著者
清水 宏一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.18, pp.109-114, 2003-02-27

京都市が「京都デジタルアーカイブ構想」を策定したのは、1997 年4 月のことである。その後1998 年8 月に京都デジタルアーカイブ推進機構を立ち上げ、さらに2000年8 月には京都デジタルアーカイブ研究センターを設立して今に至っている。京都が何をめざし、何をどのようにアーカイブし、また今後にどういかしていくのか。また、京都デジタルアーカイブ研究センターなどが中心となり全国に呼びかけた地域デジタルアーカイブ全国協議会は急激にメンバーを増やしつつあり、政府のデジタルアーカイブ研究会、自民党のデジタルアーカイブ小委員会などの動きも目が離せなくなってきている。こうした状況につき、実践に基づく解説と見解、さらに将来見通しを述べる。Kyoto City Government developed the "Kyoto Digital Archives Concept" in April, 1997. In the promotion of the Kyoto Digital Archives Project, the Kyoto Digital Archives Promotion Organization was established in 1998, then as a succeeding body of this organization, we started the Kyoto Digital Archives Research Center in August, 2000.Then, what does Kyoto City Government aim at, and how do we proceed for archiving, and by what method do we do? The members of the National Council for Regional Digital Archives Promotion, for which Kyoto Digital Archives Research Center took the lead and appealed all over the country, are increasing in number rapidly. At the same time, we can not look aside a move of study group of digital archives in central government, digital archives subcommittee of Liberal Democratic Party and so on. With these circumstances above, I would like to describe my comment and view based on our practices, and a future prospect of my own.
著者
Junji Kobayashi Yuya Domoto Takayuki Kawashima
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.134-135, 2010-02-05 (Released:2010-01-23)
参考文献数
27
被引用文献数
10

A fluorescent host molecule bearing a bicyclic triarylphosphate framework was synthesized. Its inclusion behavior to C60 was revealed by fluorescent titration. Cocrystallization of the host and C60 resulted in the formation of an inclusion complex in the crystalline state.
著者
八木 行雄 古内 進 高橋 秀之 小山 弘之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.389-395, 1989-04-15
被引用文献数
1

Theileria sergenti感染牛赤血球の浸透圧脆弱性および膜形態の変化について検討した.実験感染牛では,原虫寄生率の増加にともない赤血球浸透圧脆弱性は亢進し,等張域における溶血率は原虫寄生率よりも明かに高い値を示した.この現象は密度勾配分画された各寄生率の赤血球においても同様であった.血清浸透圧は感染牛,潟血牛ともほぼ一定の値で推移した.走査型電子顕微鏡による観察の結果,重篤時の牛の赤血球は変形し,ほとんどの赤血球はEchinocyteの状態に陥っていることが判明した.またEchinocyteの比率は原虫寄生率よりも著しく高い値を示した.同様の現象は小型ピロプラズマ病重篤時の放牧牛においても認められた.以上の成績から,赤血球の浸透圧脆弱性と膜形態の異常はT. sergenti寄生赤血球のみならず,非寄生赤血球においても起きていることが示唆された.
著者
三木 サニア
出版者
久留米信愛女学院短期大学
雑誌
久留米信愛女学院短期大学研究紀要 (ISSN:13487310)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.90-81, 2005-07-01

遠藤周作は、『わたしが・棄てた・女』のヒロイン森田ミツについて、「これは、『わたしが・棄てた・イエス』」である」と述べている。この発言に従って森田ミツとイエスとのダブル・イメージを、「棄てる」という言葉を中心において考察した。
著者
藤尾 豪 椎塚 久雄
出版者
工学院大学
雑誌
工学院大学研究報告 (ISSN:03685098)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.119-128, 2005-10-30

This paper presents a software for DJ mixing. Most valuable point of this software is that there are no GUI turntables that the user has to control. Therefore, anyone can easily enjoy listening to the songs that this software mixes. There are two important processes in this method. First, the user acquires the beat positions from the song using sound wave GUI. Then, two songs that are selected at random are mixed automatically on this software, and a WAVE data of the mixed song is folded in the exclusive folder. It is only necessary that the beat positions are acquired by user. However this process is not complicated.
著者
香山 はるの
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.37-47, 2004-03-15

ディケンズの描く女性はヴィクトリア朝の性をめぐるイデオロギーを強く反映しているとしばしば言われる。たとえば、彼の小説には、当時の社会で理想とされた女性像-清らかで優しく夫を支える「家庭の天使」ともいうべき女性キャラクター-が多く登場する。また、ディケンズの世界ではこうした「家庭の天使」とそのイメージから外れたいわゆる「逸脱した」女との間に明白な境界線がある。そして前者は「善」、後者は「悪」という価値判断が明確に小説の中に描きこまれているのである。こうしたことから、これまで多くの批評家がディケンズの女性キャラクターを一面的、画一的だと批判し、この作家の女性に対する認識の甘さを指摘してきた。しかし、こうしたディケンズの特長は特に初期の作品に顕著であり、中期、後期の作品になると微妙に様相が異なってくる。それは一言で言えば、彼の「逸脱した」女性への関心が高まってきたということであろう。前期の作品では、こうした「規格外」の女たちは、コミカルな効果或いは風刺の目的のために使われる場合が殆どであったが、1850年代あたりからはよりシリアスに扱われるようになる。本稿では特に後期の代表作と言われる Great Expectations を取り上げ、3人の「規格外」の女たちについて考察した。すなわち、押しつけられた「母性」に縛られるミセス・ジョー、男に棄てられ「家庭の天使」になりそこねたミス・ハビシャム、ハビシャムの男性への復讐の道具として使われるエステラである。3人の女は社会の規範に反し、或いは挑戦したために手酷い報いを受けるが、ディケンズは彼女たちの言動の背後に潜む問題に鋭く目を向けている。また、エステラについては苦しみを超えて成長した姿が示唆されていて特に興味深い。彼女は続く Our Mutual Friend のベラと同様、ディケンズの数少ない「成長するヒロイン」である。エステラやベラの内面の葛藤や道徳的覚醒の描写は、晩年のディケンズの女性に対する洞察の深まりを示すものと言えるだろう。
著者
森脇 和郎 鈴木 仁 酒泉 満 松井 正文 米川 博通 土屋 公幸 原田 正史 若菜 茂晴 小原 良孝
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1989

日本産野生動物種には、日本列島の生物地理学的な位置づけを反映して独自の分化を遂げたものが少なくない。これらの起源を解明することは、日本の研究者が日本に生息する種を対象にするという「自国に目を向ける立場」を別にしても興味深い。従来、日本産野生物動種については形態的分析に基づく分類学的および生態学的な研究がおもに行われてきたが、この方法論だけではこれら野生種の起源を解明することは難しい。近年著しい進歩を遂げた分子遺伝学的解析法は、集団遺伝学的な種の捉え型と相まってこの問題の解決に大きな力を発揮することが期待される。一方、わが国における人口の増加、経済活動の増大に伴う国土の開発、自然環境の汚染などによって、自然界における野生動物種の分布が改変され、時にはそれらの生存する脅かされるに至った現状を注視すれば、日本産野生種の分布や起源を検討するタイミングは今をおいてない。本研究は、日本産野生動物種の中から各分類群に属する代表的な動物種を選び出し、種内変異や近緑グループとの関係を明らかにして従来の分類体系を再検討するとともに、系統分類学および生態的に異なる動物種の起源について総合的に比較検討することを目的としている。ハツカネズミ・イモリ・メダカ・ウニ・ホヤなど日本に古くから生息する動物種は生物実験材料としての実用性と将来性に富む素材であり、実験動物の開発・利用という観点からもその重要性は見過ごすことはできない。野生種の起源を遺伝学的な観点から解明する研究は、必然的に種分化の遺伝機構にも踏み込むことになろう。この機構の基盤にはHybrid dysgenesisという現象にみられるように、その根底には発生機構、生殖機構の遺伝的制御という問題も包含しており、今後の生物学の新しい展開への有効な基盤となる可能性を秘めている。
著者
木村 和也 北山 哲士 山崎 光悦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
設計工学・システム部門講演会講演論文集 (ISSN:13480286)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.15, pp.435-438, 2005-08-02

Particle Swarm Optimization (PSO) is one of the multipoint search methods to find global or quasi-optimum of non-convex function. The important characteristics of multipoint search methods are diversity and centralization of search points. In this paper we propose Improvement model to aim at the diversity and the centralization. Through numerical examples, it is examined that indicator of parameter decision, diversity, centralization, and the search ability of the Improved PSO.
著者
長濱 重麿
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
燃料協會誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.4, no.39, pp.一一〇九-一一一九, 1925-12-20

都市衛生、防災問題を解決する一端として都市に於ける公衆浴場の電化をなすものとせば一浴場當り一〇〇乃至二〇〇キロワツトの設備にて足ろべし、燃料價値より論ずる時は電氣は未だ燃料として一般燃料に對抗し得ざるが如きも水力發電による深夜間の餘剩電力を利用し更に機械操作によつて勞力を省く時は採算上より云ふも却て經濟的となり良好なる結果を得ろなり、其實例の一として本年一月より營業を開始し引續き良好なる成績を擧げつヽある名古屋市「文化湯」の電化の實績を述べて各位の參考に供せんとす
著者
納谷 太 高橋 悟史 宮前 雅一 寺田 努 野間 春生 鳥山 朋二 小暮 潔 西尾 章治郎 今井 倫太
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.55-66, 2009
被引用文献数
1

We have developed a new battery-operated sensor node based on ZigBee wireless network in order to track people's location even with a poor electrical infrastructure. For a sensor network consisting of such kind of sensor nodes, we have designed a flexible sleep control protocol which fulfills low-battery consumption as well as high-accuracy time synchronization between these nodes. We have deployed a sensor network system composed of more than 40 sensor nodes in a hospital floor for tracking more than fifteen nurses simultaneously. Experimental results show that the system can operate around 27 days using four AA size NiMH batteries and can achieve 90% accuracy in the location estimation.
著者
竹田 圭吾
出版者
応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.1035-1038, 2009-11-10
被引用文献数
1
出版者
テクノタイムズ社
雑誌
ディスプレイ (ISSN:13413961)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.19-65, 2010-01
著者
福島 真人
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.26-35, 2009-01-20
被引用文献数
1

This article attempts to explore an analytic framework on micro-strategies of researchers in basic science. Scientific research is a difficult and complex series of process of exploration for new facts in a particular field of research, which I call research path. Using materials from the ethnographic research in a laboratory of chemical biology, I try to retrame basic concepts like goal of research, competition, micro and macro path, organizational styles of laboratory and so on to make workable criterions to describe the everyday practices of scientific research activities. These criterions are meant to make clear why managerial model, based on the analogy with market-based economic activities, does not work in describing scientists' everyday practice, to justify the need to analyze them in a different perspective proper to their own peculiarities.