著者
青山 吉隆 中川 大 松中 亮治 柄谷 友香 田中 啓一
出版者
広島工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

近年においては従来の大量消費型ライフスタイルから,都市における生活の質「都市アメニティ」を重視したライフスタイルへの転換期を迎えている。この「都市アメニティ」は,人々の生活の豊かさと環境保全の共生を図っていくうえで重要な概念となっている。そこで,本研究では,都市アメニティの維持・拡大と環境が共生した都市社会システムを構築するための施策体系を明らかにする。具体的には,まず「都市アメニティ」の概念を体系化・計量化する。また,都市アメニティの利害関係者の構成を明らかにすると共に,受益と負担に対する施策の提示と目標に向けた実現可能性についての合意形成を目指した。本研究の成果をまとめると以下の通りである。1.都市アメニティを,「ある空間に存在する多種多様な都市の要素の量・質・配置に対して、ある都市活動を行うに際して大多数の人々が主観的に感じる共通の価値」と定義し,空間アメニティ・アメニティ機能・アメニティ要素といった階層構造として提示した。2.京都市北部における学校・緑地・神社仏閣・墓地の4つのアメニティ要素を対象に,その影響範囲を明らかにした。さらに,京都市都心部において,面的集積を保持した京町家の近隣外部効果は土地資産価値を高める傾向があること,京町家の影響範囲よりも中高層建築物のほうがより広範囲な学区レベルに及んだこと,中高層建築物の集積が土地資産価値を低める傾向にあること,以上3点を明らかにした。3.京町家まちなみ保全の活動に対して,周囲の協力の割合が高いほど,個別地域住民の協力選択確率が高まること,調査対象とした元学区19のうち,16の地域では潜在的な保全可能性を担保していること,これを担保していない3つの元学区に対しては,社会的相互作用の視点から,保全可能性を確保するための方策案を各元学区の特性に応じて提示した。
著者
足立 幸男 竹下 賢 坪郷 實 松下 和夫 山谷 清志 長峯 純一 大山 耕輔 宇佐美 誠 佐野 亘 高津 融男 窪田 好男 青山 公三 小松崎 俊作 飯尾 潤 飯尾 潤 立岡 浩 焦 従勉
出版者
関西大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

環境ガバナンスを支える民主主義の理念と制度について検討をおこない、その結果、以下の点が明らかとなった。第一に、適切な環境ガバナンスを実現するには、将来世代の利害に配慮した民主主義の理念や制度のあり方を生み出す必要がある。第二に、政治的境界と生態系の境界はしばしば一致しないため、そうした状況のもとでも適切な環境ガバナンスが実現されるような制度的工夫(いわゆるガバナンス的なもの)が必要となるとともに、民主主義の理解そのものを変えていく必要があること。第三に、民主主義における専門家の役割を適切に位置づけるためにこそ、討議や熟議の要素を民主主義に取り込む必要があるとともに、そうした方向に向けた、民主主義の理念の再構築が必要であること。第四に、民主主義を通じた意識向上こそが、長い目でみれば、環境ガバナンスを成功させる決定的に重要な要因であること、また同時に、それを支える教育も必要であること。以上が本プロジェクトの研究成果の概要である。
著者
青山 明雄 水口 博則 吉田 尚正 後川 彰久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.97, no.399, pp.51-58, 1997-11-26
被引用文献数
14

著者らは、これまでに次世代移動通信システム (IMT-2000) に向けてDS-CDMAに基づくセルラシステムを提案し、その試作システムの開発、室内/屋外実験を通して実用性検証を進めてきた。本稿では、CDMAシステムで高精度にマルチパスのタイミング同期を行うパスサーチ方式を開発し、試作システムを用いた室内/屋外実験により、開発方式の有効性を確認したので報告する。実験の結果、約0.625ms間隔毎に挿入されたパイロットシンボル (3 シンボル) を利用する方式において、相関値を6または9シンボルに渡り同相加算する方法が雑音抑圧に優れ、80msのパスサーチ時間でパスを検出できることを示す。また、遅延プロファイルから複数パスのピーク検出を行う場合、0.25チップ分解能において最小選択パス間隔は0.75チップが最適であることを示す。
著者
星 永進 青山 克彦 村井 克己 池谷 朋彦 金沢 実 杉田 裕 高柳 昇 生方 幹夫 倉島 一喜 松島 秀和 佐藤 長人
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.391-393, 2002
被引用文献数
2

目的.良性気道狭窄病変に対する気管・気管支形成術の成績について検討する.方法.過去11年間に当センターで手術を施行した良性気道狭窄8例を対象として,外科治療成績について検討した.自覚症状を有し,気管支鏡所見でpinhole状の狭窄あるいは閉塞を示す場合に手術適応とした.性別は女性7例,男性1例.年齢は23歳から58歳(平均40歳)であった.原因疾患別では結核性4例,necrotizing sarcoid granulomatosis(NSG)1例,気管内挿管後3例,病変部位は結核性では左主気管支3例,左上幹1例.NSGでは右主気管支ならびに中間気管支幹1例.挿管後では頸部気管3例.手術アプローチは結核性とNSGは側方開胸,.挿管後では頸部襟状切開.術式は結核性では左上葉管状切除1例,左上幹管状切除1例,左主気管支管状切除2例.NSGは右中下葉管状切除,挿管後では気管管状切除3例.吻合は吸収性モノフィラメント糸を用いて端々吻合した.手術時間は結核性は244〜328分(平均288分),NSG252分,挿管後97〜150分(平均124分).術中出血量は結核性150〜833ml(平均416ml),NSG385ml,挿管後40〜200ml(平均97ml).結果.吻合部狭窄,縫合不全などの術後合併症を認めなかった.狭窄病変の再発はなく,全例元気に社会復帰している.結論.良性気道狭窄病変に対する気管・気管支形成術は,安全で有用な術式である.
著者
青山 義之 武井 雄一 須田 真史
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)を行った際の脳血液量変化を近赤外線スペクトロスコピィ(NIRS)を用いて測定することにより、気分障害(大うつ病性障害、双極I型障害、双極II型障害)、および適応障害における脳機能の特徴の検討,および適正な刺激条件の設定を目的とした。rTMS中の対側脳機能反応性は疾患群によって異なる反応を示し,その反応は状態像による相違を認めなかった.
著者
鈴木 直義 松浦 博 湯瀬 裕昭 池田 哲夫 渡邉 貴之 武藤 伸明 岡本 恵理 佐藤 智子 福田 宏 柴田 義孝 橋本 浩二 青山 知靖 葛岡 英明 高橋 勇
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

看護師のフィジカル・アセスメントスキル学習や書道の学習など、動作を伴う学習の遠隔指導支援を目的として、(1)学習時の各種の動作に伴う圧力などの客観的フィードバック情報を学習者や指導者に効果的に提供する方法、(2)打診音を自動識別し実習者に指標を提示するeラーニングシステム構築のための検討、(3)概念モデリングを学習者自身に行わせる方法の熟練者育成へ導入、などの研究成果を得た。
著者
松原 麻子 車谷 洋 村上 恒二 青山 信一
出版者
広島大学保健学出版会
雑誌
広島大学保健学ジャーナル (ISSN:13477323)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.27-34, 2004-03
被引用文献数
1

頸髄損傷者の食事動作に関して,スプーンの使用方法を替えることにより,上肢各関節(肩・肘・前腕・手関節)の角度と運動の範囲がどのように変化するかを明らかにするために,三次元動作解析を行った.対象はC6レベルの頸髄損傷者5人で,「ヨーグルトを食べる」という課題を2種類の自助具(自助具1:母指側使用,自助具2:手掌側使用)を用い実施した.撮影された画像から時間と上肢各関節角度を求め,自助具1,自助具2使用時で比較検討した.結果,自助具1使用時には自助具2使用時と比べ,1回の食事動作におけるすくう動作が占める割合が多い傾向にあった.また,食物をすくう際に肩関節屈曲,肩関節外転の運動が多く必要とされ,一連の動作を通じて前腕が回内方向に移行し,肩関節が屈曲・外転方向に移行することが明らかとなった.以上より,前腕の回外運動が十分可能である場合には手掌側使用の自助具の導入が望ましく,また母指側使用で食事を行う場合には,食物を口へ運ぶ動作だけでなく,すくう動作においても肩関節の運動が必要になることを十分に考慮した上で,自助具の提供やセッティングを行うことが重要であることが示唆された.The purpose of the present experiment was to examine how the upper limb movements (shoulder, elbow, forearm, wrist) of patients with spinal cord injury (C6 level) were affected while using two types (type 1: pronation type, type 2: supination type) of self-helping device. Five subjects were required to eat 5 spoonfuls of yoghurt. We recorded the position of 11 light reflecting markers attached to the subjects' body with three cameras. We divided the eating action into three phases, the scoop phase, reach-to-mouth phase, and reach-to-plate phase. These kinematic landmarks were used to define the dependent variables. We calculated five joint angles (shoulder flexion, shoulder abduction, elbow flexion, forearm supination, wrist extension) with a three-dimensional video-based motion analysis system (APAS System, Ariel Dynamics), and analyzed how they changed at each phase. We compared them while using type 1 and type 2. While using type 1, the scoop phase played a larger part than other phases, and shoulder flexion, shoulder abduction and elbow flexion angles increased, not only in the reach-to-mouth phase but also in the scoop phase, and the supination angle decreased. This result suggests that patients who can supinate their forearm had better use type 2, and also that it is important to consider upper limb movements in the scoop phase when we provide patients with a self-helping device. In this study, however, we focused only on upper limb movements. We also have to analyze head, neck and trunk movements and examine the relationship among upper limb, head, neck and trunk.
著者
青山 幹雄 清兼 幸雄 中村 正実 川尻 信哉
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.361-362, 1990-09-04
被引用文献数
1

通信ソフトウェアなどのリアルタイムシステムを、地域分散した開発拠点で並行開発するための分散CASE環境ICAROS-イカロス-(Integrated Computer-Aided enviRonment for c0operative Software development)を開発している。ワークステーション(WS)上で状態遷移図に基づくリアルタイムシステムの設計を支援する。
著者
鵜飼 孝典 青山 浩二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.3, pp.157-162, 2009-01-15

現在,多くの組織がチーム間に壁があり,コミュニケーション不足によるミスが多く発生する,コミュニケーションが不足していて,十分に情報や知識がいきわたらないという問題を抱えている.しかしながら,このような問題を可視化することは容易ではなく,適切な施策を導出し,実施,評価することはさらに難しい.我々は,組織内のメンバ間の関係をアンケートによって得て,それを時系列的に図示するツールを開発した.このツールによって,チーム間の壁などの問題が一目瞭然となり,施策の効果も適切に視覚化される.本稿では,その表現力と効果を事例により検証する.事例として,インタビューを中心にしたある組織のフィールド調査を実施し,コミュニケーション改善の施策を適用したものを用いる.この施策の前後の組織内のメンバ間の関係をアンケートによって得て,それを本ツールにより視覚化し,そこから得られる考察を,フィールド調査によってえた考察で検証することで,本ツールの有効性を示す.A lot of organizations have it now, and communications where there is a wall between team, and a lot of mistakes by the poor communication are generated are insufficient, and have the problem that neither information nor knowledge spread enough. However, it is more difficult to derive not easiness but an appropriate measure, and to execute the visualization of the wall between team, and the visualization of the place where communications are insufficient. Moreover, because it is not possible to expect it, the measure that cancels the lack of communications doesn't generally evaluate a short-term result easily. We obtained the relations between members in the organization by the questionnaire, and developed the tool that showed it in the figure in the time series. The wall between team becomes obvious with this tool, and the effect of the measure is visualized appropriately. In this article, we applies to the model to obtain the design manual of the knowledge management that we have developed the result, the measure necessary for the organization is derived, and the result of application is used. First of all, the relations between members in the organization before and after this measure are obtained by the questionnaire, and it is visualized with this tool. The effectiveness of this tool is shown by verifying the consideration obtained from the relations between visualized members by the field survey on that.
著者
青山浩明
雑誌
皮膚臨床
巻号頁・発行日
vol.33, pp.801-804, 1991
被引用文献数
2
著者
青山 真人 駒崎 孝高 杉田 昭栄 楠瀬 良
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.241-250, 2003-05-25

ウマ同士の社会行動にともない顔や体に現れる特徴の意味の把握は,ウマがヒトに対しても同じ行動を取ることから,現場でのウマの取り扱いにおいて重要な情報になると考えられる.そこでわれわれは,日常的にウマに接している者(ウマ取扱者)およびウマに接する機会が少ない者(非取扱者)を対象に,互いに社会行動をしている2頭のウマの写真からその社会的関係を推察し,さらに判断の手がかりとして注目した部位を回答させるアンケート調査を行なった.ウマ取扱者189名の正解問題数の平均は6.01問(全11問 ; 正解率54.6%),非取扱者53名のそれは5.26問(正解率47.9%)であった.両群とも,無作為に回答した場合よりも有意に高い正解率であったが,ウマ取扱者のそれは非取扱者のそれよりも有意に高かった.ウマ取扱者が回答の際に注目した部位については,耳が38.0%でその頻度がもっとも高く,次いで体全体33.5%,顔全体 23.9%の順であった.非取扱者による注目部位は,高い順に耳29.6%,顔全体20.6%,目15.6%であった.一方,回答者を7問以上正解者(7以上群)と6問以下正解者(6以下群)に分けて比較すると,ウマ取扱者については耳(ただしP=0.091)および顔全体において,非取扱者では首の向き・角度および体全体において,7以上群の方が有意に高い頻度でこれを注目した.各問題の回答を解析すると,一方のウマがその耳や首をもう一方のウマに向けている状態(社会的に劣位のウマが耳を上位のウマに向けて気にしている様子など)が正解の手がかりとなった状況については,ウマ取扱者と非取扱者の正解率や観察の仕方は類似した.しかし,ウマの耳や首がもう一方のウマの位置と関係なく特異的な状態になる場合(耳を後方へ倒す威嚇の表情など)は,ウマ取扱者と非取扱者の観察の仕方は異なり,ウマ取扱者の正解率が高かった.ウマに接して来た経験をもとにウマの耳および首の向き・角度に注目することは,ウマの社会的な状況を推察するのに有効であると示された.
著者
加藤 誠巳 青山 ゆき
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.399-400, 1993-03-01

首都圏道路網の交通状況は、年々悪化の一途をたどっている。しかし、未来の道路状況を事前の交通流データより予測しうるならば、迂回路をドライバに指示したり、最適信号制御を行ったりすることにより、渋滞を回避することが可能となる。また、目的地までの旅行時間を予めドライバに知らせることも出来る。従来、予測の手法として、(1)多項式の当てはめ、(2)上流の交通量からの推定(上流で測った交通量が走行時間だけ遅れて現れると考える方式)、(3)交通現象の周期性の利用(曜日や時刻の関数として、過去のデータから統計的に求めておく方式)等、様々な方式が提案されてきた。本稿では、時間的、空間的な種々の予測因子を統合した処理及び統計的な処理を行うことが出来ると考えられるニューラルネットワークを用いて、道路に設置されている車両感知器より得られる交通量及び速度データをもとに、未来の交通量を予測する手法を述べる。
著者
趙 傑剛 青山 ヒフミ 羽山 由美子
出版者
大阪府立大学
雑誌
大阪府立大学看護学部紀要 (ISSN:18807844)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.85-91, 2007

本研究は中国における看護系大学の兼任教員がどのような環境におかれているのか,どのように専門的発達に向けて取り組みをしているのかを明らかにすることと,兼任教員の専門的発達を支援するための示唆を得ることを目的とする。中国都市部にある四つの大学病院に所属する兼任教員14名を対象とし,半構成的質問による面接法を実施した。その結果,【技術的熟達者志向の教育背景】,【看護師として満足の得られにくい臨床現場】,【整えられていない教員養成教育体制】,【看護教育に従事することによるほこり】,【教員として未熟であるという認識】,【教育実践における試行錯誤】,【教育実践への支援体制の不備による困惑】,【専門的発達における自助努力】,【専門的発達への支援体制の不備による困惑】,【専門的発達への願望】の10カテゴリーが抽出された。これらのことにより,兼任教員への支援にあたり,教員に関わる支援体制の整備とともに,現状に基づき,且つ兼任教員の専門的発達に繋がる継続教育プログラムの開発が必要であることが示唆された。
著者
青山 栄一 廣垣 俊樹 上西 康弘 高 在学 小島 淳
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
関西支部講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2000, no.75, pp."4-31"-"4-32", 2000-03-16

In recent year, spur gears have come to be used widely as transmisson gears of motorcars. Therefore, it is one of the most important subjects in gear fields to develop gears which are effective for vibration and noise of transmission. However, there have been very few studies on meshing transmission error of gear used inverse problems, and many problems still remain to be solved. In this paper, taking up the research for estimation of meshing transmission error of the spur gear used the root stress, the auther proposed a technique for estimation of meshing transmission error in meshing of spur gear. From those estimated results, it is found that the calculated value of MTE has the simillar tendency to experimental result.