著者
鈴木 隆介
出版者
日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.211-222, 1970-04
被引用文献数
1
著者
鈴木 貞美
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.315-348, 2008-09

和辻哲郎(一八八九―一九六〇)の『ニイチェ研究』(一九一三)は、彼の哲学者としての出発点をなす書物であり、同時に、日本における初めてのまとまったフリードリッヒ・ウィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Willhelm Nietzsche, 1844-1900)の研究書として知られている。また、そこに示された考え方は、その後の彼の歩みに、かなりの意味をもつものとなった。 本稿第一章では、『ニイチェ研究』の立場、方法、意図を分析し、「宇宙生命」を原理とする初期和辻哲郎の哲学観が大正生命主義の一典型であることを明らかにする。第二章「『ニイチェ研究』まで」では、和辻哲郎の最初期の著作にニーチェへの接近の跡をたどり、第三章では、内的経験、暗示象徴、永遠回帰、宇宙生命などのキイワードについて考察し、また同時代思潮との関連をさぐる。第二章、第三章をあわせて、初期和辻の哲学観、世界観(狭義の哲学観、表現観)の形成過程を明らかにする。「結語」では、各章の結論をまとめるとともに、和辻哲郎の初期哲学が、その後の歩みに、どのように働いているかを展望する。 なお、本稿は、和辻哲郎の「哲学」「芸術」観をめぐって、「修養」及び「人生論」との関係を探る点で、二十世紀初頭の学芸ジャンル概念編成の解明に資するものであり、同時に和辻哲郎の「宇宙生命」観念と、その形成過程を探る点において、二十世紀初頭の生命観、とりわけ大正生命主義研究を増補するものである。
著者
服部 哲弥 南 就将 安田 公美 厚地 淳 服部 久美子 竹田 雅好 鈴木 由紀 針谷 祐
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

ウェブで見られるランキングの時間発展のモデルとなる確率順位付け模型の位置ジャンプ率結合経験分布の大数の法則(流体力学的極限)と軌道についてのカオスの伝搬を一定の仮定の下で証明した.結果はオンラインストアのロングテール構造の解析に適用できる.成果は学術論等の専門的な場での発表の他に「Amazonランキングの謎を解く」(服部哲弥著,化学同人出版)で紹介した.
著者
鈴木 久美 小松 浩子 林 直子 片岡 弥恵子 樺澤 三奈子 大坂 和可子 大畑 美里 池口 佳子 大林 薫
出版者
兵庫医療大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、乳がん検診受診率の向上をめざし、同意の得られた成人女性33人を対象に乳房セルフケア促進プログラムを実施し、妥当性を評価した。その結果、介入前に比べ介入後1年で、40歳以上の定期的マンモグラフィ受診者は26.1%から60.9%(p=0.008)、30歳以上の定期的自己検診実施者は21.2%から57.6%(p=0.004)と有意に改善した。また、85%以上の参加者は、プログラムに対して満足かつ有用と回答した。以上の結果から本プログラムは妥当であると考えられた。
著者
瀬下 仁志 田中 明通 丸山 美奈 鈴木 英夫 高橋 時市郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.359-369, 2006
被引用文献数
1

学習活動におけるITの利用が進むなかで,学習者主導の学習活動が盛んになってきた.加えて,そうした学習をより深めるための情報として,各学習者の学習履歴を豊富に取得することも可能となっている.しかしながら,豊富で詳細であるがゆえに取り扱いも難しく,収集された履歴を各学習者への適切なフィードバックに活用することは困難であった.そこで我々は,多量な学習履歴をより手軽に活用することを目的として,各学習者の学習履歴を,想定される学習活動の段階に基づいて抽象化することで,活動の変遷や特徴を端的に表現する可視化手法を提案する.本可視化手法は,学習者の活動状況や活動の特徴を,意味内容に立ち入らず,定量的に俯瞰することを可能にする.本論文では,提案する可視化手法の概要と,我々がこれまでに開発した,調べ学習支援システムを用いた授業実践結果への適用とその分析について述べる.
著者
鈴木 勲 川島 芳昭 石川 賢
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-10, 2007-07-01

「理科」は形式的には全学共通教育関係科目・教養教育科目の選択科目としての自然科学系科目の一つであるが、小学校一種あるいは二種を取得するため必修科目でもある。したがって、教育学部学校教育教員養成課程の学生には必修科目であり、多くの教育学部学生が「理科」に履修登録をすることになる。学習指導要領小学校理科の目標には「科学的な見方や考え方を養う」とあるが、後期の文系向け「理科」の受講者約100名のほとんどは「科学的な見方や考え方」とは距離をおいてきた学生である。平成17年度から、率先して後期「理科」にe-ラーニングを試みたのは、授業者の力不足から後期「理科」受講生に「科学的な見方や考え方を養う」ことが機能しなかった現実との溝を多少とも埋めることを期待したからである。
著者
鈴木 孝庸
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、各地に所蔵されている文献資料を直接閲覧することと、平曲演奏家・橋本敏江氏に実際の平曲演奏に関する様々ことがらを聴取することを基礎とし、その上で、考察および資料紹介を行うことにしている。以下、主要な研究成果を挙げることにする。(1)平曲譜本に関しては、9所蔵機関を調査した。(2)2種類の新出平曲譜本を入手した。(3)6種類の平曲譜本の複写を入手した。(4)尾崎家本『平家正節』のパソコン入力を完了した。(5)宮崎文庫記念館蔵『平家物語』(平家吟譜)を影印刊行した。(6)1種類の平曲指南書の複写を入手した。(7)當道資料に関しては、5所蔵機関を調査した。(8)1種類の新出當道資料を入手した。(9)2種類の當道資料の複写を入手した。(10)橋本敏江氏よりの「平物」に関する教授は終了し、特別な曲に入り、「読物」は終了した。
著者
鈴木 友之
出版者
神奈川大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

Navier-Stokes方程式の弱解の正則性を圧力に対するある条件の下で証明した.特に,圧力がLorentz空間に基づくスケール不変な空間において十分小さい場合,換言すれば自己相似的に小さい場合の爆発の可能性を排除した。またこの結果はMHD方程式に対しては,圧力項に加え磁場がスケール不変なLorentz空間に属している場合に同様の結果が成り立つことも示された。
著者
時松 孝次 田村 修次 木村 祥裕 鈴木 比呂子 内田 明彦
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

近年の地震では、近接した同一条件地盤にある建物間で、杭が損傷し上屋は無事であった事例、逆に、杭は無事で上屋が損傷した事例が認められた。このことは、地盤と構造物の相互作用を理解して構造物設計に反映することで、上屋の応答を低減するとともに基礎被害を防止する可能性を示している。そこで、本研究では、地盤と構造物との非線形動的相互作用の理解を深め、その効果を積極的に利用して、上屋応答と基礎応力の低減を図る基礎構造の可能性を検討し、併せて基礎の合理的設計法、限界状態設計法確立に資する試料を整備するために、遠心載荷振動実験、大型振動台実験、数値解析に基づく検討より、次のことを示している。1)土圧、側面摩擦、構造物慣性力の作用の組み合わせは地盤変位と基礎変位の関係、地盤固有周期と構造物固有周期の関係、液状化層厚により整理できること、(2)群杭の地盤反力は非液状化地盤では前面杭で大きくなるが、液状化地盤では隅杭で大きくなり、その結果、杭頭の水平荷重分担は非液状化地盤では前面杭、液状化地盤では隅杭で大きくなる傾向があること、(3)局部座屈と全体座屈の連成挙動の可能性は杭の細長比、地盤の剛性、固定度などにより整理でき、鋼管杭の座屈荷重は、提案する一般化細長比を用いることで鋼構造設計規準の座屈曲線に対応し、現行の圧縮材の規定を準用できること、(4)地盤・杭-構造物系の応答は、入力動の卓越周期、地盤の固有周期、構造物の固有周期の関係、液状化発生の有無、基礎根入れの有無によって変化し、その結果、杭応力の増大に影響を及ぼす基礎根入れ部の土圧、構造物慣性力、地盤変位の作用の組み合わせも異なることを示している。
著者
中村 恭子 広沢 正孝 細見 修 山倉 文幸 鈴木 利人
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

統合失調症患者は中強度の歩行運動で快感情やリラックス感が増加し、不安感が減少、クロモグラニンA値やコルチゾール値が減少した。また、患者は一般成人より運動前から不安感やα-アミラーゼ値、クロモグラニンA値が有意に高く、運動後のアミラーゼ値の増加やクロモグラニンA値の減少が著しかった。患者は一般成人より体力が低いため、中強度の運動が精神的ストレス軽減をもたらす一方で身体的ストレスとなる可能性が示唆された。そこで、多様な運動強度に対するストレス反応を比較した結果、微細運動のフェルデンクライス・メソッドATMが低強度や中強度の運動よりも患者の心理的・生理的ストレス値の軽減に有効であることが判明した。
著者
鈴木 義昭
出版者
早稲田大学語学教育研究所
雑誌
講座日本語教育
巻号頁・発行日
vol.第21分冊, pp.78-88, 1985-07-01
著者
三ツ峰 秀樹 田中 君明 鈴木 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.421, pp.17-22, 1998-11-19
被引用文献数
1

ドラマ番組の製作ではリアルな情景を実現するためにセットや俳優のメイクが重要な要素として位置付けられている。時代劇においては、とりわけカツラ装着の自然さが番組の完成度にも影響を及ぼす。ハイビジョン番組制作では、その精細さ、質感の再現性という長所の反面で、こうした問題がより顕著になる。現状ではより決め細かな作業を伴った労力および多大なコストをかけてこれに対応しているが、場合によっては演出の自由度までもが制限される。そこで、我々は撮影後に画像処理を施すことで映像中の不自然な箇所を補正する手法の検討を行っている。今回、検討した手法のコンピュータシミュレーションを行い良好な結果が得られたので、ここに報告する。
著者
鈴木 良雄
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.501-511, 2007 (Released:2007-11-01)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

神奈川県立川崎図書館は昭和33年の開館以来,自然科学と工学分野の専門的資料のある公立図書館として知られている。平成10年から「科学と産業の情報ライブラリー」との愛称を持ち,その特徴を生かしてさまざまなサービスを実施してきた。平成17年からは独自のビジネス支援サービスを展開するとともに,科学技術のテーマに基づき,展示会,講演会,文献目録など事業を関連付けて実施している。さらに,独自の分類法“クラスタ”により,閲覧と収集が一体となった取り組みを進めている。こうしたことは,社会が変化する中にあって,社会の要請を受け止め,自らを変革しながら活動する伝統ある図書館の挑戦である。
著者
神保 宇嗣 鈴木 隆之
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ : 日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
no.20, pp.6-14, 2006-02-20

This article reviews our Internet project activities to establish on-line databases of Japanese moths. Though many large on-line databases of moths are available in the world, only a few resources were available in Japan until our projects began. Our projects consist of the following three parts. "An Identification Guide of Japanese Moths Compiled by Everyone" (http://www.jpmoths.org/) is a huge database which stores 12,000 photographs of 3,200 species. "List MJ: A tentative checklist of Japanese moths" (http://listmj.mothprog.com/) is an up-to-date checklist of Japanese moths. "Gaml" (http://www.mothprog.com/moth/gaml) is a mailing-list for exchanging various information concerning taxonomic, ecological and faunastic studies on moths. One of these "Everyone's Handmade Identification Guide…" is a characteristic project. Most of photographs in this database are taken and identified by anonymous collaborators including some researchers. When a contributor posts a moth image on the bulletin board at the website, someone identifies the image and then the webmaster registers the identified image in the database. These projects provide a communication base for all those interested in moths. They are also useful for researchers since the posted images sometimes include remarkable information for them. These projects will contribute to international projects of biodiversity databases. Further information gathering and improving of accuracy of identification are issues in the future.
著者
鈴木 健太 大平 雅子 野崎 綾子 内山 尚志 吉川 泰生 佐藤 利幸 野村 収作
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.1, pp.162-165, 2012-01-01

精神的なストレスの評価指標としてコルチゾールというホルモンが注目されている.従来,同物質は血液,唾液,尿などの検体から定量されてきた.これに対し本研究では,皮膚に微細孔を形成し,経皮的にコルチゾールを定量する新たな手法を提案する.