著者
吉永 慎二郎
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

吉永の本研究は、春秋経は春秋左氏経が原型で(公羊経や穀梁経はこれより派生)、その「春秋左氏経」は、解経と凡例等以外の史伝文として今本左伝に残存する「原左氏伝」テキストから、抽出・編作の手法に拠り成立したものであるとの仮説を提示する。この仮説では全春秋左氏経文は、(1)抽出文、(2)抽出的編作文、(3)編作文、(4)無伝の経文という四種類型文に分類し得る。隠公~文公期の全経文の分析では抽出系即ち(1)抽出文(23.9%)と(2)抽出的編作文(25.9%) とが約49.8%、編作系即ち(3)編作文(17.7%)と(4)無伝の経文(32.5%)とが50.2%との結果となった。この結果は吉永の仮説を傍証するものと言える。またこの「原左氏伝」と「春秋左氏経」との関係は、『資治通鑑』と『資治通鑑綱目』との関係に比定し得ることを明らかにした。
著者
溝田 武人
出版者
福岡工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

飛翔中のゴルフボールの位置(X、Y、Z)をハイビジョンカメラ映像から求める.カメラを上下、左右に向けさらにレンズをズーミングさせる.回転角度やズーム情報は雲台やレンズ部に装着したエンコーダからの出力信号により得る.画面内のゴルフボールの位置情報は画像処理により求める.これらを統合して、ボールの(X,Y,Z)情報が求まる.現在これらのハードウェアと画像処理システムが完成しており、実地テストにより改良を行っている.
著者
村嶌 由直 大田 伊久雄
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

1990年世界農林業センサスは林業離れの実態を全体的に明らかにしたが,その中で地域的に新たな発展の動きも見られた。本研究は,'90年代の全体像を地域的に解明するとともに,地域的にあるいは経営体として確立している"地域林業"および林家・法人に焦点をあて,その成立基盤を解明した。高度産業社会においては都市への人口流出,不在村所有・サラリーマン林家の増加,こうした状況は零細所有者の森林管理を困難にしている。一方では、森林のもつ多機能の発揮のために森林管理が緊急に対処されなければならない課題になっている。木材生産局面からみると、戦後造林が利活用段階に入った南九州(宮崎・熊本など)およびまだその段階への移行過程にある東北(宮崎・岩手など)の林業に地域区分が可能であるが,林業発展へのベクトルがみられるのは一つのまとまりをもつ地域単位を基礎とした場合であり,そこに上層組合員に支持された森林組合が果たしている役割が極めて大きい。加えて地方自治体による側面的な支えによって前進を確実にしている。しかし,林業経営が成立する地域は限定的で,試算される林業の内部収益率の低さから言えば全地域的である。60年代半ばから70年代にかけて公的造林が森林造成に,あるいは地域振興に大きく寄与したが、21世紀を迎える今日,放棄され森林管理を公的に進める手だては見い出し難い。一部で模索されているのが、下流の「水」の受益者・市町村が上流域の森林整備のために財政的に支援するものであり,「流域」を単位とした森林管理の道である。
著者
首藤 文洋
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

これまでの感性評価法では、個人差がある主観評価に頼らざるを得なかった事とその脳機能の物質的背景の解明に必要な動物実験では個人差を作り出す後天的経験による情動反応を調べる方法が殆ど無いことが要因であった。そこで、音刺激によるヒトの視覚イメージの評価をメインタスクとして、主観的な感性評価と客観的な生体反応計測による情動反応との連関について調べる新たな感性評価方法を確立すると共に、後天的な要因により体験に関連して誘導された情動反応の脳機能を解析できる動物実験モデルを開発した。
著者
岩崎 奈緒子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、幕府が「鎖国」をヨーロッパに対する外交体制として採用する歴史段階を確定し、「鎖国」体制の特質を明らかにすることを課題とした。この研究により、ロシアの出現という事態が日本人の世界認識に転換を促した事実を発見できた。すなわち、広大で強大なロシアの存在が認知された結果、そのようなロシアが存在する世界とはどのようなものなのか、という問いが生まれ、その探究によって、ヨーロッパが一つの勢力として、世界を席巻しつつある事実が認知されたのである。「鎖国」の語は、このような世界認識の転換のダイナミズムの中で生まれた語であり、ヨーロッパ概念抜きには成り立ち得ない認識であったといえよう。
著者
佐藤 元
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、健康リスクへの対処に関わる政策、特にリスクの受容と忌避や政策選択に係るリスクコミュニケーションのあり方、特にマスメディアが政策議論に果たす機能について実態調査を行い、国際的な比較実証分析を意図した。本研究では、食の安全・リスクに関わる問題としてBSEと輸入食品問題への対処を検討課題として取り上げ、日本、米国、韓国の主要日刊紙における報道・社説・論説記事の抽出、分類、さらにこれらの比較分析を行った。
著者
松井 紫朗 高橋 悟
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

通常、自己定位を失うような不安定な状況は、避けられるべき事態とされる。しかし、神経科学の視点から見て、このような動揺状況から抜け出すため、身体のさまざまな感覚、記憶や言葉と結びつけ、新たな定位の獲得のために活発に活動する脳内は、あらゆる関係性に向け開かれた状態にあると考えられる。このような、知的思考の連鎖が起きる現象について、これを可能性と捉え探求するのが我々のねらいである。座位と立位で、正面に見据える姿勢、仰向きに見上げる姿勢で行ったいくつかの実験などから、頭部が傾くことによる体性感覚への入力、前庭覚への異なる刺激が、自己定位を含む対象物との距離や動きの認知に影響を与えることが分かった。
著者
上之園 佳子 田中 由紀子 中村 幸子 堀 崇樹 アン スンヒ 鴨澤 小織 菅野 衣美
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

介護従事者の腰痛予防の調査(n=495)では、腰痛経験率は88.4%と高い。腰痛予防は,労働安全衛生での組織的取組みや介護機器の普及は低い割合であった。予防教育は、職場では有効だが、養成教育では充実が課題であった。養成機関の聞取り調査(n=11)では、健康教育や腰痛予防、介護機器教育の適切な教材がなく、内容が多岐の科目に分散した学習であった。そのため健康や腰痛予防の体系的教育プログラムにより、健康意識の向上、労働安全衛生の知識、主体的な職場環境の改善、介護機器活用のアセスメント技術の習得が重要である。それは介護人材の定着・確保だけでなく、利用者の安全で自立した支援の社会的介護の基本となる。
著者
勝田 茂 奥本 正 鰺坂 隆一 久野 譜也 向井 直樹
出版者
東亜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は世界のトップとして活躍しているシニアアスリートの体力とライフスタイルについて検討を行った。測定参加者の10年後の平均年齢は90.3歳。男性2名、女性7名、計9名が測定に参加した。結果;瞬発的な筋力発揮を求められる種目、すなわち垂直跳び・反復横跳び・立ち幅跳びなどで著しい低下を示した。年齢別でみると、体力の年間低下率は、70歳台から80歳台では-2%、80歳台から90歳台では-3%を示した。ライフスタイルについて、高齢者にとってスポーツも生きがいに足るものであることが示された。結論:高齢者こそ筋トレーニングが必要であることが判明した。
著者
牛山 久仁彦 伊藤 剛 幸田 雅治 田村 達久
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

大規模災害が頻発する日本において、自治体とそれを支援する自衛隊の連携がどのように行われるのかは、極めて重要な課題である。とくに、東日本大震災では、自衛隊の迅速かつ適切な災害派遣や自治体との緊密な連携・協力のあり方が問われることとなった。本研究では、自衛隊の災害派遣をめぐる法制度や諸外国の現状との比較検討を行うと共に、今後も予想される大規模災害に際し、どのような備えが必要なのかを研究したものである。
著者
橋谷 英子 瀬田 充子 楊 思好 毛 久燕 林 小旻
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

中国浙江省舟山では一人遣い指人形芝居『月唐演義』を3日、以前と合わせて約20日分、全編のほぼ半分を録画し、また『粉粧楼』「胡奎売人頭」の段も2日で上演してもらい録画した。一方、伴奏もすべて一人で行う、より古い形式で上演される温州地区蒼南県の一人遣い指人形で、『粉粧楼』を4日20時間、『月唐演義』「李白出考」を2日10時間、泰順県でも『月唐演義』を1日上演してもらい、録画した。これらの録画記録を比較検討した結果、伴奏が別に加わる舟山では、人形は動きが細やかで上演の重要要素であるが、蒼南や泰順では棒に挿した人形を並べるだけの場面も多く、人形は補助で語りが主で、講史との関係がよりはっきりと窺えた。
著者
平本 福子 足立 己幸
出版者
宮城学院女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

近年、児童や高齢者の孤食が問題化し、共食の重要性が提起されている。また、少子高齢化、核家族化の流れの中で、世代間交流による食育プログラムの開発が求められている。本研究では、2010~2012年に小学生95名、高齢者43名が参加して、共食によるプログラム開発を行なった。その結果、3プログラム(共食会、昔のおやつ探検、お弁当プレゼント)を開発することができた。また、プログラムへの参加により、児童は高齢者との共食を楽しいと思う割合が73.4% から96.7%に高まった。さらに、いずれの世代も、日常食べない食物を食べる機会や互いの世代の行動特性等のイメージを広げることにつながった。
著者
イリチュ 美佳 青嶋 誠 清水 信夫 田中 一男
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

得られたデータの次元が標本数に比べて遥かに大きいデータ(高次元小標本データ)に、既存の統計手法を適用すると、有効な結果が得られないという問題がある。この問題を解決するための解析手法は、シンボリックデータに対しては、未だ開発されていない。そこで、高次元小標本シンボリックデータに対する解析手法を開発し、データの多様性を考慮した新たな知識発見手法の提案と、実用化に向けた性能評価を行った。
著者
保坂 遊 青木 一則
出版者
聖和学園短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

保育所における3歳未満児への造形活動の実態調査より抽出された課題を基に、臨床美術を取り入れたプログラム開発と実践研究を行い、更に保育者養成カリキュラムの具体的なモデルを示した。宮城県内保育士1430名のアンケート調査では、発達の個人差への配慮、活動テーマや具体的内容、評価方法、子どもの満足度に対しての問題意識に有意差が認められた。また感覚を多用する臨床美術を導入したプログラム開発、保育園2カ所での実践を通し、乳幼児の活動に対する意欲向上や変化、保育士の気づきと理解について効果が認められた。更保育者養成における保育表現技術演習のカリキュラム案を作成し、造形表現技術の効果的な教授内容を提案した。
著者
佐藤 哲子 長谷川 浩二 小谷 和彦 小川 佳宏
出版者
独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

申請者らが構築した肥満・糖尿病・メタボリック症候群のデータベース1050例を対象に、ヒト単球の採取とその機能解析により、単球機能(炎症M1・抗炎症M2マーカーなどの質的異常)と既知の心血管病リスクが強く関連し、さらに糖尿病薬や高脂血症薬によりヒト血中単球機能が改善することを初めて報告した。この研究成果より、肥満・糖尿病・メタボリック症候群における単球機能改善を標的とした早期動脈硬化進展の診断法や心血管病予防・治療戦略の可能性が示唆された。
著者
黒石 陽子 三好 修一郎 加藤 康子 山下 則子 有働 裕 山下 琢己
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本年度は黒本・青本『曽我武田鞘因縁』(研究代表者 黒石陽子)、黒本『頼光一代記』(研究分担者 加藤康子)について諸本調査、書誌調査、翻刻、内容分析を行い、『叢 草双紙の翻刻と研究27号』に発表した。『曽我竹田鞘因縁』は、『曽我物語』に代表される曽我の伝承が、江戸期にどのような展開を示したのかを明らかにする上で重要な資料である。中世以降、江戸における諸分野の文学や芸能との関係から調査、考察を行った。『頼光一代記』も酒呑童子の伝承と関係し、江戸期に広汎に浸透した伝承が、黒本ではどのように扱われているのかを明らかにしたものである。江戸末期から明治にかけての展開も視野に入れて研究した。また研究協力者は以下の作品を担当し、『叢 草双紙の翻刻と研究27号』に発表した。『和漢/軍配木起源』(丹 和浩)、青本『〔大江山〕』(金ヒョンジョン)、『風流/桃太郎/柿太郎 勇力競』(徳永結美)、黒本・青本『保名丸白狐玉』(書誌的記録の追加・語釈・考察)(ジョナサン・ミルズ)、『〔男鳴神〕』(朴順花)、『昔扇金平骨』(橋本智子)、『昔咄し虚言桃太郎』(笹本まり子)、『縦筒放 唐の噺』(大橋里沙)、黄表紙『嶋台眼正月』(杉本紀子)、合巻『瑠璃紫江戸朝顔』(桧山裕子)。これらについても諸本調査、書誌調査、翻刻、内容分析を行った。さらに平成14年よりデータベースとしての構築をめざし、研究代表者、研究分担者、研究協力者によって継続して作成してきた赤本・黒本・青本の解題原稿を、科学研究費報告書として1冊にまとめた。またこの成果を元に書店からの刊行準備を開始した。18年度中には刊行し、一般に公開できる見通しをつけることができた。
著者
上村 正康 木野 康志
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

下記の研究を行い、これらを「ミュオン触媒核融合」に関する国際シンポジウム(スイス、1998年7月)と「超強度ミュオンビームと21世紀のミュオン科学」ワークショップ(KEK筑波、1999年、3月)において発表した。1) ミューオン触媒核融合におけるミュオン付着率の新しい計算を実行した。dtμ分子内核融合dtμ→α+n+μ,(αμ)+nにおけるαμ初期付着率(ωs)について、従来の計算における3つの近似(sudden近似をとること、dtμチャネルとαnμチャネルとのexplicitな結合を切ること、αn間の角運動量l=2をl=0と近似すること)を止めたsophisticatedな3体計算を行った。しかし、結果は従来の初期付着率をやや増加させた(核力入りで、ωs=0.92%から0.94%へ)。2) 理研-ラザフォード研の共同になる超高強度ミューオンビームを用いる将来の実験で、ダブルミューオン分子が初めて発見される可能性がある。これに先駆けて、非断熱的4体計算により、ダブルミューオン水素分子のエネルギーレベルを予言した。xyμμ,x,y=p,d,tのすべての分子について計算を行った。3) ttμミューオン分子イオンのエネルギーレベルと分子内核融合率の計算をおこなった。また、t^3Heμ分子イオンのエネルギーレベルと崩壊幅の計算を行った。4) ミュオン分子を含む任意3体系の束縛状態を計算する汎用プログラムを作成し、九大計算センターのライブラリプログラムとして登録した。また、ミュオン触媒核融合に関するレビュー論文を書き、レビュー誌に出版した。
著者
河原 研二 永井 教之 長塚 仁 GUNDUZ Mehmet
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

近年インターネットの発達は目覚ましいものがあるが、高齢社会の生活習慣病(高血圧、糖尿病)の多遺伝子性疾患、オーダーメイド医療への転換のための疾患感受性遺伝子(SNP)の解析が行われている。これらの多量の個人情報の解析及び研究技術のグローバル化を目指し、無料のネットワーク、インターネット回線を利用し、国内で最も太い回線のTAO (Japan Giga Network : JGN)によるデータ配信をサーバー構築して試みた。今回、LIVEの実験操作として、総務省直轄の(TAO)ギガネットの接続許可を戴き、本学部にセットされた光ファイバー155Mbps超高速インターネット回線による動画像配信と教育効果の改善を目指した。研究代表者がTAO回線での接続経験を有する岡山市内の岡山理科大学との双方向けの動画像配信(70Mbps)のテストを数回行い、カリキュラム発信のHPやTV会議用のサーバーとしても役立つことを示した。1年目は本学部に設置したATM回線(155Mbit)に接続するサーバー(購入備品)の構築を行った。稼働できる整備が備わっていた。2年目は研究計画としてネットワークを構築する必要があり、以下の通りに行った。(1)セキュリティーの面で接続先のインターネット、グローバルIPを現在使用のIPv4・プロトコールから個別を特定できるIPv6・プロトコールに変更した。ルーティング作業は河原が約3ヶ月かけて実証実験した。(2)接続先には高速インターネット回線ギガビットネットワークセンター経由で英語により国内外に向けて発信を計画し、学会セミナーの企画、開催で韓国ソウル大学歯学部を訪問し、両者が接続できることを確認した。(3)研究代表者の永井、長塚、Gunduzは口腔癌等の遺伝子を解析し、国内外に情報発信することを可能にした。
著者
小林 敦子 松本 ますみ 武 宇林 蔡 国英 馬 平 王 建新
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1) 中国の少数民族地域である寧夏回族自治区においては、回族の女性教員の増加に伴い、女児・女子青年の教育レベルが向上している。(2) 日本のNGOの教育支援によって養成された回族女性教員は、結婚・出産後も小中学校教員として働き、地域における女性のエンパワーメントの上で貢献している。(3) 民族の特性を生かした女子アラビア語学校の卒業者である回族女子青年は、経済発展の著しい広州や義烏で通訳として活躍している。家庭の経済的困窮等の事情から、普通高校への進学を断念した回族女子青年にとって、アラビア語学校はセイフティネットとなっている。
著者
後藤 英仁
出版者
愛知県がんセンター(研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

Polo-like kinase 1 (Plk1)は、分裂期の様々な現象を制御するタンパク質リン酸化酵素(キナーゼ)である。本研究で、新たに、Plk1のセリン99が分裂特異的にリン酸化されること、このリン酸化修飾依存性に14-3-3ガンマが結合すること、この結合によりPlk1活性が上昇すること、この活性化経路は分裂中期から後期への円滑な移行を制御していることを明らかにした。この分裂期特異的なPlk1のセリン99のリン酸化修飾は、PI3キナーゼーAkt経路によって制御していることも示した。この新規のシグナル伝達経路の解明は、癌の病態の一端を解明するうえで示唆に富む知見といえる。