著者
秋月 有紀 岩田 三千子 奥田 紫乃 唐沢 宜典 塚田 敏美 土井 正 松本 泰幸 森下 昌治
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.59, 2008

防災対策推進地域の中でも特に津波被害予測が大きい高知県・徳島県・和歌山県・静岡県の地方自治体を視察し夜間対策の現状を調査した。どの地方自治体も、ソフト・ハードの両方若しくは片方について、災害時の住民避難における夜間対策に独自の工夫を凝らしているが、「法的規制がないため必須の整備項目にならず予算が獲得しにくい」「バッテリー交換など維持管理が難しい」「夜間の避難訓練は災害時の完全に停電した状態を設定しにくく、訓練時の安全確保も困難である」「国道の標識は設置高さ2.5m又は5mであるので避難者を対象とした誘導標識の設置場所になりにくく、管轄が異なるので容易に設置できない」「電柱への誘導標識の取付位置は道交法の関係で路面から2m以上となっており、光量が少ない器具の場合は目立ちにくく効果が期待できない」といった問題点や課題も多く、その結果、夜間対策の実態は自治体により大きく異なっている。住民避難のための夜間対策のモデルケースを委員会としてできるだけ早急に提案する必要があると思われる。
著者
竹原 健二 須藤 茉衣子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.164-172, 2014
被引用文献数
1

<b>背景</b><br> わが国では立ち会い出産に対する認識は広まっている。その一方で,出産に立ち会うことが男性にとって,不安やうつ,トラウマといったメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性も指摘されつつある。パートナーの出産に立ち会った男性が,分娩開始前から産後までにどのような気持ちになり,どのように気持ちが推移していったのか,ということを質的に記述することを本研究の目的とした。<br><b>方 法</b><br> 東京都およびその近郊にある2か所の病院において,過去3か月以内に陣痛中から分娩終了までのプロセスに立ち会った男性10人を対象に,半構造化面接を実施した。収集したデータについて,2人の研究者が独立して要約的内容分析をおこなった。<br><b>結 果</b><br> 対象者10人のうち7人は,今回の立ち会い出産が初めての経験であった。対象者は皆,分娩第一期から分娩が終了するまで立ち会った。面接調査によって得られた文脈からは,立ち会った男性の気持ち・想いを表す【妻を支えたい】,【未知の世界に対する不安と恐れ】,【共に立ち向かう】,【男女の違いの気づき】,【成長】という5つのカテゴリーと,それを構成する13のサブカテゴリー,立ち会い出産をした男性の気持ちに影響を及ぼした外的要因として,【影響を及ぼした要因】というカテゴリーと,2つのサブカテゴリーが抽出された。【妻を支えたい】は妊娠期の男性の気持ちや行動を表す文脈によって構成されていた。同様に,【想像がつかない世界】や【共に立ち向かう】,【男女の違いの気づき】は分娩時を表す文脈が中心となり,【成長】は分娩直後や産後の男性の気持ちや行動を表す文脈によって構成されていた。<br><b>結 論</b><br> 本研究の結果から,立ち会い出産に臨む男性の気持ちは出産前から産後にかけて変化していくことが示された。助産師を中心とした医療スタッフは男性の状態も観察し,適切な声掛けや働きかけをおこなっていくことにより,男性の立ち会い出産の体験をよりよくすることができると考えられた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.958, 1998-09-21

9月11日、東京三菱銀行、三菱信託銀行、東京海上火災保険、明治生命保険の4社が、投資信託や年金分野で提携すると発表した。記者会見場には今後の結束を誇示するかのように4社の首脳陣が勢揃いした。だが、金融の各業態のトップクラスの企業による提携劇という割には、金融界での驚きはまったくといっていいほどない。
著者
矢吹 朗彦 木村 晋亮 桑原 惣隆
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.p1681-1686, 1978-12

著者は,無脳症の発生要因として,遺伝的因子を基盤に,サイトメガロウイルス(CMV)とコクサッキーウイルスB (Cox B)の重複感染が関与する可能性について報告を行つて来た.本稿では,正常児妊娠母体と無脳症妊娠母体に於ける両ウイルス抗体保有の比較,及び無脳症娩出後再妊娠経過中の母体血中の両ウイルス抗体価の推移と分娩結果について検討した. 無脳症妊娠母体群のCMVとCox Bタイプ4及び5 (Cox B-4,5)の補体結合反応(CF)抗体保有率は,各々92.3%と76.9%であり,両ウイルス抗体同時保有率は69.2%であつた.一方,正常児妊娠母体群に於ける上記抗体保有率は,各々52.5%,12.5%及び5.0%であり,2群には明らかな差が認められた. 無脳症娩出後非無脳児を出産した母体3例に於ける血中CMV抗体は,妊娠経過での追跡調査で,CMV潜伏性持続感染を裏ずける価を持続していた.しかしながら,Cox B抗体は陰性化し,再妊娠経過中,本ウイルス感染が胎芽に影響を及ぼした事実は認められなかつた. 以上の結果から,持続感染,即ちヒト染色体上に組み込まれたCMV遺伝子が,妊娠及びCox Bらのウイルス感染の条件下で誘発活性化され,無脳症発生の共通baseとして共存するgenomeと結びつく時,宿主細胞をteratogenicな方向へtransformする能力を有して来ると推定された.
著者
片岡 裕雄
出版者
日本視覚学会
雑誌
VISION (ISSN:09171142)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-4, 2019-01-20 (Released:2019-03-11)
参考文献数
18
著者
北尾 次郎
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.196-210, 1993-12-28 (Released:2011-05-20)
参考文献数
31
被引用文献数
1
著者
鍋山 隆弘
出版者
筑波大学体育センター
雑誌
大学体育研究 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
no.27, pp.35-58, 2005-03

体育センターでは平成14年度に続き、平成15年度も学生から授業評価を受けるためにアンケート調査を行った(資料1)。その結果を踏まえながら授業報告とする。 体育センターの共通体育は、大学会館における種目選択から始まる(1年生は2回の講義後)。剣道は第1希望で受講する学生は少なく、人気のある科目(種目)ではない(図1)。人気科目の定員にもれた学生が集まり、最終的には40名程度の受講者となる。 ...
著者
永美 大志 西垣 良夫 矢島 伸樹 浅沼 信治 臼田 誠 広澤 三和子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.2, 2005

<はじめに><BR> 農薬中毒(障害)において、パラコート剤による中毒は、死亡率、死亡数の高さから重要な位置を占める。演者らは、本学会の農薬中毒臨床例特別研究班として、1998-2003年度の調査を担当し、調査の概要を報告してきた(西垣ら 2002、2005)。ここでは、自殺企図によるパラコート中毒について考察する。<BR><方法><BR> 本学会が行なってきた農薬中毒(障害)臨床例調査の1998-2003年度分の中で、自殺企図でパラコート製剤を服毒した症例71例について、製剤、性、年令階級、服毒量などと転帰との関係について検討した。<BR><結果><BR>1.製剤別の転帰<BR> パラコート製剤は、1960年代に販売され始めたが、その中毒による死亡の多さに鑑み、1986年に24%製剤(主な商品名;グラモキソン、以下「高濃度製剤」)の販売が自粛され、5%パラコート+7%ジクワット製剤(主な商品名;プリグロックスL、マイゼット、以下「低濃度製剤」)が販売されるようになった。高濃度製剤の販売自粛から10年以上経過した、1998-2003年の調査でも高濃度製剤を用いた自殺症例はあり、8例全てが死亡した。一方、低濃度製剤による症例は48例あり39例(81%)が死亡した。また、尿定性、血中濃度の測定などからパラコートの服毒であることは明らかであるが製剤名が不明であった15症例も全て死亡した。<BR>2.性別の転帰<BR> 性別では、症例数で、男31例、女39例であり、死亡数(率)は、男25例(81%)、女36例(92%)であった。<BR>3.年令階級別の転帰 症例を、20-49才、50-69才、70-89才の3群に分類したところ、死亡数/症例数(死亡率)はそれぞれ、17/21(81%)、23/27(85%)、22/23(96%)であり、比較的若い群でも死亡率が高かった。4.服毒量と転帰<BR> 高濃度製剤、製剤名不明の症例については、上記のとおり死亡例のみである。低濃度製剤については、20mL以下、50mL以下、50mLを超える量を服毒した群に分類したところ、死亡数/症例数(死亡率)はそれぞれ、4/9(44%)、2/4(50%)、22/23(96%)であり、数十mLの服毒であっても、半数近くが死亡し、50mLを超える群ではほとんどが死亡した。<BR>5.尿定性と転帰<BR> 尿定性の判定結果を、陰性、陽性、強陽性に分類したところ、死亡数/症例数(死亡率)はそれぞれ、1/2、12/17、24/27であり、陽性で71%が、強陽性では89%が死亡した。<BR>6.血清中パラコート濃度<BR> Proudfood(1979)が提案した、50%生存曲線との比較を行なったところ、おおむね、死亡例は曲線の上に、生存例は曲線の下に位置した。<BR><まとめ><BR> パラコート中毒の転帰を予測する因子としては、服毒量、服毒からの時間と血清中濃度などが考えられた。<BR><謝辞><BR> 本調査にご協力いただいた、全国の医療施設の方々に、深謝いたします。<BR><文献><BR>西垣良夫 他(2002).日農医誌 51:95-104 <BR>西垣良夫 他(2005).日農医誌 (投稿中) <BR>Proudfood AT et al.(1979) Lancet 1979;ii:330-332
著者
本間 崇
出版者
筑波大学体育センター
雑誌
大学体育研究 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
no.25, pp.81-93, 2003-03

この報告書は、私が長年携わってきた共通体育「器械運動」の授業の内容に関するものであり、授業の成果とか授業の反省とかを論ずるものではない。 筑波大学では正課体育の科目決定はオリエンテーションで学生の希望によって決定される。器械運動は学生の第1希望で定員30名を満たすことは少なく、 ...
著者
神畠 正稔 折原 良平 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2H202, 2018 (Released:2018-07-30)

データ分析は、ビジネス、科学、スポーツなどさまざまな分野で活用されている。 その中でもサッカーチームにおける選手やチームの評価は、戦術、トレーニング、スカウティングに影響を与えており、試合結果のシュートやゴールなどのデータを活用することで、選手やチームが評価される。 しかし、シュートやゴールなどのデータを活用するだけでは、選手やチームの能力を十分に理解するのは不十分である。 本研究では、サッカーのパスのデータを用いた新しい分析手法について述べる。 選手やチームのパフォーマンスを評価するために、グラフマイニングを適用している。 選手やチームを評価するために、組織内の個々の貢献度を評価する中心性という指標がある。 本研究では得られる選手間の中心性の測定において最短経路だけでなく、最短経路より長い経路も考慮している。 その結果、提案した手法は従来の方法よりも試合結果とより整合していることがわかった。
著者
水城 まさみ
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.399-407, 2004

あらゆる疾患の発症には環境要因と遺伝的要因が大なり小なり関わっているが, 化学物質過敏症(MCS)の発症に環境要因が大きな役割を果たしていることは間違いない. 化学物質過敏症外来を受診した患者の中で, 症状発現にあたって何らかの化学物質曝露のエピソードがある者32名にMCSのスクリーニングのために問診表QEESI(日本語版)を実施し, 環境要因となる化学物質不耐性因子と症状, 日常生活障害度との関連をみた. 化学物質不耐性因子のうち殺虫剤・除草剤, ガソリン臭, ペンキ・シンナー, 消毒剤・クリーナー, マニキュア・ヘアスプレーなどは筋, 心循環, 認識, 神経症状と強い相関がみられた. また日常生活障害については車の排気ガス, 殺虫剤・除草剤, ガソリン臭など屋外環境要因で影響が強く, MCSの発症予防のためには屋外環境要因の改善も必要であることがわかった.
著者
中村 敏明 岩尾 岳洋 東 高士 谷 大輔 矢野 良一 政田 幹夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.551-558, 2011 (Released:2012-09-10)
参考文献数
13

Paclitaxel injection [NK] (PTX [NK]) is a generic of Taxol® Injection (Taxol) but no non-clinical study comparing the safety of the 2 drugs has been conducted because the active ingredient is the same.We compared the safety of PTX [NK] and Taxol in rats to see if there were any differences. PTX [NK] and Taxol were intravenously administered to CD (SD) male rats at doses of 2.0 and 4.0 mg/kg/day for 9 days. There were very slight differences in toxicological findings regarding such items as clinical observations, food consumption, gross necropsy, organ weight and histopathology. These differences, however, were generally observed after administration of a cytocidal anticancer drug. Therefore, such differences were not thought to be toxicologically significant and we concluded that the safety of PTX [NK] was no different from that of Taxol in rats.
著者
渡辺 享平 矢野 良一 五十嵐 敏明 塚本 仁 中村 敏明 政田 幹夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.622-628, 2009 (Released:2011-01-14)
参考文献数
12

As the effect of the filling process of portable pumps on the homogeneity of drug concentrations had not been investigated,in this study,we examined the influence of the filling process of the anticancer agent 5-fluorourcil (5-FU) and saline in this respect.We used 3 types of pump and filled the pump in 3 different ways (5-FU first and then saline,saline first and then 5-FU,and mixing 5-FU and saline beforehand and then filling).There was a significant variation in the 5-FU concentration when 5-FU and saline were added separately but the drug concentration did not vary when 5-FU and saline were mixed before filling the pumps.The result also varied with the type of pump.Our findings suggested that the drug and saline were not mixed uniformly in some types of pump when 5-FU and saline were added separately.Therefore,it is important to mix the drug and saline well before filling pumps.