著者
大橋 良枝
出版者
聖学院大学
雑誌
聖学院大学論叢 = The journal of Seigakuin University (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.1-17, 2019

知的障害特別支援学校に指導の難しい児童生徒が急増し,教師の指導上の混乱や精神健康上の問題が顕著となったのを受け,大橋(2017)は知的障害特別支援学校教師と,投影性同一化力動を頻用するため指導が困難である児童生徒との間に起きる問題力動を説明するモデル(EMADIS)を示した。しかし,このモデルは児童生徒の要因を中心に描いたものであり,また,教師の「頼らない/頼れない」文化からすると運用しにくい側面があった。そこで本研究では事例資料のKJ法による分析を通して,このような児童生徒との間で発達促進的な関係を持てるようになるための教師側の要因を抽出し,モデルを修正することを目的として検討が進められた。その結果,モデルに対応する【病理的対象関係の反復】【発達促進的関係】とその間をつなぐ【展開位相】のユニットが得られ,それらは考察から,コア概念「主体性の回復プロセス」と対応して【主体性の喪失】【主体性の回復】および【展開位相】とユニット名の修正がなされた。これはうつなどに陥り精神健康上の問題を来した状態から,指導の難しい児童生徒への教育において効力感を感じる状態までを一連のプロセスとして描いており,教師のメンタルヘルス問題への一助となる結果となった。

1 0 0 0 OA 物産寶庫

著者
田中芳男 編纂
出版者
小森頼信
巻号頁・発行日
vol.巻3, 1874
出版者
お茶の水地理学会
雑誌
お茶の水地理 (ISSN:02888726)
巻号頁・発行日
no.40, pp.92-93, 1999-05-20

※PDFファイル内の文字はコピーできません
著者
西田 英明 秋重 祐章 吉村 浩 平塚 辰二 阿部 茂夫
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-10, 1982-08

A preliminary survey on the distribution of temperature, bottom topography and ichthyofauna on the New Year Bank in the Solomon Sea, about 45 nautical miles to the south of Guadalcanal, was carried out by the training ship "Kakuyo-maru" of the Faculty of Fisheries, Nagasaki University, on November 5th to 8th, 1978. The following results were obtained. 1) Along the east and south margins of the bank, a thermoline was observed between the layers 200m and 300m below the surface. 2) The bottom topography on the bank was very rugged, especially in the central part where the difference in altitude of ups and downs was as big as 23m. 3) A number of echos of fish schools were recorded on the bank. They were especially dense and numerous just above the tops of ups in the southern half of the bank. 4) A total of 30 fish species belonging to 14 families were caught by hand-line fishing. Groupers, pigfaces, and snappers were commercially important fishes among them.
著者
福島 秀晃 三浦 雄一郎 森原 徹(MD) 鈴木 俊明
出版者
社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
雑誌
近畿理学療法学術大会 第51回近畿理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.88, 2011 (Released:2011-10-12)

【はじめに】前鋸筋は上位8~10肋骨から起始し、肩甲骨に付着する筋で上部、中部、下部線維に区分される。肩甲上腕リズムの観点からも肩甲骨運動に重要な筋であり、肩甲骨と胸郭との安定性にも関与している。上肢挙上時の肩甲骨運動と前鋸筋の機能に関する研究は多数あるが、前鋸筋の下部線維を対象としたものが多く、前鋸筋中部線維(以下、中部線維)に関する報告は少ない。本研究目的は肩関節屈曲、外転運動での中部線維の機能を筋電図学的に検証することである。 【対象と方法】 対象は事前に研究の趣旨を説明し、同意を得ることができた健常男性8名(平均年齢28.8±5.4歳、平均身長177.6±6.8_cm_、平均体重72.3±9.7_kg_)の右上肢とした。筋電計はmyosysytem1200(Noraxon社製)を用いた。中部線維の電極貼付位置はRichardら(2004)の方法に準じ広背筋と大胸筋の間で第3肋骨レベルに貼付した。運動課題は端坐位での上肢下垂位から肩関節屈曲と外転方向に30°毎挙上し120°まで各角度5秒間保持し、これを3回施行した。分析方法は3回の平均値を個人データとし上肢下垂位の筋電図積分値を基準に運動方向ごとに各角度での筋電図積分値相対値(以下、相対値)を算出した。次に_丸1_各運動方向における角度間での分散分析(tukeyの多重比較)、_丸2_角度ごとでの屈曲と外転間での対応のあるt検定にて比較した。 【結果】 中部線維の相対値は屈曲、外転方向ともに角度増加に伴い漸増傾向を示した。_丸1_屈曲では30°と比較して90°および120°において有意に増加した(p<0.01)。外転では30°と比較して120°において有意に増加した(p<0.05)。_丸2_各角度において屈曲と外転間での相対値には有意差は認められなかった。 【考察】 中部線維は第2,3肋骨から起始し、肩甲骨内側縁に付着し肩甲骨の外転作用を有する。肩関節屈曲、外転運動における肩甲骨運動について我々は座標移動分析法(2008)を用いて検討したところ肩甲棘内側端は屈曲では120°まで外側方向に外転では90°まで内側方向へ90°以降外側方向へ移動することを報告した。このことから肩関節屈曲における中部線維の機能は肩甲骨の外転運動に関与したと考えられる。一方、肩関節外転では肩甲棘内側端は内側方向へ移動することから中部線維の肩甲骨外転作用に対して肩甲骨運動は拮抗している状態である。しかし、中部線維の相対値は肩関節屈曲と有意差を認めなかったことから肩関節外転における中部線維の筋活動は肩甲骨運動に関与するのではなく、肩甲骨と胸郭との安定性に関与したと考えられた。また、肩関節外転120°で有意に相対値が増加したことは肩甲棘内側端が内側から外側方向へ移動が転換される角度であり、中部線維は肩甲胸郭関節の安定から肩甲骨運動に機能転換されることが示唆された。
著者
山本 剛史 松成 宏之 奥 宏海 村下 幸司 吉永 葉月 古板 博文
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.367-375, 2019

<p>ヒスチジン(His)含量の低いイワシ魚粉と His 含量の高いアジ魚粉を50%配合した飼料(FM1,FM2),FM2 の含量に合わせて FM1 に His を添加した飼料(FM1H),イワシ魚粉の配合を15%に削減して大豆タンパク質とコーングルテンに置き換えた低魚粉飼料(LFM)および FM1 と FM2 の含量に合わせて LFM に His を添加した飼料(LFMH1,LFMH2)を平均体重4.7 g のブリに45日間給餌した。最も成長の良かった FM2 区に比べ,FM1 区では若干劣り,低魚粉飼料の3 区の成長はいずれも FM1 より劣った。一方,His を FM2 のレベルに添加した FM1 と LFMH2 を与えたブリでは摂餌が増加し,成長が改善する傾向がみられた。肝臓の遊離アミノ酸組成には飼料の影響はほとんどなかったものの,普通筋では飼料中の含量を反映して His が蓄積する一方で,タウリンやほかのアミノ酸が減少した。以上の結果から,ブリ稚魚において飼料への His の添加効果は限定的であり,特に低魚粉飼料の栄養価を根本的に改善するものではないことが示された。</p>
著者
杉原 丈夫
出版者
日本西洋古典学会
雑誌
西洋古典学研究 (ISSN:04479114)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.109-117, 1966

アリストテレスの様相三段論法を記号論理学的に研究することはベッカー〔1〕に始まり,ロス〔8〕,ボヘンスキー〔2〕,ルカシエヴィツ〔5〕,マッコール〔6〕,リシャー〔7〕,杉原〔9〕などによって次第に精緻な考察が加えられるようになった.このうち最初の3人はアリストテレスをできるだけ忠実に記号化し,彼の難点はそのまま難点として指摘する態度をとっている.杉原もほぼこの立揚にある.これに反してルカシエヴィツは彼独自の様相論理学に基づいてアリストテレスをはげしく攻撃している.しかるにマッコールとリシャーはアリストテレスに対して弁明的である.本稿は,一方においてルカシエヴィツの行き過ぎに反批判を与え,他方マッコールとリシャーの弁明の不備を検討し,アリストテレス解釈の中正な立揚を述べたいと思う.
著者
一小路 武安
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.33-39, 2016 (Released:2019-10-01)

本稿の目的は、成功するゲーム開発につながる組織や環境を検討することである。本稿では組織、 環境、二つの視点から先行研究を整理し、5 つの予備仮説を導出したうえで、インタビュー調査から予 備仮説を改良し、仮説を提示した。具体的には、ゲーム開発が成功につながる要素として、人材教育(仮 説 1 )、人材獲得(仮説 2 )、トップマネジメント(仮説 3 )、ハード間競争(仮説 4 )、新ハード登場時 マネジメント(仮説 5 )に関する提案を行っている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.701, pp.47-50, 2008-04-01

4月1日付でマイクロソフトの新社長に就任する樋口泰行氏は、2月28日の記者会見の席上で「再度、XPの販売期間を延長することはない」と言い切った(49ページの別掲記事を参照)。だからといって、慌てふためく愚は避けたい。まずは、XPやVistaをはじめとするクライアント製品の動向を正確に把握することが重要である。 XPパソコンの販売終了=XPの寿命では決してない。
著者
藤代素人 著
出版者
文献書院
巻号頁・発行日
1922
著者
大舘 淳 岩原 光男 鈴木 芳 長松 昭男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.72, no.718, pp.1751-1758, 2006-06-25 (Released:2011-03-04)
参考文献数
12

Recently, solving vibration problems in the prediction step is strongly required to shorten the development time. The purpose of this research is to clarify and improve vibration characteristics of products such as sporting goods by experiment and calculation. A familiar tennis racket was chosen and its vibration characteristics were investigated by actual impact test and experimental modal analysis. It was clarified that the largest vibration was generated at the first mode. Structural optimization of the simplified plate could diminish the peak by shifting the node of the mode to the excitation response point. Design variables were the masses given to the circumference or the thickness of elements.
著者
浅井 亜紀子 Akiko ASAI
雑誌
桜美林論考. 言語文化研究 = The journal of J. F. Oberlin University. Studies in language and culture (ISSN:21850674)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.67-82, 2011-03-01

Social identity is defined as one's knowledge of identification with a social group, and its theory has been developed based on experimental research in group-to-group relationships. This qualitative study examines how social identity theory is applicable to college students' feelings of identification with their college. In this study, factors influencing undergraduate students'feelings of identification with their college are investigated, including the roles of college jargon in their identification with their college.Two investigations were conducted. In the first investigation, a total of 24 first grade students were asked the following: (1)to report their transitional experiences from their high school to college in one year;(2)to complete a three day journal twice a year;(3)to join group discussions on two occasions;(4)to write a report about their one year transitional experiences upon entering college. In another investigation, a total of 159 undergraduates were asked to write a report of their feelings of identification with their college, and they were examined on their knowledge of jargons used on campus.The results found three factors influencing their sense of identification with their college:(1)human relationships in college, (2)knowledge and skills of goal-achievement in college, and (3)comparison of their college with other colleges. Jargon also plays an important role in promoting relationships with other members, utilizing university knowledge effectively, and giving authentic feelings of memberships of their college in informal ways. Theoretical implications of social identity are also discussed.