著者
眞野 裕也 青山 俊弘
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.43-46, 2010-08-30

Twitterなどのミニブログサービスにおいて,ユーザは嗜好の類似によって自然にクラスタを形成する.本論文では,"お気に入り"情報を用いてユーザをクラスタリングする手法を提案する."お気に入り"とはミニブログ上でユーザが気に入った記事に対して印を付けることができる機能であり,"お気に入り"を付けた記事群は後に一覧することができる.提案する方法では,ユーザ間の「類似度」を,「異なる2ユーザが同じ記事に"お気に入り"を付けた回数」と定義する.それに基づいて,ユーザを点,類似度を辺の重みとして持つ「類似度グラフ」を作り,そのグラフに対してグラフクラスタリングアルゴリズムの一つであるFORCEを適用することで,同じ趣味を持つことによるクラスタ,同じ社会的属性を持つことによるクラスタ,他のコミュニティに同じく属するユーザによるクラスタなどを抽出することができた.さらに,拡張したtf-idf法で"お気に入り"の付けられた記事群を解析することで,クラスタごとに異なる,クラスタの特徴を現す特徴語を抽出することができた.
著者
板橋 豊 河野 真子 青山 倫也 中島 寿昭
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.375-380, 2000-06-05
被引用文献数
3 2

必須脂肪酸の一つであるγ-リノレン酸のトリアシルグリセロール(TG)分子中での結合位置を決定する簡便な方法を検討した。糸状菌Mucor circinelloides及びその変異株の脂質からγ-リノレン酸高含有TGを分離し,これをグリニャール分解してsn-1,2-及びsn-2,3-ジアシルグリセロール(DG)のエナンチオマー混合物を得た。この混合物を3,5-ジニトロフェニルウレタン誘導体に変換した後,(R)-1-(1-ナフチル)エチルアミンを不斉部位とするキラル固定相を装備したHPLCを用いて光学分割し,純粋なsn-1,2-DG(I)及びsn-2,3-DG(II)画分を得た。IとII及びTGの脂肪酸組成からTG分子中のsn-1,sn-2及びsn-3位におけるγ-リノレン酸の分布を算出した。また,IとIIを逆相HPLCで分析して,それぞれの分子種組成を明らかにした。得られた結果から計算により求めたTGの脂肪酸組成はオリジナルTGのそれと近似したことから,本法の正確さを良好であると判断された。Mucor circinelloidesの産生するγ-リノレン酸はTG分子中のsn-3位に最も多く存在し,次いでsn-1位,そしてsn-2位であり,大きく偏って存在することが明らかとなった。
著者
倉沢 央 川原 圭博 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.54, pp.15-22, 2006-05-23
被引用文献数
25

我々は 近い将来携帯電話に搭載可能な小型センサを用いてユーザのおかれているコンテキストを推定し,このコンテキストに応じて,ユーザに適切な情報配信を行うコンテキスト情報基盤の構築を目指しているンテキストアウェアサーピスを現実のものとするには,常に変化し続けるユーザの状況をいかに推定するかが重要な技術課題となる.本稿では,単一の加速度センサを搭載した携帯電話を-つ身に着けるだけでユーザの姿勢,動作の推定を可能にする手法を示す.本手法はリアルタイムの信号情報からセンサがどこに取り付けられているかを自ら判別し,その情報をもとに推定アルゴリズムを動的に切り替えることで推定精度を向上している.We are focusing on theb development of a context-aware information platform which allows users to receive personalizedi information based on their context inferrd by tiny sensors attached to their cellular phone.A dynamic user context infrence method is one of the impotant technologies for realizing th context aware servivces.In this paper,we how a new context inference scheme which realizes a user posture inference with only one sensor embedded in a cell phone.to improve inference acctuacy,the system automatically detects the sensor position on the user's body and selects the most relevant inference method dynamically.
著者
兒嶋 高志 志村 洋 杉江 明子 青山 忍 吉田 一也
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成17年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.141, 2005 (Released:2005-09-13)

【目的】日本における鶏卵消費量は約250万tであり、その内約半量が家庭用としてスーパーマーケット等で販売されている。一般的に生鮮物(生魚、野菜等)に対して持つイメージと同様に、鶏卵も産まれたての方が美味しく、卵料理についても同様に産まれたての鶏卵を用いた方が美味しいと思われがちであるが、科学的な根拠が示されることは少ない。そこで本研究では、低温管理における鶏卵の産卵後日数が、代表的な卵料理である茹卵と厚焼卵の物性と食味特性等に与える影響について、様々なデータを取得して検討を行い、結果を得たので報告する。【方法】産卵された鶏卵を0から10日まで10℃にて保管し、EGGマルチテスタを使用してハウ・ユニットを測定した。さらに茹卵と厚焼卵を調製してpH、破断応力、食味特性等について測定を行った。【結果】今回の試験の結果、茹卵、厚焼き玉子共に産まれたての鶏卵を用いたものより、10℃である程度保存した鶏卵を用いた場合の方が、より美味しいと評価されるものを調製することが出来た。茹卵については、経時的に鶏卵の卵白部pHが上昇し、脱殻性が向上した。また茹卵としての美味しさについても、卵白の食味(食感)が良くなる、茹卵らしい香り(硫化水素臭)が生じてくる、というような要素で評価が上がった。厚焼き玉子については、もろく離水の多い食味から経時的によりしっかりとした食感への移行が見られ、卵らしい香り(卵風味)についても経時的に評価が上がる傾向が見られた。
著者
青山 弘之 末近 浩太
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、東アラブ地域各国の法制度ないしは主権国家としての領域を超越して展開する「非公的」政治空間に着目し、そこで繰り広げられる政治主体に関する情報を収集し、ホームページなどを通じて継続的に公開した。また収集した情報をもとに、「5.主な発表論文等」で列記した論文・論考を発表し、ムハーバラート、レジスタンス、シャッビーハ、官制NPOなどが同地域の政治において決定的な役割を担っていることを論証した。
著者
中川 俊明 林 佳典 畑中 裕司 青山 陽 水草 豊 藤田 明宏 加古川 正勝 原 武史 藤田 広志 山本 哲也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J89-D, no.11, pp.2491-2501, 2006-11-01

我々は,眼底画像の異常を自動検出することによって眼科医の診断を支援するコンピュータ支援診断(CAD)システムの開発を行っている.本研究では,眼底画像の視神経乳頭を認識するために,血管の抽出及び消去を行う手法を提案する.また,血管消去画像の応用例として,患者説明に利用する擬似立体視画像の作成を行った.血管はカラー眼底画像の緑成分画像に対して,モフォロジー演算の一種であるBlack-top-hat変換を行い抽出した.抽出した血管領域に対して周囲の画素のRGB値を利用した補間を行い血管消去画像を作成した.このように作成した血管消去画像を視神経乳頭の認識に適用した.視神経乳頭は,血管消去画像を用いたP-タイル法によって認識した.78枚の画像を用いて評価実験を行った結果,認識率は94%(73/78)であった.更に,抽出した血管像及び血管消去画像を利用して,擬似立体視画像の作成を試みた.その結果,血管が網膜の硝子体側を走行している様子を表現できた.本手法が眼底CADシステムの精度向上に寄与することを示唆した.
著者
上野 修 永井 均 入不二 基義 古荘 真敬 青山 拓央 郡司 ペギオ幸夫 小山 悠 勝守 真 中野 昌宏 三平 正明 山田 友幸 重田 謙 入江 幸男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

独在的<私>と独今的<いま>が非常によく似た仕方で現実概念の根本にあることが明らかとなった。<私>と<いま>が世界のどの個人、どの時点を開闢点とするかは偶然である。にもかかわらず、いったん開闢されるとその特異点は諸個人のうちの一人物と歴史時間の現在に位置づけられ、特異性を失う。そしてこのことがむしろ現実性の条件となっている。このような二重性は、言語の使用者がまさにその使用によって言語世界の限界内に位置づけられる、その仕方によって理解されねばならない。
著者
白土 博樹 本間 さと 玉木 長良 久下 裕司 伊達 広行 鬼柳 善明 畠山 昌則 金子 純一 水田 正弘 犬伏 正幸 但野 茂 田村 守 早川 和重 松永 尚文 石川 正純 青山 英史 作原 祐介 鬼丸 力也 阿保 大介 笈田 将皇 神島 保 寺江 聡 工藤 與亮 小野寺 祐也 尾松 徳彦 清水 伸一 西村 孝司 鈴木 隆介 ジェラード ベングア
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

いままでの先端放射線医療に欠けていた医療機器と患者のinteractionを取り入れた放射線治療を可能にする。臓器の動き・腫瘍の照射による縮小・免疫反応などは、線量と時間に関して非線形であり、システムとしての癌・臓器の反応という概念を加えることが必要であることが示唆された。生体の相互作用を追求していく過程で、動体追跡技術は先端医療のみならず、基礎生命科学でも重要な役割を果たすことがわかった。
著者
阪本 清美 青山 昇一 浅原 重夫 山下 久仁子 岡田 明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.25-27, 2009-02-12

本研究では家庭内視聴環境における視距離の違いが視覚疲労に及ぼす影響についての評価実験を2種類のコンテンツを使用して42インチで行った(実験1、実験2)。さらに、ディスプレイサイズの影響を探るため65インチの大型ディスプレイを用いて行った(実験3).これらの結果は、視覚疲労の観点から、適正視距離が165cmから220cmの中間距離に存在し、ディスプレイサイズに依存せず絶対視距離に関係する可能性があることを示唆していた.
著者
青山 友紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.82, no.7, pp.704-712, 1999-07-25
被引用文献数
26

フォトニックネットワークをここでは転送機能を光領域で実現するネットワークと考え, その機能のレベルに応じてフェーズ0からフェーズ5まで分類する. フェーズ0はポイントツーポイント光伝送機能, フェーズ1は光多重化機能, フェーズ2は光XC/ADM機能, フェーズ3はルータとWDMの直結, フェーズ4は光・電子ハイブリッド処理型ルータ, フェーズ5は光時分割処理による転送機能の実現, と分類してその展望を述べる.
著者
青山 忠正
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学総合研究所紀要 (ISSN:13405942)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.61-74, 2001-03-25
著者
尾崎 俊治 伏見 正則 青山 幹雄 土肥 正 岡村 寛之
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究プロジェクトでは,最終製品としてのソフトウェアシステムの品質を確保する目的で,ソフトウェアテストの妥当性検証およびソフトウェアの信頼性評価を行う手法に関する研究を行った.具体的には,(i)ソフトウェアテストにおけるランダムテストをより発展させた準ランダムソフトウェアテストあるいはランダムテストに基づいたより効率的なテストケース生成手法の確立,(ii)(準)ランダムテストに基づいたソフトウェア信頼性評価技術の精巧化を行った.
著者
青山 幹哉 松島 周一 永井 英治
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

1.本研究では、中世〜近世前期における尾張・三河武士の家を対象とし、事実であった「歴史」と後代に再構築された各家の「歴史」とを個別に分析することによって、後者に通底する時代的心性を考察することを目的とした。2.個別の研究成果は下記の通りである。(1)当該期に成立した尾張・三河武士の家系伝承について系図史料等から、約四十の個別事例を検証した。その結果、軍記物や敗者復活の歴史としての南朝伝説の役割の大きさ、また近世における知行地確保などを企図したさまざまな作為の存在を確認した。(2)尾張熱田の加藤氏に関しては、一定の意図のもとに選択・収集された古文書群の存在について、文書群の内容が示す言説と文書群が家に相伝されたこと自体が示す言説との両面から具体的に分析し、古文書群の存在が物語る加藤家の歴史再構築過程を追求した。(3)三河の吉良氏については、不明な点が多かったため、まず、南北朝内乱期から16世紀初頭までの吉良氏の存在形態の変遷過程を明らかにする作業を行った。この成果により、近世吉良氏によって再構築された「歴史」を事実と比較することが可能となった。3.当初の計画ではデジタル画像データベースの構築を予定した。実際、高知県の山内家宝物資料館など現地調査を実施した際にはデジタル写真を撮影し、その準備をしたが、写真の公開許可を得られなかったこと、また、収集できた史料複製の大半が紙媒体によるものであったことなどから、結果として画像データベースは小規模なものにとどまった。4.本研究の目的からすれば、作業はようやくその一歩を踏みだしたに過ぎない。今後は本研究期間中に着手した、尾張大橋氏等の個別研究をまとめ、尾張・三河における武士の歴史伝承についての総合的な分析を行う予定である。
著者
甲斐 寛規 宮崎 大輔 古川 亮 青山 正人 日浦 慎作 浅田 尚紀
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.13, pp.1-8, 2011-05-12

カメラの入力画像を用いて,人の口唇の動きを認識することで,発話の検出を行う手法を述べる.近年では,コミュニケーションの解析が盛んに行われており,言語情報を含め,表情や視線,身振りといった非言語情報を総合的に評価しなければならない.本稿では,非言語情報である口唇の動きを認識し,発話の有無を検出する.提案手法は,入力画像の口唇領域と基準画像の口唇領域を用いることで,口唇の形を分類する.この分類結果をもとに,動画像中の一定範囲のフレームでの口唇の形の変化を検出することで,発話の有無を検出する.We propose a method to detect the speech by recognizing the lip motion. Recent study of communication analysis has been done thoroughly, which comprehensively utilizes not only the verbal information but also the non-verbal information such as facial expression, gaze motion, and gesture. The proposed method detects the occurance of the speech by analyzing the lip motion. We first classify the mouth shape from the comparison between the input mouth image and the reference mouth image. We detect the occurance of the speech using the lip motion classified for last several frames of the image sequence.