著者
高橋 顕博 安藤 朝夫 文 世一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.149-156, 1997-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12
被引用文献数
4 5

阪神・淡路大震災の被害には構造物の破壊のような直接的被害のみならず産業活動の衰退のような間接的被害もみられた。本研究では産業連関表と計量経済モデルを組み合わせ、建物被害と交通被害により間接的被害を推計するモデルを構築し、実際に被害推計を行うことを目的とする。分析は被災地域として兵庫県を想定し、日本全国を (1) 兵庫県、(2) 兵庫県を除く近畿地域、(3) 近畿以東の日本及び (4) 近畿以西の日本に区分し、これに外国を加えた5地域で行われた.交通被害の影響は交易係数及び交通容量を等して分析される. 被害は所得の減少による人口流出や地域間交易 (取引) の変化で評価される・分析の結果、全国で約13兆円の経済被害が生じ、その約15%は兵庫県で生じた結果を得た。これらの推計結果は兵庫県の県民経済計算との比較により妥当であると検証された。
著者
森岡 郁晴 田渕 優奈 高橋 侑子 織田 侑里子 中井 正美 柳瀬 安芸 渡津 千代子
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.115-121, 2011 (Released:2011-02-25)
参考文献数
21
被引用文献数
8 9

Objectives: The purpose of this study was to clarify the contamination of mobile phones shared in hospital wards and its relationship with the consciousness and behavior of nurses about biological cleanliness. Methods: Samples from mobile phones were cultured to detect viable bacteria (n=110) and Staphylococcus aureus (n=54). A questionnaire survey was conducted on 110 nurses carrying mobile phones on the day of sampling. Results: Viable bacteria were detected on 79.1% of the mobile phones, whereas S. aureus was detected on 68.6%. All the nurses were aware of hand washing with water or alcohol after regular work, but 33.6% of the nurses were not conscious of hand washing with water or alcohol after using a mobile phone. There was a significant positive relationship between the frequency of using mobile phones and the number of hand washings with water or alcohol. A significant negative relationship was found between the detection of viable bacteria and the number of hand washings with alcohol. The results of logistic regression analysis showed that the detection of viable bacteria was related significantly with the number of hand washings with alcohol (Odds ratio, 0.350; 95%CI, 0.143–0.857) and that the detection of S. aureus was related significantly with the frequency of using mobile phones (Odds ratio, 0.183; 95%CI, 0.036–0.933). Conclusions: It is important to be conscious of the fact that mobile phones shared in hospital wards are easily contaminated. Because hand washing with water or alcohol prevents the contamination of the mobile phones, nurses should take standard precautions after using mobile phones.
著者
林 耕平 高橋 登紀夫 永田 晃弘 嵯峨山 茂樹
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2018-SLP-122, no.45, pp.1-5, 2018-06-09

これまで,人間の演奏に自動伴奏付けを行う研究は広く行われてきたが,奏者は与えられた楽譜に従って演奏を行うという前提があった.そこで,本稿ではドラムスという楽器における,より即興的な演奏に対して自動伴奏付けを行う手法について議論する.まず,自由なドラムス演奏をリズムパターンの同期遷移や接続によって行われるものとして近似し,HMM (Hidden Markov Model) を用いてモデル化を行う.モデルの確率的な逆問題を解くことで,演奏のリズムパターンや演奏箇所の推定を行う.具体的には複数の尤度計算とテンポ推定を行い,Viterbi アルゴリズムによってモデルの最尤状態を推定する.また,ここまでの手法を評価するために実験を行い,高い精度で演奏箇所の推定が行われることを示す.更に,本稿では自動伴奏付けの構想についても述べる.
著者
高橋 寛人
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

教刷委で教員養成をめぐってアカデミシャンとエデュケーショニストの論争が展開されたことが知られている。しかし、本研究によって、教刷委での議論の前に、CIEの指示に基づいて、東京第一師範学校での新カリキュラムの開発と師範学校用の新教科書の編纂が精力的に進められていたことが明らかになった。すなわち、CIEと文部省は、教員養成を目的とする学校の存続を前提として改革に着手しており、そこでは当初から教職教育を重視していた。
著者
飯島 涼 南 翔汰 シュウ インゴウ 竹久 達也 高橋 健志 及川 靖広 森 達哉
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.17-24, 2018-10-15

市中で販売されている音声認識装置の多くは,人が発生した肉声のみならず,ダイナミックスピーカや,超音波を用いた指向性スピーカから再生される音声にも反応することが知られている.肉声ではない音声信号に反応することを悪用し,なりすましやリプレイ攻撃等の様々な攻撃が可能となる.本論文では,超音波を用いた高度な音声攻撃を提案する.鍵となるアイディアは変調した超音波を搬送波と側帯波に分離して放射することであり,2 つの波を標的のマイクに一致する点で交差させることにより,可聴音が聞こえる範囲を極小化する.その攻撃を X (Cross) - Audio Attack と名付け,その特性と有効性を主観評価実験により評価する.また,このような音声認識デバイスを標的にした攻撃への汎用的な対策手法として,超音波から発生する音声,ダイナミックスピーカが発生する音声,および人間の肉声を見分ける識別器,Voice Liveness Detector を提案する.作成した識別器の性能評価を行い,これまでに提案された音声認識への攻撃全てを検知でき,かつ高精度で攻撃検知が可能であることを示した.
著者
木本 健二 片岡 誠 高橋 肇宏
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.666, pp.1443-1451, 2011-08-30 (Released:2012-01-13)
参考文献数
23
被引用文献数
1

The application of 3D CAD has been gradually expanded in Japan. However, the use of 3D CAD is limited. There is no methodology which makes full use of Building Information Modeling (BIM) especially for the compliance of the Building Standard Law of Japan. This research aims to make clear the structure of the Building Standard Law of Japan, and to establish the methodology of compliance of the Law with BIM. First, this paper analyzes the provisions of the law with a questionnaire for architects and inspectors from the standpoint of the application of BIM. Secondly, this paper extracts the necessary items to check the compliance of the law. They are numeral 3D shape data, text data and object position data. Thirdly, this paper shows two kinds of methodologies for the compliance of the law with BIM, and examines the maximum height of building, the height of eaves and the fire-resistance as case studies. Finally, this paper points out the effectiveness and problems of methodologies for the compliance of the Building Standard Law of Japan with BIM.
著者
高橋幸義 著
出版者
金港堂
巻号頁・発行日
1910
著者
安西 春幸 高木 国失 太田 博俊 大橋 一郎 高橋 知之 中島 聰聰
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.2094-2098, 1988 (Released:2011-08-23)
参考文献数
19
被引用文献数
5 4

未分化型腺癌の組織型を示す隆起型早期胃癌は少く, 単発早期胃癌手術症例1, 150例中10例であった. 性別, 占居部位, 深達度は分化型腺癌の隆起型に比較し, 明らかな差はないが, 平均年齢でやや若い傾向にあった.組織学的に隆起形態を3型に分類した. A: 表層粘膜の癌発育によるもの一6例8B: 表層粘膜のみならず, 粘膜下層への癌浸潤を認めるもの-3例. C: 粘膜層より, 粘膜下層での癌浸潤が著明であるもの-1例. Aはsignet-ring cell carcinoma (sig), Bはpoorly differentiateded enocarcinoma (por), Cはmuconodular adenocarcinoma (muc) がそれぞれ多い傾向にあった. 予後は隆起型分化型腺癌同様, 良好であった.
著者
矢澤 正好 高橋 一成 内田 秀和 長谷川 有貴
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.139, no.9, pp.289-295, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
32

In general, beer degradation is evaluated by sensory test, however it depends on the subjectivity of an inspector. Therefore, it is highly required that an objective evaluation method is developed. It has been clarified that the degradation degree of beer proceeds mainly by oxidation of components derived from malt and formation of non-electrolyte trans-2-nonenal. In this study, we developed LB film taste sensor using metal complex for evaluating the degradation degree of beer with trans-2-nonenal concentrations. In addition, the physical properties of three metal electrodes and sensing film surface were evaluated with AFM and FT-IR, and these results and the sensor response characteristics were compared and discussed for improving the sensitivity as a sensor for beer degradation evaluation.
著者
安部 弘哉 奥 万寿男 高橋 将 藤井 由起夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.183-186, 1990-02-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4

S-VHS VTRの, 輪郭部での色にじみ低減を目的とするカラーエンハンサを検討した.ディジタル信号処理を用い, 色差信号のエッジ部分で時間軸演算を行い, 信号変位を時間圧縮することにより, エンハンス効果を得る方式を開発した.

1 0 0 0 新吉詩抄

著者
高橋新吉 著
出版者
版画荘
巻号頁・発行日
1936
著者
山本 博崇 高橋 善明 渡部 広明 松岡 哲也
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.661-665, 2013-03-31 (Released:2013-06-07)
参考文献数
11

症例は60歳代,男性。塩酸を内服し,救急搬送となった。精査にて腐食性食道・胃・十二指腸炎,重症急性膵炎,溶血性貧血と診断し,ICUにて集中治療を行った。膵炎と溶血性貧血は大量輸液,ハプトグロビン,膵酵素阻害剤,抗潰瘍薬の投与を行い改善したが,食道と幽門の瘢痕狭窄が徐々に進行した。第149病日には幽門の完全閉鎖を認めたが,経過中に重度の肺線維症を併発したため根治術を断念し,胃空腸吻合術を施行した。しかし,その後も瘢痕狭窄は進行し,第302病日には食道の完全閉鎖を認めた。塩酸内服後の消化管瘢痕狭窄に対する手術や内視鏡治療は6ヵ月後以降に行うべきとされているが,本症例のように10ヵ月まで狭窄が進行する症例も存在するため,瘢痕狭窄に対する治療も10ヵ月以降まで延期すべきである。また,手術術式は消化管障害の範囲と程度,および全身状態に左右されるため,初期の全身管理も重要である。
著者
青木 茂 宮沢 修 高橋 理
出版者
一般社団法人 日本時計学会
雑誌
日本時計学会誌 (ISSN:00290416)
巻号頁・発行日
vol.129, pp.55-64, 1989-06-20 (Released:2017-11-09)

This paper describes a new quartz watch driving system we developed. With this system, the second hand of a wrist watch moves smoothly as if it is sweeping. An intermittent movement of the stepping motor is transferred to a smooth sweeping motion due to the spiral spring and the viscous regulator. This system also allows the continued superiority of quartz watches.
著者
丸野 健一 太田 泰広 高橋 大輔
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

大振幅非線形波動を記述する偏微分方程式の解の構造を保存する差分スキームの構築法の確立とその数値計算法への応用に向けて、これまで離散化に成功していなかったタイプの非線形波動方程式(多成分系、3次元渦糸問題、水面波の数理モデル、水の土壌への浸透を記述する数理モデルなど)の解の構造を保存する離散化を行い、様々な方程式に対して自己適合移動格子スキームを構築することに成功した。さらに、それらを用いた数値計算の精度の検証を行い、自己適合移動格子スキームの有効性を示した。また、自己適合移動格子スキームと離散微分幾何学との関係についても詳しく調べた。
著者
大道 明 高橋 宏和 Daido Akira Takahashi Hirokazu
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
研究報告
巻号頁・発行日
vol.27, pp.207-257, 1988-03

現在、万有引力に関する教材は理科Ⅰ物理分野や地学分野、選択物理分野で取り扱われている。理科Ⅰ物理分野では、万有引力は落下運動や放物運動を決める重力として、地学分野では地球の形状や公転、惑星の運動を決める要因として扱われている。選択物理分野では万有引力の法則が発見される経緯を説明したり、 ...
著者
高橋 晋也
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1_41-1_46, 2005 (Released:2009-06-22)
参考文献数
17
被引用文献数
3 6

人間の心理および行動に及ぼす環境色彩の効果を検討した。赤、緑、青、黄の4種類の色照明下で、のべ160名の被験者にクレペリン型の連続加算課題を行わせ、課題成績の他、被験者自身への影響(身体的疲労感、精神的疲労感、眠気、集中力)、経過時間推定、色照明に対する印象(SD尺度評定)等を分析した。実験の結果、色照明はそれぞれ特徴的な印象(赤-“快活”、青-“鮮麗”、緑・黄-“平穏”)を喚起したが、課題成績に関しては、作業の生産性・安定性・正確性のいずれの指標においても色の効果はなかった。時間推定については、すべての条件で過小評価となったが、やはり色条件による差はなかった。被験者への影響に関しては、緑条件において他の条件よりも精神的疲労感が低くなる傾向が示された。また、色条件をつぶした上で、各色照明に対する「好きな」項目の評定値と課題成績との相関を見たところ、照明色を「好き」と評定した被験者ほど作業の生産性と正確性が高くなる傾向が示された。これらの実験結果に基づき、古くから関心が持たれてきた色彩の心理的効用について、その科学的検証における理論的な問題点と、安易な現場応用に対する批判などが議論された。
著者
高橋 圭一
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.10-16, 2019-08-10

2016年度に本学科の1年次向けのプログラミング言語をJavaからRubyに切り替えた.そのため,3年次のWebアプリケーション開発の講義および演習で使用する開発フレームワークをJava EEからRuby on Railsに変更した.本稿では,2018年度の後期に実施したRuby on Railsによるチーム開発の授業内容について報告する.受講生は前期にRuby on Railsの基礎を学習済みである.そのため後期には,Sessionやモデル間の関連付けなどRuby on Railsの発展的な機能を学び,チーム開発で必要となるGit,Bitbucket,Herokuなどのツールを学習したあと,2名ずつの8チームで8週間かけて開発を進めた.結果としては,各チームが開発したソースコードは平均で約1400行であり,J2EEを使用したときと同規模になった.一方,画面数および画面遷移数は2018年度の方が前年より上回っており,Ruby on Railsの様々な支援機構により,より実用的なアプリケーションが開発できたことがわかった.