著者
王 道洪 高木 伸之
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

落雷の最終雷撃過程の観測に特化した高時間分解能・広ダイナミックレンジ・高感度・超ワイドビューを有する超高速光学イメージングシステムを開発した。このシステムをフロリダロケット誘雷実験場に4年間設置し、100個を超す雷撃の最終雷撃過程の観測に成功した。これらの観測データを解析して、最終雷撃過程、とりわけ、帰還雷撃の開始過程を明らかにした。これらの結果に基づき、帰還雷撃のモデルの改良を行った。
著者
高木 剛
出版者
日本介護福祉学会
雑誌
介護福祉学 (ISSN:13408178)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.213-220, 2007-10-01

2003年8月に施行された,「老人介護の職業に関する法律」により,従来ドイツの各州で養成されてきた,老人介護士は連邦国家資格となった,その養成の特徴として,(1)養成期間および養成教育時間数が多い(3年間,4,600時間),(2)実習を重視(2,500時間),(3)准老人介護士(下位資格)取得後のステップアップが可能,(4)看護,保健関連科目の割合が高い(約44%),(5)介護に加え,看護,保健が職務領域である,などがあげられる.これらは,今後の日本の介護福祉士養成に多くの示唆を与えると感じる.
著者
高木 佳奈
出版者
東京外国語大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

アルゼンチン、メキシコ、米国で活躍した日系二世アーティストの酒井和也について、博士論文の執筆を進めた。酒井は画家、翻訳家として知られている他、オクタビオ・パスの雑誌『プルラル』(Plural)の編集長を務めたり、ラジオで音楽番組を担当したりと、様々な分野で業績を残した人物である。今年度はブエノスアイレス、メキシコシティ、ダラスにて、インタビューや資料収集を行った。また、酒井と親交のあったドナルド・キーン氏にインタビューを行い、日本文学研究者としての酒井の業績について、話を聞くことが出来た。これまでの研究成果については、ブエノスアイレスのホルヘ・ルイス・ボルヘス国際財団にて口頭発表を行った他、日本ラテンアメリカ学会の『ラテンアメリカ研究年報』に論文を投稿し、掲載が決定した。論文ではアルゼンチン時代の酒井の翻訳業を分析し、日本文学がほとんど知られていなかった1950年代のアルゼンチンにおいて、酒井がどのような意図を持って作品を選択、紹介したかを考察した。日本では酒井についてほとんど知られていないが、ラテンアメリカにおける日本文学研究に大きく貢献し、画家としても現地の芸術運動の中心で活躍した人物である。特に翻訳に関しては、古典文学から芥川龍之介、三島由紀夫、安部公房まで幅広く翻訳しており、日本文学がスペイン語でも広く読まれるに至った土台を築いたといえる。酒井の業績を再評価することは、ラテンアメリカと日本の文化交流史を再考する上で意義のある研究となるだろう。
著者
井戸川 貴志 出口 博之 辻 幹男 繁沢 宏 高木 信雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.321-328, 2006-05-01
被引用文献数
17

単純なストリップ導体を二次元周期配列して構成されるオフセット給電のマイクロストリップリフレクトアレーにおいて,広帯域な特性の実現を目指して,長さの異なる線状素子を一方向に密に配列して構成し,その簡易設計法について述べている.本法の妥当性は,モーメント法をもとにした数値解析,及び試作した単層構造のマイクロストリップリフレクトアレーのX帯での放射パターンの測定評価によって検証している.
著者
菅山 謙正 渡辺 勉 高木 宏幸 五十嵐 海理 住吉 誠 前川 貴史
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、英国を代表する言語学者Richard A.Hudsonが新たに開発し、改良を重ねているWG理論(New Word Grammar,NWG)の枠組みを把握し、その認知文法的、あるいは構文文法的影響を探ることであった。3年間に亘って予定していた研究計画に従い、これをほぼ遂行し、NWGの修正点、改良点を明らかにし、言語理論として有望であると結論付けた。研究成果は、論文としても公刊したが、2011年中にはKyoto Working Papers in English and General Linguistics Vol.1、『ハドスンの英文法』として開拓社よりそれぞれ、論文集、書籍として刊行する。
著者
田中 景子 飯島 洋一 高木 興氏
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.215-221, 1999-04-30
被引用文献数
2

エナメル質ならびに象牙質の脱灰病変に,重炭酸イオンを作用させることによって,再石灰化の過程にどのような影響を及ぼすかをin vitroで検討した。試料には50歳代の健全小臼歯を用いた。脱灰は0.1M乳酸緩衝液(Ca 3.0mM, P 1.8mM, pH 5.0)で7日間行い,続いて再石灰化溶液(Ca 3.0mM, P 1.8mM, F 2ppm,pH 7.0)に7日間浸漬した。この再石灰化期間中,8時間ごとに再石灰化溶液から取り出し,30分間,4種の異なった重炭酸イオン溶液(0.0, 0.5, 5.0, 5O.OmM)に浸漬した。薄切平行切片を作成し,マイクロラジオグラフによってミネラルの沈着を評価した。エナメル質では重炭酸イオン濃度の増加に伴って,病変内部に再石灰化が発現する傾向が認められたが,統計学的な有意差はなかった(p=0.09)。一方,象牙質では表層に限局した再石灰化が認められた。特に5.0mM群では著明であったが,エナメル質と同様,統計学的な有意差は認められなかった(p=0.08)。エナメル質と象牙質で異なる再石灰化の所見が発現した理由は,重炭酸イオンの浸透性の違いによるものであると推察される。
著者
園部 哲史 戸堂 康之 白石 隆 大塚 啓二郎 佐藤 寛 杉原 薫 恒川 惠市 鬼丸 武士 松本 朋哉 高木 佑輔 本名 純
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

研究期間全体を通じて、経済学者、政治学者と歴史学者が協力しながら、現在の新興国の政治と経済についての実証分析を行った。総括班は、各計画研究班の共同研究を行う場を提供し、分野融合マインドを持った若手研究者の育成にも力を入れた。その結果、新興国に独自の発展経路の在り方や、それに基づく新興国の課題の存在が解明された。領域全体の活動成果として、世界的な学術書の出版社であるSpringer Nature社のシリーズEmerging-Economy State and International Policy Studiesを新たに作り出し、本領域の成果を4巻からなる英文書籍として出版することになった。
著者
高木 聡一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.746-753, 2013
被引用文献数
5

政府が保有するデータの公開と利活用を行う「オープンデータ」が注目を集めている。わが国においても政府が「電子行政オープンデータ」を策定するなど,政策課題として取り組み始めたところである。本稿では,こうしたオープンデータについて先行して取り組む欧州の政策動向を概説することにより,オープンデータの概念,経緯,および推進上の主要な論点を明らかにする。とりわけ,データ公開の現状,政策的取り組みの経緯,データのライセンス,民間とのコミュニケーション施策を取り上げる。こうした欧州における先進動向を踏まえ,今後日本が進めるにあたっての課題を考察する。
著者
吉武 睦海 土山 聡宏 高木 節雄
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.98, no.6, pp.223-228, 2012 (Released:2012-05-31)
参考文献数
17
被引用文献数
3 22

Stable austenitic stainless steels containing 0.1 % carbon and nitrogen (Fe-18%Cr-12%Ni-0.1%C and Fe-18%Cr-12%Ni-0.1%N alloys) were tensile-tested to clarify the difference between the effects of carbon and nitrogen on the work hardening behavior as well as the deformation microstructure development in austenite. The carbon-added steel exhibited a much larger work hardening rate than the nitrogen-added steel in the high strain region (true strain > 0.25) although the dislocation accumulation was more significant in the nitrogen-added steel. EBSD analysis revealed that deformation twins were more frequently formed in the carbon-added steel, which leads to the TWIP effect. The reason why the nitrogen-added steel showed the less twinning behavior seemed to be mainly related with the short range order (SRO) composed of Cr and N atoms.
著者
大波 純一 佐藤 恵子 白木澤 佳子 高木 利久
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.179-185, 2013-05-01
参考文献数
14

バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)は,独立行政法人科学技術振興機構(JST)に平成23年4月に設置された組織であり,ライフサイエンス分野のデータベースの統合を推進している。NBDCでは,Integbioデータベースカタログ,生命科学データベース横断検索,生命科学系データベースアーカイブなどのサービスや,ファンディングによって開発されたサービス(新着論文レビュー,領域融合レビュー,統合TV,TogoDoc,BodyParts3D/Anatomography,生物アイコン,Allie,inMeXes等)をポータルサイトから無償で公開している。本稿ではNBDCの取り組みと各サービスを利用した医学関連データベースへのアクセス方法やツールの活用例を紹介する。
著者
高木 正一
出版者
東洋史研究会
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.555-557, 1954-01-30
著者
中島 健介 末松 憲治 谷口 英司 竹田 英次 辛坊 俊行 佐々木 善伸 高木 直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.557, pp.1-5, 2000-01-20
参考文献数
8
被引用文献数
2

近年, 移動体通信の普及により, 携帯電話等で使用されるL帯マイクロ波デバイスの小形化, 低コスト化が進んでいる.ここでは, これらデバイスを利用した低コストな移相器モジュール構成を提案する.この移相器モジュールは, GaAs SW-BANKとチップインダクタ / チップコンデンサで構成されたハイパスフィルタ / ローパスフィルタ切換え形の移相回路を低コストなガラエポ基板上に構成したものである.本構成によるL帯5ビット移相器モジュールを試作した結果, 従来のGaAs-MMIC移相器と比べ, GaAs半導体基板の総面積を約1 / 6に低減でき, また, サイズ, 性能ともに同程度の良好な結果が得られた.
著者
秋山 浩一 高木 智彦 古川 善吾
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.567-576, 2012
参考文献数
16

直交表を用いたHAYST法という組合せテスト技法は,組込み系ソフトウェアに対する品質向上とテストの効率化を目的として開発された.一方で,受注ソフトウェアの開発において,納品後の不具合に対して,対症療法的な対応がされているケースがあり,HAYST法を適用すべきであると考えた.しかし,HAYST法は,因子数に対してテストケース数が一次関数的に増加する傾向にあり,そのまま適用することはできなかった.そこで,HAYST法に拡張を行い,受注ソフトウェアに対してもHAYST法を適用することができることを確認した.受注ソフトウェアにおいては,顧客データのエラーの組合せパターンが多く,その作成が鍵であった.また,状態遷移図からテスト設計するのではなく状態変数の組合せを状態としてテストしたことで欠陥が検出できた.そして,グループ別に小さな直交表に割り付けて,それらを組み合わせることでテストケース数を削減した.納品後1年間,欠陥が検出されなかったことから,HAYST法が受注ソフトウェアのテストにおいても有効であることが確認できた.
著者
秋山 浩一 高木 智彦 古川 善吾
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.567-576, 2012
参考文献数
16

直交表を用いたHAYST法という組合せテスト技法は,組込み系ソフトウェアに対する品質向上とテストの効率化を目的として開発された.一方で,受注ソフトウェアの開発において,納品後の不具合に対して,対症療法的な対応がされているケースがあり,HAYST法を適用すべきであると考えた.しかし,HAYST法は,因子数に対してテストケース数が一次関数的に増加する傾向にあり,そのまま適用することはできなかった.そこで,HAYST法に拡張を行い,受注ソフトウェアに対してもHAYST法を適用することができることを確認した.受注ソフトウェアにおいては,顧客データのエラーの組合せパターンが多く,その作成が鍵であった.また,状態遷移図からテスト設計するのではなく状態変数の組合せを状態としてテストしたことで欠陥が検出できた.そして,グループ別に小さな直交表に割り付けて,それらを組み合わせることでテストケース数を削減した.納品後1年間,欠陥が検出されなかったことから,HAYST法が受注ソフトウェアのテストにおいても有効であることが確認できた.
著者
高木 允 田村 慶一 森 康真 北上 始
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.54, pp.39-45, 2007-05-31

本研究では、Newman らの提案するネットワーク構造解析に基づくクリスプなクラスタリングアルゴリズムを改良し、ひとつのノードが複数のクラスタに重複してクラスタリングされることを許したグラフのクラスタリング手法を提案する。提案する手法は、一度 Newman らの提案するアルゴリズムを用いてグラフのクラスタリングを行った後、それぞれのクラスタをひとつのノードとした縮約グラフの作成を行う。縮約グラフを再度 Newman らの提案するアルゴリズムを用いてクラスタリングし、重複してクラスタリングされるノードを識別する。重複を許したクラスタリングを行うことで、クリスプなクラスタリングに比べ、柔軟なクラスタリングを行うことができる。ブログのトラックバックデータを用いた評価実験を行い、提案手法の有効性を示すことができた。In this paper, we propose a method of overlapping cluster based on network structure analysis which improves the clustering algorithm proposed by Newman et al. Newman's clustering algorithm is the crisp clustering algorithm. In the proposed technique, first, we cluster the nodes using the Newman's algorithm. Then, we make the contraction graph which is considerd a cluster as a node. In addition, we cluster the created contraction graph by using the Newman's clustering algorithm again and identify the overlapping nodes. Overlapping clustering is more flexible than crisp clustering. The experimental results using the trackback data based on blog represented efficacy of proposed technique.