著者
堀 友里恵 松本 謙一
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会北陸支部大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, 2010-10-16

小学校第3学年理科「風やゴムの働き」で、単元「電車でGo!〜3つのパワーをつかって〜」の実践を行った。手・風・ゴムの3つの力を並行して扱い、決められた駅にちょうど紙コップを止めるゲームである。ここでの子どもの姿から、子どもたらはゲームに勝つことだけを考える中、意識しないながらも自然とエネルギー的な見方を育てることができることが分かった。
著者
上田 八尋 仁木 陽子 吉田 光平 益満 宏行
出版者
Japanese Society of Equine Science
雑誌
日本中央競馬会競走馬総合研究所報告 (ISSN:03864634)
巻号頁・発行日
vol.1981, no.18, pp.28-41, 1981-12-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
10

馬の跛行診断を客観的に行うために, あるいは運動器疾患の原因を解明するためにフォースプレートを用い, 常歩あるいは速歩時に着地した肢に働く床反力を測定し検討した.フォースプレートはキスラー社製Z4852/C (60×90cm) を用いた. 測定項目は垂直分力 (Fz), 前後分力 (Fy), 左右分力 (Fx) と, さらに演算によって合力 (F), 力の作用点の軌跡 (ax, ay), 力の作用点における垂直軸周りのトルク (M'z) (ねじりの力), それに力線図 (リサージュ波形) が得られ波形として描かれる.常歩において, 垂直分力は前後肢ともに2峰性のパターンが得られた. そのピーク値は前肢において体重比56.2%と68.0%であり, 後肢においては48.6%と42.9%であった. さらに垂直分力波形には2つの小峰が認められた. 1つは最初のピークの前であり, 他の1つは第2のピークの後であった.前後分力は着地後, 前方分力としてピークを形成したあと0にもどり, 次いで後方分力としてのピークを形成した. そして, 前方分力と後方分力はほぼ等しい値であった. また, 前後分力の波形の中にも垂直分力の小峰に対応した小峰が認められた.左右分力は個体によって異ったパターンが見られ, 着地から離地までにいくつかの内外側へのピークを形成していた.速歩になると, 垂直分力は前後肢とも単峰性のパターンに変化し, そのピーク値は前肢において体重比105%, 後肢において92.8%となった. 前後分力は常歩時とほぼ同様のパターンを示したが, 前肢の前方分力と後肢の後方分力が常歩時より増加した. 左右分力は個体間の変動が大きく, 常歩と速歩による変化は見られなかった.力の作用点の軌跡 (ax, ay) は, 前後肢によってそれぞれほぼ一定したパターンを示し, そのパターンは関節の作用, 体重心の位置と関連があるように見られた. また, ねじりの力は個体差及び各個体の各肢ごとに相違があり, 肢勢, 歩様と関連性が強いと推察された. 力線図については, 着地時の衝撃波の影響が強く現われたが, 個々の馬の歩様を反映しているように思われた.測定結果から前肢は支持的な機能を, 後肢は推進力としての機能を持っていることが表わされている. また, 各波形は馬の歩様を忠実に示しており, 跛行診断などへの有用性が示唆された.
著者
上田中 徹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.342, 2016 (Released:2016-04-01)
参考文献数
3

硫黄やリン,ヨウ素は容易に超原子価状態を形成することが知られている.なかでも超原子価ヨウ素は幅広く研究されており,シアノ化やアルキニル化,アリール化などに用いる求電子的官能基化剤として用いられている.一方で,超原子価硫黄化合物を基盤とした求電子的官能基化剤はこれまでほとんど報告がなく,未開拓分野であった.このような背景下,Alcarazoらは,超原子価ヨウ素反応剤と同じT字構造を有する超原子価硫黄化合物ジハロイミダゾリウムスルフランに着目し(図1(I)),新規求電子的官能基化剤の開発に成功したので,以下に紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Zhdankin V. V., Stang P. J., Chem. Rev., 108, 5299-5358 (2008).2) Arduengo A. J., Burgess E. M., J. Am. Chem. Soc., 99, 2376-2378 (1977).3) Talavera G. et al., J. Am. Chem. Soc., 137, 8704-8707 (2015).
出版者
巻号頁・発行日
vol.204 出羽国久保田城図,
著者
堤 清浩 西坂 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.597, pp.43-48, 1996-03-19
参考文献数
9

新しい機能性材料として期待されるfullerene(C_<60>)は, 光子エネルギーの吸収により活性酸素種の一つである一重項酸素を発生する. この一重項酸素は, 癌の光化学治療で重要な役割を果たすことからC_<60>の新規増感剤としての利用を検討した. polyvinylpyrrolidone(PVP)による水熔化C_<60>は, 260nm, 340nmに吸収ピークを有しており, 水溶化包C_<60>の細胞殺傷能力の有無を培養HeLa細胞, およびNd:YAGレーザー(355nm)を用いて行った. その結果, 水溶化C_<60>)は, 光子エネルギーの吸収により増感剤として十分な殺傷能力をもつことが明らかとなった. 殺傷効果のメカニズムの解明に, 1, 3-diphenylisobenzofuran(DPBF)および一重項酸素の消去剤であるsodium azideを用いて検討した結果, その要因が一重項酸素であることが判明した.
著者
山末 英嗣 光斎 翔貴 柏倉 俊介
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-28, 2021

<p>グリーンイノベーションは地球温暖化をはじめとする環境問題を解決する手段の一つとして期待されている。しかし、グリーンイノベーションの背後に過剰な資源利用が誘発される場合がある。著者らはこれを「資源パラドックス問題」と定義した。資源パラドックス問題は、多くの人が気付いていないか、気付いていたとしても定量化された例は少ない。本稿では、国レベル、素材レベル、製品レベルで資源パラドックス問題が起きていると思われる定量的な実例を紹介する。そして、資源パラドックス問題が起きているようなグリーンイノベーションの対応策について、資源消費パターンの類型化とそれに応じた戦略が重要であることを議論する。また、今後、再生可能エネルギーの導入や製品の使用形態が与える影響についても考察する。</p>
著者
稲川 郁子 畑山 元政
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.272_1, 2019

<p> 柔道は、嘉納治五郎が殺傷の手段である柔術から危険な要素を取り除き、安全性の高い要素を抽出して教育的価値を付加し普及させたことは広く知られている。現在普及している競技としての柔道には、危険要素である当身技は含まれていない。嘉納は、柔道の持つ教育的側面を重視する一方で、武術としての柔道も重視していた。嘉納は、柔道の稽古法には乱取、形、講義、問答があるとしたが、このうち乱取と形について、乱取に偏重する傾向のある修行者に対し、どちらに偏ることなく稽古する必要性を繰り返し説いている。嘉納の主張は、現代においては「柔道修行者の教養としての形」を軽視することへの戒めの文脈で語られることが多いが、嘉納は、修行者が当身技を軽視することによる柔道の武術性の風化を恐れていた。急所を狙い殺傷能力の高い当身技を、嘉納は、柔道の創始から晩年に至るまで重視し続けた。本発表では、柔道の7種の形に定められた身体動作のうち、当身技による部分について考察する。</p>
著者
久津木 文 田浦 秀幸
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
トークス = Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : 神戸松蔭女子学院大学研究紀要言語科学研究所篇 (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.41-48, 2019-03-05

幼児期の二言語獲得は実行機能系やそれと関連する他者理解の能力を促進することが他研究で示されてきたが、早期からの外国語学習や日本語を含む二言語同時獲得の認知的な影響についての知見はほとんど存在しない。本研究では日本語を母語とし早期から英語を学習する幼児を対象に、早期からの外国語学習の認知的な影響を実行機能及び他者理解(心の理論)の観点から検証した。英語力と心の理論課題との関連が示され、英語の語彙を学ぶことが、他者理解を促進する可能性が示唆された。また、英語力が特に葛藤抑制と関連を示し、英語の語彙学習が葛藤抑制能力に影響している可能性が示唆された。また、心の理論と在園期間は関連を示したが葛藤抑制と在園期間は関連が示されなかったことから、葛藤抑制課題の反応時間や成績は言語によって促進された認知能力を反映するのに対し、心の理論課題の成績は社会的経験や社会的能力をより反映することが示唆された。以上のことから、普段から頻繁な使用や言語の切り替えがなくとも、幼少期の外国語学習は、認知に影響を与える可能性があることが示唆された。
著者
池田 健
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.4, no.32, pp.231-237, 1956-09-28 (Released:2009-05-25)
参考文献数
8
著者
伊吹 昌久 福井 健介 Mine Yoshinori
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.105-112, 2015
被引用文献数
1

本研究では,ヤシ油搾油残渣であるコプラミールから得られる,酵素処理コプラミール(MCM)とこれに含まれる主要なマンノース化合物であるβ-1,4-マンノビオース(MNB)の免疫機能への影響と成長促進作用,抗炎症作用を調べることにより,飼料用抗生物質の代替としての可能性について調べた。その結果,MNBを含有するMCMを鶏に給与すると,IgA分泌促進がみられ,抗原提示およびインターフェロン関連因子を含む免疫防御関連遺伝子の発現量の増加が認められ腸管免疫賦活化することが示唆された。また,鶏のマクロファージ細胞(MQ-NCSU)におけるサルモネラ菌殺傷能力も高めた。さらにMCMが鶏腸管の形態学的変化を引き起こすことによって栄養素の吸収能を高め,成長を促進することが示された。以上の結果からMCM/MNBは抗生物質代替の可能性が示された。また腸管炎症を起こさせた子豚に対してMCMを投与すると,腸管炎症の治癒が観察され,炎症性サイトカインの抑制がみられた。これらのことからは,MCM/MNBは抗炎症作用もあることが示唆され畜産業界に広く利用される可能性が考えられた。
著者
京極 興一
出版者
上田女子短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:09114238)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.A21-A29, 1994-03-31
著者
崔 星 大西 和彦 藤森 亮 平川 博一 山田 滋 古澤 佳也 岡安 隆一
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.177, 2010

食生活の欧米化に伴い、日本を含むアジア諸国では大腸癌が急増している。本研究は、大腸癌細胞株HCT116、 SW480を用い、放射線抵抗性や薬剤耐性と強く関与するとされる癌幹細胞を分離・同定し、これら癌幹細胞に対して、炭素線或いはX 線照射前後のコロニー形成能、spheroid形成能、DNA損傷の違いを調べ、またSCIDマウスに移植し、腫瘍形成能、移植腫瘍に対する増殖抑制や治癒率の違いについて比較検討した。HCT116、 SW480細胞においてCD133+、CD44+/ESA+細胞はCD133-、CD44-/ESA-細胞に比べ有意にコロニー形成数が多くやDNA損傷マーカーgammaH2AX fociは少ないが、 spheroid形成はCD133+、CD44+/ESA+細胞のみに認められた。CD133+、CD44+/ESA+細胞は、X 線或いは炭素線照射に対しともに抵抗性を示すが、炭素線はより強い細胞殺傷能力が認められた。またCD133+、CD44+/ESA+細胞はCD133-、CD44-/ESA-細胞に比べ有意な腫瘍形成能を示し、炭素線はX線照射に比べより強い腫瘍増殖抑制や高い治癒率が認められた。以上より、大腸癌細胞において、CD133+、CD44+、ESA+細胞は明らかに自己複製や放射線抵抗性を示しており、炭素線はX線照射に比べより強く癌幹細胞を殺傷することが示唆された。

1 0 0 0 OA 緒言

著者
臼井 二尚
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.201-205, 1963-03-31 (Released:2017-12-28)