまでほとんど注目されてこなかった。本作は、親バカ同士のちっぽけな意地の張り合いが繰り広げられる小説である。
著者
冨士田 裕子 高田 雅之 村松 弘規 橋田 金重
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.143-153, 2012-07-30 (Released:2017-04-27)
参考文献数
39
被引用文献数
9

近年、ニホンジカの個体数の急激な増加により、各地で自然植生に対する様々な影響が現れている。森林に対する影響の報告が多いのに対し、踏査等が困難な湿原へのシカの影響については報告が少ないのが現状である。そこで北海道東部の釧路湿原中央部の大島川周辺をモデルサイトとし、2時期に撮影された空中写真からGISを使用してエゾシカの生息痕跡であるシカ道を抽出し、その変化と分布特性を調べた。さらに、現地で植生調査を行い、調査時よりエゾシカの密度が低かったと考えられる5年前の植生調査結果との比較を行った。また、植生調査区域でエゾシカのヌタ場の位置情報と大きさの計測を行った。その結果、調査範囲62.2ha内のシカ道の総延長は、1977年に53.6kmだったものが2004 年には127.4kmとなり、約2.4倍の増加が認められた。ヌタ場は、2時期の空中写真の解析範囲内では確認されなかったが、2009年の現地調査では大島川の河辺に11ヶ所(合計面積759m2)形成されていた。以上から、大島川周辺では30年間でエゾシカの利用頻度が上昇し、中でも2004年以降の5年間でシカ密度が急増したと考えられた。両時期とも川に近いほどシカ道の分布密度が高く、ヌタ場は湿原内の河川蛇行部の特に内側に好んで作られていた。蛇行の内側は比高が低く、川の氾濫の影響を受けやすいヌタ場形成に都合のよい立地であることに加え、エゾシカの嗜好性の高いヤラメスゲが優占する場所で、えさ場としても利用されていた。大島川周辺には既存のヨシ-イワノガリヤス群落、ヨシ-ヤラメスゲ群落が分布していた。ただし、河辺のヌタ場付近にはヤナギタデ群落が特異的に出現し、DCA解析からこの群落はエゾシカの採食、踏圧、泥浴びなどの影響で、ヨシ-ヤラメスゲ群落が退行して形成された代償植生であることが示唆された。
著者
金澤 宏介 奥村 万規子
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2017-GN-100, no.27, pp.1-7, 2017-01-13

本研究では点滅している LED 光点列をサッカードと呼ばれる高速な眼球運動により残像を知覚させ,情報の提示を行う.光点列は表示情報を縦に分割して順次点滅させているため,表示情報を知覚するためには眼球運動と点滅周期の関係が重要である.本論文では,光点列を二つ用意し,それらを横に設置し観測者に光点列を交互に見させることによりサッカードを無意識的に誘発させる.実験は,光点列の数と知覚の関係性,観測者と光点列の距離と知覚の関係性,光点列と被験者の位置関係による知覚の関係性,点滅周期と知覚の関係性の評価を行う.これらの実験より,光点列を二つにするとサッカードが誘発されやすく,光点列二つと観測者の位置関係では,眼球の 「移動角度」 を決める三点の位置関係が情報知覚に最も影響がある.また,点滅周期がサッカードの持続時間より長いと表示文字は横に伸びて知覚されることがわかった.
著者
尾山 真 金岡 省吾 小松 亜紀子 市村 恒士
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.567-572, 2023-03-31 (Released:2023-05-12)
参考文献数
28

The purpose of this study is to clarify changes in students' awareness of regional settlement in the "Regional Life Plan" course at the University of Toyama through quantitative analysis, and to examine the usefulness of the course. Specifically, a structural covariance analysis was conducted on the questionnaires at the beginning and the end of the course conducted in 2022, to construct structural models of regional- settlement-awareness at the beginning and the end of it. These models suggest that students' awareness of settling in the region is correlated with their choice of region and choice of company. It is also suggested that students' understanding of the social contribution and name recognition of a company increases the attractiveness of employment opportunities in Toyama Prefecture. In addition, it is suggested that a decrease in the importance of regions outside of Toyama Prefecture increases the attractiveness of job placement in Toyama Prefecture.
著者
池田 浩 秋保 亮太 金山 正樹 藤田 智博 後藤 学 河合 学
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.133-146, 2021 (Released:2022-04-29)

Organizations require employees to work safely; they must perform their occupations in a safe manner in order to avoid human errors or incidents. However, there is a dearth of empirical research that examines the motivation to adhere to safety standards as an antecedent for employees’ safety behaviors. The purpose of this study was to develop a scale that would measure the motivation to work safely and examine the self-worth sufficiency model as a source of this motivation in medical and health organizations. Items associated with safety motivation were developed based on Neal and Griffin’s (2006) work on a prior scale. A survey (n = 558) in Study 1 demonstrated that an exploratory factor analysis revealed five factors: accomplishment, competition, cooperation, learning, and new safetyoriented motivation. These results suggested that safety-oriented motivation was distinct from achievement-oriented motivation. Furthermore, a different survey (n = 517) showed that pride and a sense of social contribution had a strong effect on the motivation to work safely. Study 2 evaluated the effect of the self-worth sufficiency model as a source of work motivation and identified that this effect was particularly salient in jobs in which the avoidance of failure is paramount. Taken together, this series of studies highlighted the self-worth sufficiency model’s potential in improving employees motivation to work safely, especially for jobs in which the avoidance of failure is paramount.
著者
増地 克之 町田 正直 松井 崇 薬師寺 巨久 金野 潤 小山 勝弘 岡田 弘隆 金丸 雄介 小俣 幸嗣 武政 徹
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.2_1-2_9, 2009-11-30 (Released:2012-08-28)
参考文献数
14

The purpose of this study is to evaluate “Speed Uchikomi” as a form of strength training. We measured the following variables to evaluate the efficiency of this training, the heart rate according to the different pace of uchikomi, and the percentage of maximal oxygen consumption calculated from the heart rate and RPE. Endocrinological data, such as plasma lactic acid, ACTH and GH levels were also measured. The results were as follows: 1) We inferred from the cardiorespiratory response that “Speed Uchikomi” exceeds 70% maximal oxygen consumption when the frequency is more than once every 1.5 seconds. Therefore, when we use uchikomi as strength training, it should be done at a frequency of more than once every 1.5 seconds. 2) A gradual increase in the plasma lactic acid level, depending on the uchikomi frequency, was observed. “Speed Uchikomi” with a rate of more than once every 1.5 seconds gives a higher value than that of the lactate threshold or onset of blood lactate accumulation. From its energy metabolism, “Speed Uchikomi” is effective as endurance training. 3) “Speed Uchikomi” with a frequency of once every second increased the plasma ACTH level compared with the resting level. In other words, it is suggested that uchikomi which is a basic judo practice, has a significant influence on the endocrine system. 4) After performing “Speed Uchikomi” at the rate of once every second, the plasma GH level increased higher than the resting level, which means it has an anabolic effect. 5) The training rate of once every second is very exhausting and is expected to be more efficient than training at a rate of once every 1.5 seconds, but training like this without planning also carries a risk of overworking.
著者
平野 滋 児嶋 久剛 庄司 和彦 金子 賢一 楯谷 一郎
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.53-60, 2000-01-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

We assessed the surgical effects of Isshiki's thyroplasty on 10 functional voice disorder patients including seven with mutational voice disorder, two with spasmodic dysphonia and one with asthenic voice disorder. Our concept is to select and combine proper surgical procedures according to the laryngeal findings of each case. We conveyed thyroplasty type I and III for six patients, and type II and III for one with mutational voice disorder. For spasmodic dysphonia, thyroplasty type II and III was performed in one case with atrophy of the vocal folds accompanied by contraction of false vocal folds during phonation, while type II thyroplasty was selected for the other case without vocal fold atrophy and supraglottic contraction. One asthenic voice disorder was treated with thyroplasty type II and III. We showed the efficiency of framework surgery for functional voice disorders and discussed how to select the type of thyroplasty for each case.
著者
金崎 圭吾 和田 健太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.I_911-I_918, 2023 (Released:2023-05-12)
参考文献数
20

本研究は,高速道路サグ・トンネル部における Capacity Drop (CD) 現象を内生的に記述する連続体交通流モデルに基づく待ち行列モデルを構築し,渋滞発生確率の特性を解析する.構築するモデルは,CD 現象の考慮に加え,到着需要のゆらぎと交通容量のゆらぎを区別して 2 段階で渋滞発生確率を記述するものである.それぞれの段階についてモンテカルロ・シミュレーションを行い,(i) CD 現象は渋滞発生確率の分布をより需要が低い範囲にシフトさせること,(ii) 渋滞発生確率の分布形状を主に決めるのは交通容量のゆらぎであること,を示す.
著者
谷原 史倫 菊地 和弘 中井 美智子 野口 純子 金子 浩之 鈴木 千恵 吉岡 耕治 永井 卓
出版者
公益社団法人 日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第103回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.162, 2010 (Released:2010-08-25)

【目的】ブタ凍結精液作製時の凍結用希釈液には耐凍剤としてグリセリンのほか,卵黄が20%程度含まれる。卵黄にはホスファチジルコリン(レシチン)が含まれ,精子の先体や細胞膜の安定に重要な役割を果たすと考えられている。ブタ精子は個体ごとあるいはロットごとに耐凍性の差が大きく,さらに卵黄のロット差による凍結用希釈液の品質の違いも融解後の精子性状に影響を及ぼしていると考えられている。本研究では,卵黄の代わりとして市販のレシチン(大豆由来)を用い,品質の担保された凍結用希釈液を作製し,凍結・融解後の精子の体外受精・発生能について検討した。【方法】デュロック種(D)2頭,ランドレース種(L)2頭,大ヨークシャー種(W)1頭から射出精子を採取し,NSF液(Kikuchi et al., 1998,対照区)ならびに卵黄のかわりに5%(w/v)大豆レシチン(Sigma)を添加した液(実験区)で精子を希釈し,0.25 mLストローにて凍結した。37℃温湯で融解し,モデナ液で洗浄・前培養後6時間体外受精を行った。既報により10時間ならびに6日間体外培養を行い固定・染色後に受精ならびに発生状況を調べた。【結果】精子侵入率は,D2頭ならびにL1頭で差がなかったものの,L1頭ならびにW1頭では実験区で有意に低かった(P<0.05)。精子侵入率に差があった2頭中,W1頭では胚盤胞率も有意に(P<0.05)低くなったが,胚盤胞の細胞数には差がなかった。このことから,大豆由来レシチンを添加した凍結用希釈液でもブタ精子の凍結が可能なこと,また,受精後は移植可能な胚に発生することが明らかなった。しかし,卵黄添加に比べて受精率・発生率が下がることもあるため,さらなる手法の改良が望まれる。(農水受託研究「実用技術開発事業」の支援を受けた。)
著者
金森 悟 宇都宮 千春 石倉 恭子 秋元 史恵 鳥羽山 睦子 高波 利恵
出版者
日本産業看護学会
雑誌
日本産業看護学会誌 (ISSN:21886377)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.11-19, 2023 (Released:2023-05-09)
参考文献数
17

目的:今後の日本産業看護学会のあり方に関する会員のニーズを明らかにすることを目的とした.方法:研究デザインはデルファイ法とした.日本産業看護学会の会員363名を対象に,2回のWeb調査を2022年9月から11月にかけて行った.調査項目は,基本属性,学会のあり方に関する原案項目,原案項目以外に学会のあり方で期待することとした.結果:1回目調査は120名(回答率33.1%),2回目調査は98名が回答した.結果を踏まえた著者らの検討により,会員のニーズは【会員向けの情報提供や教育】【産業看護学の推進】【会員同士の交流や相談】【国内外の関連学会・団体等との連携】【社会への発信】【学会の運営】となった.考察:関連学会から出されている学会のあり方と類似する領域もあったが,会員同士の交流や相談に関する領域は特徴的であることが示唆された.結論:会員のニーズは6領域17項目であった.理事会を中心に,対策を検討していくことが望まれる.
著者
秋山 雅博 関 夏美 熊谷 嘉人 金 倫基
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第48回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-13, 2021 (Released:2021-08-12)

【目的】腸内細菌叢は食事や薬剤などの環境因子によって容易に変化し得る。我々は食事を介してメチル水銀(MeHg)を一定量摂取しており、それらが腸内細菌に影響を与える可能性は高い。一方で、腸管には硫酸還元菌が常在し硫化水素 (H2S)などのイオウを産生していることから、イオウ付加体形成を介したMeHgの不活性化に寄与している可能性が高い。そこで、MeHgによる腸内細菌への影響と、MeHgの毒性軽減作用に対する腸内細菌叢の役割を検証した。【方法】腸内細菌タンパク質中チオール(SH)基はBPMアッセイにて検出した。Lactobacillus属菌の増殖は好気条件下37℃で24時間培養し1時間ごとに600 nmの吸光度を測定することで検出した。H2SおよびH2S2はLC-ESI-MS/MSにより測定した。C57BL/6マウス臓器中の水銀濃度測定に際し、抗生剤を14日間飲水投与後、MeHgを経口投与した。臓器中の水銀濃度は原子吸光水銀検出器を用いて測定した。【結果】まず、腸内細菌由来のタンパク質がS-水銀化されるかを調べた。その結果、マウス糞便タンパク質中でBPMにより検出されたSH基はMeHg曝露濃度依存的に減少した。 次に、MeHgが腸内細菌の増殖に与える影響を検証するために、小腸から大腸まで幅広く存在する乳酸菌であるLactobacillus属菌を用い、MeHgを添加した培地で培養した。その結果、非添加培地で培養した場合と比べて、MeHgを曝露した培地では、MeHgの濃度依存的な増殖阻害作用がみられた。また、SPFマウスの糞便中からH2SだけでなくH2S2も検出され、その濃度は無菌マウスで有意に低かった。さらに、抗生剤によって腸内細菌叢を撹乱したマウスでは、MeHg曝露による小脳、肺、肝臓への水銀蓄積が促進された。【考察】本研究よりMeHgは腸内細菌タンパク質へのS-水銀化を介して悪影響を与えている可能性が示唆された。また一方で腸管常在菌により産生されるイオウ化合物がMeHg毒性から宿主を保護している可能性も示唆された。
著者
金森 雅 中尾 雄太 堀川 康平 内山 侑紀 児玉 典彦 道免 和久
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1036-1041, 2018-12-18 (Released:2019-01-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

Constraint-induced aphasia therapy (CIAT) is becoming increasingly popular worldwide. It is based on the theory of CI therapy, which is supported by considerable evidence as being useful for rehabilitation after stroke. The CIAT-II protocol (Johnson et al., 2015) was modified to a Japanese version, consisting of intensive training using five expressive language exercises, with shaping and a transfer package for 3 hr/day for 15 consecutive weekdays. We assessed outcomes using the Standard Language Test of Aphasia (SLTA) and Verbal Activity Log (VAL) before and after therapy. We confirmed some improvements in language function using the SLTA and remarkable improvement in VAL amount-of-use scores. Language function and communication skills can be improved using CIAT in patients with chronic aphasia, based on their language function evaluation. The present findings suggest that CIAT might be effective as speech therapy for Japanese patients with chronic aphasia.
著者
金 石男 近藤 恭平 赤坂 隆
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.409-414, 1997 (Released:2007-07-09)
参考文献数
5
被引用文献数
1

The spring bedded ring model has been widely used for structural analyses of tire deformations under quasi-static and dynamic loading. Analyses on spring constants in the radial, the lateral and the circumferential directions, denoted by Kr, Ks and Kt respectively, have been conducted previously, however, were confined to only static cases. In this paper, by solving the equilibrated configuration of radial tire sidewall under inflation perssure and centrifugal force, we obtain finite deformations due to various loadings at the sidwall end near the tread. Then, we determined non-linear spring constants of a rotating radial tire Kr, Ks and Kt, which are compared with the experimental results given by referred papers.
著者
金杉 洋 松原 剛 柴崎 亮介 杉田 暁 福井 弘道
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.57-62, 2017-12-31 (Released:2019-12-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1

The number of climbers in Japanese mountains have increased for recent years, and climbing and hiking have been getting constructive fields in tourism. However, some climbing beginners, especially middle aged and older people, who are overconfident on own physical strength sometimes encounter serious accidents and distresses. Actually, an accident and a distress in a mountain have also increased in these years. In order to achieve safer mountain climbing, it would be effective to aggregate and analyze individual climbing experiences in accordance with not only individual conditions but also mountain environments even if there is poor network connection and power supply. Therefore, this paper aims to organize available datasets for analysis of practical behavior of mountain climbers, and describes methods to obtain climbing behavior data even for middle and older people under poor network and power environment. In particular, we implemented a cloud system to aggregate online-submitted climbing plans, and a check-in app using individual owned IC-cards. Finally, this paper describes some findings and discussions through our field experiments.
著者
金子 信也
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.199-204, 2014 (Released:2014-09-24)
参考文献数
20
被引用文献数
2

Objectives: The health management of truck drivers has long been considered extremely important from the perspective of prevention of diseases and traffic accidents. Today, truck drivers may have various underlying health problems, including psychological burden caused by deregulation with the enforcement of the Trucking Business Act, rising fuel costs, and even economic stagnation. In this study, we investigated the mental health of individuals working in transportation and logistics sectors, which ensures the secure supply and sound development of safe and high-quality transportation services. Methods: To ascertain the mental health status in this population, we used the General Health Questionnaire (GHQ30), an assessment of mental health and currently the general health questionnaire most widely used by the department of psychosomatic medicine and other clinical departments. Results: Although the mean GHQ30 score of all the subjects in this study was below the cutoff point of 6–7, which separates individuals with mental health problems from those who without 30% of the subjects were classified as having mental health problems, revealing the need for routine screening of the mental health status and severity of symptoms of truck drivers. Conclusions: There is growing recognition of the importance of establishing mental healthcare services in the workplace because of the sharply increasing number of applications for workers’ compensation due to suicides from overwork. In this study, 16.7% of truck drivers expressed suicidal thoughts, indicating that it is necessary to conduct follow-up surveys of the mental conditions of truck drivers in order to put in place appropriate mental health measures.
著者
宮城 一郎 當間 孝子 金城 高子 玉城 美加子
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第61回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.66, 2009 (Released:2009-06-19)

自然界でカエルの鳴き声に誘引され吸血行動を開始するマクファレンチビカ(Uranotaenia macfarlanei Edwards)の 生態を明らかにするために,室内で累代飼育を試みた.2007年3月と5月に西表島古見(IR系)と沖縄本島北部(Yn系)の森林内でカエル鳴き声トラップにより採集したマクファレンチビカの雌に現地で捕獲したヌマガエルを一晩暴露し吸血させた.琉球大学の実験室に吸血個体を持ち帰り,いろいろな方法で累代飼育を試みた.その結果下記の方法で室内累代飼育に成功した. 成虫は大型ケージ(60 x 60 x 30cm)に,雌雄各100個体を入れて,室内・自然条件下で飼育.ケージ内には綿に染ませた2%砂糖水を吊り下げ,床全面に濡れたタオルをひいた.綿やタオルは2,3日毎に交換し,常時湿らせておいた.カエルを蚊飼育ケージ内で暴露,吸血,2-3日後,水と水草を入れた産卵容器(直径8cm,高さ5cm)をケージ内に置いた.卵(期間は2-3日)は平均40卵からなる塊状で水面に産卵され,浮遊していた.1-3卵塊からふ化した100-120幼虫をバット(32 x 23 x 5cm)に移し,毎日,餌(マウスの固型資料1+エビオス1の粉末)を与えた.バットの水を清浄に保つために,水草を入れ,エアーレイションを行って飼育した.幼虫期間は9-15日,蛹期間は2-3日,羽化率は74%であった.受精率はF1では羽化後50日でやっと10%まで上昇したが,F3では羽化後10日で10-20%,40日後には40%まで上昇した.受精率が20%以上になる頃(羽化後10-20日後)にケージ内にオオヒキガエル(南大東島産)を一晩入れて吸血させた.受精している雌は吸血欲が旺盛で,吸血率は60-70%,吸血個体の80%は産卵した.
著者
金 京南
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.945-942,1280, 2007-03-20 (Released:2010-07-01)

As is well-known, the Six Characteristics (六相), originating from the Dasabhumika-sutra (DBh), are used as the method of annotation in the DBhV. The purpose of this paper is to clarify the interpretation of the Six Characteristics in the DBhV, specifically focusing on the Fifth Characteristic (vivarta,成相) and the Sixth Characteristic (samvarta, 壊相)by comparing a Tibetan version with a Chinese version.We can find a transfiguration between the equivalent Tibetan and Chinese versions. That is, vivarta and samvarta are translated as 'du ba (to assemble) and rgyas pa (to spread) in the Tibetan version, whereas vivarta translates as evolution(成相) and samvarta translates as destruction (壊相)in the Chinese version. This transfiguration brings a difference in interpretation of vivarta and samvarta in commentaries of the DBhV. Furthermore, misinterpretations of vivarta and samvarta can be seen in current studies of the Six Characteristics due to a use of both versions but a lack of consideration regarding the aforementioned transfiguration.