著者
清矢 良崇
出版者
東洋館出版社
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
no.54, pp.p5-23, 1994-06

This article is a detailed discussion about how to make use of H. Sacks' viewpoint of Discourse Analysis in the study of the process of socialization in Japan. The discussion of the paper has three purposes. First, it calls attention to the uniqueness of Sacks' viewpoint of Discourse Analysis in the study of socialization. Secondly, it makes clear the cultural bias found in his actual descriptions of conversational data. Thirdly, it makes a suggestion about an alternative approach to the study of the process of socialization in Japan. The first part of the paper contains a detailed discussion and evaluation of Sacks' lecture called "The Inference-Making Machine: Notes on Observability". The second part of the paper briefly discusses the limitation of his analysis, in relation to the fact that he makes use of Job's story in the Old Testament to describe his conversational data. And the last part of the paper seeks to show how to make use of the stories of Gods in "Kojiki" in order to describe the process of Japanese socialization, and makes an attempt to analyze some conversational data of Japanese adult-child interaction, using the idea of social order found in the story of "Susanoo's crying" as an example of the alternative approach suggested in the paper.
著者
田尻 尚士
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.596-604, 1982-10-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1 3

太もやし栽培の改良を目的として,ダイズ,リョクトウ,アズキを用いてエチレンガスの間欠的,短時間処理を行い,その効果を検討した。エチレン濃度は,10, 50, 100ppmに設定,発芽床投入後12時間より始めて栽培7日間,毎日60分間通気中に混入して処理を行なった。エチレン処理は,豆類もやしの生長,品質に大きな影響を与えた。100pmm区では各豆類もやしとも,はい軸部の伸長は抑制され,硬化して繊維質化する傾向があり,側根の発生,および,伸長が著しく,色調も黄色化が明白でかなり品質は劣化した。はい軸部の肥大は著しく増大し,ダイズもやしでは市場取引標準からみて過度となった。重量増加とビタミンC含有量の増加は最も促進された。一方,50ppm区では,はい軸部の伸長,肥大は適度に促進され,重量増加率も高く,ビタミンC含有量も相当増加し,黄色化や硬化は実際上問題とならない程度であった。側根の発生や伸長が促進されたが許容量範囲内であったが,10ppm区でもほぼ同様の効果がみられたが,その程度は50pmm区より劣った。収穫は,はい軸部の生長が市場取引標準に合致し,ビタミンC含有量がピークに近づく頃で,黄色化,硬化,側根生長が顕著になる前が最適であり,総合的には,ダイズ,リョクトウもやしではエチレン処理50ppm栽培で3~4日,アズキもやしは4~5日となり,通常栽培法より各豆類もやしとも2~3日栽培日数は短縮された。以上の結果から,豆類もやしの栽培にあたり,50ppmエチレンガスを間欠的に短時間処理すれば,物性度がすぐれ,ビタミンC含有量の豊富な太もやしの生産が可能であり,同時に栽培日数も短縮され,経済的に有利な方法になると思われる。
著者
Ju YE Masahiro TANAKA Tetsuzo TANINO
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.E79-D, no.5, pp.600-607, 1996-05-25

The problem of genetic algorithm's efficiency has been attracting the attention of genetic algorithm community. Over the last decade, considerable researches have focused on improving genetic algorithm's performance. However, they are generally under the framework of natural evolutionary mechanism and the major genetic operators, crossover and mutation, are activated by the prior probabilities. An operator based on a prior probability possesses randomness, that is, the unexpected individuals are frequently operated, but the expected individuals are sometimes not operated. Moreover, as the evaluation function is the link between the genetic algorithm and the problem to be solved, the evaluation function provides the heuristic information for evolutionary search. Therefore, how to use this kind of heuristic information (present and past) is influential in the efficiency of evolutionary search. This paper, as an attempt, presents a eugenics-based genetic algorithm (EGA) -- a genetic algorithm that reflects the human's decision will (eugenics), and fully utilizes the heuristic information provided by the evaluation function for the decisions. In other words, EGA = evolutionary mechanisms + human's decision will + heuristic information. In EGA, the ideas of the positive eugenics and the negative eugenics are applied as the principle of selections and the selections are not activated by the prior probabilities but by the evaluation values of individuals. A method of genealogical chain-based selection for mutation is proposed, which avoids the blindness of stochastic mutation and the disruptive problem of mutation. A control strategy of reasonable competitions is proposed, which brings the effects of crossover and mutation into full play. Three examples, the minimum problem of a standard optimizing function--De Jong's test function F2, a typical combinatorial optimization problem--the traveling salesman problem, and a problem of identifying nonlinear system, are given to show the good performance of EGA.
著者
梶山 岳士 菊地 幸大 小倉 渓 宮下 英一 鉄地川原 護 渡瀬 宏 長井 洋介 高島 英男
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.J41-J46, 2018-01-01 (Released:2017-12-21)
参考文献数
14

フルスペック8K SHVの高データレートな信号を圧縮記録する装置を開発した.8K SHVの映像パラメータの最上位を満たすフルスペック8K SHVは,8K解像度,120Hz,12bit階調,広色域,ハイダイナミックレンジを兼ね備えた超高臨場感映像であり,非圧縮映像のデータレートは144 Gbpsに達する.本装置は,画像圧縮に8K解像度,12 bit階調のデータ処理が可能な拡張JPEG方式を採用し,新たに開発した少ない計算量で高精度に符号量を予測制御する技術の適用により,番組制作車両で使用可能な装置サイズを実現した.圧縮したデータを記録する媒体は,並列化したSSDの転送速度を保証する仕組みの導入により小型化を実現した.入出力I/Fはケーブル1本でフルスペック8K SHVを伝送可能なU-SDI規格に対応している.試作装置は4Uラックサイズに収めることに成功し,フルスペック8K SHVカメラ映像の収録実験において良好な記録再生動作を確認した.

1 0 0 0 横浜市史

出版者
横浜市
巻号頁・発行日
vol.資料編 第4, 1967

1 0 0 0 神奈川県史

著者
神奈川県県民部県史編集室 編
出版者
神奈川県
巻号頁・発行日
vol.資料編 10 (近世 7 海防・開国) 本編, 1978
著者
安田 初雄
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.99-114, 1986-05-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
24

(1) 邑鑑によると, 信夫郡大森村の大森城およびその侍屋敷は高を請けたが, 信夫郡福島村の福島城とその侍屋敷は高を請けなかった。これらの事実は大森城が廃城であり, 他方福島城とその侍屋敷は除地 (免税地) として扱われたことを示す。(2) 長井郡の米沢城とその侍屋敷は, 伊達政宗が1591 (天正19) 年9月23日, 米沢を去ってから, 蒲生四郎兵衛が1591年10月中旬米沢に到着するまでの間の検地で高を請けた。(3) 長井郡における太閤検地は1591年9月に実施されたことはすでに立証されている。邑鑑における村高は文禄3年に実施された検地の結果ではなく, また1597 (慶長2) 年以降の検地による高でもない。それは正しく1591年の検地で得られた結果である。(4) 1592年5月から6月に, 家数人数等改 (家数人数調査) が伊達政宗領内で実施された。それは唐入 (支那征伐) のために豊臣秀吉の指令によって実施された。それゆえ, 蒲生氏所領でもこの調査が実施されるのは, 当然である。(5) 検断, 肝煎および小走を含む邑鑑の大森における家数は, 1591年秋, 大森城が廃城となって間もない時の調査であることを示す。なんとなれば, 町の所在を示す検断の存在と, 他の村に比し大森村の村役人の数が多いこととが, 城下町が廃止された直後の状態を示す名残りと見なされるからである。
著者
名越 澄子 中澤 晶子
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1, pp.1-7, 2010 (Released:2010-01-07)
参考文献数
9

女性医師が医師として社会的使命を遂行するには,チーム主治医制導入を中心とする新たな勤務体制の推進や育児支援,再就職支援などの社会的な支援策が必要となる.昨今,行政および各医学会や医師会を中心にさまざまな取り組みが進められているが,その実現にはすべての医師における過酷な労働環境の改善が前提となろう.一方,女性医師もその使命を自覚し,出産·育児の体験をも生かして,社会貢献できる医師へと自らを向上させる努力を怠ってはならない.さらに,指導的立場にある医師は,若い世代においてワーク·ライフ·バランスが重視されつつあることを認識し,女性医師を正当に評価して夢を与え,その成長を支援することが現代では必須要件となる.
著者
Mizuki KURAMOCHI Takeshi IZAWA Mutsuki MORI Shunsuke SHIMAMURA Terumasa SHIMADA Mitsuru KUWAMURA Jyoji YAMATE
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.19-0453, (Released:2019-12-18)

Leiomyoma is the most common mesenchymal tumor in the gastrointestinal (GI) tract. Leiomyomas usually have a single or multinodular mass of various sizes, and affected animals can develop alimentary symptoms depending on the location and size. A 3-year old female miniature dachshund died after a history of refractory rectal prolapse, esophagectasis and aspiration pneumonia. At necropsy, the GI wall at the gastroesophageal and anorectal junctions was circumferentially thickened. Histologically, both GI lesions were composed of bundles of well-differentiated smooth muscles without mass formation or invasive growth. The neoplastic cells had little cellular atypia and low proliferative activity, and were positive for α-smooth muscle actin. The lesions were diagnosed as diffuse leiomyomatosis with circumferential thickening of the GI wall and has not been described in the veterinary literature.
著者
高木 智世 森田 笑
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.93-110, 2015-09-30 (Released:2017-05-03)

日本語会話でしばしば用いられる「ええと」は,従来,「フィラー」や「言いよどみ」などと呼ばれてきた.本稿では,質問に対する反応の開始部分に現れる「ええと」が,相互行為を組織する上でどのような働きを担っているかを明らかにする.具体的にどのような環境において,質問に対する反応が「ええと」で開始されるかを精査することにより,上述の位置における「ええと」が,単なる「時間稼ぎ」や発話産出過程の認知的プロセスの反映ではなく,質問に対する反応を産出する上での「応答者」としてのスタンスを標示していることを明らかにする.日本語話者は,質問を向けられたとき,まずは「ええと」を産出することにより,「今自分に宛てられたその質問に応答するには,ある難しさを伴うが,それでも,応答の産出に最大限に努める」という主張を受け手(質問者)に示すことができる.すなわち,「ええと」を反応のターンの開始部分で用いることは,相互行為の進展が阻まれているように見える事態において,「今ここ」の状況についての間主観性を確立し,相互行為の前進を約束するために利用可能な手続きなのである.
著者
京野 千穂 内田 由紀子 吉成 祐子
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.56-67, 2015-03-31 (Released:2017-04-26)

援助場面を叙述する際に使用されるテモラウとテクレルの違いを明らかにするために,日本語母語話者に対し2種類の調査を行った.調査1では援助を受けた場面について,その状況と援助時における与え手との会話を思い出し,記述してもらった.その結果,会話内で与え手からの申し出があった場合,テクレルで状況を記述する傾向が見られた.一方,会話での受け手からの依頼は,テモラウによる記述には結びつかなかった.調査2では,テクレルあるいはテモラウで記述された状況文を呈示し,援助の与え手と受け手の会話を想像して記述してもらった.会話内の依頼表現と申し出表現を数えたところ,テクレルを含む状況文に対しては,与え手からの申し出表現が約8割,そして依頼表現が2割となった.一方,テモラウを含む状況文に対しては会話内の依頼表現と申し出表現がそれぞれ5割と同程度出現することが明らかになった.これらの結果から,テクレルと与え手からの申し出のほうが,テモラウと受け手の依頼との結びつきより強く,また,テモラウは与え手の申し出とも結びつくものであることを示した.上記結果は,テモラウ・テクレル文の構造と関連し,また,後続する感情表現とも関連することを論じる.
著者
山本 真理
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.139-159, 2013-09-30 (Released:2017-05-02)

本研究では,物語の語りにおいて参与者が行う,物語の登場人物の声として聞かれる発話を「セリフ発話」と呼ぶ。本稿では,そのうち物語の内容を知らないはずの「受け手」が「セリフ発話」で参入する現象に焦点を当て,これらが物語を語る活動においてどのような機能を果たしているのかを相互行為分析の枠組みを用いて分析する.分析を通して,セリフ発話による受け手の参入が,極めて的確に語り手の物語を理解していることを示す一つの方法になっていることがわかった.その時,受け手は語り手の発話や身体的動作に敏感に反応することにより,適切な参入を実現し,語り手の描写の焦点を再構成していた,それは物語の構築における受け手の積極的な貢献であり,物語の構築が相互行為的に達成されていることを示す一つの証拠となる.更に,セリフ発話から開始される連鎖についても分析を行う。
著者
大久保 加奈子
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.127-138, 2013-09-30 (Released:2017-05-02)
被引用文献数
2

日本語の引用表現では,「と」や「って」などの引用マーカーを用いた形式が典型とされることが多いが,本稿では,引用部分の直後に引用マーカーや伝達動詞が付かず,いったん切れた後で次のことばが続く「ゼロ型引用表現」について,政治家による演説をデータとして用い,どのような談話の流れの中で,どのような目的で用いられるのかに注目して分析する.ゼロ型引用表現は,他者の発言内容を客観的に報告することを求められるような状況において使用すると相手に違和感を与えてしまう表現であるが,他者のことばを題目として取りたててそのことばに対する評価を述べ,他者のことばに対する評価を聞き手と共有しようとする際や,他者のことばを臨場感豊かに生き生きと描き,聞き手を物語の世界に引きこむような際に用いられていた.
著者
内山 圭太 寺田 茂 宮田 伸吾 三秋 泰一
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.148, 2012 (Released:2013-01-10)

【はじめに】 近赤外線分光法は運動中の骨格筋の酸素動態を非侵襲的、連続的に評価することが可能であり、これまでに様々な負荷運動中の骨格筋酸素動態が報告されている。ramp負荷運動中の骨格筋酸素動態についても多く報告されており、負荷量の増大に伴い、酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb)が直線的あるいはS字状に低下することが報告されている。しかし、我々はこれまでにramp負荷運動中にoxy-Hbが増加する被験者を確認している。今回、oxy-Hb増加群の身体的特徴を明らかにするため、oxy-Hb低下群との間で身体機能、呼吸循環機能を比較、検証したので報告する。【方法】 呼吸循環器疾患のない健常男性24名を対象とし、全員に自転車エルゴメーターによる20W/minのramp負荷運動を実施した。非利き足の外側広筋を被検筋とし、無侵襲酸素モニターOM-220(島津製作所)を用いて運動中のoxy-Hb変化量(Δoxy-Hb)を測定した。その変化パターンから、運動開始後より増加する群(増加群;n=12)と低下する群(低下群;n=12)に大別した。また、運動前に大腿動脈阻血法にて較正を行い、阻血中と運動中の還元ヘモグロビン変化量の比から脱酸素化レベルを算出し、運動中の骨格筋の酸素消費能とした。呼吸循環機能の評価としてbreath-by-breath法にて呼気ガス分析を行い、酸素摂取量を測定した。運動終了直前30秒間の平均を最高酸素摂取量(peak V(ドット)O2)とした。運動中は1分間毎の血圧測定とモニター心電図による心拍数のモニタリングを行った。それぞれの指標を対応のないt検定を用いて2群間で比較した。有意水準はいずれも5%未満とした。尚、実験前に被験者全員から書面での同意を得ており、また金沢大学医学倫理委員会の承認を得た上で実験を行った。【結果】 2群間で年齢(増加群vs. 低下群;21.7±1.1 vs. 23.9±2.3歳)、peak V(ドット)O2(34.3±6.1 vs. 39.8±5.0ml/min/㎏)、最高負荷量(3.0±0.5 vs. 3.5±0.4 W/㎏)、最高心拍数(169.5±13.8 vs. 181.8±12.1 beats/min)で有意差が認められた。また、有意ではないが低下群では脱酸素化レベルが高値を示した(36.6±22.2 vs. 55.7±23.1%、p=0.051)。【考察及びまとめ】 ramp負荷運動中にΔoxy-Hbが増加することは、筋において酸素供給量が酸素消費量を上回っていることを示している。本実験の結果、増加群では運動時の最高心拍数が有意に低く、また有意ではないが筋の酸素消費能が低い傾向にあった。心拍数が低値を示していることは運動終了時の血液供給量が低下群よりも少ないことが考えられるため、増加群で認められたΔoxy-Hbの増加は骨格筋の酸素消費能が低いことが原因で生じている可能性がある。
著者
佐伯 英人 木村 ひろみ
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.231-238, 2018-03-19 (Released:2018-04-06)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本研究の目的は, 市販の洗濯用合成洗剤を使って教材研究を行い, また, 授業実践を通して, 水の温まり方を調べる実験の有効性を議論することであった。研究の結果, 明らかになったことは次の①~④の4点である。①多くの児童が実験をして(観察をして), 水の温まり方の正しい概念を身に付けることができた。②多くの児童が授業を受けて「よく分かった」という意識をもつことができた。その要因の1つとして実験があった。③多くの児童が実験をして(観察をして)「よく分かった」という意識をもつことができた。④教員の授業に対する意識は「良好」であった。その要因の1つとして実験があった。
著者
MINORU KUNII SUSUMU S. SAWADA NAOFUMI YAMAMOTO YUKO GANDO HISASHI NAITO
出版者
The Juntendo Medical Society
雑誌
順天堂醫事雑誌 (ISSN:21879737)
巻号頁・発行日
pp.JMJ19-OA04, (Released:2019-12-13)
参考文献数
20

Objective: The purpose of this study was to evaluate the relationship of freestyle swimming performance between adolescence and adult Japanese top-class swimmers.Methods: The 234 males and 134 females ranked in the top 100 records of 50, 100, 200 and 400 m freestyle short-course performances of over 22 years old during 2016 to 2018 (latest TIME), and their season best performances during 2006 to 2017 were analyzed. All data were collected from the public database “Swimrecord.com” by Japan Swimming Federation. Performance maturity status was determined by the ratio of each age record to the latest TIME and the relationship between the latest TIME and each age record was evaluated. Also, the subjects were divided into the upper or lower group with reference to the latest TIME and the developmental changes of performance were compared between the groups.Results: The performance maturity status was higher in females than males at each age. The correlation between the latest TIME and each age record became gradually stronger from males aged 17 years and females aged 14 years, but there was no clear correlation in the previous records. There was no difference in developmental changes in performance between the upper and lower groups in both males and females.Conclusions: The longitudinal analysis of the swimming performance in the growth period reveals that the Japanese top-class swimmers show high performance before 12 years old and that the time to approximate peak performance appeared earlier in females than in males and the relationship is different depending on swimming distance.
著者
椿 淳裕 森下 慎一郎 竹原 奈那 德永 由太 菅原 和広 佐藤 大輔 田巻 弘之 山﨑 雄大 大西 秀明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0413, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】有酸素運動の急性効果に関して,運動後に認知課題の成績が向上することが報告されている。我々は,有酸素運動後も運動関連領野の酸素化ヘモグロビン濃度(O2Hb)が高値であることを報告している。認知に関与する前頭前野においても有酸素運動後にO2Hbが高値を維持すると仮説を立て,これを検証することを目的に本研究を行った。【方法】健常成人9名(女性5名)を対象とし,自転車エルゴメータによる中強度での下肢ペダリング運動を課題とした。安静3分の後,最高酸素摂取量の50%の負荷で5分間の定常負荷運動を実施し,運動後には15分間の安静を設けた。この間,粗大運動時のモニタリングに最適とされる近赤外線分光法(NIRS)により,脳酸素モニタ(OMM-3000,島津製作所)を使用しO2Hbを計測した。国際10-20法によるCzを基準として30mm間隔で送光プローブと受光プローブを配置し,全24チャネルで測定した。関心領域は,左前頭前野(L-PFC),右前頭前野(R-PFC),左運動前野(L-PMA),右運動前野(R-PMA),補足運動野(SMA),一次運動野下肢領域(M1)とした。同時に,NIRSでの測定に影響するとされる頭皮血流量(SBF)と平均血圧(MAP)を計測した。また,酸素摂取量体重比(VO2/W),呼吸商(RQ),呼気終末二酸化炭素濃度(ETCO2)をブレスバイブレス法で測定した。領域ごとのO2Hb,SBF,MAPは,安静時平均値に対する変化量を算出した。中強度運動5分目の1分間の平均値と,運動後安静11~15分の5分間の平均値を求め,対応のあるt検定により比較した。【結果】O2Hbは5分間の中強度運動中に徐々に上昇し,運動終了直後に一時的に減少したものの,2~4分で再度上昇し,運動後15分目まで安静レベルに戻らなかった。一方SBFおよびMAP,VO2/W,RQ,ETCO2は,運動終了直後より速やかに安静レベルまで低下した。領域ごとに運動中と運動後安静中のO2Hbを比較した結果,L-PFCでは運動中0.025±0.007 mM・cm,運動後安静中0.034±0.008 mM・cm(p=0.212),R-PFCでは運動中0.024±0.008 mM・cm,運動後安静中0.028±0.009 mM・cm(p=0.616)であり,運動後11~15分であっても運動中と差がなかった。また,L-PMA,R-PMA,SMA,M1においても,中強度運動5分目と運動後安静11~15分との間に有意な差を認めなかった(p=0.069~0.976)。SBF,MAP,VO2/W,RQ,ETCO2は,中強度運動5分目に比べ運動後安静11~15分では有意に低値であった(p<0.01)。【結論】5分間の有酸素運動によって,運動中に上昇したO2Hbは,運動後安静中も15分間は運動中と同程度であることが明らかとなった。またこのO2Hbの変動は,SBFやMAPなど他の生理学的パラメータの変動とは異なることが示された。
著者
渡邉 祐子 末藤 大明 小島 和行 辻 千代子 服部 睦行 江藤 英博 鈴木 弦 淡河 恵津世 早渕 尚文
出版者
一般社団法人 日本放射線腫瘍学会
雑誌
The Journal of JASTRO (ISSN:10409564)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.83-86, 2009-06-25 (Released:2009-09-12)
参考文献数
7

前立腺癌に対するI-125密封小線源治療を施行後,右室内に線源が迷入した症例を経験した.本症例は胸部写真,単純CTで冠動脈への迷入が否定できず,64列MDCTを用いた冠動脈CTを撮影することにより,部位診断に至った.今後,密封小線源療法を受ける患者が飛躍的に増加すると思われ,さまざまな部位への線源迷入が予想される.線源迷入の位置確認に際して,単純写真で左下肺野レベルに迷入線源を認め,単純CTで冠動脈への迷入が疑われるようであれば,心電図同期下で64列以上のMDCTを用い,冠動脈を評価することが重要と考えられる.