著者
鈴木 啓和
出版者
東京大学大学院教育学研究科学校開発政策コース
雑誌
東京大学大学院教育学研究科教育行政学論叢 (ISSN:13421980)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.99-119, 2008-03-28

The purposes of this paper are to describe why and how " Entrance examination-oriented schools " were designated, and to analyze the change of the teacher organization through persornnel deployment, " Entrance examination-oriented school " is Tokyo metropolitan high (pilot) school which focuses on coaching for university entrance examinations. Seven schools were specified by Tokyo Metropolitan Government Board of Education.// The findings are these three points. First, Entrance examination-oriented school was introduced since the number of the metropolitan high school graduates entering prestigious universities decreased. Second, Tokyo Metropolitan Government Board of Education chose these schools through closed conference. Third, the author describes the different recognition between principals and other teachers through interview with these high school teachers. Principals think that personnel revisions have had a positive effect on their school management while other teachers don't think so.// The author clarifies a part of the reality of Entrance examination-oriented school.
著者
法邑 雄司 鈴木 忠直 小阪 英樹 堀田 博 安井 明美
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.619-626, 2006-12-15
参考文献数
11
被引用文献数
9 12

丹波黒の無機元素組成による産地判別モデルを構築し,丹波黒一粒による産地判別の可能性について検討を行った.<BR>国産,中国産計66点の丹波黒について,約100粒をマイクロ波試料分解装置により酸分解し,ICP-AES法及びICP-MS法により計24元素測定した.後進ステップワイズ法により選択した6元素(Ba, Ca, Mn, Nd, W, Ni)とKの濃度比により,全試料66点について国産,中国産を正しく分類する線形判別モデルを構築した.<BR>モデルの構築に用いた試料65点,及び新たに収集した試料32点の計97点からそれぞれ一粒ずつ取り出し,同様に各元素とKとの濃度比を求めた.6元素とKとの濃度比を,構築した判別モデルに代入したところ,約84%(97点中81点)が適中した.さらに,ICP-MS測定の15元素から選択した3元素(Cd, Cs, V)とKとの濃度比により線形判別モデルを構築し,一粒による産地判別について検討したところ,約94%(97点中91点)を適中し,判別精度の向上を図ることができた.
著者
鈴木 寿之 瀬能 宏
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.281-286, 1994-11-21 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7

沖縄県西表島で採集されたハゼ科サッキハゼ属の1新種を記載した.本種は体側鱗が覆瓦状に配列すること, 前眼肩甲管に5孔, 前鯛蓋管に2孔あること, 下顎縫合列の孔器数が1であること, 体側下半部に明瞭な暗色縦帯があるが尾鰭基底に達しないこと, 尾鰭に基底に接しない暗色班があることなどの特徴により既知の15種から区別される.本種はパプアニューギニアとイリアンジャヤにも分布する.
著者
江端 佑介 川村 秀憲 鈴木 恵二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.439, pp.7-10, 2010-02-22

YouTubeを始めとする動画共有サイトが隆盛である.これらのサイトは,ただ動画を共有するだけでなく,ユーザ同士でコミュニケーションを取ったり,動画にコメントを付与したりするようなSNSとしての機能を持ち合わせている.中でも近年,動画に付与されたコメントを用いた研究が広く行われているほか,YouTubeにて提供されているAPIにコメントを収集する機能が存在するなど,コメント機能に対する注目が集まっている.本研究では,「タイトル」や「タグ」などを始めとする動画に付与できる情報の中で,動画を視聴したユーザが付与できる唯一の情報がコメントであることを鑑み,コメントには動画の特徴を表す情報が存在するとの仮定のもと,コメントの特徴を用いた関連動画の提示手法を提案した.具体的には,一つの動画に付与された最大1000件のコメントを一つの文書としてみなし,tf-idf法を用いてコメント文書毎の特徴ベクトルを算出した.また,あるユーザが視聴した動画コメントの特徴ベクトルを合成したコメント傾向ベクトルと,他の動画の特徴ベクトルとの類似度を計算し,関連動画として提示した.
著者
中野 俊 高田 亮 石塚 吉浩 鈴木 雄介 千葉 達朗 荒井 健一 小林 淳 田島 靖久
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11-12, pp.387-407, 2007-03-31 (Released:2014-06-11)
参考文献数
23
被引用文献数
1 4

富士火山噴出物の噴火年代決定を目的として産総研が実施したトレンチ調査のうち,北東山麓で行ったトレンチ調査結果及びそれに関連した露頭観察の結果をまとめ,そこから得られた放射性炭素年代測定値を合わせて報告する.トレンチ調査の対象は,新富士旧期の大臼,小臼などの火砕丘群及び新富士新期の檜丸尾,鷹丸尾,中ノ茶屋,雁ノ穴丸尾,土丸尾などの溶岩流群である.
著者
藤田 芳史 鈴木 一雅
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.167-171, 2012 (Released:2013-06-15)
参考文献数
16

アンギオテンシン変換酵素阻害薬は, 高血圧治療の第一選択薬の一つとされ, 高血圧や心不全の治療に広く使用されている。同薬剤の副作用の一つに血管性浮腫があり, 喉頭浮腫をきたすと致死的な経過をたどることもあるため注意が必要である。今回我々は, アンギオテンシン変換酵素阻害薬による薬剤誘発性の喉頭血管性浮腫と考えられた症例を経験したので報告する。症例は19歳女性。高血圧に対し, 2年前からアンギオテンシン変換酵素阻害薬を内服していた。今回咽頭痛, 頸部腫脹で受診し, 咽頭, 喉頭浮腫を認め入院となった。血液検査上, 炎症反応の上昇は認めなかったため, アンギオテンシン変換酵素阻害薬による薬剤誘発性の血管性浮腫を疑い, 内服を中止した。C1 inhibitor活性, 血性補体価の低下は認めず, 遺伝性血管性浮腫は否定的であった。入院6日目には喉頭浮腫はほぼ消失し, 退院となった。退院後はアンギオテンシン変換酵素阻害薬をCa拮抗薬に変更したが, 浮腫の再発は認めていない。炎症所見の乏しい, 咽喉頭の浮腫を認めた場合には, 血管性浮腫を念頭において診療にあたるべきと考えた。
著者
鈴木 重行
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.488-491, 2001

本校で,毎年(もう6年間も)行っている実験,知り尽くしているはずだった,頭の中では分かっていた。時間を節約できるつもりだった。忙しさにかまけて予備実験をせず,頭の中での実験だけで,こうなるだろうと思いこんでしまったためにやってしまった失敗を報告(懺悔)いたします。ひとつ間違えば,生徒の感電という事故につながったかもしれない。今考えるとぞっとする。実験道具を1セットは使いものにならなくしてしまった位ですんだのは,不幸中の幸い。やっぱり実験はやってみないと分からない。
著者
鈴木 敬一
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.251-259, 2012-10-01
参考文献数
27
被引用文献数
1 3

社会インフラ施設の老朽化などにより,地盤内部に空洞が発生し,陥没事故などが発生している。場合によっては死傷者が出るなどの惨事になる場合もある。そのため陥没が生じる前に地盤の空洞化を検出することが求められている。一方,空洞を調べるには地中レーダや反射法地震探査,電気探査などが適用されるが,探査深度や分解能が不足する場合がある。地盤の密度に関係する物理探査手法は,重力探査や密度検層などの方法しかない。宇宙線ミュー粒子を利用した探査技術は地盤の密度分布を求めることが可能である。従来の物理探査手法を補う方法として宇宙線ミュー粒子を利用した地盤探査技術を実用化することを目標として,ミュー粒子計測器と三次元トモグラフィ技術を開発してきた。本稿では,宇宙線ミュー粒子探査技術の原理と基礎的な実験および土木物理探査への可能性について示す。
著者
山本 晴彦 岩谷 潔 鈴木 賢士 早川 誠而 鈴木 義則
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.424-430, 2000
被引用文献数
3

1999年9月24日早朝, 九州西岸に上陸した台風18号は, 九州を縦断し周防灘から山口県に再上陸し西中国地方を通過した後, 日本海に抜けた.台風の経路上および経路の東側に位置した気象官署では最大瞬間風速40m/s以上の強風が吹き, 最大風速も九州中南部を中心に20m/s以上を観測した.九州や西中国地方では台風の通過と満潮が重なり, 有明海沿岸や周防灘では高潮により堤防が決壊し, 農作物に塩害が発生した.台風に伴う九州7県の農作物および農業用施設の被害総額は914億円, 被害面積20万haにも及んだ.また, 山口県の小野田市や宇部市の消防本部では最大瞬間風速が52.0m/s, 58.9m/sの強風を観測した.宇部港では最高潮位が560cmを観測し, 推算満潮位351cmを209cmも上回る著しい高潮であった.このため, 周防灘に面した山口県内の市町では高潮災害が相次いで発生し, 農林水産被害は高潮に伴う農耕地の冠水と塩害, 強風に伴う農作物の倒伏, ビニールハウスや畜舎の損壊, 林地の倒木など約100億円に及んだ.山口市秋穂二島でも堤防の決壊により収穫直前の水稲や移植直後の野菜苗に約100haにわたり塩害が発生し, 収量が皆無となった.
著者
三浦 正勝 新川 一彦 鈴木 智 NIST メンバーズ
出版者
THE JAPAN INSTITUTE OF ENERGY
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.823-830, 1989
被引用文献数
1

The gasification studies on the selected cellulosic wastes (Saw dust, Coir dust, Copra meal and Cassava bagasse) by fluidized bed method were investigated to determine the ideal conditions and variables suitable for generating power.<BR>Experimental runs on the steam and air gasification were carried out using bench scale gasification apparatus.<BR>The results on the steam gasification showed that at varying bed temperature ranging from 750 to 900°C, gas product with high H2 and CO content (more than 70%) having high heating value (2, 500-3, 700 kcal) were obtained.<BR>The ranges of heating values of the produced gas obtained from air gasification at appropriate operating condition were 1, 000-1, 350 kcal for saw dust, 1, 170-1, 300Kcal for coir dust, 1, 200-1, 700Kcal for cassava bagasse, and 1, 350-4, 800 kcal for copra meal.<BR>Preliminary test run of the gas engine was done by charging LPG mixed with air to determine the minimum practical heating value for smooth operation. Results of the test run showed that 1, 200 kcal was minimum heating value with gas pressure of about 1, 200 mmH2O to maintain the smooth operation.<BR>Based on the data from the preliminary test, the gas fuel products generated from saw dust were tested on the gas engine.<BR>Results showed that low calorie gas products with heating value as low as 1, 300 kcal can be utilized to run a gas engine for generation of electric power.
著者
松浦 邦明 鈴木 史朗 橋本 典明 本橋 昌志
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.85-90, 2006

We develop a real-time wave information and analysis system on the basis of a data assimilation technique, the optimum interpolation method, applied for wave observation data and forecasted data. The system can provide nowcast wave information for the sea area where there is no wave observation point. In the system, first, the initial estimate (nowcast) is computed in real-time with the observation data and forecasted information, and then the estimate is corrected after 12 hours with more accurate forecasted wave information. Finally, the corrected data is stored in the wave information database for analysis. We investigate the characteristics of the nowcast wave data and confirmed that the accuracy of the data is high enough for practical applications.
著者
岸野 元彰 古谷 研 田口 哲 平譯 享 鈴木 光次 田中 昭彦
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.537-559, 2001-11-01 (Released:2008-04-14)
参考文献数
28
被引用文献数
1

海水の光吸収係数は, 海洋の基礎生産や海色リモートセンシングの研究において重要なパラメータの1つである。今まで, その測定法について多くの提案がなされてきた。本稿は, まず吸収係数の定義を明確に定義し, その海洋学における意義を述べた。引き続き, オパールグラス法, グラスファイバー法, 光音響法, 積分球法の原理を述べると共に問題点を挙げた。また, 採水処理しなくて済む現場法についてその原理と問題点をまとめた。引き続き吸収係数の組成分離法について直接分離法と実測値から求めた半理論的分離法を紹介した。最後に人工衛星によるリモートセンシングによる推定法に言及した。
著者
鈴木 純一
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 = Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
no.20, pp.3-15, 2015

The purpose of this paper is to consider the relation between public sphere and social functional systems in modern society from a viewpoint of Luhmann's social theory. In the 1960s Habermas thought that a public sphere is the place where citizens argue freely and public opinion is formed. But since the place of social determination is specialized, the function of a political public sphere is reduced in modern society. Moreover, the ideal combination of a political public sphere and a rational public sphere also becomes less realistic. It has been diversified and decentralized. Considering such a situation, it is more conformable to think that a public sphere is the environment of social functional systems.
著者
浜島 幸司 岡部 晋典 鈴木 夕佳 ハマジマ コウジ オカベ ユキノリ スズキ ユカ
出版者
同志社大学学習支援・教育開発センター
雑誌
同志社大学学習支援・教育開発センター年報 = Doshisha University annual report of Center for Learning Support and Faculty Development
巻号頁・発行日
no.7, pp.3-24, 2016-06-30

第一部研究論文・実践報告<研究論文>これまで授業外学習施設を利用する学生にどのような学習成果がもたらされたのか、効果の測定および検証はあまりされてこなかった。本稿は2014年度に実施した良心館ラーニング・コモンズの利用に関する調査データを用いて施設の利用実態から①利用の有無別の学習成果、②利用者が感じる学習の変化を検証する。分析から得られた知見から授業外学習施設利用の評価と今後の課題・改善点について述べる。
著者
森岡 俊夫 森田 恵美子 鈴木 和雄
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.437-441, 1982
被引用文献数
5

本研究はQ-スウィッチを付けたNd-YAGレーザーを用いることにより歯石・歯垢を含む歯面付着物や歯質着色が安全に, かつ容易に除去しうるかどうか研索したものである。これらの付着物や着色の除去は予防歯科学領域での関心事である。<BR>エネルギー密度1.2~2.7J/cm<SUP>2</SUP>/パルスのレーザー光を歯面着色, 歯質着色, 歯石・歯垢付着, 小窩裂溝内容物を有するヒトの抜去歯牙39歯のエナメル質に照射すると, 付着物や着色の部位や種類により除去の難易性に若干の差異はあるが, これらの物質は有機性窩溝内容物を含めいずれも除去された。また臼歯部の小窩裂溝についても, 有機性の窩溝内容物は除去され, 窩溝壁や深部が部分露出した。Q-スウィッチを使用しないノーマル発振の同レーザー光では, このような結果は得られなかった。除去後のエナメル質表面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で調べると, 歯面の照射部位にチョーク様のスポットやクレーターは認められなかった。これらの結果からQ-スウィッチを付けたNd-YAGレーザーを歯石・歯垢などの歯面付着物, 歯面・歯質着色および小窩裂溝内容物除去の目的に臨床的に用いうる可能性が示唆された。