著者
鈴木 雅智
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.58-66, 2020-04-25 (Released:2020-04-25)
参考文献数
20

本稿では、20年近くにわたる、首都圏新築マンション購入者へのアンケート調査データを用い、①様々な地域を比較検討している広域からの転入者が、郊外において、近年一層重視し決め手とするようになっている住環境要素や、②それら住環境要素の首都圏内での空間分布、住環境価値の安定性を分析した。まず、近年首都圏全体で、生活環境・教育環境・周辺環境・最寄り駅からの時間が重視される傾向が明らかとなった。とりわけ、商業・公共・医療施設等の生活環境は、郊外部(都心から20km圏外)への広域からの転入者が重視する傾向、重視項目から決め手に至る傾向が強まっており、一貫して妥協されにくい構造を有する。また、各距離帯の中でも駅毎に各住環境項目の比較優位の程度は異なっており、教育環境・周辺環境としての魅力は一度ブランドを確立したら長く持続するが、相対的に、生活環境や最寄り駅からの時間としての魅力は次第に評価が低減しうる傾向が明らかとなった。
著者
鈴木 圭輔
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.152-159, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
57

Sleep disorders are common in neurological diseases but are still underrecognized and undertreated. Different brain lesions related to neurological diseases result in altered sleep–wake rhythm and sleep structure. Additionally, insomnia is caused by sensorimotor symptoms related to neurological diseases, medication use and comorbid primary sleep disorders, such as sleep apnea syndrome, restless legs syndrome and rapid eye movement sleep behavior disorder. In headache disorders, headache can be caused by sleep disturbances. For further understanding of the relationship between neurological diseases and sleep disturbances, this review addresses 1) sleep and wakefulness disorders due to focal brain lesions, 2) sleep disturbances in Parkinson's disease and related disorders, 3) sleep disturbances in dementia disorders and 4) sleep disorders and headache disorders.
著者
鷹﨑 和義 和田 敏裕 森下 大悟 佐藤 利幸 佐久間 徹 鈴木 俊二 川田 暁
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.41-51, 2018 (Released:2019-03-20)
参考文献数
30

2015年5月~2016年11月に,福島県内の阿武隈川水系の13定点においてさし網や延縄などを用いた調査を行い,716個体(体長9.9~65.0 cm)のチャネルキャットフィッシュが採集された。本種は阿武隈川の本流で採集され,特に発電用ダム(信夫ダム,蓬莱ダム)の貯水域やその下流域で多く採集された。信夫ダムでは,2008年に比べて CPUE が著しく増加していることや,GSI の高い成熟個体や未成熟の小型個体が多く採集されたことから,近年,ダム周辺の水域を中心に,再生産により本種の個体数が急激に増大している可能性が考えられた。雌の GSI の季節変化より,本水系における産卵期は5~6月ごろと推定された。信夫ダムにおいて,さし網および延縄により採集された魚類のうち,本種が占める割合は非常に高く(各64.2%および100%),本水系における適切な駆除手法の確立が急務であると考えられた。

1 0 0 0 OA 成膜の基礎

著者
鈴木 基史
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
Journal of the Vacuum Society of Japan (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.303-307, 2014 (Released:2014-08-25)
参考文献数
3
被引用文献数
2

Thin films have recently emerged as one of the most important building blocks of nanotechnology and are often prepared under vacuum conditions. For efficient production of high-quality thin films, it is important to understand the impact of the vacuum on each stage of the thin film deposition processes, including decomposition of the starting material, transport of its vapor, and deposition. This article discusses the general key aspects of the thin film deposition process from the viewpoint of vacuum science and technology.
著者
和田 正平 鈴木 健太郎 李 仁子 岡田 浩樹
出版者
甲子園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究の目的は、在日朝鮮韓国人の民俗宗教の中で、特に死後結婚を取り上げ、その実態を明らかにすることにあった。同時に第二の目的は、日本社会への定住化が進む在日朝鮮韓国人の宗教観念と死生観にせまることである。この目的に沿って、大阪生駒の在日朝鮮寺と兵庫県宝塚市周辺の在日朝鮮寺における儀礼と僧侶、シャーマンに関する調査、愛知県春日井市在住の在日朝鮮韓国人のシャーマンに関する調査をおこなった。死後結婚の儀礼自体の観察、調査は事例の特殊性もあり実施できなかったものの、東アジア社会に広く見いだされる死後結婚が在日朝鮮韓国人の間でも行われていること、その儀礼や宗教意識が変化しつつあり、日本的な要素が変容し、混入しつつあることを確認できた。一方で、朝鮮寺において在日朝鮮韓国人のシャーマンから、ニューカマーの韓国人シャーマンや僧侶へ代替わりしつつあることを見いだした。そうした宗教職能者は、韓国の宗教伝統を持ちつつも、クライアントである在日朝鮮韓国人の要求に応えるために、本国では見られない儀礼の形式や占いの方法を生み出しつつある。そして在日朝鮮韓国人の宗教観と死生観は、本国の宗教文化、日本の宗教文化、そして彼らが生み出してきた「在日朝鮮韓国人文化」のせめぎあいの中で揺れ動いている状況が明らかになった。この状況は、大阪府生野区、高槻市、東京都荒川区の在日朝鮮韓国人についてのインタビューの分析からも明らかになった。
著者
鈴木 宏尚 SUZUKI Hironao
出版者
名古屋大学大学院法学研究科
雑誌
名古屋大學法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.260, pp.253-275, 2015-02-25

本論文は、平成23-26年度科学研究費補助金基盤研究(A)(課題番号23243026)「日米特殊関係による東アジア地域再編の政治経済史研究」の助成を受けた研究成果の一部である。
著者
鈴木 宏尚
出版者
名古屋大学大学院法学研究科
雑誌
名古屋大学法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
no.260, pp.253-275, 2015-02

本論文は、平成23-26年度科学研究費補助金基盤研究(A)(課題番号23243026)「日米特殊関係による東アジア地域再編の政治経済史研究」の助成を受けた研究成果の一部である。
著者
林 浩孝 大野 智 新井 隆成 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.197-208, 2008 (Released:2008-11-14)
参考文献数
21

「特定保健用食品」のうち,生活習慣病の 1 つである動脈硬化に関連して「食後の血中中性脂肪が上昇しにくいまたは身体に脂肪がつきにくい」表示をした食品については,現在のところ,再許可等特定保健用食品を含め約 70 種類の商品がある.そのうちのいくつかについて,安全性・有効性について解説する.
著者
吉光寺 敏泰 鈴木 幸吉
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.54-58, 2017-05-01 (Released:2019-07-30)
参考文献数
5

Meiji Seikaファルマは、抗菌薬を中心とする感染症領域と中枢神経系領域をスペシャリティとした研究開発型製薬企業である。現在、創薬研究では感染症に加えて、免疫炎症・がん領域の強化に注力しており、外部連携を重視してアカデミアや企業との共同研究・技術導入などを推進している。さらなる研究能力向上を目的に、2016年4月に国内最大のバイオクラスターである神戸医療産業都市に研究拠点を開設し、複数の研究者を派遣して研究活動を進めている。創薬テーマの設定においては、対象疾患を絞って出口を見据え、臨床でのポジショニングを重視する方針としている。特に、自社単独では困難となりつつある創薬に対し、アカデミアや企業との複合的な連携を想定したネットワーク型創薬を成功の鍵として、新たな疾患領域と創薬モダリティの拡大に取り組んでいる。
著者
浅沼 靖 宮本 武美 秋山 順 中川 宏 堀 覚 北岡 正見 大久保 薫 熊田 信夫 鈴木 誠 柄沢 敏夫 久郷 準 山本 久 川村 明義
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.232-244, 1959
被引用文献数
1 4

Among the cases of scrub typhus newly recognized in Japan after the World War II, those prevalent in the Izu Shichito Islands of Tokyo Prefecture, in Awa-gun, Chiba Prefecture, and in Mt. Fuji area, Shizuoka Prefecture, are called as the "Shichito type scrub typhus" or as the "scutellaris type scrub typhus, " and Trombicula scutellaris has been presumably incriminated as a potential vector of this type of scrub typhus. The study on scrub typhus in Chiba Prefecture was commenced in 1952, when the so called "twentydays fever, " an endemic disease in this Prefecture, was assumed to belong to a scrub typhus by Kasahara et al. (1952) and Kitaoka et al. (1952).
著者
仲谷 美沙子 田島 浩子 川西 智子 高橋 慎治 内田 季之 鈴木 一有 古田 直美 伊東 宏晃 徳永 直樹 金山 尚裕
出版者
静岡産科婦人科学会
雑誌
静岡産科婦人科学会雑誌 (ISSN:21871914)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.50-57, 2014

胎児と胞状奇胎が認められる病態には、胎児が存在する部分胞状奇胎の場合と、正常胎児・全奇胎の双胎の場合がある。今回、我々は胎児が共存する部分胞状奇胎と診断された3例を経験した。3症例とも妊娠初期に稽留流産となり、子宮内容除去術が施行された。そのうち2症例では、施術前に胎盤の超音波断層法像に異常を指摘されておらず、子宮内容除去術後に診断された。胞状奇胎の超音波像は多彩であり、必ずしも典型的な嚢胞状所見を示さないこともある。胎芽(児)を超音波で描出する稽留流産の場合、稀ではあるが胎児共存奇胎の可能性を念頭に置き、慎重に超音波検査を行い、胎盤・絨毛組織の病理検査を怠らないことが重要であると考えられた。
著者
相川 択弥 三村 未美 金山 美鈴 鈴木 理香
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.665-669, 2014 (Released:2015-03-10)
参考文献数
3
被引用文献数
2

A病院は地域での急性期中核病院の役割を担っている。それに加え, 平均在院日数の短縮化や看護師不足と, 看護師の業務は多忙を極めている。この環境下で働く看護師は, どのようなストレスを感じて業務を行なっているのか実態調査を行なった。 研究方法は, A病院看護師, 准看護師 (師長・副師長・主任を除く) に看護職場にみられるストレス要因についての質問用紙を作成し調査を行なった。業務量, 業務内容, 人間関係, プライベートの4つのカテゴリーに分類し, さらに年代別に比較した。 集計の結果, 全ての年代でストレスの1位は業務量, 2位は業務内容であった。患者の病状経過の把握, ケアや検査, 処置, 医師の診療の介助, 医療安全への配慮, 他部門との連携など業務が多岐にわたり, 常に時間に追われていることが要因であると考える。ストレス3位は人間関係であった。多忙な業務の中, 患者とゆっくりと向き合えないジレンマや, 医師とのコミュニケーションが出来ていないことへの不満, 上司や同僚との関係などが関与していると考えられる。ストレス4位はプライベートであった。30・40歳代は, 家庭を持つ看護師が多く, 希望の休日は家庭の用事などに当てなければならず, 自分の時間が確保できないこと, 夜勤や時間外勤務, 研修への参加等も, 影響していると考えられる。今後は, スタッフ同士が同じストレスを抱える仲間として助け合い, 働きやすい環境となるよう努めていく必要がある。
著者
鈴木 卓夫
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.97-102, 2005-01-01 (Released:2010-01-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

"Tatara" is a traditional box-type furnace in Japan and had produced iron from iron sand and charcol. In this Tatara there were two techniques which were called Zuku-Oshi and Kera-Oshi. Zuku means pig-iron and Kera means steel. The Tatara started in the latter half of six century and is continuing up to today. I am interested in when did the two techniques establish. So I tried to investigate the question with data of iron (pig-iron) image of Buddha making age and old document which is called "Kokon-Kajibiko". It is concluded that Zuku-Oshi has established regularly in Kamakura period (1192-1333). In Kera-Oshi case is the latter half of Muromachi period (1392-1573).