著者
綾部 園子 本間 千裕 長浜 ゆり 高橋 伸幸
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.188-193, 2009 (Released:2015-02-13)
参考文献数
17
被引用文献数
1

同じ条件で栽培したF1種のフルーツトマト(甘しずく)と普通のトマト(麗容),および比較のため特殊栽培によるフルーツトマト(アメーラ)の品質と嗜好性について検討した。その結果,甘しずくの糖度は,麗容と同じ栽培方法であったが,アメーラとほぼ同じであった。甘しずくとアメーラは麗容に比べてフルクトースとグルコースの含量が多かった。フルクトース/グルコースは甘しずくはアメーラよりも高く,甘味の質が異なることが示唆された。酸度は甘しずくのゼリー部において有意に高かったが,果肉においては有意の差はなかった。皮付きの破断応力は甘しずくが最も高く,皮を除いた果肉の圧縮応力はアメーラが最も高かった。官能評価の結果,麗容に対し甘しずくとアメーラは有意に好まれた。
著者
高橋 美彦
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.98, no.3, pp.289-301, 1990-07-31 (Released:2008-02-26)
参考文献数
25

縄文時代87例,弥生時代44例,古墳時代44例,鎌倉時代30例,室町時代22例,江戸時代36例,明治時代16例の古人骨の頭部 X 線規格写真と,住民調査で得られた現代人の頭部 X 線規格写真419例を調査し,顎関節形態の時代的推移について検討した。その結果,顎関節の時代的変化はおもに関節突起に現れ,下顎窩における時代の変化には一定の傾向はみられなかった。関節突起はおおむね時代とともに細長くなるとともに,下顎頭幅は小さくなり,下顎頭の尖鋭化が進行していた。下顎窩幅に対する下顎頭幅の割合は弥生時代人と現代人で小さく,とくに現代人においてこの傾向が強く認められた。
著者
片岡 美香 岡本 貴史 山口 直子 倉本 智津子 西田 幸世 星 順隆 高橋 幸博
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.523-528, 2012 (Released:2012-09-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

新生児への血小板輸血は,通常,輸血バックから直接行われず,注射用シリンジを用いている.注射用シリンジでの輸血が,血小板に与える影響をin vitroで検討し,有効かつ安全な輸血法を考える. アフェレシス濃厚血小板製剤を,室温で撹拌したもの(アフェレシスバッグ),分離バッグに分割し攪拌したもの(分離バッグ),注射用シリンジに分離し,空気層を入れ攪拌したもの(空気混入シリンジ),注射用シリンジに分離し,空気を除去し静置したもの(空気除去シリンジ)の性状変化,血小板機能を比較検討した. アフェレシスバッグと分離バッグ保存では,6時間後においても酸素濃度など性状の変化は認められなかった.空気除去シリンジの酸素濃度は,分離後2時間で有意に低下した.二酸化炭素濃度は4時間で有意に増加し,乳酸は増加,pH,血糖および血小板凝集能が低下した.空気混入シリンジの場合,撹拌することで保存による変化を防ぐことができた. 新生児輸血方法として,分離バッグが効果的で安全な方法であった.それゆえ,少量バッグの作成が望まれる.今回は,in vitroのみでの結果であり,輸血後の生存率や回収率などの検討や,臨床的な判断が必要である.
著者
佐藤 寛子 柴田 ちひろ 秋野 和華子 斎藤 博之 齊藤 志保子 門馬 直太 東海林 彰 高橋 守 藤田 博己 角坂 照貴 高田 伸弘 川端 寛樹 安藤 秀二
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.167-175, 2016-09-25 (Released:2017-06-05)
参考文献数
29

In Akita Prefecture, patients with Kato type of tsutsugamushi disease (Sucrub typhus) transmitted by Leptotrombidium akamushi were identified in August 2008 for the first time in 15 years, and in 2010 as well. We conducted surveys of the habitat of L. akamushi using Suzuki’s Method (MITORI-HO) between 2011 and 2014 in 74 areas of riverbed in which the disease was prevalent, including the upstream, midstream, and tributary areas of the Omono River. Habitats of L. akamushi were identified in 40 areas in three cities and one town, and the total distance along Omono River was approximately 10 km shorter than that reported by a survey conducted in 1964. Some of those areas were inhabited by L. akamushi gradually after river improvement work and the disease temporarily became prevalent there, although no patient had been identified in these areas prior to the construction. L. akamushi was only collected from sand, sandbanks, and other areas in the vicinity of the river, which can easily be flooded when the water level rises. No extensive research has been conducted on the re-emergence of tsutsugamushi disease transmitted by L. akamushi. It is necessary to continue to provide people with information and increase their awareness.
著者
尹 聖在 菅 愛子 高橋 大志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2K104, 2018 (Released:2018-07-30)

News articles play an important role in financial markets. This study analyzes the relationship between news articles and stock price fluctuations using high frequency trading data in Korean stock markets. Especially, we analyze differences in market reactions according to languages of news articles. In order to understand the influences of news articles, this study explores conditions of Long Short Term Memory (LSTM) models that classify news articles.
著者
高山 理璃子 菅 愛子 高橋 大志
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 PACIS2018主催記念特別全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.28-30, 2018 (Released:2018-08-31)

近年、主要な情報ソースの一つであるニュースと株式価格変動について数多くの研究が報告されている。筆者らはこれまで韓国株式市場を対象とし個別企業ニュースと資産価格変動の関連性について分析を行ってきた。本研究は、高頻度データを分析対象とし、深層学習の主要な手法の一つであるLSTMを通じ、個別企業ニュースおよびマクロ経済ニュースを用い、テキスト分類精度の向上について検討を試みたものである。
著者
椿本 弥生 高橋 薫 北村 智 大辻 雄介 鈴木 久 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.255-267, 2013

日本語母語話者の高校生を対象に,日本語で産出した小論文をグループで協同推敲できるシステム「Re:(アール・イー)」を開発した.推敲の観点として内容・構成・言語使用の3つを設定した.グループの構成員が得意とする観点がそれぞれ異なる実験群と,得意とする観点が統一された統制群とで,システム使用前後の小論文の得点を比較した.その結果,全体的評定値については,実験群のシステム使用後で有意に得点が高かった.さらに分析的評定値では,論拠の質などの小論文の質に深く関わる評価項目について実験群のほうが統制群よりも有意に得点が高かった.プレとポストの得点差において,統制群よりも実験群のほうが,各グループで一定に近かった.このことから,提案するグループ編成方法がより多くの学習者に一定の学習効果を保証できる可能性が示唆された.
著者
高橋 正通 柴崎 一樹 仲摩 栄一郎 石塚 森吉 太田 誠一
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.100, no.6, pp.229-236, 2018-12-01 (Released:2019-02-01)
参考文献数
72
被引用文献数
3 2

ポリアクリル酸等を材料とする高吸水性高分子(SAP)は1970年代後半から土壌保水材として利用されている。乾燥地・半乾燥地における農林業や緑化へのSAP利用に関する研究報告や実証試験をレビューした。SAPは自重の数百倍の純水を吸収できるが,塩分を含む水では吸水能が数分の1に低下し,土壌中では粒子間での膨潤に限られる。SAPの利用は,1)裸苗の根の乾燥防止や活着促進,2)土壌の保水性と苗木の乾燥耐性の向上,3)植栽穴への施用による活着や成長促進,4)種子の発芽促進,を期待した研究が多い。ポット試験の結果からは,土壌の保水量はSAP添加量に比例して増加するが,粘土質より砂質土壌で土壌有効水量が増加し,樹木の耐乾性も向上する。実証試験からは,SAP施用で活着や成長が概ね良くなるが,土質や樹種によって反応が異なり,過剰な添加はしばしば苗木の成長を低下させる。SAPの課題として,肥料との併用による保水効果の低下,持続性の短い保水効果,現場コストの未検討等を指摘できる。今後は,体系的な実証研究によるSAPの施用方法の確立,有効な樹種の選別,製品性能の改良が望まれる。

1 0 0 0 OA 反省と漂泊

著者
高橋 知之
出版者
日本ロシア文学会
雑誌
ロシア語ロシア文学研究 (ISSN:03873277)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.89-110, 2016-10-15 (Released:2019-05-22)
著者
深川 智恵 古土井 春吾 高橋 英哲 山田 周子 渋谷 恭之 古森 孝英
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.605-608, 2010-10-20 (Released:2013-10-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Lemierre syndrome is a potentially life-threatening disease caused by an acute oropharyngeal infection with secondary septic thrombophlebitis of the internal jugular vein, frequently associated with abscess formation in distant organs.We report the case of a 78-year-old woman who received surgical therapy, chemotherapy, and radiation therapy for malignant lymphoma in 2001. She visited our hospital because of a swelling and pain of the left submandibular region in August 2009. The patient was immediately hospitalized to control the pain and infection. PET images showed tracer uptake in the lung. Bilateral multiple septic emboli of the thorax were detected on CT. On the basis of these findings, Lemierre syndrome was diagnosed. The patient was treated with antibiotics intravenously, and surgical drainage was performed. All symptoms improved, and she was discharged after 32 days.

1 0 0 0 OA システム構造

著者
高橋 真吾
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.240-247, 2007-04-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
14
著者
高橋 孝治
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.151-155, 2016

三角形の面積公式にはいろいろなものがある。三角形が決定されるときには、三角形の面積も決定しているはずである。確かに、三角形の面積公式は、「底辺かける高さ割る2」以外の式は、全て三角形の決定条件と関連している。そこで、本稿は、三角形の決定条件を用いて、これまで一般的に知られていない三角形の面積公式を探ることを試みる。本稿では特に一角と一辺、辺の総和の三つが明らかな三角形の面積公式を探ろうとする(この三つが明らかな場合にも三角形は決定する)。本稿での証明では当該一角が分かっている一辺の両角の一つなのか対角なのかで式が変わってしまった。そのため、三角形の一角と一辺、辺の総和の三つが明らかなだけでは足りず、当該一角の位置も明らかとなる必要があるとするが、今までに一般的に示されていなかった三角形の面積の求め方を示すという作業に一歩程度は貢献できたものと考えると述べる。