著者
開 一夫 鈴木 宏昭
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.2_69-2_79, 1998-06-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
23

Research on insight has accumulated empirical evidence on its cognitive processes. However, there is little agreement on what problem-solvers learn from their initial failures and at what point an insight actually takes place. To explore these issues, we first propose a general framework that involves three constraints, object-level, relational, and goal. The object-level and relational constraints represent people's natural preferences of how objects and relations in a given problem are represented. The goal constraint evaluates a degree of match of the current state to the goal, and leads problem-solvers to select specific combinations of the representations of objects and relations. In the processes of insight, these constraints operate simultaneously and are gradually relaxed by repeated impasses. Using a geometric puzzle problem, we empirically tested hypotheses derived from the framework. Experimental results revealed that the initial persistence in a wrong approach could be explained by the object-level and goal constraints, and that subjects could reach an insight by relaxing the object-level constraints as well as allowing easy operation of goal constraints.
著者
中村 悦子 鈴木 宏
出版者
新潟青陵大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

「外国人看護師候補者の看護師資格取得・教育に関わる大学の教育支援システム構築」に向け実施した。実施対象は3医療施設(新潟・長野・東京)で5人のEPA看護師。支援の大学教員は、3大学(新潟青陵大学・佐久大学・了徳寺大学)4人である。支援内容は、1)「系統別看護師国家試験問題」をオンラインで学習支援、2)Skypeによる、面接指導、3)目標を設定し、訪問指導、であった。結果、国家試験合格者は5人のうち1人であった。結論、国家試験合格には、日本語能力、異文化適応能力を必須とし、そのレディネスとモチベーションを整えることが重要な課題である。
著者
長藤 圭介 林 摩梨花 鈴木 宏和 大野 直弘 中尾 政之 濱口 哲也
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2005年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.611-612, 2005-09-15 (Released:2006-04-18)

毎分数10,000回転と高速に回転するレーザプリンタ用ポリゴンスキャナモータなどは,精密にアンバランスを補正する必要がある.本報では,生産ラインの最終工程として,共振後に位相が反転することを応用した″オートバランスシステム″を利用することを提案し,その有用性を実機と同じスケールで示す.また,システム全体の最適設計についても議論する.
著者
鈴木 宏典 藤原 雅也 三澤 亮介
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.358-360, 2010-05-01 (Released:2011-09-01)

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校で行なわれた本研究は,平成21(2009)年度日本農芸化学会大会(開催地 福岡)での「ジュニア農芸化学会」において“優秀賞”に選ばれた.配糖体色素であるアントシアニンの消長に焦点を当て,紅葉のプロセスをエネルギー(糖),光(可視光・紫外光),光合成能の観点から説明しようとする意欲的な内容の研究である.
著者
長田 尚子 鈴木 宏昭 三宅 なほみ
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.525-535, 2005-10-15 (Released:2017-05-02)
被引用文献数
1

本研究では, 教育学科の専門教育への橋渡しとしての位置づけを持つ導入教育において, 学生の協調的な学習を支援するために, 情報技術を活用した授業の設計を検討している.対象とする授業は, 「レポートの書き方」を目的とする基礎的な演習であり, 学力低下という問題領域において論証に基づくレポートを書くことが最終課題である.そこで学生は, 領域が包含するあいまいさに遭遇するとともに, 自律的な学習者として専門領域において研究を始めていくにあたっての困難に直面する.このような状況において, 領域の理解と論ずるべき問題の発見につなげていくために, 学生相互のインタラクションを促進する協調学習の枠組みをジグソー法で構成した.また, 協調過程における気づきに基づいて, 各自の考えを吟味するための支援環境としてのblogの導入を行った.結果として, 多様な論点によって構成された領域の議論への参加と, blog上に考えをまとめて公開する活動を通じて, 学生自身による吟味が起こり, 問題発見が促進されることを確認した.今回の結果は, ジグソー法とblogの活用によって, 導入教育時期の学生の新しい学習スタイルへの適応を支援できる可能性を示唆するものである.
著者
二階堂 諒 杉 正夫 太田 順 田村 雄介 新井 民夫 佐藤 洋一 高増 潔 鈴木 宏正
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2005年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.165, 2005-03-10 (Released:2005-10-06)

著者らのグループは,セル生産システムを知能化,機械化して人間作業者を情報面,物理面の両面から支援するシステム“Attentive Workbench”を提案している.AWBの構成要素である自走式トレイ群は,物品の搬送を担当するが,搬送対象物の大きさや形によっては複数のトレイが集まって大きな形態を生成し,協調搬送を行う.この形態生成を効率良く行うヒューリスティクスを提案し,その有効性を検証する.
著者
鈴木 宏子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
no.67, pp.428-423, 2019-03-01

[要約] 本レポートは、平成30年度(2018)4月に筆者が行なった、高大連携授業(千葉東高等学校基礎教養講座)の実践報告である。講義の内容は「和歌を楽しもう」というタイトルを掲げて、まず古典和歌を特徴づけているレトリックについて包括的な講義をしたのち、受講者自身に序詞を用いた和歌(短歌ではない)を創作してもらうものであった。目標としたのは、(1)受講者に古典に親しんでもらうこと、(2)受講者自身の日本語を耕すレッスンの場を設けること、の二つである。受講者が創作した和歌を紹介しつつ、授業の全体を記録・分析し、後日の授業実践への手がかりとしたい。
著者
鈴木 宏哉 根本 みゆき
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.12_1, 2018

<p> 昨年、日本体育学会第68回大会本部企画(若手研究者特別委員会)として、「若手が担う体育学の未来~温故知新、そして若手ネットワークの構築に向けて~」を行った。この企画は、日本体育学会のこれまでの歩みと変化する学会内外の状況を踏まえ若手研究者が自らの立ち位置を自覚的に問いながら、体育学の未来を展望する試みであった。その中で、現在の体育・スポーツ系大学院生は必ずしも体育学会に入会していない、言い換えると、体育学の軽視とも思える実態が浮き彫りとなった。一方で体育学会が15の専門領域を有する多様な研究者集団である強みを生かす必要性も指摘された。</p><p> 体育学(会)の発展においては、体育学を専門に学ぶ若者を増やすことは必要不可欠である。その意味では、大学院進学後の学びや修了後の進路について、魅力あるロールモデルを示すことが求められる。</p><p> 本企画では、多様な学びと研究テーマ、そして多様な経歴をもった若手研究者をパネリストに招き、学生時代に何を考え、現在何を思うのかを語ってもらう。さらには研究者としての夢や体育学(会)の今後について語ってもらい、岐路に立つ若手研究者や大学院生に対する道しるべとしたい。</p>
著者
佐藤 努 佐藤 絢 木幡 修 鈴木 宏幸 坂田 真也 大波 清貴
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1412, 2017 (Released:2017-04-24)

目的脳卒中片麻痺患者における就労支援や社会参加を促していく上で,移動手段の選択は重要であり,その後の活動範囲に大きく影響を及ぼしている。自動車運転は,移動手段のひとつを担っているが,心身機能等の状態や制度上の問題により,積極的な運転再開と至っていないのが現状である。今回,アンケート調査を実施し自動車運転再開における現状を把握することを目的とした。方法2014年4月から2016年3月までに脳卒中片麻痺を呈して,当院回復期病棟へ入院した148名中,当院が独自におこなっている自動車運転評価を実施し,自宅退院となった37名を対象とした。方法としては,郵送にて対象者に対し調査目的,調査対象などを書面により十分に説明し,同意が得られた場合に限り返送してもらうこととした。アンケート内容に関しては,退院後における自動車運転の実施の可否など,12項目について質問形式にて実施し,2016年5月から7月末までの2ヶ月間を回収期間とした。結果回答数は,81.0%(30名/37名中)であった。アンケート結果は,自動車運転免許の保有者は24名,退院後に更新手続きを行った12名,入院中および退院後に臨時適正検査を受けた15名であった。自動車運転に関しては,現在も自動車運転を行っている者は21名であり,毎日運転をしている16名,週の半分程度1名,週に1回程度2名,月に1回程度2名であった。さらに,自動車運転の目的においては,仕事12名,買い物16名,移動手段14名,用事12名,趣味活動9名,特に目的は無い2名であった。運転を行っていない者は9名であり,入院前から1名,退院後から6名,半年前から2名であった。運転を行わなくなった理由に関しては,運転操作が困難のため1名,運転免許を有していないため1名,自動車が無いため1名,退院時に運転許可が出なかったため1名,特に理由は無い1名,家族の同意が得られないため3名であった。また,自動車運転における必要性に関しては,生活で必要であると答えた者25名であり,必要理由として,仕事の継続のため13名,楽しい生活のため12名,1人で自由に移動するため17名,便利だから14名であった。必要性が無いと答えた者3名の理由としては,自動車運転を諦めた1名,送迎サービスを利用1名,生活の中で必要性が無い2名,家族の協力があるため3名であった。結論日常生活における必要性だけではなく,社会参加や就労促進において自動車運転の可否は,移動手段として大きな影響を与えていることが推測された。自動車運転を取り巻く社会情勢の変化や道路交通法の改正により,障がい者における自動車運転の再開には,多くの課題がある。今後,自動車運転再開を円滑に遂行するにあたり,運転技能等の心身機能面や事故回避能力等の高次脳機能面などの関連性も含め検討し,障がい者の自動車運転支援プログラム確立へ向け,関係機関や家族との連携を図り,安全な移動の保障を進めていく必要性が示唆された。
著者
鈴木 宏昭 福田 玄明
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.353-367, 2013-09-01 (Released:2014-12-05)
参考文献数
65
被引用文献数
4

Growing evidence has suggested interesting dissociations between conscious and sub-conscious processing in insight problem solving. It indicates a possibility that the process of insight problem solving is largely governed by an implicit learning mecha-nism that detects the differences between current and goal states, and regulates the strengths of the responsible operators. If the implicit learning mechanism takes part in the insight problem solving process, the process might be affected by a hint stimu-lus subliminally presented, because such a stimulus could not be used by the explicit learning system. We examined this possibility using the continuos flash suppression technique. The results of two experiments showed that subjects subliminally presented with the goal state of a difficult insight puzzle solved it much faster than those in the control group. These results were discussed in terms of unconscious nature of insight problem solving, gradual tuning of operator strengths during the impasse, and roles of subliminal hint information in the problem solving processes.
著者
山田 和彦 鈴木 宏二郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.227-235, 2017

<p>近年,柔軟な展開構造物を大気圏突入機のエアロシェルとして利用する技術が注目を集めており,世界各国で盛んに研究開発が行われている.ロシアでは火星突入プローブとして,欧州ではISSからの帰還システムとして,米国では火星表面への大量輸送システムへの応用を想定した開発が行われているなど,多くのプロジェクトが進められている.一方,国内では,小型の惑星プローブや地球帰還システムへの応用を想定し,欧米とは一線を画した独自の展開型柔軟エアロシェル技術を成熟させてきた.展開型柔軟エアロシェルのメリットは,軽量かつ大型のエアロシェルを大気圏突入機に取り付け,機体の弾道係数を下げることで,空気力を効率よく利用し,低密度環境でも減速が可能になることである.そのため,大気圏突入機の最大の技術課題である空力加熱を低減することができ,同時に,終端速度も下げることができるため,軟着陸用のパラシュートを兼ねたシステムを実現できる.本稿では,国内における大気圏突入用の展開型柔軟エアロシェルの開発の経緯,および,その展開構造物としての技術的課題に対する取り組みについて報告する.</p>
著者
鈴木 宏明 尾崎 知伸
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

本論文では動画タグ集合の階層化を目的とする。具体的には、各タグ集合の分散表現を求め、下位集合から上位集合を予測する手法を複数提案する。日本語WordNetから得られる語の上下関係を用いてデータセットを構築し、各提案手法の評価を行った。
著者
倉岡 正高 藤原 佳典 鈴木 宏幸 飯塚 あい 内山 愛子 長畑 萌 村上 深 南 潮
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、こどもの教育・文化的環境づくりと高齢者の健康増進を目的とした囲碁を活用した世代間交流プログラム「iGOこち」を開発し、こどもの対人関係能力や高齢者へのイメージに与える影響、高齢者の認知機能と心理社会的側面に与える影響について検討した。プログラムの内容は、プロ棋士による講義、個人戦、高齢者とこどもが協力し合う練習問題、チーム戦(ペア碁)などである。調査の結果、こどもは高齢者への尊敬と思いやりの心を養い、知的活動に消極的な傾向にある高齢者において注意・実行機能が向上する可能性が示唆された。
著者
石倉 嵩也 鈴木 宏典
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.854, pp.17-00111-17-00111, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

This paper proposes mathematical models to predict preceding car's deceleration intent and evaluates its effect on the following car driver in terms of the mitigation of risk of rear-end collision. Assuming a four-vehicle convoy, an unscented Kalman filter (UKF) integrated with a conventional car-following model attempt to estimate the headway and velocity of the 1st to 3rd vehicles in the platoon. The car following model used in this research is the conventional Gazis-Herman-Rothery model (GHR model). Then, another GHR model is used to predict the deceleration intent of the 3rd vehicle, which is expected to occur 1.5 seconds later based on the estimates of headways and velocities. In addition, this study proposes an interface to inform the predicted intention to the following vehicle by using a windshield display (WSD). Numerical analyses showed that the UKF integrated with the GHR model succeeded in estimating the vehicle platooning states and predicting the deceleration intent accurately. However, the prediction does not always shows the perfect match with the actual observation due to the uncertainty of driver's behavior. Although it is not completely accurate, it is a quite useful information to mitigate the collision risk so that we decided to design the interface by the WSD to inform the predicted deceleration intent to the following car driver. A driving simulator experiment was carried out to present the 3rd vehicle deceleration intent expected to occur 1.5 seconds later to the 4th ego car. It was found that the maximum deceleration rate of the 4th vehicle was suppressed and the value of the Time-To-Collision was increased not only in an ordinal deceleration case but also in a situation where the collision risk became significant.