著者
鈴木 由美 沼澤 広子 森越 美香
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 = Journal of the International University of Health and Welfare (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.50-67, 2021-10-01

目的:自然災害が女性に対する暴力にもたらす影響を明らかにし,課題および支援策を検討する.方法:2020 年 8 月,国外文献検索サイト PubMed を用いて過去 10 年,2000 年以降の閲覧可能な full text に限定し Intimate partner violence,Gender based violence,domestic violence に対してキーワード disaster,hurricane,earth-quake,landslide,flood damage,typhoon,cyclone,forest fire とそれぞれの AND 検索を行った.結果:27 文献を対象とした.自然災害後に女性に対する暴力は増加したが,その背景に災害前からの暴力の激化,複雑化があった.個人属性では女性の脆弱性がハイリスク要因であり,貧困や安全でない避難所の居住環境なども要因となったが,基盤にジェンダー不平等やコミュニティ規範があった.また調査の限界として想起バイアスRecall bias)や羞恥心などがあり,潜在化した被害者がいることが推察された.災害から時間が経過しても,PTSD などメンタルヘルスへの影響が懸念された.災害により利用できるリソースやアクセスに限界もあった.自然災害では女性の脆弱性が暴力の引き金になることが示唆された.結論:災害時は女性への暴力は悪化すると予測して支援策を考える必要がある.
著者
河崎 靖 松尾 哲 鈴木 克己 金山 喜則 金濱 耕基
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.322-327, 2013 (Released:2013-11-16)
参考文献数
25
被引用文献数
11 13

トマト施設生産において高温障害を緩和する低コストな冷却技術が求められている.本研究では根域冷却の生理学的・形態学的知見を得ることを目的に,養液栽培されたトマトの培養液を最適温度と考えられるおよそ 25°Cに冷却して 2 週間栽培し,生育,養分吸収,根の活性としての出液速度および根呼吸速度,根の IAA 濃度および根の内部形態について調査した.高気温条件下で根域を最適な温度に冷却することで,根の RGR が増加し,その後地上部の RGR も増加した.根の IAA 含量は根の RGR と高い正の相関が認められた.根域冷却により出液速度,根呼吸速度が増加し,同様に Ca および Mg 吸収が促進された.また,根先端付近の木部発達も認められた.以上のことから,高温期の根域冷却は,根の活性および IAA 濃度を増加させることで,根の生育および木部発達を介した養分吸収を促進し,遅れて地上部の生育を促進することが示唆された.
著者
鈴木 満
出版者
秋田大学史学会
雑誌
秋大史学 (ISSN:0386894X)
巻号頁・発行日
no.61, pp.31-46, 2015-03
著者
池澤秀起 高木綾一 鈴木俊明
雑誌
第49回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2014-04-29

【はじめに,目的】肩関節疾患患者の上肢挙上運動は,肩甲骨の挙上など代償運動を認めることが多い。この原因の一つとして,僧帽筋下部線維の筋力低下が挙げられるが,疼痛や代償運動により患側上肢を用いた運動で僧帽筋下部線維の筋活動を促すことに難渋する。そこで,上肢の運動を伴わずに僧帽筋下部線維の筋活動を促す方法として,腹臥位での患側上肢と反対側の下肢空間保持が有効ではないかと考えた。その結果,第47回日本理学療法学術大会において,腹臥位での下肢空間保持と腹臥位での肩関節外転145度位保持は同程度の僧帽筋下部線維の筋活動を認めたと報告した。また,第53回近畿理学療法学術大会において,両側の肩関節外転角度を変化させた際の腹臥位での下肢空間保持における僧帽筋下部線維の筋活動は,0度,30度,60度に対して90度,120度で有意に増大したと報告した。一方,先行研究では両側の肩関節外転角度を変化させたため,どちらの肩関節外転が僧帽筋下部線維の筋活動に影響を与えたか明確でない。そこで,一側の肩関節外転角度を一定肢位に保持し,反対側の肩関節外転角度を変化させた際の僧帽筋下部線維の筋活動を明確にする必要があると考えた。これにより,僧帽筋下部線維の筋活動を選択的に促す因子を特定し,トレーニングの一助にしたいと考えた。【方法】対象は上下肢,体幹に現在疾患を有さない健常男性16名(年齢25.6±2.1歳,身長168.5±2.5cm,体重60.4±6.7kg)とした。測定課題は,利き腕と反対側の下肢空間保持とした。測定肢位は,腹臥位でベッドと顎の間に両手を重ねた肢位で,下肢は両股関節中間位,膝関節伸展位とした。また,空間保持側の上肢は肩関節外転0度で固定し,反対側の上肢は肩関節外転角度を0度,30度,60度,90度,120度と変化させた。肩関節外転角度の測定はゴニオメーター(OG技研社製)を用いた。測定筋は,空間保持側と反対の僧帽筋上部,中部,下部線維,広背筋とした。筋電図測定にはテレメトリー筋電計MQ-8(キッセイコムテック社製)を使用した。測定筋の筋活動は,1秒間当たりの筋電図積分値を安静腹臥位の筋電図積分値で除した筋電図積分値相対値で表した。また,5つの角度における全ての筋電図積分値相対値をそれぞれ比較した。比較には反復測定分散分析及び多重比較検定を用い,危険率は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者に本研究の目的及び方法を説明し,同意を得た。【結果】僧帽筋下部線維の筋電図積分値相対値は,肩関節外転角度が0度,30度,60度に対して90度,120度で有意に増大した。広背筋の筋電図積分値相対値は,肩関節外転角度が30度,60度,90度,120度に対して0度で有意に増大した。僧帽筋上部線維,僧帽筋中部線維の筋電図積分値相対値は,全ての肢位において有意な差を認めなかった。【考察】先行研究と今回の結果から,腹臥位での下肢空間保持における僧帽筋下部線維の筋活動は,空間保持側と反対の肩関節外転角度の影響が大きいことが判明した。つまり,腹臥位での下肢空間保持は,空間保持側と反対の肩関節外転角度を考慮することで僧帽筋下部線維の筋活動を選択的に促すことが出来る可能性が高いと考える。まず,腹臥位での下肢空間保持は,下肢を空間保持するために股関節伸展筋の筋活動が増大する。それに伴い骨盤を固定するために空間保持側の腰背筋の筋活動が増大し,さらに,二次的に脊柱を固定するために空間保持側と反対の腰背筋や僧帽筋下部線維の筋活動が増大することが考えられる。このことを踏まえ,僧帽筋下部線維の筋活動が肩関節外転0度,30度,60度に対して90度,120度で有意に増大した要因として,肩関節外転角度の変化により脊柱を固定するための筋活動が広背筋から僧帽筋下部線維に変化したのではないかと考える。広背筋の筋活動は肩関節外転30度,60度,90度,120度に対して0度で有意に増大したことから,肩関節外転0度では脊柱の固定に広背筋が作用したことが推察される。一方,肩関節外転角度の増大により広背筋は伸長位となり,力が発揮しにくい肢位となることが推察される。また,広背筋は上腕骨,僧帽筋下部線維は肩甲骨に停止することに加え,肩甲上腕リズムから肩関節外転角度の増大に対して,広背筋は僧帽筋下部線維と比較し伸長される割合が大きいことが推察される。その結果,肩関節外転角度の増大に伴い脊柱を固定するために僧帽筋下部線維の筋活動が増大したのではないかと考える。【理学療法学研究としての意義】腹臥位での下肢空間保持において,僧帽筋下部線維の筋活動は先行研究と同様の結果であったことから,空間保持側と反対の肩関節外転角度が僧帽筋下部線維の筋活動を選択的に促す要因となる可能性が高いことが示唆された。
著者
杉浦 彩子 サブレ森田 さゆり 清水 笑子 伊藤 恵里奈 川村 皓生 吉原 杏奈 内田 育恵 鈴木 宏和 近藤 和泉 中島 務
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.69-77, 2021-02-28 (Released:2021-03-20)
参考文献数
23

要旨: 補聴器がフレイルに与える影響を明らかにすることを目的に, 補聴器導入前と補聴器導入約半年後に基本チェックリスト (Kihon Check List: KCL) を実施し, その変化について検討した。 補聴器装用歴のない60歳以上の補聴器外来初診患者64名において, 補聴器導入前後における KCL 総得点の平均は, 装用前が5.1点, 装用後が4.9点で, 有意な変化は認めなかった。KCL の下位項目である日常生活関連動作, 運動器機能, 低栄養状態, 口腔機能, 閉じこもり, 認知機能, 抑うつ気分も有意な変化は認めず, KCL の質問項目それぞれについての検討で, 質問1(公共交通機関での外出) のみ有意な変化を認めた。KCL 総得点がロバスト方向へ変化した群としなかった群の特性の違いについて検討したところ, 補聴器導入前の KCL 総得点が高得点であること, 良聴耳聴力がよいことが有意にロバスト方向への変化と関連していた。一方, KCL 総得点のフレイル方向への変化の有無における特性は明らかでなかった。
著者
鈴木 恵子 井上 理絵 梅原 幸恵 秦 若菜 清水 宗平 佐野 肇 中川 貴仁 山下 拓
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.196-204, 2019-06-30 (Released:2019-07-17)
参考文献数
23

要旨: 高齢期難聴への介入方法を検討するための資料を得る目的で, 通所リハビリテーション利用中の難聴高齢者 (良聴耳 35dB 以上) を対象に補聴器試聴を行った。38例中7例は既に自機を装用中であった。未装用の31例中9例が補聴器試聴を受諾し, 7例が3か月間の試聴を継続して5例が自機購入に至った。既装用群は未装用例と比べ難聴重症度が高かったが, 受諾群と非受諾群の聴力には有意差なく, 悪い条件下の語音の聴取で, 受諾群が非受諾群より聞こえにくさを強く自己認識しており, 補聴器に関心を持つ率も高かった。補聴効果はテレビ音声や会話の聴取に加え, 環境音やことばの超分節的要素の聴取に及び, 言語理解の制限された失語症例においても情緒的な安定や意思疎通の改善として表れた。要介護, 要支援高齢者の聴覚スクリーニングの必要性が示唆されるとともに, 補聴器の試聴さえ受け入れなかった非受諾群を補聴に誘導する方策の検討が次の課題として残された。
著者
尾形 明子 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.25-32, 2007-03-31 (Released:2019-04-06)

本研究の目的は、母親の養育態度に及ぼす子どもの病弱傾向に関する認知の影響について検討することであった。研究の結果、病弱傾向の認知と養育態度の関係については、子どもを病弱だと認知しているほど「責任回避的かかわり」が多く、病弱傾向の認知と「受容的子ども中心的なかかわり」や「統制的かかわり」には相関は認められなかった。さらに、母親の養育態度は、「受容タイプ」「統制願望タイプ」「無関心タイプ」の3つのタイプに分類可能であった。そのうち、「統制願望タイプ」の母親は、他の養育態度パターンの母親よりも、子どもを病弱だと認知している程度が有意に高かった。したがって、子どもの病弱傾向を高く認知している母親は、子どもの活動を過度に制限する一方で、子どもの言いなりになっているという養育パターンの可能性がある。
著者
鈴木 敏彦 澤田 純明 百々 幸雄 小山 卓臣
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.27-35, 2004 (Released:2004-07-14)
参考文献数
27
被引用文献数
1 3

青森県下北半島浜尻屋貝塚の2002年の発掘調査において,中世に属する1体の小児人骨が出土した。本研究では,歯冠の計測値および非計測的形質について日本列島の各時代の集団との比較分析を行うことで,浜尻屋人骨の帰属集団を探った。歯冠サイズに関しては,浜尻屋人骨はアイヌと中世本土日本人の双方にオーバーラップしており,そのどちらに近いかを明らかにすることは難しかった。一方,非計測的形質に関しては,上顎前歯部の弱いシャベル形質や,下顎第二乳臼歯に見られたmiddle trigonid crestは,より縄文人的すなわちアイヌ的な形質特性を意味するものと思われた。以上を踏まえると,浜尻屋人骨は少なくとも渡来的形質を持った本土日本人ではなく,アイヌ,もしくは縄文・アイヌ的形質を備えた本土日本人のどちらかに属する可能性が高いと考えられた。
著者
伊藤 陸 早田 荘 藤本 将志 大沼 俊博 渡邊 裕文 鈴木 俊明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.443-447, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
13
被引用文献数
4

〔目的〕端座位で股関節内旋位,外旋位を保持した際の股関節周囲筋の筋活動について筋電図を用いて検討した.〔対象と方法〕健常男性10名の両下肢20肢とした.端座位,股関節内旋・外旋10°,20°,30°の肢位で大殿筋上部線維,中殿筋前部線維,大腿筋膜張筋の筋電図を測定し,各股関節内旋角度間と各股関節外旋角度間で比較した.〔結果〕大殿筋上部線維は股関節内旋10°,20°と比較して30°で,中殿筋前部線維,大腿筋膜張筋は股関節内旋10°と比較して30°で有意に増加した.股関節外旋角度間ではいずれも変化を認めなかった.〔結語〕大殿筋上部線維は,股関節屈曲90°では股関節外旋保持には関与せず,股関節内旋保持に関与することがわかった.

2 0 0 0 OA 禅百題

著者
鈴木大拙 著
出版者
大東出版社
巻号頁・発行日
1943

2 0 0 0 OA 核融合

著者
廣瀬 貴規 染谷 洋二 谷川 尚 鈴木 哲
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.70-77, 2014 (Released:2015-12-16)
参考文献数
28
著者
鈴木 博之 Hiroyuki Suzuki
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.617-653, 2011-03-31

dGudzong Tibetan is spoken in Danba County, Ganzi Tibetan AutonomousPrefecture in West Sichuan, China. It belongs to “twenty-four-villages’patois,” an independent dialect group of Khams Tibetan spoken inthe rGyalrong area. Apart from my several linguistic reports, there are nodetailed descriptions of this variety of Khams Tibetan. In this paper, the phoneticanalysis of the dGudzong dialect is treated with special attention paidto the synchronic phonological framework of the dGudzong dialect as well asto several remarkable diachronic features through a comparison with WrittenTibetan forms. The phonetic analysis is divided into three parts: consonants,vowels and suprasegmentals; the diachronic analysis also mentions typologicalcharacteristics among the Khams Tibetan dialects. At the end of the article,a list of the basic vocabulary (ca. 1000 words) is added.
著者
川端 美穂子 倉林 学 中島 弘 堀川 朋恵 鈴木 紅 本川 克彦 平尾 見三 鈴木 文男 畔上 幸司 比江嶋 一昌
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Supplement4, pp.47-52, 1999-12-05 (Released:2013-05-24)
参考文献数
13

症例1:50歳,男性.42歳時,心房粗動(AFL)となるも放置. 動悸増悪のため入院. F l e c a i n i d e 100mg,verapamil 360mgを開始したが,排便時にwide QRS頻拍(232/分)となり失神.Common AFLに対して下大静脈・三尖弁輪間でカテーテル・アブレーションを施行し,成功.症例2:39歳,男性.36歳時発作性AFL,心房細動(Afib)を指摘されるも放置. A f i b , 心不全のため入院. 心不全は改善したが,Afibはcommon AFLに移行.Pilsicainide 150mg,verapamil 120mgの投与中,歩行時wide QRS頻拍(230/分)となり失神.カテーテル・アブレーション治療によりAFL発作および失神発作は消失した. 本2 症例では, いずれも投薬をI a 群からI c 群に変更後,それまで認められなかった失神が起こるようになり,その際,2例とも労作中1:1房室伝導性AFLからwide QRS頻拍に移行していた.このような血行動態の悪化を伴うproarrhythmiaは,AFLに対するIc群投与では,十分留意すべき点と考えられた.その予防には,心拍数上昇に拮抗する房室伝導抑制薬剤,特にβblockerの十分な投与が重要と考えられた.
著者
鈴木 睦 山下 善之
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

アミノ酸の連続分離濃縮を目的として、イオン交換樹脂の移動層型向流接触装置を作成し、その濃縮分離特性を数値シミュレーションおよび実験によって検討した。アミノ酸はその等電点より低いpHにおいては陰イオンとして存在し、陽イオン交換樹脂に吸着される。そこで、移動層内に塔頂から塔底に向かってpHが大きくなるようなpH匂配を形成しておくと、塔頂に向かって行くフィード液中のアミノ酸は、等電点を越えたところで陽イオン交換樹脂に吸着され、下方に運ばれてpHが大きくなると脱着する。この過程が繰り返される事により、塔内のアミノ酸はその等電点に近いpHを持った位置に濃縮してくることになる。まず濃縮特性を調べるために、L-ヒスチジン水溶液をフィードとし塔内のアミノ酸濃度の経時変化を高速液体クロマトグラフィで測定した。この際、フィードの流量は一定としたが、固相の流速は塔の中心部が目的のpHになるように制御した。測定結果をみると、ヒスチジンの濃縮が見られ、その位置も数値シミュレーションとも一致していた。次に分離特性を検討するために、L-ヒスチジンとL-シスチンとの2成分のアミノ酸を含む水溶液を用いて同様の実験を行なった。実験の結果、2種類のアミノ酸はそれぞれカラムの違う位置で濃縮し、分離可能なことが確認された。また、各成分の濃縮位置は、数値シミュレーションの結果とも一致した。
著者
高木 信二 倉田 岳人 郡山 知樹 塩田 さやか 鈴木 雅之 玉森 聡 俵 直弘 中鹿 亘 福田 隆 増村 亮 森勢 将雅 山岸 順一 山本 克彦
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2018-SLP-120, no.14, pp.1-9, 2018-02-13

2017 年 8 月 20 日から 8 月 24 日にかけ,ストックホルム ・ スウェーデンで Interspeech 2017 が開催された.Interspeech は音声言語情報処理の分野におけるトップカンファレンスと位置付けられており,今後の本分野の動向に大きく影響を与えている.本稿では,本会議における研究動向,注目すべき発表について報告する.
著者
山口 創 鈴木 晶夫
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.219-229, 1996-12-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

本研究の目的は, 気分に及ぼす座席配置の構成要因を明らかにすることである。実験Iでは日常場面でよく見られる座席配置を用いて, 座席配置と喚起される気分についての検討を行った。またどちらが先に座っているかの効果についても検討した。その結果, 2者が近距離で座るほど緊張感と親密感がともに高くなり, 相手から見られていることが緊張感との間に関連が見られることが示唆された。実験IIでは座席配置の構成要因を距離, 位置, 身体方向にわけてこれらを統制した場面を設けてそれぞれと気分との関連を検討した。その結果, 緊張感に及ぼす座席配置の要因は距離と, 相手に対して自分がとる位置であること, 親密感に及ぼす座席配置の要因は距離と, 相手と自分との座席の対称性であることがわかった。実験IIIでは, 座席配置の構成要因の中で, 視線と気分の関連性について検討した。その結果, 緊張感に及ぼす位置の効果は相手から受ける視線と同一であること, 視線に関わらず, 相手との対称性によって親密感が喚起されることが明らかになった。
著者
弓永 久哲 鈴木 俊明 米田 浩久 若山 育郎
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.83-89, 2005 (Released:2006-01-26)
参考文献数
8
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate the trunk muscles causing associated reactions in a hemiplegia patient with cerebrovascular disoders. Clinical evaluation and surface electromyographic based motion analysis were performed to confirm impairment problems in the patient. He showed associated reaction of left elbow flexion and left forearm supination caused by left anterior tilt to right posterior tilt of the trunk in the stance phase shift to the swing phase in gait. Surface electromyographic evaluation was performed while practing a similar gait task. The results indicated that high muscle activity of the affected side biceps brachii muscle was caused by high muscle activity of the unaffected side low back muscles. These finding suggest that not causing hypertonia of unaffected side low back muscles in normal movement of gait is very important.
著者
大塚 明子 形岡 美穂子 村中 泰子 川村 有美子 鈴木 伸一 熊野 宏昭
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-24, 2002-03-31 (Released:2019-04-06)

本研究では,内科・心療内科標榜の施設Aと、神経科・心療内科標榜の施設Bで、過去5年半に認知行動療法(CBT)に基づくカウンセリングに導入された121例のデータに基づき、心療内科および神経科プライマリーケアでのCBTの適用の実際を報告した。診断では、不安障害と適応障害が両施設とも多い一方で、一般身体疾患に影響を与えている心理的要因と身体表現性障害は施設Aで、摂食障害は施設Bで多いという特徴がみられた。治療法では、両施設で共通して気分障害には段階的タスク割り当て・認知行動論的カウンセリング、不安障害にはエクスポージャー・自律訓練法、身体表現性障害・睡眠障害・一般身体疾患に影響を与えている心理的要因には自律訓練法、適応障害には認知行動論的カウンセリングが多く適用されていた。そして一般身体疾患に影響を与えている心理的要因、適応障害、不安障害は症状が改善して終結となる割合が高かったことから、CBTは心療内科および神経科プライマリーケアでも十分に活用可能であると考えられた。