著者
家田 修 林 忠行 松里 公孝 月村 太郎 仙石 学
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究では東欧(旧ソ連のロシア以外のヨーロッパ部分を含む)地域社会全般を射程に入れ、EU統合が及ぼす影響、そして逆にEU拡大がEUに与える影響について包括的な研究を組織した。その中でハンガリー地位法制定を契機として全欧州的な問題となった主権国家論争を取り上げ、欧州統合における主権国家と国民、そして少数民族問題という具体的な論題を巡る国際会議を、本研究計画の総決算という意味を込めて、2004年10月にハンガリーのブダペストで開催した。この会議には日欧米だけでなく、インドやトルコを含む世界12カ国から研究者が参集し、さらに欧州で民族問題を担当する実務専門家も招聘して議論を深めた。この会議は東欧の少数民族問題を理論的、包括的かつ具体的に論ずる貴重な機会であったため、OSCEなどの全欧州的な国際組織から多くの傍聴者が参集し、ハンガリーのマスメディアも大きく取り上げた。この会議では東欧における冷戦後の地域社会形成が国民形成、国家建設、少数民族共同体形成の三位一体として進行したこと、そして問題解決のためには従来のEU統合の枠を越えた新たな市民権概念(fuzzy citizenshipなど)、あるいは柔軟な国境という考え方(flexible border controlなど)、さらにはネオ・ミディーバリズムなどの複合的アイデンティティが必要とされる、などの具体的かつ新たな知見が示された。こうした国際的共同研究の成果の一部は既に本研究代表者を編著者とする英文著書The Hungarian Status Law : Nation building and/or Minority Protection, SRC, Hokkaido University, Slavic Eurasian Studies Series, No.4, 2004として刊行され、さらにThe Status Law Syndrome in Post-communist Eastern Europe, SRC, Hokkaido University, Slavic Eurasian Studies Series, 2005として新たな知見が国際的に発信される予定である。
著者
香坂 俊
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

レジストリ登録されたデータを用いて(15施設、4000例)、PCI に伴ってみられた出血合併症の発症率の計算を行い、関連する臨床的因子の寄与度の定量化を行った。さらには、PCI施行後の適切な処方の用いられ方、そして休日と週末のPCI入院による実際の成績の違い等に関しての解析を行い、その結果を平成23年3月に行われた日本循環器学会にて発表、現在論文として学術誌に順次投稿している。また、四半期に一度程度継続的なフィードバックをかけて各施設の医療の質の向上に努めている。
著者
堀 啓子
出版者
東海大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

明治時代から大正期にかけての日本近代文学の名作には、19世紀のアメリカで、廉価出版された小説から多大な影響を受けた作品が少なからずある。だがそうした作品の多くは、著作権意識が低かった時代から、その原著を明らかにせず、依拠した原作者名も不明となっている。本研究においては、そうした翻訳、あるいは翻案のうちのいくつかを具体的にとりあげ、それらに影響を与えたとされる原書を明らかにし、両者の比較を試みた。
著者
宮浦 憲夫 山本 靖典
出版者
北海道大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

イリジウム触媒を用いるC-H結合直接ホウ素化反応を開発した。また触媒的付加・カップリング反応に活性な新規有機トリオールボレート塩を開発し市販した。さらに新規不斉二座ホスホロアミダイト配位子(Me-BIPAM, N-Me-BIPAM)を開発し、ロジウムおよびルテニウム触媒を用いたアリールボロン酸の不斉付加反応を達成した。
著者
北川 裕之
出版者
島根大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

高性能方向に優先方位を有するBi_2Te_3系熱電変換材料作製を行うための結晶成長法として, スライド・ボート法による液相成長プロセスを開発した.スライドボート法によりマイカおよびサファイア上に成長させた結晶は, 基板と平行に高性能面が揃っていることが確認された。高配向により,p型Bi_<0.5>Sb_<1.5>Te_3のホール移動度は、同程度のキャリア濃度を有する焼結体と比較して室温で1.8~2倍程度の値を示した.高移動度により低抵抗化が実現され,室温における電気的性能指数(出力因子)は同程度のキャリア濃度を有する焼結体と比較して約1.3~1.5倍程度向上した.
著者
狩野 均
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、アントコロニー最適化法(ACO)で時間依存TSPを効率的に解く手法を開発した。この問題は旅行時間が変化するタイプのTSP であり、宅配便の配送経路探索問題に直接応用できる。渋滞が激しく変動する環境下で良い解を求めるためには、探索の高速化が必要となる。ACOのフェロモンの初期値の分布を探索における有効な知識(部分解)と見なし、これに偏りを与えることで、探索領域の削減を行った。また、予測交通量と再探索を組み合わせて性能向上を図った。TSP のベンチマーク問題、ならびに、現実の道路網と交通量データを用いた実験の結果、提案手法は解の精度を落とすことなく収束が早まっていることを確認した。
著者
ブランチャード フランソワ
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的はTHz電磁波を用いて、様々な生体物質の化学組成・特性を非破壊で評価可能、生体活動に伴う物質移動をリアルタイムで可視化可能な手法を構築することである。これまでに構築してきたTHz近接場顕微鏡を改良し、共同研究先であるオリンパスの顕微鏡を組み合わせて、より使い勝手の良い顕微鏡システムを構築した。この顕微鏡ではビデオレートで370×740μm^2と広範囲の画像を分解能10μm以下(THz電磁波の波長は数百μmなので、波長/100以上の分解能)で得ることが可能である。また、様々な環境下で測定が可能なように、この顕微鏡専用のインキュベータや、パージボックスも同時に設計、作成した。この顕微鏡を用いて、本年度(最終年度)行ったことは以下の通りである。1.電場増強のための大口径リング共振器の評価をおこない、リング共振器内での電場増強効果(3倍)を確認した。リング内にサンプルを設置することで、より高強度THz電磁場による高感度な評価が可能となると予想される。2.この共振器のデモンストレーションとして、微少量(~10ng)の機能性物質(porous coordination polymers(PCPs))の特性評価を行った。THz近接場顕微鏡で共振器内にPCPのあるものと、共振器内に無いもののTHz応答を空間分解して同時測定することで、長時間でもS/Nの良い測定が可能となる。この研究期間内に6本のレビューを含む論文、および1本の特許出願を行った。レビュー論文では本研究課題を含むこれまでの成果をまとめるとともに、最近の成果についても述べている。最近の成果であるメタマテリアル近傍の電場、放射電場の観測についてはこの8月に論文が掲載された。機能分子PCPのにおける分光イメージの結果については論文化する予定である。
著者
吉村 臨兵 北 明美
出版者
福井県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

米国の最低賃金規制についてリビング・ウェイジ(生活賃金)条例を中心に数カ所で聞き取り調査を行った。そうした制度を実現して実効性を維持するための取り組みがどんな社会集団によってどのように行われているか、具体的な情報が得られた。また、連邦最低賃金が毎年上昇する時期に重なったこともあり、リビング・ウェイジが直接の賃金上昇よりも、むしろ労働基準の広範な改善のきっかけとしての機能を強めつつあることがわかった。
著者
工藤 与志文
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

知識の活用において重要視される操作的思考の活性化要因ならびに抑制要因について検討した。活性化要因としては, 属性の共変関係に関するルール教授や事例情報による思考の方向性の制御などが挙げられたが, その効果は部分的であった。また, 抑制要因としては, 科学的思考における操作の役割について, 全般的に低い評価しか与えられていない点が挙げられた。今後, 操作の論理的側面に加え, イメージ表象や背景知識の影響についてさらに検討する必要がある。
著者
徳田 匡
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本年度は日米安全保障条約の改定から50年という節目に当たり、この期に「60年安保を問いなおす」というシンポジウムを開いた(2010年7月10日)。私は当時の安保闘争などから抜け落ちていた「沖縄」を軸にして、当時の沖縄の政治・言論の状況を報告した。当時の日本では国会議事堂前での大規模な民衆デモが行われ、アイゼンハワー米大統領の訪日阻止が行われたが、同日アイゼンハワー大統領は沖縄に降り立つ。60年の安保改定において日本のデモの中にも国会審議に中にも沖縄の問題は扱われておらず、この米大統領の沖縄訪問は、60年安保がデモ隊にとっても国会にとっても沖縄の外部化によって成立していた政治状況であったことを、その後の日米一体化や密約問題をからめながら論じた。それにより、従来、余論じられていなかった戦後思想史の中の沖縄の位置づけを再確認し、日本の戦後思想が外部化していた安保改定のなかの沖縄の問題を浮き彫りにした。また、沖縄大学地域研究所の依頼による『地域研究』vol.8への書評論文では、田仲康博著『風景の裂け目』(みすず書房、2010)を論じた。そこでは、米軍占領下の沖縄における、主客の構築する「風景」の外在性と拘束性の問題と、田仲の筆致における新たな叙述の可能性を論じた。風景という外部を論じることが翻ってその人間を主体化する。そこから戦後の沖縄の風景の変遷が軍事植民地の主体化の実践であったことを論じた。また田仲による一人称の記述方法を「他者」の問題として捉えなおしポストコロニアルにおける歴史記述の方法の可能性について考察した。上述した研究内容は、日米によって外部化された沖縄が、日米間の戦後の政治史における位置づけを明確にし、さらにそのかなで沖縄を論じることの新たな可能性を示している。
著者
澤田 康幸
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本年度は、以下に述べる3つのサブ・プロジェクトについてそれぞれ予備調査・調査準備を行った。第一のサブ・プロジェクトは、「アフリカ・アジアの貧困と人間の安全保障」プロジェクトである。ここでは、アフリカとアジアの最貧国における貧困削減に必要な新しい技術と制度を識別するようなプログラム評価の準備を行った。アフリカについてはマラリア対策についての研究会を開催した。アジアについては、フィリピンの中部ルソン地域を対象として、灌漑整備の貧困削減効果、とりわけリスクシェアリングを通じた効果を明らかにするため、田植えにおける互酬的な共同作業の構造解明のための実験的な手法を設計し、フィールド実験を行った。その成果を国際開発学会の総会において報告した。第二のサブ・プロジェクトは、「災害と貧困」プロジェクトである。ここでは、日本と東南アジアにおける災害リスクと人々の災害事前事後の行動に関するミクロデータを整備し、理論的な考察を加えた。成果の一部は、Center for Research of Epidemiology on Disasters (CRED)がベトナムにおいて開催した自然災害に関するカンファレンス(MICRODIS CONFERENCE)において報告された。第三のサブ・プロジェクトは、「自殺と貧困リスクの経済分析」である。このプロジェクトでは、元東京大学大学院経済学研究科のYun Jeong Choi講師を連携研究者とし、国立政治大学(台湾)のJoe Chen助理教授を研究協力者として、経済理論の知見とデータによる実証解析という2本の柱から、日本における自殺の決定要因を捉え、有効な政策手段を明らかにする。平成22年度は、これらのメンバーの協力の下で実施した一連の分析を取り纏めた展望論文がJournal of Economic Surveysに採択された。
著者
許 俊鋭 五條 理志
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

我々は、細胞移植を用いた不全心治療をテーマに研究を重ねてきた。その中で、細胞培養の操作が必要な治療における最も大きなハードルは、細胞培養における安全性の確保である。現在までの細胞培養は、その多くが開放系で行ったものであり、閉鎖培養系の応用はほとんど実施されていなかった。本研究では、MABIO internationalより市販されている最も小ささ閉鎖式細胞培養容器を使用し、そのFeasibility/Safetyを1年目の実験にて検討し、十分臨床応用が可能であることを確認した。本年度の計画としては、この閉鎖細胞培養を用いた臨床応用を行うこととしていた。しかしながら、年度の初めに厚生労働省より"ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針"の草案が示され、9月1日には発布された。我々が用いた閉鎖式培養容器は、完全には閉鎖となっておらず、GMP基準を満たすためには、従来の開放系細胞培養系と同様に大規模なCell Processing Centerが必要となり、臨床研究に進むことができない状況となった。このような社会情勢の変化の中で、本研究では、当初の目標の1つであった長期間の培養を経た細胞の安全性の評価を目標に、大動物を用いてin vivoの検討を行うこととした。ビーグル犬を対象に、骨髄細胞を採取し間葉系細胞のPrimary cultureから5-10 Passagesを経た細胞をドナーとして、同じビーグル犬の心臓へ戻し移植を行い、病理学的検討を行った。1年目の実験と同様に、感染等の問題は発生しなかった。また、長期細胞培養による細胞の癌化に関しては、標本を詳細に検討したが異型細胞を含め、癌細胞を認めることはなかった。ここまでの研究結果にて、培養容器のみを閉鎖系にした細胞培養はFeasibility及びSafetyに関しては問題ないが、完全機械化によるRobotic Culture Systemが試作されており、完全閉鎖系培養システムとして期待される。培養による細胞癌化は、5-10 Passagesでは認めることはなく、過度な増殖刺激を加えない限り問題となることはないと考える。
著者
金子 耕士
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

スクッテルダイトを代表とするカゴ状化合物において現れる大振幅振動について、詳細な描像及びその物性との関連を中性子散乱により明らかにすることを目的として、研究を進めた。今年度は新たな系として、同じカゴ状構造をもつI型クラスレート化合物Ba_8Ga_<16>Sn_<30>について実験を行った。マキシマムエントロピー法を用いた解析の結果、Ba_8Ga_<16>Sn_<30>では、スクッテルダイト化合物とは対照的に、Baイオンは、オフセンターを安定位置とする巨大振幅の非調和振動を行っている事を明らかにした。温度変化から物性との関連を明らかにする事を目指し、解析に取り組んでいる。さらに、β-パイロクロア化合物についても実験に着手した。CsOs_2O_6について、国内の単結晶中性子回折実験としては最小の1mm角以下の単結晶で測定を行い、構造解析が行える100反射以上の強度データの測定に成功した。マキシマムエントロピー法を用いたβ-パイロクロアにおけるラットリング振動の可視化に向けて、解析を進めている。スクッテルダイトに加え、新たな系の結果が得られた事で、非調和大振幅振動の発現条件及び物性との関連について、より普遍的な理解が得られる事が期待される。さらなる展開に向けて、巨大振幅振動により誘起される動的な応答の探索及び、より微小単結晶での測定実現を目指し、J-PARC/MLFにおいて単結晶構造解析装置の建設を進めた。特に今年度、装置の鍵となる、低温で駆動可能なピエゾモーターを使用したゴニオメーターを製作し、実現可能である事を確認した。これまで不可能だった1mm角以下の結晶での構造解析や、逆空間での高効率な信号探索にむけて、礎となる重要な進展が得られた。
著者
手塚 宣夫 堀毛 一也 菅原 郁夫 鳥畑 与一 大山 小夜 佐藤 順子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

金銭管理に関するアンケート調査により、合計3,304名の回答を得ました。(財)民事紛争処理研究基金の助成により実施した同様の調査結果と併せて、総計4,432名の回答を得ました。これは、労働組合や生協の組合員の方を中心とした調査なので、各人・各家庭の平均的な金銭管理について、ある程度の一般的な傾向を知ることができます。この調査結果を分析することによって、金銭管理の問題点を探り、多重債務にならないための予防策について、提言する予定です。
著者
古賀 章彦
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

大規模なヘテロクロマチンが短期間(種分化が起こる程度の時間)に増幅(生成を含む)あるいは縮小(消失を含む)する現象が、ヒト科やテナガザル科など、霊長類の多数のグループでみられる。その機構の解明につなげることを目指し、増幅や縮小を起こしたヘテロクロマチンの特性を調べた。反復配列が転移などでセントロメアやテロメアに入り込んだ際にこれが起こること、および増幅や縮小の効率は塩基配列に依存することが判明した。
著者
町山 栄章 兼子 尚知 石村 豊穂
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

時代的・空間的に広範な分布を示すコケムシについて、海洋環境指標として利活用できるか否か、その検証を行った。MART指標(群体を形成するコケムシの個虫サイズが水温と逆相関の関係にあることを利用して、群体が成長した期間における海水温の平均年較差を算出する)の検証の結果、個虫サイズと平均水温の年較差との関連が実証された。また、対象としたコケムシ骨格の酸素同位体比が平均水温変化と調和していることから、コケムシ骨格は古海洋環境復元指標として有用であると結論づけられる。
著者
坂本 一之 小田 竜樹 木村 昭夫 木村 昭夫 R.I.G. Uhrberg M. Donath
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

半導体表面上に作製した低次元ナノ構造体での巨大スピン分裂など、特異なラシュバ効果の観測とその起源の解明を目的に実験と理論の両面より研究を遂行した。その結果、固体表面の対称性に起因した、表面垂直方向に100%偏極したラシュバスピンや、不可欠だと思われていた時間反転対称性がなくてもラシュバ効果が起こることなど、それまでの常識を覆すようなラシュバ効果を報告した。また、ラシュバスピンの向きが原子核近傍の電荷分布の非対称性により決定されることも示した。
著者
長友 恒人 小野 昭
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

IntCal04によって26 kyr BPまで較正することが可能になったC-14年代の有効性を検証することを目的として、約7~30kaのテフラを対象としてルミネッセンス年代測定を行い、18のルミネッセンス年代とC-14年代をクロスチェックした。約13 cal kyr BPを超えるテフラについてはC-14較正年代が若干古い傾向があるようにみえるが、有意に古いかどうかについてはより厳密な検討が必要である。
著者
舘 すすむ 川上 直樹 新居 英明 梶本 裕之 梶本 裕之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

触るという感覚の原理を解明し、高品位な触覚ディスプレイの社会的普及を目的として研究を遂行した。触ることにより生じる皮膚の変形や内部の現象を理論的に検証し設計のための知見を得た上で、電気刺激による皮膚感覚提示デバイス、簡易で普及しやすい把持力提示デバイス及び力覚と皮膚感覚を統合した操縦型ロボットハンドシステムを実現した。さらに、視覚障害者の目を代行する額型電気触覚ディスプレイの工学的基礎を与え、社会的普及へ貢献した。
著者
吉田 樹
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、観光地域における生活者と観光者がともに快適な環境を創出するために、生活者と観光交通の折り合いに配慮した交通計画に関する理論化と計画技術の構築を目的として実施したものである。具体的には、以下の二点について検討した。第一には、青森県奥入瀬渓流地域を事例として、観光地域における交通問題の現象解析とその発生構造の分析を行い、観光バスによる車窓観光が地域の道路交通に与える影響を定量的に示した。第二に、鉄道と自転車の融合利用の一つであるサイクルトレインに着目して、地方鉄道の活性化や観光における周遊手段としての可能性を検討した。