著者
セイラー リチャード 東 昌樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1974, pp.20-23, 2019-01-14

行動経済学という新分野を切り開いたことにより、2017年にノーベル経済学賞を受賞した。より良い行動を促す「ナッジ」こそ人類社会に必要だと信じ、研究に没頭してきた。相田みつをさんの大ファン。行動経済学との共通点を語る。
著者
浅田 栄一 安達 孝明
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.14, no.12, pp.1100-1104, 1965
被引用文献数
1

鉄板上の亜鉛メッキ,カドミウムメッキ,スズメッキの厚さを,下地のケイ光X線FeKαを計測することによって測定する方法について検討した.<BR>その結果,これらの試料では,一次X線のメッキ層による吸収効果はほぼ無視することができ,それゆえ,FeKαのメッキ層による質量吸収係数,ケイ光X線の取り出し角およびメッキ金属の密度が既知であれば,純鉄板のFeKαの強度とメッキ試料のFeKαの強度値とから,標準試料と比較することなしにメヅキ層の厚さがほぼ推定できるものと結論された.<BR>なお,さらに精度を高めるためには,一次X線の吸収・励起効果について考察を深める必要がある.
著者
鈴木 孝仁 岩口 伸一
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.61, 2006

Van der Walt(1967)が記載したsexually active strainに相当する<I>Candida</I> <I>albicans</I> NUM51株では、接合型遺伝子<I>MTLa</I>および<I>MTL</I>&alpha;が異型接合状態で存在し、二倍体と四倍体の細胞が培養中に混在する。クローン化された優性なミコフェノリック酸耐性遺伝子と<I>MTL&alpha;2</I>とから<I>MTL&alpha;2:MPA<SUP>R</SUP></I>ブラスターを作成し、<I>MTL</I>a遺伝子破壊株B1を得た。B1株では、培養中の細胞は二倍体から構成されるようになり、核相の変換を伴うsexually activeの形質が失われた。また、ソルボース培地上で<I>MTL</I>&alpha;が座乗する5番染色体の一方を喪失させたTN1株でも同様にsexually activeの形質が失われたことから、核相を変換するsexually activeの形質には接合型遺伝子の異型接合性が必要であることが判明した。また、接合型遺伝子座における異型接合性が失われたこれらの変異株では、カザミノ酸―グルコース培地での菌糸形成能が失われることも判明した。これらの事実から、<I>C. albicans</I> 接合型遺伝子には形態形成における多面的な制御に関わっている可能性が示唆された。非会員共同研究者:竹内まり子, 中西典子(奈良女子大・理・生物科学)
著者
チョン ヒジュン トンプソン リー
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.17-24, 2007-03-20 (Released:2011-05-30)
参考文献数
10

本稿は、2002年サッカーワールドカップが韓国社会にもたらした劇的な社会政治的影響を分析し、それに基づいて2006年大会を考察する。2002年ワールドカップ大会は保守的な影響と進歩的な影響、という両方の逆説的影響があった。韓国代表チームの成功とその結果として生まれた応援は、長らく権威主義と家父長制的保守主義に支配されていた韓国に、革新的政権が誕生する決定的な要因であった。ワールドカップは階級や地域や性別などに分裂していた韓国社会を統合することができた。しかし、その統合はナショナリズムによるものであった。韓国代表の勝利によって引き起こされた狂気は、一部の知識人にはファシズムの現れとみなされた。レッドデビル現象の特徴は盲目的な愛国主義と歪曲されたナショナリズムが、政治的無関心を煽り個人の主体性を抑制する群集心理であった。それに加え、開催期間中に起こった多くの重要な政治的社会的出来事は、メディアによって無視され、忘れられたりもした。2002年に比べて2006年ワールドカップは、それと違う体験を韓国の人々に与えた。代表チームが勝ち進むにつれて国中が次第に熱狂していった2002年に対して、2006年には開催の数ヶ月前から様々な問題が出始めた。特に、民間放送局による全面的放送はチャネルを選ぶ権利を視聴者から奪った。メディアと資本とスポーツの三角同盟には研究しなければならない問題がたくさんある。
著者
高木 修 柏尾 眞津子 西川 正之
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.77-103, 1997-09-25

183名の教師と309名の大学生が,経済状況,宗教の影響,政治,国民及び国家の安全性,家庭の機能,自然環境などに関する価値の現状あるいは過去5年間にわたる変化をいかに認識しているかを明らかにするために調査票に回答した。Schwartz(1990)の12の動機づけ領域から構成された22項目から成る価値変容尺度が邦訳されたが,その一部は,日本の文化にふさわしい内容に変更された。教師は,大学生に比べて,価値の育成と人生の諸問題を克服する技術の養成における両親の役割が衰退し,国民や国家の安全性は脅かされるようになったと一層認識し,そのためか,政治に一層関心を示していた。物質主義者は,脱物質主義者に比べて,日本人であることに一層誇りを感じ,教育,法制度およびメディア等の社会制度を一層信頼していた。他方,脱物質主義者は,相互扶助の精神が弱まってきているだけでなく,人種や宗教や考えの異なる人への寛容度が低下してきていると一層認識していた。これらの結果に基づいて,今後の研究の方向性が提案された。
著者
片桐 新自
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-46, 1998-09-25

本稿は, 1987年以来5年おきに継続的に調査してきた「大学生の意識と価値観」の第3回調査を基礎とした論稿である。本稿の狙いは,この10年の間の大学生の意識と価値観の変化を明らかにすることにある。調査の結果,以下の5点が大きく変化したものとして浮き上がってきた。1)男女関係のあり方に関する意識の変化, 2)社会関心と上昇志向の低下, 3)政治に対する関心と参加意欲の低下, 4)自衛隊に対する肯定的見方の増加, 5)大学別の意識差の縮小。しかし,確かにこうした意識は変化しているが,他方で,その根底にある「やや個人主義的でありながら,他人との協調性を大事にし,大きな社会の変化を望まず,できることなら楽しく楽に暮らしていきたい」という価値観―筆者はこれを「個同保楽主義」と名付けている―自体は,大きな変化はしていないということも明らかになった。
著者
Wolfgang Jagodzinski Hermann Duelmer 稲垣 佑典 前田 忠彦
出版者
日本分類学会
雑誌
データ分析の理論と応用 (ISSN:21864195)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.25-46, 2019-06-01 (Released:2019-11-22)
参考文献数
29

Yamagishi & Yamagishi は,アメリカと比べて日本では一般的信頼が低いことを示したうえで,日本社会で広く見られる長期的なコミットメント関係が,一般的信頼の欠如をもたらしたと考察した. これに対して本研究は,「日本人の国民性調査」の二次分析を通じて,日本におけるコミットメント関係への選好が過去35 年ほどの間に一般的信頼の水準に強い影響を及ぼしたという仮説に疑問を投げかけるものである. なお,分析からは,一般的信頼と以下のような事柄との関連性が示唆された. ①一般的信頼は「年齢」によって弱い正の影響を受けるが,「教育」によって強い正の影響を受ける.したがって,教育機会の拡大と政治的関心の広がりによる「認知動員」の上昇や日本社会の高齢化の過程は,一般的信頼の向上をもたらした可能性がある.②都市化の影響については,依然としてあいまいなままであった. ③「性別」について、初期の調査時点では女性の一般的信頼は低かったが,1990 年頃になるとこのような性差は消失した. ただし上記の変数は,いわゆる「失われた10 年」や2008 年の世界的な経済危機の影響によって生じたと考えられる,1990~2008 年の一般的信頼の低下を説明するものではなかった.
著者
渡辺 洋介 谷川 力 神田 浩一 加藤 光吉
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.28, 2008

近年、コンピュータを利用した音響機器および分析ソフトが開発普及し、従来に比較してネズミ類の発生する超音波の分析がしやすい環境になってきた。そこで筆者らは以前データレコーダーで磁気テープに録音したねずみ類が発生する超音波コールをアナログデジタル変換した後、最近普及しているサウンド分析ソフト(アドビオ-ディション2.0)で分析した。今回は収録されたデータのうちからドブネズミとクマネズミの雄成獣が主として闘争時に発生する超音波コールの分析を試みた。同種ともそれぞれ雄3個体を同じケージに入れて供試した。その結果、発生周波数ではドブネズミは約23kHzで周波数が比較的平坦な変化であったが、クマネズミは26kHzでドブネズミに比較して周波数が高く、周波数変化も多かった。また、持続時間については、ドブネズミは約740ms、クマネズミは720msであった。しかし、両種とも超音波コールが発生する始まりは周波数が高く、終わりは低くなる傾向があった。超音波コールの時間軸を伸ばして可聴音としたものでは、ドブネズミは「ピー・ピー」という平坦な音であり、クマネズミは「ピロ・ピロ」と変化のある音に聞き取れ、両種に相違があることが認められた。
著者
森 重雄
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.278-296, 1999-12-30 (Released:2010-04-23)
参考文献数
46

この小論では, ポスト構造主義的ないしはディコンストラクティヴな志向をもって〈人間〉を検討する。とはいえ, この小論は高階理論に属するものではなく, 〈人間〉の歴史性を検討するものである。この小論では, モダニティ概念に立脚しつつ, とりわけマルクス, デュルケーム, エリアス, アレント, 大塚久雄, ニスベットらの社会=歴史的および社会経済的社会理論をつうじて, 〈人間〉が現出する社会歴史的文脈を検討する。この社会学的検討において, 関心は西欧史上の「移行期」, すなわち農村マニュファクチュアが絶対主義的商業資本に対立し, 「ブルジョア革命」によって前者が後者にやがて打ち勝ってゆく過程に, 主として注がれる。〈人間〉はこの「移行期」をつうじて実定的かつ制度的に, 今世紀において確立する。この小論は, この過程をあとづけるための検討であり, 私たちが〈人間〉であることの自明性がもつ問題性を究明するものである。「議論はここからはじまってこそ社会学になる」という人びとが多くいるかもしれない。しかし冒頭にその意義と限界の表裏一体性を明らかにしたこの小論の範囲内では, 考察はここまでである。この小論の目的は〈人間〉, 「脱人格化」 (ルーマン 1965 = 1989 : 76) といわば再人格化のシジフォス的運動をくりかえす〈人格性システム〉 (ルーマン1965 = 1989 : 179) の原基たる〈人間〉, が誕生する環境設定を明らかにすることにあった。その答えを端的に示せば, 〈人間〉とはモダニティ, すなわち共同体解体をもたらした分業がアノミックに高進する〈社会〉という環境設定のうえにはじめて現象する社会的実定性であるということである。この「アノミー」と表裏一体の関係をなしながら成立したモダニティとしての〈人間〉は, はじめ骨相学において, あるいはロンブローゾの犯罪人類学において, 外面的な「名前」を与えられる。やがてこの〈人間〉はビネーからターマンに続くIQにおいて, あるいは「スピアマンのg」において, 今度は内面的な名前を与えられる (グールド 1981 = 1989) 。さらにこの内面は学歴や資格というラベルさらには適性検査や「SPI」によって, いやまして情報化的に掘削されてゆくばかりである。ところで, 近代化・現代化や開発と呼ばれるモダニティの世界的展開のなかで, こんにち私たちがたしかに〈人間〉となったことは, じつは一つの重大問題である。この〈人間〉の問題性は, たとえば慢性的なアイデンティティ不安という, モダニティがもたらした病に如実に示されていよう。この問題性は, 〈人間〉がそもそも掘削されるべき-フーコー流に言えば-「厚み」をもった実在などではなく, その反対に掘削されることによって「厚み」を重ねてゆく近現代の社会的実定性である点にある。社会学および社会理論の根底には, 私たちがこのように〈人間〉になってしまったこと, そしてそれをもたらした〈社会〉の問題性にたいする冷徹な感性がなければならない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.785, pp.15-17, 2020-02

[1]釣り竿式[2]マジックハンド式[3]ペーパーヨーヨー式[4]玉すだれ式[5]ピロピロ笛式写真は三菱重工業の無人潜水機(UUV)。カメラやソナーを駆使する沿岸監視システムの一部となる。直径30cmと小型だが、アンテナを高さ200cmまで伸ばせる。
著者
土中 伸樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【目的】</p><p></p><p>パーキンソン病(以下:PD)のCamptocormia(以下:CC)は,腰曲りとも呼ばれる極度の前傾前屈位の姿勢異常である。重力がかかる座位立位や歩行時に前傾が増強し,重力負荷を除いた臥位で改善する特徴を持つ。また,CC対して確立した治療法は存在せず,治療に難渋するケースが多く存在する。今回,ティルト・リクライニング車椅子(以下:TR車椅子)と免荷式歩行器による重力負荷調整を行いながらロングブレス呼吸練習を実施した新たな治療法により外来理学療法で著明に改善した症例を呈示し検討を加える。</p><p></p><p></p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>女性 年齢60歳台後半 疾患名:PD(発症6年経過),体重38kg,Hoehn-Yahr分類II度~III度,UPDRS総点28点,X年2月PD病の診断。X+1年4月ビ・シフロール投与。X+1年7月CC発症。X+1年10月ビ・シフロールを中止。X+1年12月姿勢改善せず当院外来リハ紹介。使用薬剤:①ネオドバストン配合剤100mg4錠,②コムタン錠100mg2錠,③エフピーOD錠2.5mg1錠,④エクセグラン錠100mg1錠,⑤マグミット錠330mg1錠。</p><p></p><p>評価:立位時の矢状面骨盤線29°,矢状面上部体幹線65°,矢状面胸骨線49°,矢状面頸部線47°(姿勢計測国際規格ISO16840-1を使用。座位姿勢計測ソフトウェアrysisを立位にて使用。)歩行スピード15.20秒/10m。20mで体幹支持できず両膝に手を置く。</p><p></p><p>X+1年12月より①TR車椅子(T20°,R110°)上で炭酸水足浴,左L1~L5傍脊柱筋,両肩甲骨内側縁に低周波治療(ネオテクトロンVP6<sup>Ⓡ</sup>)を20分間施行。②TR車椅子上でロングブレス・ピロピロ<sup>Ⓡ</sup>(10秒×10回×3セット)③免荷式リフトポポ<sup>Ⓡ</sup>によるロングブレス立位バランス練習。(一般的な関節可動域練習,筋ストレッチ,筋力増強練習,歩行練習は実施せず。)</p><p></p><p></p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>3か月後理学療法22回目:立位時の矢状面骨盤線360°,矢状面上部体幹線17°,矢状面胸骨線10°,矢状面頸部線22°。歩行スピード9.30秒/10m。体重42.6kg。UPDRS総点12点。歩行時に膝に手を置くことは無くなる。洗濯物が干せるようになる。</p><p></p><p></p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>CCの病因として,PDの進行の自然経過,体幹ジストニア,傍脊柱筋の変性,薬剤性などの要因が考えられるが,CCの原因を一つに絞り込むことは困難である。特にリハビリテーションについて効果が乏しいとされてきたが,提示した方法は持続的効果があり本症例もCC発症から1年以上経過するが週1回の理学療法で姿勢が維持されている。先行研究では体幹ジストニア,傍脊柱筋の変性に焦点を当ててきたが,腹部インナーの筋力低下が原因ではないかと推察する。体幹の安定化機構に関与する横隔膜は,腸腰筋と筋連結している為,脊柱の垂直安定化に関与している。シーティングと免荷式ロングブレス呼吸練習はCCだけでなく首下がり症候やPisa徴候に対しても効果がありパーキンソン病姿勢障害の新たな治療につながるものと考えられる。</p>
著者
荘司 隆一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.138-139, 2018-03-20 (Released:2019-03-01)
参考文献数
4
出版者
立教大学
雑誌
大衆文化
巻号頁・発行日
no.3, pp.76-84, 2010-04