著者
坂本 治也 秦 正樹 梶原 晶
出版者
関西大学法学研究所
雑誌
ノモス = Nomos (ISSN:09172599)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.1-20, 2019-06

本研究は、2017-18年度関西大学若手研究者育成経費において、研究課題「NPO・市民活動への参加意識の実証研究 : サーベイ実験による因果効果の検証 」として研究費を受け、その成果を公表するものである。
著者
井上 善十郎 遠藤 眞三
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.315-339,en1, 1937-11-15 (Released:2010-11-19)
参考文献数
30

本調査は日本學術振興會第八小委員會の昭和十一年度に於ける研究の一部分にして、同年六月二十日現在の樺太アイヌの人口につき考察せるものにして、最も信を置くに足るものと信ず。本調査に關しては樺太長官始め、各方面の盡力に依る事多大にして、本機會に於て深甚の謝意を表するものである。
著者
浅井 幸子 玉城 久美子 望月 一枝
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
no.4, pp.21-36, 2011-03

本稿の主題は、戦後日本の小中学校における女性教師の脱性別化の過程を解明し、その歴史的な意味を考察することにある。女性教師は1950年代まで女性的な特質と役割を付与されていたが、1970年代になるとそのような性別特性論に基づく性別役割分担は否定されるようになる。本稿では1960年代後半から70年代前半の「女教師問題」の議論に着目してその過程を記述し、母性が強調されなくなったこと、「婦人教師」を論じる、すなわち女性教師をその女性性において問題化することが躊躇されるようになったことを明らかにした。その女性教師の脱性別化は、一面では性差別の解消ではあるものの、もう一面では依然として存在する教師の性別役割分担を問う言葉の喪失である。また男性教師を標準とする「教師」への同一化である、すなわち女性教師の実質的な男性化であったという点でも問題をはらんでいる。
著者
沢井 淳志 山本 隼 今村 國康 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.J56-J65, 2018 (Released:2018-01-25)
参考文献数
12

本論文では, 高精度かつ高安定な周波数源として, 地上デジタル放送波を利用した発振器を提案している. 地上デジタル放送では, ルビジウム原子発振器を用いて放送波を作っており, 基準周波数源として利用可能であると考えられため, まず, 地上デジタル放送波の周波数偏差と安定度を測定し, 安定度を劣化させる要因について検討している. その結果, 平均時間400秒以上で, 安定度の指標である二標本標準偏差が1×10-12以下になり, 高安定な発振器の周波数源として使用可能であることを明らかにしている. この結果をもとに, 水晶発振器を地上デジタル放送波に同期させ, 地上デジタル放送波と同じ長期安定度を有する発振器を製作している. さらに, 事前に取得した地上デジタル放送波の周波数偏差を用いることにより, 周波数偏差が5×10-12以下の極めて精度の高い発振器も製作している.
著者
山田 実
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.217-226, 2019-07-25 (Released:2019-07-31)
参考文献数
38

2017年,サルコペニア診療ガイドラインが発刊された.ここでは,サルコペニアの定義・診断,疫学,予防,治療という項目でまとめられており,現時点でのサルコペニア診療に必要な情報が掲載されている.日々の臨床場面でサルコペニアを診る際には,まず,アジアのサルコペニアワーキンググループで定めた基準を使用すること,サルコペニアの治療には運動および栄養介入が推奨されている.なお,サルコペニアは各種疾病に併存することが多いことから,このような推奨を踏まえた上で個々の症例に対応することが求められる.
著者
辻村 康彦 平松 哲夫 小島 英嗣 田平 一行
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.48-53, 2017-09-01 (Released:2017-11-10)
参考文献数
14

【目的】短時間作用性β2刺激薬(SABA)によるアシストユースがCOPD患者の身体活動量に及ぼす影響を検討した.【対象】長時間作用性気管支拡張薬を使用しているにもかかわらず,日常生活において強い呼吸困難と活動制限があり,SABAのアシストユース未経験の男性10例.【方法】身体活動量の測定には加速度センサー付歩数計を用い,吸入前,吸入後4・12週で評価し比較検討した.また,息切れとHRQOLもあわせて評価した.【結果】アシストユースにより身体活動量は有意な向上を認めた.また,息切れやHRQOLも有意な改善を認めた.【考察】動作前にSABAを吸入することで得られる労作時息切れの改善により,身体活動量は向上し,HRQOLも改善したと考えられた.SABAのアシストユースはCOPD治療において考慮されるべき治療方法であることが示唆された.
著者
坂口 安紀
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
ラテンアメリカ・レポート (ISSN:09103317)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.44-58, 2019 (Released:2019-07-31)
参考文献数
29

ベネズエラは現在、政治、経済、社会的に国家破綻の状況に陥っている。2019年1月、反政府派が過半数を支配する国会のグアイド議長が憲法の規定に基づき暫定大統領に就任して以降、ベネズエラは「ふたりの大統領」が並び立ち、政治的緊張が極度に高まっている。マドゥロ政権は軍の支持を背景に、反政府派政治リーダーや一般市民、そして離反が疑われる軍人などへの弾圧を強めている。国内ではいまだマドゥロ政権の実行支配が続いているが、マドゥロ政権による人権侵害は国際社会から厳しく糾弾されている。本稿では、ふたりの大統領がたつことになった背景、厳しい経済社会的状況にも限らずマドゥロ政権が継続している理由、ベネズエラ危機に対する国際社会の対応などについて、1月以降の情勢に関して情報を整理し、解説する。
著者
門間 陽樹
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.47-52, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

本解説では,人を対象とする研究について,いわゆるN = 1 研究から集団を対象とする疫学研究までの方法論的連続性を考えながら,N = 1 研究の“N”の可変性について言及する.次に,疫学研究において,エビデンスレベルが最も高いとされるランダム化比較試験の限界に触れ,ランダム化比較試験の研究デザインと比較しながら,医学分野や行動科学分野で発展してきた単一の対象者に実施するN-of-1 試験の概要について解説する.その後,N-of-1 試験に関するこれまでの歴史を簡単に紹介し,今後予想される展開について述べる.最後に,集団を対象とする疫学研究と1 人の対象者を対象とするN-of-1 試験を比較しながら,両者の関係性について考察する.
著者
植田 康孝
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
no.29, 2019-03-15

アイドル・エンタテインメントは,スポーツ,演劇,映画などと同様,ファンと呼ばれる熱狂的なファンの応援を基に成立している。ファンは「お気に入り」の存在を深く理解し,共感し,支持をしてくれる。アイドルとは,ファンがいないと何も出来ない職業である。ファンから応援してもらい,それにアイドルが頑張りで応えるのが,アイドルのビジネスモデルである。本稿は,アイドル「推す」「担」行為に見る「ファンダム」をテーマとした。乃木坂46 や欅坂46,ジャニーズ系などアイドルグループのファンは,新曲が発売されると組織的にCD を買い占め,互いに協力してヒットチャート入りを後押しする。アイドルファンにとって,応援行動は使命であり,生活の一部になっている。そして,近年,特定のグループ(箱推し)やメンバー(単推し)に熱狂する集団(ファンダム)の活動が,かつてないほど活発になっている。体験消費やインターネットの発達により,「直接コミュニケーション」や「ヴァーチャルコミュニケーション」が活発となり,「応援するメンバーと直接やり取りしたい」「同じグループやメンバーを応援するファンとつながりたい」「自分に適した居場所を見つけたい」という心理が,SNS や動画アプリ,スマホ等の発展に合わせて顕在化,かつてない程の盛り上がりを見せている。AKB48 など「会いに行けるアイドル」が人気を得た時代から,スマホアプリを通じて会話が出来るアイドルが最も身近な存在として意識される時代へ変化している。アニメ声優グループやヴァーチャルユーチューバー(V チューバー)が新たな形のアイドルとして人気を集めるスタイルも生まれ始めている。 アイドルは刹那の煌めきを見せるエンタテインメントであるが,アイドルとファンの間の関係性を表す言葉として「推す」「担」が挙げられる。「推す」行為は,単に「好きになる」「ファンになる」だけではなく,「感情移入」することに相当する。「共感」のレベルから「熱狂」へ,「愛着」から「無二」へ,「信頼」から「応援」へ昇華して,アイドルファンとなり,推しメンに対する支持を強めて行く。先ずアイドルを好きになってもらい,間口を広げる「好き(Like)」から,推しメンでなければダメであるという「愛(Love)」に高めて行くことが大切である。これは,アイドルだけでなく,一般的な商品にも通用する「マーケティング戦略」である。少子高齢化が加速し人口減少が深刻化する日本において鍵となるのは,自社の商品やサービスのファンを大事にすることである。愛着が深まれば,安定的な顧客基盤になることに加えて,「伝道師」のように新たなファンを呼び込む力にもなる。 本稿は通常,定性的にしか議論されないファン心理について数理モデルを援用して科学的アプローチを試みたことに,新規性と独自性を伴う。
著者
石原 美里
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.1138-1142, 2012-03-25 (Released:2017-09-01)

「スータ」という語はこれまで「御者」,「吟誦詩人」と訳されることが多かったが,多くのスータに関する叙述を収集・分析すると,その人物像は非常に曖昧で一貫性がなく,「御者」,「吟誦詩人」という一言では片付けられない複雑さを孕んでいる.本研究では,『マハーバーラタ』に登場するサンジャヤという王の側近であるスータが,ヴェーダ文献に見られるスータ像をある程度反映しているものと仮定して,そのスータ像の変遷を追った.このヴェーダ時代におけるスータ像は,『ヴィシュヌプラーナ』の中に収められているプリトゥ王神話におけるスータ起源譯にも反映されている.そこにおいてスータは,王のするべき行いを規定するような権力を有する王家の高官として描かれており,それを便宜的に「古型」と位置付けた.その後この「古型」は,バラモンらがスータを彼らの構想する4ヴァルナ社会に組み入れようとする際に,混合ヴァルナ身分としてのスータの裏付けとして様々に応用されたと考えられる.その一方で,スータが現実社会に存在しなくなった時代,『マハーバーラタ』の最終改編としてスータ・ウグラシュラヴァスの語りの枠が導入される.この際『マハーバーラタ』の編者らは,その語り手として「放浪の吟訥詩人」という新たなスータ像を創り上げたと推測される.その新しい語りの枠はいくつかのプラーナ文献にも採用され,その結果,放浪の吟誦詩人的スータ像と,古い伝承における王家の高官的スータ像が同文献内にも併存することになったと結論付けた.
著者
須藤 信行
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.23-32, 2017 (Released:2017-01-31)
参考文献数
58
被引用文献数
3

腸内細菌叢は様々な生理機能や病態形成において重要な役割を果たしているが,脳機能に対する影響については明らかではない.近年,いくつかの研究グループより腸内細菌は宿主のストレス応答や行動特性に影響することが示されている.本稿では,筆者らの人工菌叢マウスを用いた実験結果を元に,本研究領域の現状と最近の進展について概説した.
著者
田村 光彰
出版者
金沢大学大学教育開放センター
雑誌
大学教育開放センター紀要 (ISSN:03897516)
巻号頁・発行日
vol.第17号, pp.53-62, 1997-08-15

北陸大学法学部・助教授
著者
八杉 滿利子
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1-2, pp.17-30, 2016-03-30 (Released:2017-08-31)
参考文献数
17

In the early volumes of this journal, there are many articles in which the authors present their viewpoints on formalism, that is, on formal systems of mathematics and their relations to practices of mathematics. Their discussions may be condensed into the philosophical matters of substance and form, epistemology and ontology, for taking the stand of formalism must necessarily admit the substance behind it. I will take up some of the old articles which are concerned with formalism and formal systems and review them from my present standpoint, in order to excavate fresh and honest thoughts of our seniors and to see how the views on formalism and formal systems of mathematics in this journal have changed with the passage of time.
著者
松崎 孝 森松 博史
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.219-224, 2017-03-15 (Released:2017-04-21)
参考文献数
26

●周術期の輸液管理は重要で,脱水と輸液過剰は術後合併症の点で有害である.●侵襲の伴う開腹手術における長時間の絶食はエビデンスが乏しい.●術中の維持輸液は術前の体重を維持する目的(ゼロバランスの維持)で施行すべきである.●周術期に1回拍出量を指標にした目標指向型の輸液管理は,合併症を有するハイリスクの患者群 で術後合併症や病院滞在日数を軽減させる可能性があるが,前向き研究では否定的である.●可能ならできるだけ術後早期に点滴は中止して,経口摂取を再開するべきである.●問題がなければ周術期の乏尿は経過観察すべきである.
著者
関戸 菜々子 姫野 諒太郎 早瀬 裕也 小谷 瑛輔
出版者
富山文学の会
雑誌
群峰
巻号頁・発行日
no.4, pp.122-142, 2019-03-03

1.実験の趣旨2.構想と準備の経緯2-1.実験の構想2-2.ナツヅタの探索と採集許諾確認2-3.第一予備実験ー代用品による最終工程シミュレーション2-4.実験実施時期の検討と準備2-5.第二予備実験ーナツヅタの樹液採取および糖度測定3.芋粥再現実験当日4.考察注
著者
本川 佳子
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.81-85, 2019-06-30 (Released:2019-07-24)
参考文献数
22