著者
杉田 麟也 山中 昇 工藤 典代 伊藤 理恵 川合 基司 大脇 一郎 浅野 哲 永田 傳
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.221-241, 2007-08-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
23

β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗生物質製剤であるクラバモックス®小児用ドライシロップ (クラブラン酸カリウム・アモキシシリン) の市販後における安全性および有効性を検討することを目的に2000年2月から9月にかけて本調査を実施し, 127施設の医療機関から470例の調査票を収集し, 安全性解析対象症例455例, 有効性解析対象症例433例について検討を行った。有効性に関しては, 小児中耳炎に対する有効率は95.2% (412/433例), 主要症状である耳痛, 耳漏, 鼓膜発赤および発熱の改善率もすべて95%以上であった。また, 急性中耳炎の3大原因菌であるStreptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzae およびMoraxella catarrhalisに対する原因菌別有効率は94.0~100%であり, S. pneumoniaeではペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP), ペニシリン中等度耐性肺炎球菌 (PISP) に対しても95%以上の有効率であった。安全性に関しては, 副作用発現率は23.3% (100/455例) で, そのうち, 最も多い副作用は下痢22.0% (103/455例) であったが, 一般的に低年齢児への抗菌薬投与時にみられる下痢であった。発現した下痢のほとんどが非重篤な下痢であり, 本剤投与継続中または投与終了・中止により回復または軽快し, 脱水症状を伴う下痢, 偽膜性大腸炎などの臨床上問題となるような重篤な下痢は1例も認められなかった。
著者
古川 哲心 清水 千絵 宇治 達哉 三宅 美行 兵頭 昭夫 出口 浩一
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.310-317, 1993

Methicillin-resistant <I>Staphylococcus aureus</I>(MRSA)に対するCefodizime(CDZM)とMinocycline(MINO)のin vivo併用効果を検討した。Fractional effective dose indexによる併用効果の検討では, 両剤はセフェム高度耐性MRSAに対して相乗又は相加効果を示した。更にCDZM, MINO併用時においてマウス多形核白血球存在下で単剤よりも有意な増殖抑制が認められた。このことがMRSAに対しCDZM, MINO併用時において優れた治療効果が認められた理由の一つと示唆された。
著者
米沢 昭一 畦地 速見 中村 久 鈴木 勝夫 二宮 幾代治
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.169-182, 1968

抗生物質を混合し, 化学療法剤として応用する傾向は近年盛んで, 国の内外を問わず, 特に動物薬において著るしい。これら混合抗生物質製剤の分離定量については, これまで, 各種試験菌のうち原株を使用して, 各種抗生物質と混合されたペニシリン (PC) の分離定量1)をはじめ, ジヒドロストレプトマイシン (DSM) 3), フラジオマイシソ (FM) 4), ロイコマイシン (LM) 4), クロルテトラサイクリン (CTC) 2)およびバシトラシン (BC) 3)についての試験をおこない, その成績は過去数回にわたつて, 目本化学療法学会に報告した。しかし, 試験菌原株のものつ抗生物質分離能力には, おのずから限度があるので, この限界を越えた高い濃度の抗生物質が混入されたばあい, 混合試料のままでは, 定量したい目的の抗生物質のみの力価を確実に証明することが不可能なばあいが生じてくる。<BR>このように, 混合抗生物質の濃度が増大したばあい, その混合抗生物質に対する試験菌の耐性度を上げることによつて, 目的とする抗生物質の分離は容易になるわけである。われわれは, このような意図に基づいて, 耐性という特殊能力をもつ試験菌の育成と, その応用方法に関する試験をすすめてきた。<BR>獲得させる耐性の程度は, 混入を予想される抗生物質の量によつて左右されるが, われわれは試験菌の活力が著るしく阻害されない限り, できるだけ高度の耐性を付与することにつとめた。しかし, 抗生物質の種類や, 試験菌によつて, 耐性がなかなか高まらないものと, 比較的早く高まるもの, または天井知らずの上昇性を示すものなどがある。また, ある程度高い耐性を付与しても, 普通寒天継代をつづけるとき, 急速に低下してしまうもの, または非常に安定しているものなどがある。<BR>われわれは, 高度の耐性を付与した, しかも安定性を兼ねそなえた4種のDSM耐性株について, DSMと混合する他の抗生物質の分離定量試験をおこない, 実用的に応用価値の高い成績を得たのでその概要を報告する。
著者
近藤 信一
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.561-574, 1994-06-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
29

アミノグリコシド抗生物質(AGs)の酵素学的耐性機構の研究と, それに基づく化学変換の研究によって合成したアルベカシン(ABK)は, ほとんどのAGs修飾酵素に安定で広範囲に優れた抗菌活性を示した。現在, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による肺炎と敗血症に限って臨床使用されている。僅かに分離されるABKに中等度耐性のMRSAによる不活性化の主体が, 2-OHの酵素的リン酸化であることを解明し, そのABKの2-OHをNH2に化学変換した誘導体と, さらにその5-OHを修飾した誘導体を種々合成し, 評価した。それらのうち, 2-Amino-5, 2-dideoxy-5-epiamino-ABKはABKより弱い腎毒性であったので, 低毒性の2-Amino-2-deoxy-ABKと共に抗MRSA薬として注目される化合物である。
著者
海老原 和雄 浴本 久雄 一町田 裕子 安部 史紀 井上 博 青柳 祥子 山下 巧 小結 明子 高橋 克俊 吉岡 修 松田 明
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.872-885, 1978-12-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
19

1962年, 梅沢, 等1) によつて発見されたブレオマイシン (以下BLM) は, 墓礎的研究をへで, 1965年はじめて市川, 等2) によつて臨床研究がおこなわれ, 陰茎癌に著るしい効果がみいだされた。その後, BLMは過去10年間の間に, 皮膚, 頭頚部, 口腔等の扁平上皮癌, ホジキン病, 睾丸腫瘍等に単独または併用によつて, 秀れた効果を発揮し, 固型癌の化学療法の治療体系の中に, 確固たる立殿確立した。BLMの臨床的研究は, 国の内外で広くおこなわれたが, その結果, 種々の扁平上皮癌, 睾丸腫瘍等の有効疾患, 投与方法, 併用療法について, 数多くの知見が得られたが, 薬剤の安全性の面からみると, BLMは多くの他の制癌剤と異なって, 骨髄毒性, 免疫抑制を示さない特徴をもっとともに, 肺に対する毒性が注目され, 高頻度ではないが, 時に致死的な副作用ともなる肺の線維症は, BLMの臨床使用上の1つの制限因子として, 臨床家の注目を集めた。梅沢, 等は3), BLMの研究の初期において, そのマウスの生体内分布性を抗菌活性および, 放射活性の両面から詳細に検討して, 抗腫瘍性をもつ物質の生体内分布の研究によつて, それが, 臨床応用されたばあいの有効性, 毒性の標的臓器を推定しうる方法論を確立した。それは, 「物質が高濃度に分布し, 分解を受けにくいか, 活性化を受けやすい腫瘍または臓器組織には有効性または毒性を発現する」と要約される。一方, 臨床研究の進行と平行しておこなわれたBLMの化学, 生化学, 発酵工学的研究の進歩によつて, 約300種に及ぶ末端アミンを異にする誘導体がつくられた。我々は4), これらの物質を梅沢の方法論にしたがつて, 従来のBLMと比較して,(1) BLMと同じ制癌スペクトルであるが, 抗腫瘍力が強い,(2) BLMより制癌スペクトルの拡大のあるもの,(3) 生体内分布に特徴をもつ,(4) 肺毒性が減少しているもの等を目標として選択をおこなつた。第1次スクリーニングにおいては, 抗菌, 抗腫瘍性 (HeLa S3細胞培養, マウスエールリッヒ腹水および固型癌) マウスを用いる臓器分布およびマウスを用いる肺線維化能について検討した。1次スクリーニングで選抜さ物質の中には, ラットAH66, AH66F, マウスL1210移植癌について検討したものもある。2次評価においては, 特定臓器の癌への有効性を検討することを主とし, 動物移植癌では代用し得ない癌においては, 実験方法および評価の困難性, 充分な動物数を得られない等の制約があるが, 動物自然発生腫瘍および, 化学発癌腫瘍を用いて検討した。本報告においては, 上記の方法によつて選抜した硫酸ペプレオマイシン (以下NK631と略) の諸性状について, 同時におこなったBLMの成績と対比して報告する。NK631の構造は, Fig.1に示すとおりである。
著者
南谷 幹夫 八森 啓 金田 一孝
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.1817-1827, 1986

米国メルク社研究所が創製したImipenem (MK-0787) はThienamycinの<I>N</I>-Formimidoyl誘導体であり, グラム陽性, 陰性菌を通じて広範囲の菌種に対し優れた抗菌活性を示すばかりでなく, <I>Pseudomonas aeruginosa</I>, Gentamicin (GM) 耐性<I>P. aeruginosa, Enterococcus faecalis, Bacteroides fragilis</I>を含む嫌気性菌に対しても有効とされる。MK-0787の欠点とされるRenal dipeptidaseによる水解不活化や腎毒性の阻害剤として開発されたCilastatin sodium (MK-0791) との等量配合によつて新しい化学療法剤としてMK-0787/MK-0791が登場した。<BR>ここでは本剤の小児科領域の各種感染症に対し使用した結果について述べる。<BR>吸収, 排泄については11歳児, 3歳児に対しそれぞれ13.2mg/kg, 16.1mg/kgを30分点滴静注し血漿中濃度を測定したところ, MK-0787のピークは点滴静注終了直後で, それぞれ56.33, 55.98μg/mlであり, T1/2は1.21, 1.04時間であつた。<BR>MK-0791のピークは点滴静注終了直後で53.73, 22.99μg/ml, 1時間には10.54μg/ml及び測定不能であり, その後も検出し得なかつた。投与後6時間までの尿中累積回収率はMK-0787はそれぞれ82.9%, 63.6%であり, MK-0791のそれは57.9%, 74.6%であつた。<BR>臨床使用成績では急性扁桃炎, 溶連菌感染症, 気管支肺炎, 蜂窩織炎, 敗血症の疑, サルモネラ症の6例に本剤を投与し, 著効3例, 有効3例と全例に効果を認めた。<BR>副作用は臨床的にも臨床検査においても特に異常は認められなかつた。
著者
宮川 勇生 山尾 裕道 谷山 圭一 河野 恭悟 春山 康久 森 憲正
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.1089-1093, 1987

単純子宮全摘出術を受けた29症例を対象にCefuzonam (CZON) 1gをOne shot静脈内へ投与した場合の肘静脈, 子宮動脈血中濃度及び卵巣, 卵管, 子宮内膜, 筋層, 子宮頸部, 膣部の各組織内濃度について検討した。<BR>肘静脈及び子宮動脈の血中薬物初濃度は, それぞれ148-1μg/ml, 155.4μg/mlで, 高い血中濃度が得られ, 半減期はそれぞれ1.07時間, 1.02時間であつた。又, CZON投与後4時間10分までは, <I>Escherichia coli</I>をはじめとする多くの細菌に対するMICを上回る濃度であつた。更に, 各骨盤内臓器への薬剤の移行も良好で, 卵管及び子宮内膜の組織内濃度と肘静脈血中濃度の比率は, それぞれ0.74, 0.44で卵管への薬剤の移行が良好であつた。<BR>以上の成績及びCZONの強い抗菌力, 広範囲の抗菌スペクトラム, 更にその安全性から, 新しいCephem系抗生物質として婦人科領域の感染症に対して広い臨床応用が期待される
著者
豊永 義清 杉田 守正 堀 誠
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.1065-1086, 1988

Ceftizoxime (CZX) で治療あるいは感染予防のために使用した各種細菌感染症の治癒近い時期の日齢1~17日までの成熟児13例, 未熟児16例について, 10mg/kg, 20mg/kgをOne shot静注し, その後の血清中濃度推移及び尿中回収率を検討した。例数は少なかったが, 成熟児, 未熟児とも, 日齢ごとに0~3日, 4~7日, 8日以上に分けて比較検討した。臨床的検討を行つたのは生後3~34目までの男児9例, 女児6例であり, その内訳は敗血症4例 (化膿性髄膜炎, 尿路感染症, ブドウ球菌性肺炎との合併それぞれ1例), 上顎洞炎1例, 気管支肺炎5例, 尿路感染症5例であつた。<BR>1. 血清中濃度推移及び尿中回収率<BR>(1) 成熟児, 10mg/kg One shot静注<BR>3群のピーク値は初回採血時 (30分) では18.9~23.3μg/mlで有意差は認めず, その後緩徐に減少し, 8時間で2.10~4.99μg/mlを示していた。半減期は口齢が進むほど短縮しており, それぞれ3.89, 2.99, 2.35時間であつた。<BR>尿中回収率は8時間ないし6時間までに55.5~70,0%であつた。<BR>(2) 成熟児, 20mg/kg One shot静注<BR>3群とも初回採血時 (30分) にピークを示し, それぞれ36.9, 41.4, 38.4μg/mlであった。その後も緩徐に濃度は減少し, 8時間でも9.0, 7.3, 4.5μg/mlであつた。半減期も日齢が進むにつれ短縮傾向を示し, それぞれ3.59, 2.93, 2.49時間であつた。尿中回収率は12時間まで検討した例が2例 (8時間まで2例, 6時間まで1例) あつたが, 43.5~78.2%であつた。<BR>(3) 未熟児, 10mg/kg One shot静注<BR>3群とも初回採血時 (30分) にピークを示し, それぞれ27.9, 21.5, 23.0μg/mlであった。その後濃度は徐々に漸減し, 8時間値でも10.8, 6.2, 6.5μg/mlを示した。半減期は日齢が進むにつれ徐々に短縮し, それぞれ5.28, 4.43, 4.24時間であつた。尿中回収率は24時間まで検討した1例では98.5%, 12時間までの2例は72.1, 81.5%, その他8時間までの3例では59.0~79.4%であった。<BR>(4) 未熟児, 20mg/kg One shot静注<BR>3群のピークは初回採血時 (30分) に認められ, それぞれ49.8, 37.0, 42.2μg/ml, 8時間値では14.1, 6.6, 4.9μg/mlであつた。血中半減期はやはり日齢が進むにつれ短縮する傾向を示しており, 4.27, 3.02, 2.06時間であつた。尿中回収率は24時間まで検討した1例では75.1%, 8時間まで検討した2例は60.0, 56.9%, 6時間まで検討した5例では53.8~70.6%であった。<BR>2. 臨床成績<BR>15例 (18疾患) で検討し, CZX 21.1~175.4mg/kgの投与量を2~4回に分けて投与した。<BR>本剤が無効と判断したのは敗血症+ブドウ球菌性肺炎例のうち肺炎に対してであり, 有効率は94%である。なお, 菌が検出されたものは16疾患であり, その内訳は<I>Escherichia coli</I> 7疾患, <I>Klebsiella pneumoniae</I> 2疾患, <I>Staphylococcus aureus</I> 3疾患, <I>Staphylococcus epidermidis</I> 1疾患, Group B <I>Streptococcus</I> (GBS) 2疾患, <I>Streptococcus pneumoniae</I> 1疾患であり, 臨床無効例の起因菌である<I>S. aureus</I>が除菌できなかつた以外はすべて経過中に除菌が確認された。<BR>副作用としては, 自他覚的副作用は1例も認めず, 臨床検査値異常としてGOT, GPTの上昇が1例に認められたが, 臨床的に特に問題となる症例はなかった。
著者
豊永 義清 杉田 守正 堀 誠 城 宏輔
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.1671-1691, 1988

Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) で治療した各種細菌感染症の治癒近い時期の日齢1~12日までの成熟児・未熟児19例について, 10mg/10mg/kg, 20mg/20mg/kgを1時間点滴静注し, その後の血漿中濃度推移及び尿中回収率を検討した。例数が少ないため, 成熟児, 未熟児に分けず, 日齢ごとに0~3, 4~7, 8日齢以上の3群に分けて比較検討した。臨床的検討を行つたのは生後0~28日までの男児10例, 女児3例で, その内訳は敗血症 (疑いを含む) 2例, 肺炎6例, 尿路感染症4例, 上顎洞炎1例であつた。<BR>1. 血漿中濃度推移及び尿中回収率<BR>(1) 10mg/10mg/kg, 1時間点滴静注IPM 3群のピーク値は点滴静注終了時 (初回採血時) で18.18~19.90μg/mlで, 有意差は認められず, その後, 割合速やかに減少し, 8時間で0.32~0.98μg/mlの濃度を示した。半減期に日齢が進むほど短縮傾向を示し, 平均でそれぞれ1.87, 1.55, 1.40時間であつた。<BR>CS 3群のピーク値は点滴静注終了時であり, 28.23~30.00μg/mlで有意差は認めなかつた。その後, 生後7日までの群では緩徐に減少し, 8時間値は6.30, 4.58μg/mlで, 半減期も4.10, 3.08時間であつたが, 8日以降の群では速やかに減少し, 8時間では測定限界以下であり, 半減期も1.60時間であつた。<BR>(2) 20mg/20mg/kg, 1時間点滴静注<BR>IPM3群とも点滴静注終了時にピーク値を示し, 31.1~38.24μg/mlであつた。その後割合速やかに漸減し, 8時間で0.95~2.08μg/mlを示していた。半減期は1.5~1.88時間であった。<BR>CS 3群とも点滴静注終了時にピーク値を示し, 47.0~55.82μg/mlで有意差は認められなかつた。その後, 緩徐に減少し, 8時間値では日齢が幼若なほど高く,それぞれ14.75,9.40, 4.0μg/mlを示した。半減期は明瞭に日齢差を認め,0~3日齢で4.48時間, 4~7日齢で3.30時間, 8日齢以上2.1時間と, 日齢が進むほど短縮する傾向を示した。<BR>(3) 尿中回収率11例の検討で, 8時間までにIPM21.6~57.3%, CS47.5~96.0%であり, 若干10mg/10mg/kg投与群のCSで日齢が進むにつれて回収率が増加した。<BR>2. 臨床成績本剤を敗血症 (疑いを含む) 2例, 肺炎6例, 尿路感染症4例, 上顎洞炎1例の計13例に使用し, 全例に有効以上の成績を示した。細菌学的にも不明の1例を除き, 12例 (Staphylococcus aureus 4例, Klebsiella pneumoniae 2例, Escherichia coli 4例, Group B Streptococcus 1例, Haemophilus influenzae+Enterobacter cloacae 1例) ともすべて経過中に消失した。投与量は24.7mg/24.7mg~65.2mg/65.2mg/kg/日であり, 尿路感染症の2例が1日2回投与であつた以外は3回投与であつた。<BR>副作用としては, 自他覚的副作用は全例に認めず, 臨床検査値異常としてはGOT, GPTの上昇を1例に認めた。
著者
山口 惠三 大野 章 石井 良和 舘田 一博 岩田 守弘 神田 誠 秋沢 宏次 清水 力 今 信一郎 中村 克司 松田 啓子 富永 眞琴 中川 卓夫 杉田 暁大 伊藤 辰美 加藤 純 諏訪部 章 山端 久美子 川村 千鶴子 田代 博美 堀内 弘子 方山 揚誠 保嶋 実 三木 誠 林 雅人 大久保 俊治 豊嶋 俊光 賀来 満夫 関根 今生 塩谷 譲司 堀内 啓 田澤 庸子 米山 彰子 熊坂 一成 小池 和彦 近藤 成美 三澤 成毅 村田 満 小林 芳夫 岡本 英行 山崎 堅一郎 岡田 基 春木 宏介 菅野 治重 相原 雅典 前崎 繁文 橋北 義一 宮島 栄治 住友 みどり 齋藤 武文 山根 伸夫 川島 千恵子 秋山 隆寿 家入 蒼生夫 山本 芳尚 岡本 友紀 谷口 信行 尾崎 由基男 内田 幹 村上 正巳 犬塚 和久 権田 秀雄 山口 育男 藤本 佳則 入山 純司 浅野 裕子 源馬 均 前川 真人 吉村 平 中谷 中 馬場 尚志 一山 智 藤田 信一 岡部 英俊 茂籠 邦彦 重田 雅代 吉田 治義 山下 政宣 飛田 征男 田窪 孝行 日下部 正 正木 浩哉 平城 均 中矢 秀雄 河原 邦光 佐野 麗子 松尾 収二 河野 久 湯月 洋介 池田 紀男 井戸向 昌哉 相馬 正幸 山本 剛 木下 承皓 河野 誠司 岡 三喜男 草野 展周 桑原 正雄 岡崎 俊朗 藤原 弘光 太田 博美 長井 篤 藤田 準 根ヶ山 清 杉浦 哲朗 上岡 樹生 村瀬 光春 山根 誠久 仲宗根 勇 岡山 昭彦 青木 洋介 草場 耕二 中島 由佳里 宮之原 弘晃 平松 和史 犀川 哲典 柳原 克紀 松田 淳一 河野 茂 康 東天 小野 順子 真柴 晃一
出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.346-370, 2009-08-25
被引用文献数
26
著者
藤井 良知 阿部 敏明 田島 剛 寺嶋 周 目黒 英典 森 淳夫 佐藤 肇 新納 憲司 砂川 慶介 横田 隆夫 秋田 博伸 岩田 敏 佐藤 吉壮 豊永 義清 石原 俊秀 佐野 友昭 中村 弘典 岩井 直一 中村 はるひ 宮津 光伸 渡辺 祐美 久野 邦義 神谷 齊 北村 賢司 庵原 俊昭 桜井 實 東 英一 伊藤 正寛 三河 春樹 久保田 優 百井 亨 細井 進 中戸 秀和 西村 忠史 杉田 久美子 青木 繁幸 高木 道生 小林 陽之助 東野 博彦 木野 稔 小林 裕 春田 恒和 黒木 茂一 大倉 完悦 岡田 隆滋 古川 正強 黒田 泰弘 武田 英二 伊藤 道徳 松田 博 石川 純一 貴田 嘉一 村瀬 光春 倉繁 隆信 森田 秀雄 森澤 豊 浜田 文彦 辻 芳郎 横尾 哲也 林 克敏 冨増 邦夫 木戸 利彦 上原 豊 森 淳子 森 剛一 内田 哲也 大塚 祐一 本廣 孝 半田 祥一 山田 秀二 沖 眞一郎 吉永 陽一郎 荒巻 雅史 織田 慶子 阪田 保隆 加藤 裕久 山下 文雄 今井 昌一 鈴木 和重 岡林 小由理 金子 真也 市川 光太郎 曽田 浩子 清水 透子 長田 陽一 木葉 万里江 石橋 紳作 高橋 耕一 杉山 安見児 三宅 巧 荒木 久昭 垣迫 三夫 前野 泰樹 下飛田 毅 高岸 智也 松隈 義則 平田 知滋 田中 信夫 永山 清高 安岡 盟 林 真夫 天本 正乃 津村 直幹 小野 栄一郎 神薗 慎太郎 中嶋 英輔 永光 信一郎 野正 貴予 松尾 勇作 樋口 恵美 長井 健祐 末吉 圭子 橋本 信男 弓削 健 久保田 薫 川上 晃 渡辺 順子 藤澤 卓爾 西山 亨 岩永 理香子 牛島 高介 山川 良一 山村 純一 富永 薫 臺 俊一 安藤 寛 久田 直樹 藤本 保 元山 浩貴 丸岡 隆之 伊達 是志 杉村 徹 西依 淳 朝木野 由紀 山田 克彦 是松 聖悟 早川 広史 佐々木 宏和 木村 光一 山田 孝
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.921-941, 1995-07-01
被引用文献数
19