著者
村山 正治 山田 裕章 峰松 修 冷川 昭子 田中 克江 田村 隆一
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.97-103, 1991-02-08

The authors revised Assertion Inventory (Murayama et al.,1989). The new version consists of Restriction Scale and Assertion-Aggression Scale. Restriction Scale, which has 30 items, measures the degree of restriction in assertive behaviors. Assertion-Aggression Scale has 35 items. It is for the measurement of the manner of assertive behaviors. Low Assertion?Aggression scores indicate the aggressive manner. The new inventory was administered to 498 people (ages 15-30 years). They were divided into 4 groups; normals, delinquents, neurotics, and psychotics. The mean Restriction scores of neurotics and psychotics were higher than those of normals and delinquents. The mean Assertion-Aggression scores of neurotics and psychotics were lower than those of normals and deliquents.
著者
圓谷 裕二
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

近現代哲学においては二つの潮流がある。一方は、超越論的哲学としての究極的基礎づけ主義であり、他方は、経験主義における相対主義あるいは懐疑主義である。本研究の目的は、近代哲学のこれら二つの立場を同時に克服することである。そのためにメルロ=ポンティの哲学に着目した。彼の哲学の特徴は、主知主義と経験主義を彼の独自のパースペクティヴ主義の立場から乗り越えようとすることである。本研究は、この目的達成のために、彼の言語論と歴史哲学に定位するものである。
著者
齋藤 陽子
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

研究開発制度の在り方を左右する知的財産権について整理した。権利強化は取引費用の上昇につながり、公的機関の役割が改めて見直される結果となった。とりわけ孤児作物と呼ばれる投資の過少性が危惧される作物については、官民連携が模索されている。北海道または十勝管内を対象に、地域特産農産物(マイナークロップまたは孤児作物)の利用状況や需要動向を分析した。帯広市の給食は、じゃがいもを通年利用することで、食育を通した地域農産物の活用を進めていた。また、北海道を中心に新たに作付されるパン用小麦については、地産地消を実践する消費者を中心にアピールできることが分かった。
著者
松井 利郎 佐藤 匡央 津田 孝範 南部 伸孝
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-05-31

低分子ペプチドの生体調節機能を明示し、先端的食科学の構築を図ることを目的として、血管及びその他組織での生理作用発現性について詳細な解明を試みた。その結果、塩基性ジペプチド類は内皮非依存的に血管を弛緩させること、その作用は細胞内でのカルシウムシグナル系の抑制であることを細胞並びにMDシミュレーション法により明らかにした。さらに、この血管弛緩作用は加齢に伴い、また高血圧進展に伴い減弱するとの新たな知見を得た。さらに、体内吸収過程の可視化に成功するとともに、筋肉組織においてAMPK活性化を誘導し、抗糖尿病作用を発現する可能性を初めて明示することができた。
著者
石田 修
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,財市場の階層構造が存在すること,そして,この構造が企業の補間構造と階層構造に規定されることが研究される。このような主張を論拠づけるために,まず、財市場の階層構造を財の単価の相違から導きだした。さらに、部品貿易のアジアとヨーロッパとの構造の相違を明確にした。そのうえで、アジア域内の用途別貿易構造を注意深く研究した。とりわけ、日本、韓国・台湾、そして中国という代表的4カ国の貿易財の階層関係、貿易財の多様化と収斂化、貿易の高度化という傾向を指摘した。
著者
丸谷 浩介
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.427-439, 1997-10-21
著者
大西 修也 石川 幸二 金 大雄 林 南壽
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

当調査研究は、文化財の保存と修復に欠かせない基礎資料を最新の光学機器(ミノルタVIVID910デジタイザー)とデジタル技術を応用して作成し、その復原的研究をめざしたものである。国内調査は対馬・黒瀬銅造如来坐像を対象に平成14年に実施、韓国調査は磨崖仏や大型石仏を対象とした野外調査が中心であるため、文部省科学研究費補助金の支援と現地関係機関各位の協力を得て行なわれた。平成15年度調査:慶尚北道にある奉化郡物野面北枝里磨崖石仏及び栄州広域市可興里磨崖三尊仏の実測調査と3Dデジタル化作業を行った。北枝里磨崖仏は、高さ6メートルに及ぶこの地域最大の磨崖石仏で、新羅彫刻のもつ北方的要素の解明に欠かせない重要な作品と見られている。可興里磨崖三尊仏は、2003年6月下旬に起きた洪水で遺跡の一部が崩落、三尊石仏を彫刻した岩盤も背後の母岩から剥離していることから、遣跡保存に向けた総合的な科学調査の一環として、緊急調査を行った。ただし、可興里三尊仏には屋蓋施設がないため、太陽光が弱まる夕刻から夜間にかけて作業を行わなければならず、昼間に宝閣を有する北枝里磨崖石仏を、夕刻から可興里三尊石仏の実測調査を行う手順で実施した。平成16年度調査:忠清北道忠州市の中原鳳凰里磨崖石仏、及び忠清北道清州市の清原飛中里三尊石仏の実測とデジタル化作業を行った。中原鳳凰里磨崖石仏は、北の高句麗仏教の南下を示す重要な遺跡といわれるが、急峻な山腹にあるために発電機をはじめとする大型機材の搬入が難しく、光学機器を設置する足場も確保できない状況であるため、これまで大規模な調査が行われてこなかった。今回行った遺跡のデジタル化と高精細画像の収集により、写真や拓本では判読できなかった群像の詳細(菩薩半跏思惟像と脇侍菩薩の着衣や荘厳)が明らかになった。平成17年度調査:〓里廃寺址出土石造如来立像は、破損して12個の断片に分離した上半身と光背を接合した本体と台座からなる。本体は慶州国立博物館で保管され、台座は慶州市月城郡陽北面の寺址に残されたままである。博物館の調査では、如来立像の上半身部分と収蔵庫に保管されている断片3個、廃寺址の調査では高さ1.7mに達する八角台座をデジタイザーで実測した。なお〓項里廃寺には、第一層塔身の四面に仁王像を浮彫りした五層石塔が二基残っており、完形をとどめる西石塔の浮彫のデジタルデータを収集した。
著者
岩城 徹 清原 裕 佐々木 健介
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

一般住民の連続剖検症例を用いて、認知症の病理変化と生活習慣病関連因子との関連を病理疫学的に検討した。アルツハイマー病は病理学的に老人斑と神経原線維変化を特徴とする神経変性疾患であり、耐糖能異常、特にインスリン抵抗性が主に老人斑の形成に関与することを明らかにした。続いて脂質代謝異常とアルツハイマー病の病理所見との関連を解析し、総コレステロール高値、特にLDLコレステロール高値の場合、老人斑形成のリスクが高まることを示した。
著者
森田 茂樹 富永 隆治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

成犬を用いた脳死状態誘導により、1.脳死誘導後に見られる血行動態の変化と左心機能障害の程度。2.脳死誘導後における心筋酸素消費量と冠動脈血流量の変化。3.in vivoにおける冠動脈内皮機能障害の有無。4.in vitroにおける冠動脈の内皮障害の有無。以上4点について検討した。1.に関して、脳死誘導直後に血行動態の急激な亢進および緩徐な低下が認められた。それに伴い左室機能は、脳死誘導60分後に有意な低下を認めた。また、カテコラミンが脳死誘導後に一過性に増加しており血行動態および心機能の変化にカテコラミンが大きく関与していると考えられた。2.に関して、心筋酸素消費量および冠血流量は、脳死直後に急激な増加を認め、その後緩徐に低下した。脳死誘導前と比較して、心筋酸素消費量の有意な低下は認めなかった。3.に関して、内皮依存性血管拡張薬であるアセチルコリンと非依存性のニトロプルシッドを冠動脈に直接投与する事によって、冠血流量の反応を検討した。脳死誘導後には、両薬剤に対する冠動脈の反応性の有意な低下を認めた。冠動脈予備能の低下が示唆された。4.に関して、内皮付き中膜条片を作成し、張力実験を行った。脳死誘導により、高カリウム脱分極と、トロンボキサンA2アナログによる収縮刺激にたいする反応の低下が認められた。ブラジキニンによる内皮依存性の弛緩反応は障害されなかった。以上の結果から、脳死誘導により心機能の低下が認められるが、その原因として冠動脈予備能の低下が考えられた。冠動脈予備能の低下をきたす因子として、脳死誘導によるカテコラミンの一過性放出などによる冠動脈、とくに平滑筋機能の障害が考えられた。
著者
元兼 正浩 佐々木 正徳 楊 川 田中 光晴 大竹 晋吾 雪丸 武彦 山下 顕史 李 〓輝 波多江 俊介 金子 研太 畑中 大路 清水 良彦 呉 会利 前田 晴男 李 恵敬
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

我が国においても校長の養成システムには高い関心が寄せられるようになった。だが、校長人事研究は十分に進展しておらず、実務レベルでも行政が大学の諸資源を活用せずにシステム改革の方向を模索している状況にある。したがって、「大学と教育委員会の協働による校長人事・養成システム」をすすめている諸外国(たとえば大韓民国)の事例に学ぶとともに、日本でのシステム構築に資するような校長人事を実証するための研究方法について考察した。
著者
島ノ江 憲剛 木田 徹也 湯浅 雅賀
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、環境計測用マイクロガスセンサの構築に向けた材料設計を目指し、酸化物半導体の基礎的な解析として、粒子サイズとドナー密度が空乏状態に与える影響、ドナー密度と酸素吸着量の関係、マスキング効果の有効性、増感剤効果とその最適担持法の検討を行った。また、これらの検討結果の一つとして、VOCガスの一つであるトルエンについて好感度検知を試みたところ、ppbレベルの検知が可能であることを見出した
著者
吉住 潤子 城戸 瑞穂 大山 順子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年口腔粘膜に器質的変化を認めないにもかかわらず持続的な痛みを訴えるBurning Mouth syndrome:BMSといわれる患者が増加している。患者の訴えは唐辛子を食べた時の感覚に似ているのではないかと考え、BMSと唐辛子の辛味成分であるカプサイシンの受容体:TRPV1との関連を調べた。またTRPV1のSNPを調べたところ、BMS 発症や痛み感受性の個人差に関与する可能性が示唆された。
著者
Kao Dana 飯田 繁 井上 晋 大賀 祥治
出版者
九州大学
雑誌
九州大学農学部演習林報告 (ISSN:04530284)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.69-84, 2005-03

森林伐採が生態系の回復過程とマッチしない規模であるため,森林の破壊・細分化がもたらされている。熱帯林は1990年代においても毎年1,420万haの規模で減少が続いており,発展途上国では2000年の場合,森林のわずか5.5%しか計画的な管理が実施されていない。カンボジアの森林は,世界の熱帯林の一部を構成しているが,道路建設,木材生産,鉱業生産,農業開発などで過去30年間にわたり毎年0.6%の割合で森林が減少してきた。そこで本稿では,カンボジアにおけるコンセッション経営の問題点を明らかにする。問題点は,CFC林業会社から得たデータとモントリオールプロセスで示された基準との比較によって明らかにされ,評価される。評価基準は同プロセスの基準2(指標10~14: 森林生産力の維持)であり,評価対象は,カンボジアのコンセッション型林業経営で実施している輪伐期25年の管理基準である。モントリオールプロセスの基準2は33の指標に分かれているが,コンセッションでは,その内17指標についてのみ記録されている。3指標についてはコンセッションの管理計画にも入っていない。また,今回の調査では植林木の成長状況や非木質林産物についての調査が欠けているという問題もあった。今回の調査結果は,カンボジアにおける熱帯林の管理に有益であり,コンセッションの林業計画やモントリオールプロセスの評価基準や指標の改善に有益である。
著者
田辺 哲朗 朝倉 大和 上田 良夫 山西 敏彦 田中 知 山本 一良 深田 智 西川 政史 大宅 薫 寺井 隆幸 波多野 雄二
出版者
九州大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

総括班では、各計画研究班の研究成果を総括すると共に、以下の会合に出席または企画開催し、成果の公表、取りまとめ、総合化をはかると同時に、成果についての評価も行うことにより、目標とする安全かつ経済的なトリチウム燃料システムの設計を視野に、必要な研究課題あるいは取得すべきデータ等を各研究班に提示し、研究のフィードバックを行った。また最終年度として、成果のとりまとめを行い最終報告書を作成した。今年度の具体的な実績として1.平成24年5月20-25日 独国アーヘンにて開催された第15回「制御核融合炉におけるプラズマ壁相互作用」国際会議において招待講演を行うと共に、国際組織委員、国際プログラム委員として会議を主導、また領域から多数発表2.平成24年5月29-31日 独国Tergeseeにて開催された第10回核融合炉材料中の水素同位体挙度国際ワークショップにて国際組織委員、国際プログラム委員として会議を主導すると共に、領域の成果を発表3.平成24年8月10・11日 ウインク愛知にて、第8回公開シンポジウム科研特定領域「核融合トリチウム」最終成果報告会を開催4.最終報告書を作成し関係者に配布すると共に、ホームページに掲載http://tritium.nifs.acjp/results/pdf/report_of_25.pdf5.平成24年9月19日広島大学にて開催された、日本原子力学会、核融合部会セッションにて「核融合炉実現のためのトリチウム研究報告と新展開に向けた提案」のシンポジウムを企画を行い研究班の実験実績のとりまとめ、その成果発表、知識の共有化、情報の公開をはかるとともに、総括班としてA01,A02,B01,B02,C01,C02各班の研究活動を掌握し、目標とする安全かつ経済的なトリチウム燃料システムの設計を視野に成果の評価を行った。そしてこれらの情報はすべて本領域のホームページhttp://tritium.nifs.ac.jp/に掲載、常時updateしながら、本領域で得られている情報の発信に努めた。
著者
古森 徹哉 宮本 智文
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

沖縄県那覇近海で採集した有棘目動物オニヒトデの棘の凍結乾燥粉末について、魚毒活性を指標に溶媒分画、従来法による各種クロマトグラフィ-並びに購入設備を駆使して毒成分の精製を行い、メタノ-ルエキスより1種のステロイドオリゴ配糖体サルフェ-ト(20S-thorasterosideA)及び、2種のアルキルグリセロリン脂質(sn-1-0-hexadecylglycerol-3-phosphorylcholine,sn-1-0-octadecylglycerol-3-phosphoryl-choline)の単離同定に成功した。これら3種の化合物はいずれも強い溶血作用を有し、従来不明であったオニヒトデ棘の溶血毒はこれら3種の成分に起因することが判明した。次に、上述棘粉末の水エキスについて購入設備を駆使したゲル濾過によるクロマトグラフィ-を繰り返し、in vitroで細胞毒性を示す2種の蛋白質(Protein I 並びに Protein II)を得た。Protein Iは最終的にμBondasphereを使用したHPLCで精製した結果、分子量は約14650であり、アミノ酸分析により、Asp_<17>・Thr_<11>・Ser_8・Glu_<15>・Pro_5・Gly_<18>・Ala_9・Val_<12>・Met_2・Ile_7・Leu_6・Tyr_2・Phe_7・Lys_<14>・His_1・Arg_2の16種のアミノ酸組成を明らかにすることができた。また、N末端配列分析の結果、末端より25種のシ-クエンスが判明した。この結果をもとにGENASを用い、既知蛋白質との比較を行ったが、類似シ-クエンスを示す酢蛋白質は検索されず、新規蛋白質と考えられた。Protein Iはin vitroで選択的細胞毒性を示す結果を得ており、現在1次構造解析が進行中である。Protein IIについては、まだ、単離には至っていないが、SDS-PAGEで分子量約8万と推定され、マウスに対しては未精製ながらも強い致死作用を示すことから、Protein IIがオニヒトデ棘毒成分のマウスに対する致死毒の本体であることが推察された。
著者
川島 秀一 YONGQIN Liu LIU Yongqin
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

消散構造を有する非線形偏微分方程式に対し、その線形化方程式の基本解に基づく安定性解析と、様々な非線形波の漸近安定性に関する組織的な研究の展開を目指して研究を進め、次のような成果を得た。1.記憶型の消散効果を考慮した板の振動方程式の初期値問題を考察した。その消散構造が可微分性損失型であることを確認し、Fourier空間での各点評価を示すことで線形解の減衰評価を示した。また、Fourier-Laplace変換により基本解を構成するとともに、対応する解作用素の減衰評価を利用することで、半線形問題の時間大域解の存在とその最良の減衰評価を示した。可微分性損失型の消散構造の解明に寄与する成果である。2.記憶型の消散効果を考慮した線形Timoshenko系の初期値問題を考察した。その消散構造は、系の持つパラメータの値により標準型にも可微分性損失型にもなり得ること、いずれの場合も摩擦型消散効果を取り入れた場合に比べて消散構造がより脆弱であることを示した。また、Fourier空間でのエネルギー法を適用することで、解のFourier空間での各点評価を示すとともに、対応する最良の減衰評価を示した。さらに、Fourier-Laplace変換により基本解を構成し、付随する解作用素の減衰評価を与えた。記憶型と摩擦型の消散効果の違いを明らかにした点に意義がある研究成果である。
著者
末広 澄夫
出版者
九州大学
雑誌
九州大學農學部學藝雜誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.443-449, 1960-03

The present investigation was carried out to find out the population and the species of yeasts developing in the putrefied marine algae which were gathered at beaches and were made to putrefy in flasks containing fresh sea water at 20℃. The tested marine algae were Chlorophyta (6 species), Phaeophyta (12 spp.) and Rhodophyta (6 spp.). The yeasts developed in following algae, Enteromorpha sp., Ulva pertusa, Codium fragile, Scytosiphon lomentaria, Sargassum hemiphyllum, S. thunbergii, Ishige okamurai, Hizikia fusiforme, Undaria pinnatifida. The yeasts developed in a definite season which varied with the species of algae. The largest number of the yeasts was about 160,000 per 1 g of wet algae. Six species of the yeasts were isolated. They were identified as Torulopsis famata, Candida parapsilosis var. intermedia, C. albicans, Trichosporon behrendii, T. infestans, T. cutaneum. Torulopsis famata and Trichosporon behrendii rapidly grew on wort agar containing 20% NaCl and the yeasts did not alter their salt tolerance after being cultured on wort agar without NaCl for 7 years.海水中にかなりの量,種類の酵母が存在することは以前から知られている.Waksmanは海洋中に見出される酵母はTorulaが多いがそれらの海洋中における役割は不明であると述べ,ZoBellは海洋中の酵母の数は陸地との距離に無関係で,陸地の影響のない大洋中では酵母の方が細菌よりも多い場合もあつたと述べている.Phaffらはメキシコ湾のエビからRhodotorula 11種,Trichosporon 9種,Torulopsis 3種,Pullularia 4種,Candida 6種,Hansenula 2種を分離した.Woodは魚,海泥,海水から27株の赤色酵母,3株の白色酵母,3株の黒色酵母を分離している.著者は海藻に付着している酵母の分離に従事中,海藻が腐敗すると酵母の数が激増することを知り,それらの酵母の増減の状態及び分離した酵母の性質を調べ若干の結果を得たので報告する.
著者
中野 等
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

上記研究課題のもと、(1)朝鮮における諸大名の動向、(2)より詳細な慶長の役の実証研究、(3)兵站諸物資輸送の実態解明、(4)水軍の動向に関する実証分析、などを研究の柱と想定して研究を開始した。具体的には東京大学史料編纂所、国立公文書館内閣文庫、慶應義塾図書館、京都大学研究博物館、愛知県史編纂室、山口県文書館、広島県立文書館、香川県立歴史博物館などの諸機関で史料調査を実施。つぎのような成果を得るに至った。(1)については史料収集、分析に多くの時間を費やすこととなり、その成果は本報告書にも「史料」として掲載することができた。(2)については、今後の課題として、次に説明する。本報告書の「研究」を参照されれば、明らかな様に(3)は最も成果のあがった部分である。また、ここでの検討を通じて、前線で戦闘をおこうな将兵のみでなくではなく、後衛の将兵や奉行衆が果たした役割についても、多くの知見を得ることができた。戦後の関連書研究はもとより池内氏の研究と比しても、本研究の特徴と見なすことができよう。(4)についての直接的な成果は学会での口頭発表のみにとどまるが、(3)との関連で史料分析はなかりの程度進展をみせた。しかしながら、研究の方法が細かな年紀比定をともなう史実の確定を基礎とするため、朝鮮出兵(木陸侵攻)の準備段階から、時間軸に従って作業を進めて行かざるを得ず、結果的に論文というかたちで成果を残せたのは文禄の大役の後半期までであり、慶長の役期については、若干の関連史料を収集するにとどまった。今後何らかのかたちで研究を継続し、課題分析を深化させたい。
著者
富田 眞治 富田 真治 (1987) 吉田 紀彦 谷口 倫一郎 村上 和彰 福田 晃 末吉 敏則
出版者
九州大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1987

本研究の主な成果を以下に示す。1.QA-2の総合的性能評価とアーキテクチャの再設計:研究代表者らが以前開発した超長形式機械命令型計算機QA-2のアーキテクチャを評価した結果、機械命令処理の高度パイプライン化、演算器個数に依存しない汎用の機械命令形式などの必要性が明らかになった。この結果、超長形式機械命令型計算機の発展形である単一命令流/多重命令パイプライン(SIMP)方式を考案した。この方式は、短形式機械命令を実装した演算器個数分づつまとめて同時にパイプライン処理することにより、命令処理の時間的かつ空間的な並列度を更に高めようとするものである。2.超長形式機械命令型計算機の試作機開発:SIMP方式に基づく試作機を開発した。開発した試作機は、浮動小数点演算器および固定小数点演算器それぞれ1個を1本の命令パイプラインの核として、4本の多量命令パイプラインを有するものである。命令実行の障害となるデータ依存関係および制御依存関係を実行時に解決するための動的コード・スケジュールリング・アルゴリズムを開発し、試作機に実装している。その結果、命令実行順序がオブジェクト・コード上の命令出現順序と異なるアウト・オブ・オーダー実行となる。本アルゴリズムは他のアルゴリズムと比べて、分岐命令実行の際の選択的な命令無効化、複数のデータ依存関係の検出・表現、分岐命令を跨いだアウト・オブ・オーダー実行および先行実行などが特徴的である。3.超長形式機械命令型計算機用の最適化コンパイラの開発:SIMP方式のための最適化コンパイラに採用する静的コード・スケジューリング・アルゴリズムとして、トレース・スケジューリング法、ソフトウェア・パイプライニング法,ポリサイクリック・スケジューリング法などの試作機への適用を検討した。