著者
内村 裕 大西 公平
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

無線ネットワークを介してロボットを遠隔操作し,離れた場所からの救急医療や災害時のレスキュー活動に適用可能なシステムの実現を目指し,無線通信における変動を含む通信遅延に対応した制御手法の構築と同時に,通信強度を指標とした自律移動制御を通信中継ロボットに搭載し実証実験を行った。また,リアルタイム性を有する無線中継機構を開発し,映像情報と制御情報が混在する通信における制御性能への影響を軽減した。
著者
佐野 裕子 前橋 明
出版者
仙台白百合女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、家庭的保育を受ける0歳~2歳児698名を対象に、子どもの生活実態を調査し、生活課題を分析することを目的とした。その結果、2歳児については、就寝時刻が21時15分、睡眠時間は9時間45分、起床時刻は7時1分で、夜型の生活習慣であったが、10時間以上の睡眠は46%、毎朝の排便は24%、朝、機嫌の良く起きられるが72%おり、健康的な生活が送られていることが示唆された。これは、起床から家を出るまでの時間が1時間25分あり、ゆとり時間があったことが推察された。
著者
織田 博則 佐藤 昌子 堂ノ脇 靖己 杉山 章
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

一重項酸素脱活性基を有する紫外線カット剤を合成し、紫外線カット挙動と染色布の耐光性改善効果を検討した。新規合成化合物は、有害紫外線A波、B波さらにはC波を吸収するだけでなく、優れた染色物の耐光性改善効果を有していた。また、ベンゾフェノン・ベンゾトリアゾール縮合型紫外線カット材料を合成し、紫外線防護機能性と耐光性改善効果を検討した。新規化合物は、非常に高い紫外線防護係数(UPF)と、優れた染色物の耐光性改善効果を有していた。
著者
澁谷 浩一
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は,18世紀前半の中央ユーラシアにおけるジューン=ガル,清,ロシアの相互関係を解明することを目的とした。当初の予定では,ジューン=ガルの滅亡という大事件が起る18世紀半ば以降まで含めて研究を進める予定であったが,中国における史料収集状況の変化により,18世紀前半に焦点を絞ることにした。研究成果は大きく三つに分けられる。第一は,1712-15年に清からボルガ川流域のオイラト系遊牧勢力トルグートへ派遣された使節に関する研究である。ここでは,特に使節を受け入れたロシア側の対応を詳細に分析した。第二は,1720年代前半にロシアからジューン=ガルへ派遣されたウンコフスキー使節団を取り上げた研究である。この時,ジューン=ガルは実は清からの使節も受け入れており,同時期にロシア-ジューン=ガル,清-ジューン=ガルの交渉が平行して行なわれていた中央ユーラシアの国際関係を解明した。第三は,その直後に開始された清とジューン=ガルの国境画定交渉に焦点を当てた研究である。この交渉と同時期に,清はロシアとも国境問題に関する交渉を継続的に進めていた。清は,ジューン=ガル,ロシアの両勢力と一気に平和的な関係を構築しようとしていたのである。しかしながら,ロシアから派遣された国境問題解決のための全権大使がモンゴリアに到着するに至って,この交渉は打ち切りになった。清はロシアとの国境画定交渉を優先させたのである。以上の研究を通じて,18世紀前半の中央ユーラシアにおいては,ロシア,清,ジューン=ガルの三大勢力が,トルグート等の周辺勢力をも巻き込みながら複雑に絡み合った国際関係を取り結んでいたことが明らかとなった。特に,従来露清関係に影響を与える第三者的立揚で捉えられてきたジューン=ガルの存在の重要性を中央ユーラシア史の視点から明らかにすることができたと考える。
著者
吉田 久美 前島 正義 近藤 忠雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

花色発現には種々さまざまな液胞膜輸送が重要な役割を果たしている。そこで、この観点から、花色の解明を目指した。1)アサガオの開花に伴う花色変化の機構と液胞膜輸送開花時に液胞pHが上昇するのは、表層の着色細胞だけであることから、花弁の短時間の酵素処理により着色プロトプラストだけを調製し、これから、着色細胞だけの液胞膜を単離した。これを用いて、pH制御に関わると推測される輸送タンパク質の解析を行った。開花に向けてV-ATPse、V-PPaseの活性が協奏的に上昇した。ナトリウムープロトン交換輸送体(NHX1)は、開花最終ステージで劇的に発現量が上昇し、活性が上がった。同時に、PM-ATPaseの発現量と活性も上昇することがわかった。以上より、これらプロトンポンプ類およびNHX1の働きが、花色の青色化(即ち液胞pH上昇)をもたらすことを明らかにした。さらに、開花にともないアサガオの花弁の表層細胞の体積は数倍に増加し、この現象と花色の青色化、およびK^+量の増加同調していることがわかった。即ち、アサガオ開花時の液胞膜上のプロトンポンプ、NHX1および細胞膜上のプロトンポンプの発現量の増加と活性上昇は、液胞内へK^+を輸送して細胞を伸長生長させるために必須の装置ではないかと考えられる。2)その他の花の花色発現機構アジサイ、ファセリア、チューリップなどの液胞内成分を明らかにし、青色発色機構の化学的な解明を行った。
著者
姚 陳娟
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

アクアポリン5(AQP5)の発現は内毒素(LPS)によりダウンレギュレーションされ、これにNF-κB及びMAPKの2つの経路が関係していることを見出した。更に、AQP5遺伝子のプロモーターに2つのNF-κB応答配列は重要なことが明らかになった。免疫系細胞、RAW264.7細胞でも免疫沈降による解析からNF-κB(P65)とAPI(P-c-Junとc-Fos)がLPSによるcross-couplingにされることも証明された。今後、c-Fosの高発現細胞を用い、LPSによるAQP5のダウンレギュレーションのメカニズムを追究する。
著者
原口 弥生
出版者
茨城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

東日本大震災・原発事故の影響により、茨城県に避難してきた広域避難者を対象として、2回のアンケート調査を実施し、茨城県内の広域避難者の実態把握、必要とされる政策的ニーズについて分析を行った。茨城県内の放射能汚染については「低認知被災地」という視点から、激甚災害の発生のなかで、被害の実態が埋もれがちな地域に於いて、各地域の市民グループがどのように展開・ネットワーク化され、専門家が市民グループとの協働でどのような役割を果たしたのかについて分析を行った。上記の研究と従来からの自然災害研究の成果を統合し、自然災害・原子力災害を考慮した「レジリエンス」概念の再定義の必要性を提言した。
著者
藤本 典幸 筒井 茂義
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

様々な選択肢の中から最もよいものを見つける問題を組み合わせ最適化問題と言う.組み合わせ最適化問題を解くための有望な手法のひとつに生物の進化から着想を得た進化計算がある.本研究では,進化計算により様々な組み合わせ最適化問題をパソコンに標準搭載されているGPUという電子部品を用いて高速に解く手法について研究を行った.その結果,2次割当問題,巡回セールスマン問題などの問題に対してCPUの1コアに比べて最大101倍の高速化を実現した.
著者
米田 忠弘 加藤 恵一 濱田 幾太郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

1つの分子で磁石の性質を示す単分子磁石である、テルビウム・フタロシアニン錯体分子を用いて、単分子の磁石をオン・オフさせることが可能であることを示した。この分子は平面型のフタロシアニン配位子(Pc)2枚が互いに向き合うように重なった構造を示すが、今回、これに電流を流して向かい合う2枚のPcをくるりと回転させるという手法を開発し、2枚のPcの相対角度を制御することで分子磁石をオン・オフさせることに成功した。
著者
廣田 隆一
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

申請者らは、これまでにバクテリアのリン酸レギュロンの制御因子であるphoUに変異を導入することで、ポリリン酸が高蓄積することを明らかにした。しかし、phoU変異株は継代するとポリリン酸を蓄積しないリバータントを急速に生じる。本研究ではこの原因の究明を行い、安定性の高いphoU変異株を取得するための方法論を確立した。これによりphoU変異株を利用したリン資源のリサイクル技術開発に貢献できる可能性がある。
著者
小林 久芳
出版者
倉敷芸術科学大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

今年度の課題研究では、ペロブスカイト系触媒の特性を解明し、今後の実験サイドでの発展をサポートするため、多くの系について電子構造を系統的に研究した。ペロブスカイトとは狭義にはCaTiO_3のことであるが一般にABO_3という組成をもつ化合物群の総称である。種々の結晶系をとるが、正方晶系、立方晶系のものが多い。代表的なペロブスカイトであるSrTiO_3の単位胞を図1に示す。一般にAサイトのイオン(単位胞の頂点)は酸化還元電位に関係するが化学的には不活性であり、Bサイトのイオン(単位胞の中心)が反応性を決めている。BaTiO_3およびTiO_2の電子構造の計算によりバンドキャップはそれぞれ、1.7、1.9eVと計算されたBaTiO_3では7個のバンドが示されており、そのうち6個が原子価バンドである。これらのバンドの構成成分は、低エネルギー側から、Ti 3s、Ti 4p、Ba 5s、O 2s、Ba 5p、O 2pである。伝道バンドはTi3d+4sにO2p軌道が混ざったものである。SrTiO_3のバンド構成でも触れたが、これらの酸化物の最高被占原子価バンドは酸素の2p軌道を主成分として構成されている。通常、O2p軌道とO2s軌道は混成せず、後者は低エネルギー側に別のバンドを形成する。ペロブスカイト系の特徴は、O 2pバンドとO 2sバンドの中間にAサイト原子に由来するバンド(Sr 4p軌道あるいはBa 5p軌道)が形成されることである。また、SrTiO_3とBaTiO_3の比較では、Ba由来のバンドは、Sr由来のバンドに比べて、高エネルギー側に現われる。これは軌道がより広がり、軌道エネルギーが高くなったことに対応している。
著者
大塚 篤史
出版者
浜松医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

日常診療で度々遭遇する尿管結石症は、その疼痛のために社会生活を制限されるばかりでなく、時として腎盂腎炎・腎不全などの重篤な合併症をきたす疾患である。現在、自然排石を期待する保存的治療等の目的でNSAIDsなどの薬物治療が行われているがその効果に十分なエビデンスはなく、自然排石促進作用や疝痛発作抑制作用を有する薬剤の開発が急務とされている。そこで、選択的β-アドレナリン受容体作動薬が尿管結石症の新たな治療戦略となる可能性を有するか検討した。ヒト摘出尿管を標本としてRT-PCR法によりβ-アドレナリン受容体の各サブタイプ(β1,β2,β3)のmRNAの発現について検討したところ、いずれのβ-アドレナリン受容体のサブタイプ(β1,β2,β3)も尿管組織に発現していることが確認された。次いで、ヒト摘出尿管の顕微鏡的正常部分のブロックからパラフィン切片を作成し、免疫組織化学染色法を用いてβ-アドレナリン受容体の各サブタイプの発現ならびに局在を同定した。各サブタイプともに尿管上皮細胞ならびに平滑筋細胞での発現を認め、タンパクレベルにおいてもそれぞれの受容体の発現を確認できた。さらに、β-アドレナリン受容体への刺激が尿管平滑筋を弛緩させるか確認するために、ヒト摘出尿管標本を用いて薬理学的実験をin vitroで実施した。非選択的作動薬であるイソプロテレノールに対して濃度依存性に平滑筋切片は弛緩した。現在、β-アドレナリン受容体の各サブタイプに対する選択的作動薬や拮抗薬による作用を確認しているところであり、少なくともβ2-ならびにβ3-アドレナリン受容体作動薬は、それぞれ濃度依存性にヒト尿管平滑筋を弛緩させることが確認されており、研究を継続して実施中である。以上の研究成果から、β2-あるいはβ3-アドレナリン受容体作動薬が尿路結石症に対する自然排石促進作用や疝痛発作抑制作用を有する薬剤として、臨床応用できうると想定される。
著者
石田 章純
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

初期原生代(19億年前)のガンフリント層およびローブ層における地質調査を行い、採取試料の岩石学、鉱物学、地球化学的分析を行った。特に有機物の窒素安定同位体比の測定においては段階燃焼法の導入によってコンタミネーションの可能性を除去した信頼できる値を提示し、かつ有機物中に、含有される窒素の同位体比の異なる炭素構造をもつ有機物の不均質が存在することを示すことができた。その結果、初期原生代の海洋環境と微生物活動について、一般に信じられている"浅部が酸化的で深部が強還元的(硫化水素に富む=euxinic)な海洋"における"化学合成細菌(例えば鉄酸化菌)主体"の環境モデルではなく、"浅部が酸化的で深部が非酸化的だがeuxinicではない海洋"における、"シアノバクテリアが生態系の第一次生産者である"モデルを提唱した。この成果はGeochimica et Cosmochimica Actaに投稿準備中である。段階燃焼法を用いた有機物窒素同位体比の測定法の確立、および初期原生代有機物窒素同位体比の不均質性の発見は革新的な成果であり、その成果は別途Geochemical journal投稿され、受理された(Ishida et al.,2012,in press)。目標の1つであった電子顕微鏡による微小領域観察については有機物の透過型電子顕微鏡(TEM)観察の初等技術を習得し、初期原生代の有機物中に結晶度の異なるグラファイトが存在する可能性を見出すことができた。さらに、より古い時代の岩石については、30億年前、27億年前、22億年前の堆積層が産出するカナダ・スペリオル湖周辺地域、25億年前、23億年前の堆積層が産出する南アフリカ・タイムボールヒル地域、クルマン地域での地質調査および岩石試料の採取を完了している。これらの地域について岩相記載や薄片観察など基礎的な分析を進めた。
著者
姫野 龍太郎 藤野 清次 阿部 邦美 小野 謙二 伊藤 祥司 岡本 吉史 今村 俊幸 片桐 孝洋 伊藤 利佳 中田 真秀
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

電磁界問題,量子化学計算,数値流体計算の大規模数値シミュレーションに向けて,大規模行列計算に向けた高速化,高精度化,安定化を実現し,従来手法では解きにくい問題に対する新たな求解アルゴリズムを提案した.さらに,そのようなシミュレーションを支援するために,応用問題の特性に応じたデータ構造を決定する自動チューニング技術,ジョブスケジューラによる最適な計算機資源割当て方式,任意高精度線形代数演算パッケージも開発した.
著者
市瀬 孝道 西川 雅高 今井 透 吉田 成一 定金 香里 岸川 禮子 世良 暢之 世良 暢之
出版者
大分県立看護科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は日本に風送された汚染黄砂の呼吸器系への影響を、実験動物を用いて明らかにすると共に黄砂現象中の健康被害を、呼吸器系を中心とした疫学調査によって明らかにすることを目的する。我々は動物実験で風送黄砂が卵白アルブミンによって誘発される気管支喘息様病態やスギ花粉による鼻炎を悪化させることを明らかにした。また我々は北九州地域における疫学調査おいて、黄砂が花粉症や目の症状を悪化させることを明らかにした。
著者
久世 均 齋藤 陽子 松本 香奈
出版者
岐阜女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

学習教材を多方向から同時に撮影し、学習者の目的に応じた多視点映像として教材化すると共に、その多視点映像教材の教育利用について研究した.
著者
森田 宏樹
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

本年度においても引き続き、発信者情報の開示請求制度に関するアメリカ法およびフランス法における判例法の展開および立法対応の現状と問題点の分析を行った。アメリカ法においては、(1)個人の名誉毀損や企業の信用毀損のケースにおいて、違法情報の発信者を特定しないで匿名者"John Doe"を被告として不法行為訴訟を提起し、その訴訟手続内で被告を特定するためにプロバイダー等に対して発令される連邦民事訴訟規則に基づくsubpoena(罰則付召喚令状)による発信者情報の開示請求と、(2)著作権侵害のケースにおいて、不法行為訴訟とは独立に認められる・デジタル世紀著作権法(DMCA)に基づくsubpoenaによる発信者情報の開示請求という2つの法制度が併存しているが、(1)の系列の判例の検討からは、わが国のプロバイダー責任制限法の立案過程において発信者情報開示請求の要件設定に関して参考としたアメリカ法上の先例が、その後の判例の展開の中でどのように位置づけることができるのかを明らかにするとともに、他方で、(2)の系列については、昨年から今年にかけてP2Pによる音楽著作権侵害のケースに関して下された一連の判決の理由において、(2)の手続が(1)の手続と対比して、発信者の匿名性の保護と不法行為による被害者の救済とのバランスのとり方においてどのような意義を有するものと理解されているのかを明らかにすることによって、(1)と(2)のいわば中間に位置するともいえる・わが国の発信者情報開示請求権の意義を評価ないし再確認する視座を得ることができた。また、フランス法においては、違法行為者の発信者情報の開示をプロバイダー等に命ずる最近の急速審理手続(レフェレ)の決定例を検討するとともに、2003年1月に国会に提出された「デジタル経済の信頼」に関する法案(LEN)の審議過程(現在、審議継続中)をフォローした。以上の検討を踏まえて、わが国の近時の下級審裁判例における解釈論上の論点についても検討を進めた。
著者
篠塚 和正
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

自然発症高血圧ラット(SHR)や生活習慣病モデル動物(SHR.Cg-Leprcp/NDmcrats)において、交感神経終末部のATP・アデノシン受容体が機能不全を起こしていることを見いだした。一方、低酸素時には心臓から大量のアデノシンが放出され、酸素再通気後もその放出は増加し続けることを見いだした。本結果より、生活習慣病の進展とともに交感神経伝達の抑制性調節機構が破綻し、これがこの病態におけるプレコンディショニングの破綻の一部に関与している可能性が示唆された。
著者
斉藤 一哉
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

多角形から構成される平面/空間の幾何学図形に基づき,申請者はこれまで様々なコア構造を創製してきた.平成21年度前半はオクテット・トラス型コアパネル,「ダイアコア」の音響,振動特性に関して研究を行った.振動特性に関しては,鋼板からプレス加工により試作パネルを製作し,自由支持条件下でインパクトハンマーを用いた加振実験を行い,基本的な振動特性を明らかにした.また有限要素法による固有値解析を行い,板厚,パネル厚,セルサイズと固有振動数との関係を明らかにした.また音響特性に関しては木製の遮音箱を製作し,PET製ダイアコアパネルの遮音試験を行い,基本的な遮音特性を明らかにした.パネルと同じ材質の平板及び間に空気を挟んだ二重壁に対しても同様の試験を行い,ダイアコアパネルの試験で得られた値と比較した.21年度後半は,周期的な切り抜き,スリットを導入した平板から折り曲げのみによって製作される軽量コアパネルに関して,先進複合材料を用いた新しいモデルの創製を行った.まず,カーボン/エポキシ複合材シートにおいて,折線部のみシリコンを含浸させることによって折り曲げ可能なCFRPシートを製作する手法を研究した.またエポキシ含浸時に紙製のマスクを用いることで,自由な折パターンを描く手法を開発した.この手法により折紙のような複雑な折線パターンをCFRP上で実現することが可能となった.上記手法を応用することで,シリコンによってグリッド状の折線を導入したCFRPシートに周期的な短形の切り抜きをいれ,立体化することによってCFRPコアパネルを製作した.また,アルミ合金製の型を製作することによりコルゲート状のCFRPを製作し,周期的に切抜きを入れジグザグに折り曲げることで製作される新しいCFRP製の折紙ハニカムコアを創製した.さらにシリコンによって折線パターンを変化させることで,曲面,テーパー型等の様々な形状を持つCFRPハニカムを製作した.
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 飛田 国人 松原 小夜子 柴田 祥江 福坂 誠 吉岡 むつみ 宮川 鮎子 叢 志超 馬 豫 岩垣 裕紀 桑野 朝子 山崎 彩乃 高見 初音 大塚 弘樹
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ライフスタイルの変更による省エネルギー策の一つとして,視覚・聴覚要因を活用することに注目して,アンケート調査,被験者実験,熱負荷シミュレーション等を行った。視覚・聴覚要因による省エネルギーの可能性は実験室実験だけでなく,実態調査・アンケート調査でも可能性が示唆され,行動が変容できれば,暖冷房エネルギーは約7~8%削減され,また設定温度の変更を想定するとより大きな削減が予想できた。