著者
鈴木 敏弘 海野 良輔 山里 一英 小泉 幸道 石川 森夫
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.129-134, 2020-11-17 (Released:2021-12-11)
参考文献数
20

Marinilactibacillus 属や Alkalibacterium 属などの好塩性・好アルカリ性乳酸菌は塩類の影響を受ける海洋環境からの分離例が多い。一方で、これらはチーズをはじめとする塩分を含む発酵食品にも存在するが、その由来については明らかにされていない。本研究では、同乳酸菌群の分離源の多様性の解明を目的として、発酵食品製造に用いられる可能性が考えられる海水天日塩から好塩性・好アルカリ性乳酸菌の分離を行った。供試した 23 点の海水天日塩のうち、フランス産の 2 点から集積培養によって Alkalibacterium 属乳酸菌を分離した。分離株は海洋環境より分離・報告された好塩性・好アルカリ性乳酸菌 Alkalibacterium putridalgicola と同定され、生理学的性状も類似していた。一方で、分離株は NaCl 20% 以上の耐塩性を有さず、生育に糖類を要求し、天日塩への付着時には増殖はしていない可能性が推察された。これらのことから天日塩には海洋環境で生育する好塩性・好アルカリ性の乳酸菌が付着、増殖はしないものの生存し、天日塩を使用した様々な食品製造環境に伝播している可能性が考えられた。
著者
鈴木 隆雄 岩佐 一 吉田 英世 金 憲経 新名 正弥 胡 秀英 新開 省二 熊谷 修 藤原 佳典 吉田 祐子 古名 丈人 杉浦 美穂 西澤 哲 渡辺 修一郎 湯川 晴美
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.39-48, 2003 (Released:2014-12-10)
参考文献数
25
被引用文献数
4

目的 70歳以上の地域在宅高齢者を対象として,容易に要介護状態をもたらすとされる老年症候群,特に転倒(骨折),失禁,低栄養,生活機能低下,ウツ状態,認知機能低下(痴呆)を予防し,要介護予防のための包括的健診(「お達者健診」)を実施した。本研究では,その受診者と非受診者の特性(特に健康度自己評価,生活機能,ウツ傾向,主観的幸福感,転倒経験,慢性疾患有病率および身体機能としての握力における差異)を明らかにすることを目的とした。方法 調査対象者は東京都板橋区内在宅の70歳以上の高齢者863人である。「お達者健診」には,このうち438人(50.8%)が受診した。健診内容は老年症候群のさまざまな項目についてハイリスク者のスクリーニングが主体となっている。本研究では前年に実施された事前調査データを基に,「お達者健診」の受診者と非受診者の性および年齢分布の他,健康度自己評価,老研式活動能力指標による生活機能,GHQ ウツ尺度,PGC モーラルスケールによる主観的幸福感,転倒の既往,慢性疾患有病率,および身体能力としての握力などについて比較した。成績 1) 健診受診者における性別の受診者割合は男性49.0%,女性51.0%で有意差はなかった。受診者と非受診者の平均年齢は各々75.3歳と76.4歳であり有意差が認められ,年齢分布からみても非受診者に高齢化が認められた。 2) 健康度自己評価について受診群と非受診群に有意な差が認められ,非受診群で自己健康度の悪化している者の割合が高かった。 3) 身体機能(握力)についてみると非受診者と受診者で有意差はなかった。 4) 生活機能,ウツ傾向,主観的幸福感についての各々の得点で両群の比較を行ったが,いずれの項目についても非受診者では有意に生活機能の低下,ウツ傾向の増加そして主観的幸福感の低下が認められた。 5) 過去 1 年間での転倒経験者の割合には有意差は認められなかった。 6) 有病率の比較的高い 2 種類の慢性疾患(高血圧症および糖尿病)についてはいずれも受診者と非受診者の間に有病率の差は認められなかった。結論 今後進行する高齢社会において,地域で自立した生活を営む高齢者に対する要介護予防のための包括的健診はきわめて重要と考えられるが,その受診者の健康度は比較的高い。一方非受診者はより高齢であり,すでに要介護状態へのハイリスクグループである可能性が高く,いわば self-selection bias が存在すると推定された。しかし,非受診の大きな要因は実際の身体機能の老化や,老年症候群(転倒)の経験,あるいは慢性疾患の存在などではなく,むしろ健康度自己評価や主観的幸福感などの主観的なそして精神的な虚弱化の影響が大きいと推測された。受診者については今後も包括的な健診を中心とした要介護予防の対策が当然必要であるが,非受診者に対しては訪問看護などによる精神的な支援も含め要介護予防に対するよりきめ細かい対応が必要と考えられた。
著者
本窪田 直子 駒居 南保 鈴木 麻希 林 育代 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.65-74, 2016 (Released:2016-04-15)
参考文献数
36
被引用文献数
4 3

生体リズム位相には個人差があり, 日中に活動しやすい朝型と夕方から夜間に活動しやすい夜型があることが知られている。そこで, “朝型と夜型では体内時計支配下にある自律神経活動や胃運動・食欲感覚の日中の変動が異なる”という仮説を立て, 実験による検証を行った。前夜22時より絶食した若年女性34名の胃電図, 心電図 (心臓自律神経活動) , 食欲感覚, 眠気, 深部体温 (耳内温) を8-20時まで1時間毎に測定した。食事と間食は定時に供した。全測定後に朝型-夜型を質問紙によりスコア化し, 中央値以上を朝型傾向群, 未満を夜型傾向群として結果を比較した。夜型傾向群は朝型傾向群と比べて, 終日, 交感神経活動優位の自律神経活動と高い心拍数, 眠気スコアが示された。また, 午前中の空腹感スコアが低く, 食後胃運動の周波数シフトに有意な上昇を認めなかった。本結果より, 午前中の食欲や活動が減弱しやすい夜型傾向群の特徴が示唆された。
著者
福本 悠樹 鈴木 佑有可 伊藤 浩平 才野 茜音 細尾 菜月 鈴木 俊明
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.54-61, 2021-04-01 (Released:2021-04-02)
参考文献数
31

運動イメージの実施対象と同側で運動練習を行わせると, 運動イメージが運動の正確度を維持させると分かった。本研究では同側での運動練習が困難な場合を想定し, 運動イメージの実施対象と対側で運動練習を行わせていた場合でも同等の効果が得られるかについて検証することを目的とした。健常者20名に対し安静のF波測定後 (安静1回目), ピンチ力を目標値に調節する練習を右手で行わせた。次に, 運動練習したことをあたかも左手で行っているかのようにイメージさせF波を測定した (運動イメージ試行) 。運動イメージ後, 目標値へピンチ力を調節するよう指示し運動の正確度を評価した (ピンチ課題) 。別日には, 運動イメージ試行を再度の安静 (安静2回目) に入れ替えたコントロール課題も設定した。運動の正確度の指標は, 目標値からの発揮ピンチ力誤差を絶対値に変換した値 (絶対誤差) を採用した。結果, イメージ課題とコントロール課題間で絶対誤差に差はなかったが, 安静と比較した運動イメージ試行でF波出現頻度が増大した。
著者
鈴木 朋子 今井 瑞香 窪田 素子 北 嘉昭 土田 知宏
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.22-29, 2015 (Released:2015-09-29)
参考文献数
15

目的:腫瘍マーカーは早期がんでは上昇しにくい,偽陽性が多いなどの理由から,スクリーニングには不適格と考えられている.今回CA19-9について,受診者への適切な情報提供・精査への案内に役立てるデータを得るために,当センターでのCA19-9陽性的中率と高値例の傾向を検討した.対象:2006年1月から2013年6月までに,当センター人間ドックでCA19-9を測定した延べ32,508例中,高値(>37.0U/mL)を呈した延べ790例のうち,人間ドック高値後に計2回以上,当院(病院もしくは当センター)でCA19-9の再検を施行した320例を検討対象とした.方法:CA19-9はARCHITECT® アナライザー i 2000SR(アボット,東京)CLIA法にて測定し,正常値:0.0~37.0U/mLとした.結果:8症例にがんを認めた.内訳は膵臓がん4例,胆嚢管がん1例,十二指腸がん2例,大腸がん1例だった.8症例のがん診断時のCA19-9値の中央値は,198.2(46.4~2,968)U/mLだった.うち5例には過去に正常値の記録があり,残る3例は初回指摘だった.陽性的中率は2.5%だった.結論:CA19-9陽性的中率は2.5%と低率のため,CA19-9高値例を全例精査するのは非効率的だが,CA19-9高値とその推移だけで要精査群の抽出は困難と思われた.今後,臓器特異性の高いmicroRNAとの併用など,より効果的ながんスクリーニングの選択肢が増えることを期待する.
著者
柳田 亮 小川 洋二郎 水落 文夫 鈴木 典 高橋 正則 岩崎 賢一
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.417-422, 2012 (Released:2012-06-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Objective: Altitude training is frequently used for athletes requiring competitive endurance in an attempt to improve their sea-level performance. However, there has been no study in which the mechanisms by which spontaneous arterial-cardiac baroreflex function changes was examined in responders or nonresponders of altitude training. The purpose of this study was to clarify the different effects of altitude training on baroreflex function between responders and nonresponders. Methods: Twelve university student cross-country skiers (6 men, 6 women; age, 19±1 years) participated in the altitude training in a camp for 3 weeks, which was carried out in accordance with the method of Living High-Training Low. Baroreflex function was estimated by transfer function analysis before and after the training. Results: The responders of the training were 3 men and 2 women, and the nonresponders were 3 men and 4 women. In the responders, the transfer function gain in the high-frequency range significantly increased after the training (28.9→46.5 ms/mmHg p=0.021). On the other hand, no significant change in this index was observed in the nonresponders (25.9→21.2 ms/mmHg p=0.405). Conclusion: As indicated by the results of transfer function gain in the high-frequency range, the baroreflex function in the responders increased significantly after the altitude training, whereas no significant change was observed in the nonresponders.
著者
鈴木 聡 齋藤 涼 岡部 哲也 小方 博之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1151-1161, 2016-04-15

学習・労働などの現場における作業意欲の維持・向上は今日重要な課題となっている.本研究では,計算機環境において,ユーザの無意識下に働きかける形でユーザの作業意欲の維持・向上を図るため,ユーザの周辺視野に身体化エージェント(以下エージェントと略)を呈示し,エージェントからの被視感による作業遂行への影響を検討した.ただし,作業遂行への影響は作業の難易度に依存する点や,呈示されるエージェントの外観の違いは作業遂行へ影響する可能性を考慮する必要がある.そこで,ヒト型のシルエットと身体パーツで表現されたエージェントが,難易度の異なる課題に取り組む際のユーザの作業遂行に与える影響を,外観の異なるエージェントの比較も加えて実験により検討した.その結果,ユーザがエージェントの呈示への気づきの有無の影響もあったが,ヒト型シルエットと身体パーツのエージェントを呈示する条件で作業遂行は悪化した.さらに,その条件の中でも呈示時と非呈示時を比較すると呈示時の方が作業遂行が改善した.加えて,比較対象とした他の外観のエージェントと同様に,エージェントの呈示に気づいたユーザは,呈示中困難な課題に取り組む際に作業遂行が悪化した.以上の結果,特にエージェントの身体パーツの影響の大きさを考慮し,エージェントの周辺視野への呈示を通じたユーザの無意識下の認知過程への介入による作業意欲の制御の可能性について議論する.
著者
渡部 顕 大田 貢由 諏訪 雄亮 鈴木 紳祐 石部 敦士 渡邉 純 渡辺 一輝 市川 靖史 平澤 欣吾 田辺 美樹子 遠藤 格
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.61-67, 2015 (Released:2015-01-30)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

【はじめに】神経内分泌腫瘍は2010年のWHO分類からKi67と核分裂像によりNET G1,NET G2,NECに分類された.カルチノイドはNET G1,内分泌細胞癌はNECと考えられているが,今回より加わったNET G2を含めて,未だ不明な点が多い.【方法】2000年1月~2013年6月に当教室で治療した大腸腫瘍3,090例のうち,神経内分泌腫瘍と診断された症例を対象とし,臨床病理学的因子および施行治療,予後を評価した.NET G1のリンパ節転移の有無と腫瘍径,リンパ管侵襲,静脈侵襲との関連を検討した.【結果】対象は102例(NET G1,NET G2,NEC,MANEC=88,4,6,4)腫瘍径の中央値(mm)はNET G1,NET G2,NEC,MANEC=7,19,47,22.リンパ節転移率はNET G1,NET G2,NEC,MANEC=11%,75%,83%,50%.遠隔転移率はNET G1,NET G2,NEC,MANEC=0%,50%,83%,0%.5年生存率はNET G1,NET G2,NEC,MANEC=94.5%,37.5%,16.7%,100%.NET G1は腫瘍径1-6mm,7-9mm,10mmでリンパ節転移率が0%,13%,33%.リンパ管侵襲陽性症例の半数にリンパ節転移を認めた.【結語】大腸神経内分泌腫瘍に関するWHO 2010分類は悪性度を反映し,予後をよく層別化し,NET G2,NECは予後不良であった.NET G1は腫瘍径10mm以上もしくはリンパ管侵襲陽性が追加外科切除の適応と考えられた.
著者
木澤 敏毅 加藤 辰輔 重富 浩子 田中 藤樹 飯田 一樹 永井 和重 五十嵐 敬太 山本 雅樹 畠山 直樹 鈴木 信寛 堤 裕幸
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.150-155, 2012 (Released:2012-04-28)
参考文献数
13

約6カ月間にわたり移動性関節痛・骨痛,皮膚紅斑を呈し,血液検査ではCRP,赤沈値の持続的な上昇,軽度の貧血を認めた1女児例を経験した.当初は若年性特発性関節炎,慢性再発性多発骨髄炎を疑ったが,約6カ月後にLDH 573 U/mLと上昇し,また末梢血中に芽球が出現したため骨髄穿刺を行い急性リンパ性白血病と診断した.骨痛,関節痛を主訴とする慢性炎症性疾患には感染性骨髄炎,リウマチ性疾患,血液・悪性腫瘍,骨の自己炎症症候群(とくに慢性再発性多発骨髄炎)などが鑑別に挙げられるが,炎症所見の他には血液検査上の異常所見に乏しく,画像検査によっても一般小児科医にとって,診断の確定が困難な例が存在する.とくに小児白血病においては,画像検査を行い,特異な所見の検討を行った報告は少なく,また非特異的な画像所見を呈することも多く,鑑別に苦慮した.しかし今回の症例を通じて,小児放射線専門医によれば,早期の画像から白血病特有の所見が読み取れるとされ,画像を専門的に読影することが重要と思われた.また,小児の画像検査の蓄積により骨痛,関節痛を伴う急性リンパ性白血病の病態解明や早期診断につながることが期待された.
著者
小澤 迪喜 窪木 祐弥 末永 信太 石井 達矢 鈴木 仁 土谷 順彦
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.108, no.2, pp.114-117, 2017-04-20 (Released:2018-04-19)
参考文献数
11

61歳男性,維持透析中.PSA高値のため経直腸的前立腺生検を施行.生検1時間後から肛門部重苦感が出現,7時間後から強い下腹部痛と胆汁様嘔吐が出現.貧血の進行と単純CTで一部腹腔内に達する巨大な後腹膜腔内出血を認め,前立腺生検時の動脈性出血が原因と考えられた.全身状態安定しており輸血と保存的加療にて症状は改善した.
著者
花枝 英樹 胥 鵬 鈴木 健嗣
出版者
日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
雑誌
現代ファイナンス (ISSN:24334464)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.69-100, 2010-09-30 (Released:2018-12-07)
参考文献数
58
被引用文献数
2

わが国全上場企業を対象にM&Aに関するサーベイ調査を行い,回答企業526社の分析からつぎのような結果を得た.第1に,近年の日本におけるM&Aの主目的は市場シェア拡大の水平的なM&Aが中心で,実際に成果があったと意識されている.しかし,ブランドカや研究開発力といった見えざる経営資源の有効活用については成果が少ない.第2に,M&Aに際しての人員,給与体系,事業部門の調整の仕方の違いがM&Aの効果に大きな影響を及ぼしている.第3に,70%近い企業が成熟衰退事業を現在・今後抱えると答えており,雇用維持を配慮した対処に腐心している.第4に,敵対的買収に対して否定的な考え方が強いが,敵対的買収に対する備えとしては,業績改善,IRの充実,株主への利益還元を重視している.また,防衛策として株式持合いも重視しており,事前警告型買収防衛策を導入すれば株式持合いは必要ないと考えるのではなく,両者をむしろ補完的に考えている.
著者
白井 孝尚 井尻 朋人 鈴木 俊明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.361-365, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
25
被引用文献数
2

〔目的〕スマートフォンのアプリケーションを用いて,妥当性のある肩甲骨の運動方向および運動角度が得られるかを調査した.〔対象と方法〕健常男性10名に上肢前方挙上と結帯動作をさせた.三次元動作解析装置とアプリケーションを用いて,各課題時の肩甲骨の前傾および上方回旋の角度を計測した.〔結果〕全課題において,三次元動作解析装置とアプリケーションで算出された結果には,相関関係を認めた.また,ICC(1,2),(2,2)において,高い判定を認めた.〔結語〕アプリケーションでの測定方法は,上肢前方挙上や結帯動作時の肩甲骨のアライメントを評価できる有用な方法の一つであり,肩関節の評価に役立てられると考える.
著者
服部 寄生 鈴木 雅之 荒川 俊介 阿部 一尋 山岸 義廣
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.442, pp.37-45, 1992-12-25 (Released:2017-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
3 3

We studied multifamily housing type with common inner court among recently developed residential Blocks (1976〜1990) in Urban Districts of Western Countries, mainly Germany. Research materials were picked up and arranged in the articles about residential blocks published mostly in architectural periodicals of Europe. Valid samples are 18 cases locating in Germany, France and so on. Main points are as follows ; 1) Main function of the housing is to give the comfortable living environment in urban districts. 2) The common court is designed to be private as well as public space. The court as private garden is safe for children's play and noiseless for family life. 3) The housing block is mostly mixed developed with urban facilities.
著者
鈴木 聡
出版者
日本体育科教育学会
雑誌
体育科教育学研究 (ISSN:13428039)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.1-16, 2010-10-20 (Released:2013-03-26)
参考文献数
26
被引用文献数
4

The purpose of this study is to propose the new point of view about the ideal style of PE lesson study for teachers' growth. It is based on the opinion survey of the primary school teachers who are studying PE on function of the PE lessons study. Furthermore, it was tried out to offer the structured model of the function of the PE lesson study considering the teachers' career and the type of the study groups they belong to. As a result, it was found out that there existed five functions: “the relationship with other teachers", “the evaluation from leaders", “the improvement of teaching technique", “the investigation of subject contents", and “self-reform". In addition, the teachers' career and the type of their study groups made differences in how much they demanded for those functions. Furthermore, it was suggested that the functions may transform as the teachers grow up. In particular, it is notable that the function transforms from “the improvement of teaching technique" to “the investigation of subject contents" when they move from mid-level stage to the experienced. This transformation shows that the subject of study changes from the investigation of methodology to the theory of aims and contents.It is claimed that the lesson study is losing substance and going into decline.However, there is possibility that the successful PE lesson study will be developed if we understand the study contents in common and form it in agreement, considering the characteristics of types of the lesson study and teacher's career who participate.