著者
長岡 絵里佳 西尾 肇
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = Memoirs of Tottori College of Nursing and Tottori College (ISSN:21898332)
巻号頁・発行日
no.78, pp.43-52, 2019

鳥取短期大学司書課程の充実・発展をめざし,司書課程の現状を整理し,受講生の意識調査を行った.1年生に対する本や読書についての意識調査によって,本好きな学生たちの読書傾向が把握でき,全受講生対象の意識調査では,資格を取得する理由や図書館,司書のイメージが明らかになった.
著者
木村 和彦 大鋸 順
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

Jリーグチームの誘致が、ホームタウンの住民の運動生活や個人生活および地域に与えた影響を明らかにするために、茨城県鹿嶋市の住民と対象として質問紙による調査を実施し、平成6年度調査と比較検討した。また同様の調査(一部修正)を、Jリーグチームを誘致している千葉県柏市、市原市、埼玉県浦和市および静岡県清水市の住民を対象として実施し、比較検討した。それぞれの調査の概要および結果の概要は以下の通り。1. 鹿嶋市調査(1) 調査内容a.サッカー活動への影響 b.運動生活全般への影響 c.スポーツ観戦への影響 d.支援ボランティア活動への影響 e.個人生活や地域生活への影響、など(2) 調査時期および調査方法(省略)有効標本507 回収率23.8%(4) 結果の概要(特に平成6年度調査と比較して)サッカー活動への影響としては、16〜24歳までの比較的若い年齢層の実施率の低下がみられた。サッカー実施欲求、サッカークラブ参加率ともに低下傾向がみられた。運動生活全般としては、約1割の人がJリーグがきっかけで以前より運動頻度や運動欲求が増加したと回答している。運動実施種目ベスト10にはほとんど変化がなかった。スポーツ観戦について、アントラーズの試合を観戦したことのある人は、78.5%で前回調査より8.7ポイント増加し、住民の約8割の人が観戦経験を持っていた。Jリーグの競技場での観戦欲求は、男性では24歳以下、女性では39歳以下の年齢層で著しく低下しており、比較的若い層の欲求の低下が認められた。支援ボランティア活動として、私設応援団への加入率が特に24歳以下の女性で大きく減少している。4.3%の人が運営ボランティア経験を有しており、次第に増加してきている。個人生活への影響では、「町への愛着が増した」「家族共通の話題が増えた」「生活の楽しみが増えた」という順に肯定的な回答が多く、地域への影響では、「鹿嶋市の知名度が向上」「市民間の共通の話題が増えた」「鹿嶋市のイメージが向上」「地域の連帯感が増した」といった項目で肯定的な回答が多かった。2. 柏市、市原市、浦和市、清水市の調査(1) 調査内容は、鹿嶋市と同様。(2) 調査時期平成10年2月〜3月(3) 調査方法地域版電話帳をもとに、各市から1,000名を無作為抽出し、郵送自記法による調査(有効標本616回収率15.7%)。平成8年度の鹿嶋市調査と平成9年度の4都市調査を一括して分析したところ、サッカーへの参加、サッカー欲求、競技場での観戦および観戦欲求、個人生活や地域への影響に関しても、鹿嶋市が最も大きな影響を受けたことがかわった。しかし個人生活や地域への影響に関しては、高い割合を示す項目は5都市間でほぼ共通していた。
著者
高橋義雄著
出版者
日本放送出版協会
巻号頁・発行日
1994
著者
倉谷 徹
出版者
日本循環制御医学会
雑誌
循環制御 (ISSN:03891844)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.171-178, 2015 (Released:2016-01-21)
参考文献数
10

大動脈弁狭窄症に対する治療は、四半世紀の間、人工弁置換術がgold standard となっていた。その成績は十分に満足できる早期及び遠隔成績を得ていたが、高齢者やhigh risk 患者において、手術困難もしくは不可能とされていた患者が多数存在すると言われている。そこで、2002 年より経カテーテル的大動脈弁植え込み術(transcatheter aortic valve implantation, TAVI)が臨床導入され、これまでに約10 万例以上の症例にこの手術が施行された。本邦では、2009 年に我々が第一例目を施行し、2013 年10 月よりEdward SAPIEN XT が市販されるようになった。その後2000 例以上の症例が安全に施行されている。ただ体格の小さい日本人特有の解剖学的制限があり、今後新たなる基準を独自に構築する必要があると同時に、日本人に適した新しいデバイスの早急な導入を各会社とも検討の必要がある。
著者
山本 喜一郎 森岡 孝朗 広井 修 大森 正明
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-7, 1974-01-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
20
被引用文献数
33 39

Intramuscular injection of acetone-dried pituitary glands of salmonid fishes was carried out in 1971 and 1972.1. A weekly injection of four chum salmon pituitaries or eight pink salmon pituitaries into silver eels (per Kg body weight) produced conspicuous growth of ovarian eggs up to about one mm in diameter. Maturity factors of the treated eels ranged from 40 to 72 per cent. The oocytes corresponded to the migratory nucleus stage or pre-maturation stage. One eel treated with salmon pituitary naturally spawned a large number of mature eggs.2. Eels treated with hormones showed a striking increase in body weight with the commencement of maturation. The pattern of increase in body weight may be divided into four types. The coefficient of correlation between the maturity factor and increase in body weight was greatest in type A, followed by type B and D, but very low in type C.
著者
梅林 大督 原 政人 橋本 直哉
出版者
三輪書店
雑誌
脊椎脊髄ジャーナル (ISSN:09144412)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.985-991, 2018-11-25

はじめに Augmented reality(AR)とは,現実環境において視覚・聴覚などの知覚に与えられる情報をコンピュータ処理により追加,削減,変化させる技術である5,11).コンピュータ上で作成した仮想画像,映像,音声などを現実世界に反映する技術を示す.すでにわれわれの生活に広く浸透しており,スマートフォンやカーナビゲーションなどに用いられている.カーナビゲーションの実際を図示する(図1).カーナビゲーションは古典的には紙媒体の地図を読むことからはじまる.その後,ディスプレイの地図上に矢印を走らせることで経路を確認するナビゲーションが一般化された.これに対してARカーナビゲーションでは,ディスプレイの代わりにフロントガラスなどへ映像を投影して現実空間と融合させる手法が利用される.位置情報に付帯する情報を,ナビゲーションシステムを用いてフロントガラスに投影して現実視野と融合させたもの,これがARカーナビゲーションである.このナビゲーションシステムは自動車だけでなく,手術におけるナビゲーションにも有用であり応用されてきた.本稿では,AR技術の脊椎手術への応用の実際について紹介する.
著者
拝師 智之 小泉 博 新井 朋徳 小泉 美香 狩野 広美
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.249-257, 2009 (Released:2017-04-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

0.2テスラ(T)小型MRI装置を用いて収穫果実におけるモモシンクイガ(Carposina sasakii Matsumura)幼虫の食入害を非破壊的に観測した。安定性が高い三次元スピンエコー法(分解能(470μm)3)によって食害孔、虫糞とともに成長した幼虫を検出することができた。本測定法では輪郭が明瞭な画像が得られたが、撮像時間は一果実につき82分を要し、果実に食入した幼虫の行動観測のためには撮像できる試料数の制限が問題となる。食害孔および蓄積された虫糞は、輪郭の鮮明度が若干劣るが、三次元グラディエントエコー法(分解能(860μm)3)によって27分で検出された。グラディエントエコー法による食害孔の拡大の追跡は、果実における幼虫の活動を追尾する指標となると同時に、試料の数に関する問題を解決できる。画素サイズに対して幼虫は小さいので、幼虫自体の検出には画素サイズが小さい画像を長時間かけて撮像することとともに、画像回転などの画像処理技術が必要であるが、0.2T小型MRIは果実における蛾の幼虫の生態学において、ユニークで新しい視点を切り拓く研究手法となると考えられる
著者
清水 慶子
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

いわゆる「環境ホルモン」、内分泌撹乱物質による生殖能力や次世代への影響は、人類を含めた数多くの生物の存続を危ぶむ問題であり、基礎的な研究の必要性が高まっている。これらの原因として考えられているものは主に人工の化学物質であるが、これ以外にも約20種類の植物由来のエストロゲン様物質(Phytoestorogen)がその作用を持つといわれている。本研究では、これらの植物由来のエストロゲン様物質のサルの生殖内分泌系に及ぼす影響を、発生生物学的、内分泌学的に調べた。カニクイザルに植物由来のエストロゲン様物質を30日間連続投与した。これらのサルにおいて、経時的に採尿を行い、ステロイドホルモンの代謝産物である尿中E1C,PdGおよび尿中FSHについて酵素免疫測定法を用いて測定した。その結果、生殖関連ホルモン動態の変化や月経周期の遅延、卵胞期の延長、LHサージの抑制が観察された。これらにより、ダイゼイン投与後、これらのサルは発情持続状態となり、結果として排卵が抑制されることが分かった。また、妊娠マカクザルにイソフラボン50mg含有飼料を妊娠初期から90日間連続給餌した。これらのサルから得られた児を、4%パラホルムアルデヒドにて潅流固定し、組織切片を作成した。これらの切片を用いて免疫組織化学法により、エストロゲンレセプター(ERαおよびERβ)の局在を調べた。同時に、妊娠ザルから経時的に採血、採尿をおこない、血液イソフラボン濃度および血中、尿中生殖関連ホルモン濃度を測定した。その結果、ERαおよびERβはいずれも、オス、メス新生児ともに、視床下部の腹内側核に発現していた。これらにより、植物由来のエストロゲン様物質がマカクザルの性周期に変化を及ぼす可能性、および、視床下部におけるエストロゲンレセプターの発現が胎生期における植物由来のエストロゲン様物質により影響を受ける可能性が示唆された。