著者
菊池 庸介
出版者
福岡教育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

敵討ちを題材にした実録(実録体小説)に注目し、三年間の活動を通じて、これまでに紹介されていない実録の発掘につとめ、それらを調査し、敵討ち実録の解題作成のためのデータ収集を第一の作業として行った。そのうえで、収集した実録の内容の吟味を行い、敵討ち実録のストーリー構築の方法を考察した。また、他ジャンル文芸との影響関係の有無を考え、演劇や黄表紙などの素材となっているケースをあらたに指摘した。
著者
石井 香織
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、子どもの身体活動を推進するために、1)身体活動に影響をおよぼす環境的要因の検討、2)身体活動の推進に関連する環境、社会、心理的要因の検討、3)子どもの身体活動の推進に重要であることが明らかになった環境要因に着目し、身体活動を推進するための介入効果の3点について検証した。その結果、子どもの身体活動を推進するための方策として、子どもを取り巻く環境要因に着目し働きかけを行うことが有効であり、本研究で実施した支援方法はわずかではあるが身体活動の推進に効果がある可能性が示唆された。
著者
吉野 一 加賀山 茂 河村 寛治 太田 勝造 新田 克己 櫻井 成一朗 松村 敏弘
出版者
明治学院大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2002

本研究は、創造的な法的思考力を養成するための教育方法を、次のように、四つの研究課題に分けて分担研究し、各研究成果を諸共通事例を素材に全体として融合して、開発した。1.法創造基礎の理論的解明具体的化と体系化の法命題の創設および仮説法命題の反証としての法創造推論の構造を、共通の具体的事例問題の解決過程において、詳細に解明した。妥当性評価の基準を国民の価値意識のアンケート調査と法と経済学の観点とから同定した。認知科学の観点から授業評価方法を考案した。2.実務と教育における法創造の実際の解明米国のロースクールと我が国を含めて大陸法系の法学教育の実践を分析し、その法創造的要素を解明した。そしてその成果を法創造教育方法の開発に立てた。また開発された法創造教育方法の教育実践の分析を行い、有効性を確認した。それを法科大学院の教育で本格的に実践するためのさらなる研究課題を明らかにした。3.法創造教育方法の開発開発された教育方法の中心的部分は、リアルな事例問題に基づく、法的知識と推論の構造に即した、論争を通じて行う、法創造的法的思考の育成方法である。これを効果的に実現するために、法律知識ベースシステム、論争支援システムおよびソクラティックメソッド支援システムを活用する方法を同時に開発した。4.法創造教育支援システムの開発メタ推論機能を持つ「法律知識ベースシステムLES-8」を開発した。ソクラティックメソッド支援システムの問答集の改訂を行った。仮説の生成検証のための推論機構を実装し、オンライン論争支援システムを完成した。開発した諸システムを教育実践に活用してその意義と今後の研究課題を同定した。以上により法科大学院においても実践的に有効な法創造教育方法が開発された。一年次から最終年次までの一貫したスパイラルな法創造教育を実現すること、そのための研究と実践が課題である。
著者
喜多川 進
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、まず、環境政策に関する歴史的研究の動向を整理し、環境政策史が必要とされる背景を確認した。そして、環境政策の性格変容の解明をはじめとし、これまでの環境政策の実態を詳細に把握する環境政策史は、これからの環境政策を構想するうえでも有用であることを示した。さらに、発展した一方で分断化も進んだ環境経済学、環境政治学、環境法学、環境社会学といった環境政策に関わる諸学問を、環境政策史が架橋する可能性についても検討した。また、環境政策史は、都留重人や宮本憲一らによる日本の公害研究の流れを再発見し、発展させるものでもあることを示した。そのうえで、日独の容器包装廃棄物政策に関する環境政策史研究もおこなった。
著者
影山 龍一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

研究成果の概要(和文):成体脳ニューロン新生の意義を明らかにするために、遺伝子改変マウスを用いて成体脳ニューロン新生を阻害した。嗅覚依存性の行動を調べたところ、天敵臭忌避反応や、オスにおける見知らぬオスに対する攻撃行動とメスに対する性行動が障害され、さらにメスでは妊娠・出産率の低下、母性行動の障害が起こった。以上から、成体脳ニューロン新生は、天敵臭忌避反応、性行動、母性行動といった先天的にプログラムされた嗅覚依存的行動にきわめて重要な役割を担うことが明らかになった。
著者
三浦 悌二
出版者
帝京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

今回の研究対象としたハッテライトは、ヨーロッパ、ロシアを経て、19世紀末にアメリカ、カナダに移住したキリスト教の一派で、きわめて多産な集団として有名である。研究代表者が今世紀前半の日本のデータから推測した「季節性の不妊」が、この集団にも起っているかどうかを知ることが今回の研究の基本的な目的であった。出生結婚などが書かれた家族単位の台帳を入手し、計算機に入力して解析を行なった。1.出生の季節性とその長期変動:ハッテライトの結婚の季節には大きな偏り(10月と11月、近年ではさらに6月が多い)があり、第1子の出生季節に強く影響していた。この影響を除くと、春と秋にやや多く、初夏に少ないという、かつてのヨーロッパや日本と類似した型であったが、その変動幅は年平均を中心として±10%未満であり、とくに20世紀に入ってからは変動が小さかった。2.結婚初産間隔:1966年以降生れの母親では中央値が10.5か月と短く、19世紀の12〜15か月と比較しても短かかった。この結果からは、この集団の潜在的出産力が近年減少しているという見方は支持できない。3.母親の出生季節別にみたハッテライトの出生季節性:初夏の出生数の減少が環境中の季節性不妊因子によるとする仮説を、この季節生れの母親が年間平均して出産していた日本のデータから提唱してきた。同様にして今回の集団で、第1子を除いた出生の季節分布を母親の出生季節別に比較したが、各群に顕著な差は認めなかった。4.双生児出産の季節性と母親の出生季節:この集団の双生児出産頻度は0.9%と、一般の西欧白人の1.1%に比べて高くなかった。しかし5ー7月での頻度が少なく、また5ー7月生れの母親で異性双生児が有意に少なかったことから、季節性にはたらく環境要因が、多排卵、もしくは双生児の着床・妊娠の維持に作用している可能性も考えられた。
著者
庄司 匡宏
出版者
成城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、大規模災害時においても有効となる、望ましいセーフティネットの構造を追究することである。そこで、途上国や我が国における災害が被災者に与えた影響や、災害時における政府・NGOの役割を分析した。本研究では、独自の家計調査や経済実験データを用いて、以下の研究成果を得た。第一に、災害が人々の生活に及ぼす影響は大きく、政府・NGOの支援は不可欠である。第二に、自然災害による労働時間の増加や村人同士の相互扶助活動は、信頼関係に多様な影響をもたらす。さらに、村人同士の関係性の悪化が、被災地における治安問題の一因になっている。
著者
BREEN John
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

伊勢神宮は日本の最も重要な聖地の一つであって研究はおびただしいが、伊勢神宮の近現代史に限っては研究がないも同然である。本研究は明治維新から20世紀をへて今に至る伊勢神宮の通史をこころみるものである。伊勢神宮の天皇、国家、そして国民との関係をつねに視野に入れながら、波乱万丈の近現代史をたどる。明治期における伊勢神宮の空間的改革、伊勢をめぐる戦前のメディアなどの言説、戦後における伊勢神宮の法人化および脱法人化の動きに光をあてる研究である。
著者
磯野 真由
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

平成24年度は、昨年度に引き続き、マイクロビーム照射実験では、増殖期の神経幹細胞における細胞核へのプロトン照射粒子数に対する生存率について、結果の精度向上を図り、線量依存性を示唆する結果が得られた。また、照射粒子数100個を細胞核へ照射した際の、DNA損傷の修復およびアポトーシスの誘発率について評価した。DNA損傷の修復は経時的な損傷修復が見られ、アポトーシスの誘発率は非照射細胞と比べて有意な上昇が見られた。よって、マイクロビーム照射実験のDNA損傷およびアポトーシス誘発率については、線量依存性についてそれぞれの検討を行い、昨年度に得られたブロードビームX線照射実験の結果と比較することによって、細胞核または一細胞という標的の違いによる放射線感受性の違いについて明らかに出来るという方向性が見えた。X線照射実験については、今年度より、分化誘導条件で神経幹細胞を培養し、異なる分化段階でマイクロビーム照射実験と同等の照射線量で放射線照射を行い、分化効率への影響について検討を行った。異なる分化段階での照射によって、神経細胞への分化効率の違いが示唆された。細胞分化の際には主に細胞核DNAが関与しており、X線で示唆された分化段階の違いによる分化効率の違いは、DNA損傷の修復機構および修復関連因子、細胞周期制御因子に対する放射線の影響が関与していると考えられる。今後、マイクロビーム照射を用い分化誘導条件で細胞核照射を行い、DNA損傷修復に伴う関連因子と分化関連因子との相関の有無について検討していきたい。これは分化の程度、すなわち発生段階における放射線感受性の違いを解明する一つの手がかりとなり得る。
著者
小林 甫 ボロフスコーイ ゲンナデ ストレペートフ ヴィクト ベルナルディ ロレンツォ メルレル アルベルト デイアマンティ イルヴォ サルトーリ ディアナ グリサッティ パオロ ネレシーニ フェデリコ カヴァリエーヴァ ガリー カンコーフ アレクサンド 上原 慎一 横山 悦生 田中 夏子 土田 俊幸 新原 道信 浅川 和幸 小内 透 所 伸一 杉村 宏 木村 保茂 クム ソフィア コルスーノフ ヴィクトル KORSUNOV Victor KONKOV Alexander BOROVSKOI Gennadi STREPETOV Victor DIAMANTI Ilvo BERNARDI Lorenzo リム ソフィア カヴァリョーヴァ ガリー ディアマンティ イルヴォ グリサッテイ パオロ 山口 喬
出版者
北海道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

昨年度までの研究によって、非重工業化地域の内発的な産業・社会の発展を将来的に担う、青年層における青年期自立の内実は、職業的自立と社会的自立との相互連関を追求することで考察しうることを確認した。本年度はそのことを、3カ国の青年層に対する「共通調査票」を作成して、定量的に分析することに主眼を置いた。イタリアでは、ヴェネト州内の国立技術高校、職業高校(ヴィチェンツァ市)、私立の職業訓練機関(ヴェロ-ナ市)の生徒を対象とした。サハリンでは、ユジノサハリンスク市、コルサコフ市の職業技術学校、普通科高等学校/リチェ-イの生徒、失業地帯マカロフ市の職業技術学校生と失業青年を取り上げた。日本は、北海道・長野県・岐阜県の工業高校生、東京の工業高等専門学校生、そして北海道と岐阜県の職業能力開発短期大学校生を選んだ。教育階梯差と地域差を考慮してである。この国際共通調査の結果を含め、2年数か月の研究成果を持ち寄り、国際研究報告会を札幌で行った(平成6年10月6日-11日。イタリアの報告4、ロシア3、日本6)。イタリア人の報告によれば、工業や手工業を学んでいる青年層は、現在校を自ら選んで入学し(学科への興味、技術・技能の習得など)、卒業後は家業を継ぐか、自らによる起業を望んでいる。ロシアにおいては、不本意入学的な職業技術学校生と、“意欲"を示す高校生/リチェ-イ生に二分されるが、卒業後の進路としては、いずれも第一次・第二次産業を志向せず、第三次産業の何かの部門を熱望している(銀行、商業、貿易など)。小売業、旅行業、漁業の中小企業を希望する者も25-30%いる。日本では、教育階梯差に関わりなく、一定の不本意入学生を含みつつ、おおむねは「就職に有利だ」という理由で入学し、(イタリア、ロシアと同じく)厚い友人関係を保持している。しかし、卒業後の進路には地域差が見られる。中小企業の選択は各々3分の1程度だが、他の地域への転出希望において北海道(工業高校生、ポリテクカレッジ生)、城南の中小企業地帯出身者が多い東京の高専生に高かった。対極に、岐阜(工業高校、ポリテクカレッジ)と長野とが来る。岐阜県では名古屋など愛知県内への通勤希望も多い。-だが、生活価値志向においては、日本(4地域)とイタリアには大きな違いは存しない。いずこにおいても、自由時間、家族、友情、愛情に高い価値を置き、やや下がって仕事が位置づく。シンナーや麻薬、理由のない暴力、汚職を否定し、結婚前の同棲を許容する。しかし、ロシアでは、高い価値の所在はほぼ同じだが、許し難いことの上位に、親や友人を援助しないことが入り、戦争時の殺人が許容される。ここには、ロシア(サハリン)的な生活上の紐帯と、反面での国家意識とが発現している。ところで、こうした共通の生活価値の存在は、一方では、若い世代が「市民社会」的なネットワーキングを形成しつつあることを示唆する。しかし、他方、職業的な価値志向としては“分散"することもまた事実である。私たちは現在、両者の相互関係の規定要因を見いだすべく分析を重ねているが、重要な要素として注目すべきは、「SOCIAL ACTORS」である。それは、イタリアでは「職業訓練-公的雇用斡旋(学校は不関与)-家族文化-労働組合-他のアソシエーション(社会的サービス分野でのボランティア)-地方自治政府」の連鎖として理解されているものである。青年層は、その生活価値・職業価値を、このような連鎖のなかにおいて、各自がそれぞれ意味づけてゆく。かつほぼ30歳位までは、多くの職業・職場を移動し、自らの“天職"を見いだすのだと言う。またロシアにおいても、1991年以前においては、90%以上の青年が第10学年まで進学して職業訓練を受けるとともに、アクタヴリストーピオニール-コムソモ-ルなどで社会生活のトレーニングを積み、同じく30歳位が各人“成熟"の指標であった。-こうしたイタリア、旧ロシアに対し、日本社会での青年期自立(職業的かつ社会的自立)の「SOCIAL ACTORS」は、企業内の教育・訓練が担ってきたとされる。だが、高等教育機関への進学率の上昇のなかの青年層は、アルバイトなどの学外生活を含む学校生活をそれに代用させているとも言い得る。この点の追究が、次回以降の研究テーマを構成する。
著者
青木 英明 久保田 尚 中村 文彦 大森 宣暁 高見 淳史 望月 真一 諏訪 嵩人 森井 広樹 森 和也
出版者
共立女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

3年の研究活動では、海外事業者から情報が得られ、英国ロンドンBarclays Cycle Hire計画担当者の講演会、フランス、ラロッシェル市副市長の講演会も主宰した。そして海外のバイシクルシェアリングの大規模なものが本格的な第三世代へ至ったことを理解した。国内ではシクロシティ富山の事業で得られたデータを解析することにより、東京大学、横浜国立大学研究室のスタッフがサービスの供給需要に関する定量的な検討を行い、利用実態の把握ができた。
著者
廣松 悟
出版者
明治大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は、近代国家の領域拡大とその確定過程の中で新たな「開発フロンティア」となった地域における、新しい近代都市空間及び都市システムの成立とその成長過程に関する制度上及び社会的な諸条件について、実証及び比較の両面からアプローチすることを通じて、従来一般的には単なる「近代国土拓殖・開発史」の一局面としてエピソード的にしか取り扱われることのあまりなかった開発フロンティア地域の近代都市空間が、近代領域国家建設の現実の過程で果たしてきた独自の機能についての認識を新たなものとすることにあった。この研究助成によって実現された実証的な近代都市形成史資料の詳細な検討を通じ、とりわけインナーシティ等の具体的な都市の社会及び空間の実態に即して明らかなものとなってきたのは、近代国民国家の領域支配を巡る権力関係と領域的空間構成の現実との密接な関連の一端である。それは遠隔地支配における「都市空間統治の政治社会的二重性」をいう新たな概念で理解することが可能である。また、近代日本明治期以降の北海道を主な対象領域に、また19世紀後半以降の北米平原諸州地域を主要な準拠地域としてとりあげた比較地誌研究での成果作業の一端は、新興国民国家における「遠隔開発フロンティア地域」での市街地・初期的都市形成の実態について都市空間上相異なるレベルにおける政治行政的実践に関連した系統資料及び地誌史資料の整理を取りまとめた「フロンティア都市データベース」フォーマッティングにある。これには、初期的な都市諸学及び都市社会調査研究の発達プロセスの整理とともに、都市間ネットワークの発達過程、とりわけ物流および情報流のネットワークに関連する社会・空間的データの整理もあわせて含まれ、輸送関連諸施設の建設とそれに関連する都市政治行政過程のデータが比較的系統的に収集整理されはじめており、今後の同種研究の展開に対しても資するところがあると考えられる。
著者
立浪 澄子
出版者
長野県短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2013年度は茨城県立歴史館に保存されている「高橋清賀子家文書目録(豊田芙雄関係文書)」より松野クララ関連資料を閲覧、コピーをとり、その分析を実施した。その結果、豊田芙雄をはじめとする初期の女子師範学校保姆、並びに卒業生らはクララからきわめて具体的な教材作成、保育への適用について懇切な指導を受けていることが明らかになった。また新たに「松野クララ記念歴史に学ぶ会」を立ち上げ、下記のような研究会を開催した。1、 第1回 平成24年11月3日(土)15:00~16:50 会場 青山フロラシオン 松の間 講演 木戸孝允の人柄-その先見性と情緒-:木戸侯爵家について-私が見た戦前の華族社会の一端- 東京大学名誉教授・お茶の水女子大学名誉学友、同大学外理事 和田 昭允氏 2、第2回 平成25年11月3日(日) 13:30~15:30 会場 青山フロラシオン しらかば プログラム ○講演1「松野ハザマ・クララ夫妻の生き方と明治という時代」社団法人大日本山林会前会長 小林富士雄氏 ○講演2「武村耕靄をめぐる人々」国立音楽大学名誉教授 小林恵子氏さらに、本研究の成果の一部について下記研究大会においてポスター発表を行った。Organisation Mondiale Pour l’Education Prescolaire World Congress 上海 11- 13 July, 2013 The first kindergarten teacher in Japan-Clara Matuno and how the Friedrich Froebel Method came to Japan 1、A brief biography of Clara Matsuno (1853~193) 2、How did the Friedrich Froebel Method take hold in Japan
著者
小賀 百樹
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

東シナ海の黒潮流入口における黒潮変動を調べるため,流入口直後に位置する海底電話線を、利用し黒潮流量変動を観測した。約9年分の観測資料に,衛星観測海面高度資料,漂流ブイによる表層流資料等を組み合わせ解析した結果,以下のことが明らかとなった。(1)流入直後の流量変動は,流入直前の台湾東岸沖の中規模渦の影響を強く受ける。暖水渦が存在すると流量が増加し,冷水渦が存在すると減少する。ただし,冷水渦の影響の方が強い。太平洋東方からの中規模渦の到来は不規則であるが,どちらのタイプの渦も年に数個到来し,年の半分くらいの期間は渦の影響を受けている。(2)不規則に到来する渦の効果をならすと季節変動が見られる。大きく「冬季モード」と「夏季モード」が認められる。冬季のルソン沖では黒潮流量が増加するが,ルソン海峡から南シナ海への流出があり,台湾東岸沖では減少傾向にある。さらに,東シナ海流入後の変動は小さくなり季節変動も明瞭でなく,東シナ海の中流以降は独自の変動も見られる。沖縄東方の黒潮への再循環もみられる。夏季は反対にルソン沖の流量は減少し南シナ海への流出もなく,沖縄東方の再循環も見られない。これらの流れの変動は,海上風の分布とも整合性がある。(3)付随して,琉球諸島と台湾を結ぶ定期フェリーによる海面水温の観測,東シナ海の吹送流の資料解析とモデル作成,東シナ海の黒潮影響下にある大気・海洋相互作用に関する資料解析にも取り組んだ。
著者
岡中 正行
出版者
帝京平成大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、課題名「中島広足全歌集の編纂とその研究」が示すとおり、中島広足の全歌集を編纂し、その研究を行うことを目的とした。そのために、基礎となる資料の調査・収集を研究成果報告書の「はいがき」に記した関係所蔵機関および個人宅で行った。調査・収集した資料の目録は、第I部の「中島広足著作目録」としてまとめたが、今回の調査で初めてその存在が確認されたものも多く含んでいる。当然ことながら、活字化されていないものが多いわけである。調査・収集と平行して、それらの未翻刻の資料(特に和歌に関するもの)の翻刻作業と、書誌的研究を中心とした研究を行った。それらの一部については、既に研究紀要等に発表した。「研究発表」の6〜10がそれである。既に発表の資料の他に、『中島広足全歌集』を編纂するための多くの資料が存在するが、それらの翻刻はほぼ終えている。本報告書において、それらのすべてを掲載することは量的に無理があるので、その一部を掲載した。近いうちに『中島広足全歌集』として刊行し、それを基にして広足の和歌の、多面的・詳細な研究を行い、歌人中島広足を和歌史上に位置付けたいと考えている。ところで、広足には今回研究テーマにした「和歌」以外の、膨大な量の資料が存在する。それは「中島広足著作目録」のよっても理解されるだろう。それらの一部は、弥富浜雄氏によって『中島広足全集』(全2巻、昭和8年4月、大岡山書店)として刊行されているが、不十分なものである。江戸時代後期の国学の展開を研究する上で、今後さらに未収集の資料を発掘した上で、これらの資料の全てを翻刻し、新たな『中島広足全集』を編纂することは意義のあることであろう。
著者
今岡 春樹
出版者
奈良女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

2台のデジタルカメラから得られた2枚の画像から,3次元人体形状の奥行き情報を得る装置を開発することが目的である.この際にランダム柄の密着衣服(レオタード)を着用すると,2枚の画像間の対応が明確になり便利であるランダム柄密着衣服については,大型のプリンターで布にランダム柄を印刷し,実際にレオタードを試作し着用実験を行った.一昨年度購入したレオタード作成CADを用い,7種類の異なる縫製部位を持つ型紙について,最もフィットする型紙がどれであるか,またフィットするとはどこを評価すればよいかを研究した.その結果ブラウス原型が最もフィット性が高く,その評価においては服とボディの空隙量を用いることが良いことが示された.この結果は学会で発表した画像の対応関係から注目点の奥行きを計算するには,2台のカメラの位置情報(外部パラメータ)とレンズや焦点距離の位置情報(内部パラメータ)が必要になる.昨年度購入したデジタルカメラについてその内部パラメータの同定(キャリブレーション)を行った.キャリブレーションの方法としては,2度にわたって行列の最小固有値を求めることが基本であり,対応する固有ベクトルの向きを定めることが,内部パラメータでは影響しないが,外部パラメータでは影響することを見出し,ヒューリスティックによる解法を定めた,データの標準化によって精度が向上すること,最終的な精度としては±0.4mm以内であったことは,学会で発表した
著者
手納 直規
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

凝固線溶系のセリンプロテアーゼであるプラスミンは、MMPの開始因子としてがんの形成に関わっていることが知られている。従ってプラスミン阻害剤は、新たな作用機序を有する抗がん剤として機能することが推測される。そのため、プラスミンの合成基質の一次配列を基にプラスミン阻害剤をデザインした。その構造的特徴は、warheadとしてニトリル基を持ちことである。また、非ペプチド性阻害剤として、pyrrolopyrimidine をscaffoldとし、それを分子の中心におき活性中心のサブサイト(ヒダントインを含むP4部、warheadを含むP1部)と相互作用するに必要な官能基を配置した。
著者
中平 勝子 マーラシンハ アーシュボーダ
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

本研究は、技術者の業績と人物像を生き生きと物語る史料としての「追悼文」に注目し、これを系統的に収集し、技術革新経験に関する知識基盤として技術者教育に活用する可能性と方策について研究を行うものである.平成21年度は,以下のことを行った.● 所在源調査に関しては、本年度は学協会機関紙、業界紙、新聞などから,計350件超の追悼文を抽出し,そのデータベース化を行った.また,それのWeb利用のための検索エンジンを構築した.● 追悼文の教育利用を検討するにあたり,実際に技術者教育を行っている高専,および,社会の世情(総務省調査)の双方のデータを用いて分析を行った.その結果,現在の教育システムは、大きく学校教育と家庭・社会教育から成り立つこと,学校教育は相応に調節された技術者向け教育プログラムを提供できる毅階にあるが,家庭・社会教育においては製品・技術のブラックボックス化により,物が動く仕組みを知る機会が減っていること,情報過多・読書体験の不足・現実世界との相互作用の不足が技術者ロールモデルの欠如を生み,「生きる力」の育成を削ぐ形になっている可能性が高いことを示唆し,技術者ロールモデルとしての技術者人物史料の必要性を提言した.
著者
中山 勝文
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究で我々はNK細胞がDCと接触した際にDCのMHCクラスIIタンパクを引き抜くことを見出した。この分子メカニズムは不明であるが、trogocytosis (trogo:ギリシャ語で かじる という意味に由来)と呼ばれる細胞膜移動に依存すると思われる。このMHCクラスII分子を羽織ったNK細胞はDCのようにT細胞を活性化する可能性が考えられたが、補助刺激分子を発現しないため、T細胞を活性化せずむしろ抑制することが判明した。これらの結果から、免疫応答はtrogocytosisによって発生した新たな細胞群によっても制御されている可能性が示唆された。