著者
大塚 康民 岩田 吉弘 菊川 あずさ 小野沢 昭彦 宮本 吉教
出版者
航空医学実験隊
雑誌
航空医学実験隊報告 (ISSN:00232858)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.153-161, 2007

The Blue Impulse is the aerobatic team in Japan Air Self-Defense Force. During aerobatic flight,the degree of flight stress (physical and psychological) in pilots is considered to be very high.However, there are few reports concerning endocrinological responses (catecholamine (CA) andchromogranin-A (CgA)) to aerobatic flight. Then, we determined the levels of urinary CA andsalivary CgA during actual aerobatic flight training. Urine and saliva were collected before and afterthe flight from eight healthy pilots to measure the levels of CA (noradrenaline (NA) and adrenaline(Ad)) and CgA. Although the levels of NA for postflight were unchanged for preflight, the levels ofAd for postflight were higher than for preflight. Otherwise, the levels of CgA for preflight wereremarkably higher than control level as reported in previous literatures, and the levels of CgA forpostflight were almost the same as for preflight. Our results suggest that the levels of Ad and CgAwere presumably altered by psychological stress associated with aerobatic flight training in the BlueImpulse pilots.
著者
木村 初男 服部 真澄 山下 護 杉山 勝
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.157-204, 2005-05-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
新保 史生
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.217-230, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
91

AIや自律ロボットをはじめとする新興技術(エマージングテクノロジー)の急速な発展と産業における利用が議論される一方で,自律型致死兵器システム(LAWS)の研究開発も進展している.国際的な議論としては,特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みにおける規制について検討がなされ,今後のガイドとなるべき原則指針が提案されている.本稿では,自律型致死兵器システムについて,LAWSに適用される国際人道法,国連軍縮研究所(UNIDIR)の報告書,CCWのLAWS非公式専門家会議から政府専門家会合(GGE)における議論の状況,提案された原則指針の内容,法的・倫理的側面をめぐる検討状況を確認する.
著者
横畑 泰志
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.87-96, 2003-08-30

尖閣諸島魚釣島では,1978年に日本人の手によって意図的に放逐された1つがいのヤギCapra hircusが爆発的に増加し,300頭以上に達している.その結果,この島では現在数ケ所にパッチ状の裸地が形成されるなど,ヤギによる植生への影響が観察されている.魚釣島には固有種や生物地理学的に重要な種が多数生息するが,現状を放置すれば島の生態系全体への重大な影響によって,それらの多くは絶滅することが懸念される.この問題の解決は,尖閣諸島の領有権に関する日本,中国,台湾間の対立によって困難になっている.日本生態学会はこの問題に対し.2003年3月の第50回大会において「尖閣諸島魚釣島の野生化ヤギの排除を求める要望書」を決議し,環境省,外務省などに提出した.同様の要望書は2002年に日本哺乳類学会において.2003年に沖縄生物学会においても決議されている.現在は国内の研究者による上陸調査の実施の可否について,日本政府の判断が注目されている.
著者
岩﨑 洋介
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要. フランス語フランス文学
巻号頁・発行日
no.42, pp.97-111, 2006-03

ジャック・ラカンは1966年に出版されたそれまでの主要論文や講演の記録をまとめた『エクリ』の段階で既にシェーマZ など図形や記号を伴う概念を導入していたが、『エクリ』以降もメビウスの輪やクロス・キャップ、トーラスといったトポロジー的な図形、さらに「マテーム( mathème)」とラカン自身により名づけられた定式や論理学の量記号を援用してきた。そしてその晩年にあたる1970年代、学説的に最も力を注いでいたのはボロメオの輪、ないし結び目を己の学説に導入することであり、その執着ぶりは例えばエリザベト・ルディネスコによる『ジャック・ラカン伝』に窺えよう。 「ボロメオの結び目」とは北イタリアのマジョーレ湖上の島にその名を残すボロメオ家の紋章に由来し、三つの輪、仮に輪a、b、c、とすると、a はb の、b はc のそれぞれ上に部分的に重なる形で位置する時、c がa の上になるように組み合わされた図形を指し、三つの輪の上下関係がa > b > c > a > b…という形で循環している。ラカンも度々指摘するように正確には「結び目」ではなく、三つの「輪」が三すくみに繋がれている図形である。その輪の交叉する部分を取り出した三つ葉のクローバー状の「結び目」もボロメオの輪と同様に言及される。これら図形の重要な特徴は、輪を一つ外すと、残りの二つの輪も互いに外れること、結び目の場合は線が交叉する個所が三箇所あるわけだが、そのうちの一箇所で交叉する線の上下を入れ替えると結び目が解消されただの輪になってしまうことである。こうした特徴を持つ輪は必ずしも三つとは限らず輪の数をいくら増やしても、そのうちの一つの輪を外すと鎖状に繋がっていたそれらの輪は個々の輪に分解してしまうといった図形を考えることは可能であるが、それは輪の数が三未満ではそうした関係は得られず、三が最小値である。 こうしたボロメオの輪自体は明らかにトポロジー的な図形であるが、このボロメオの輪への関心はことに『エクリ』以降に強まったラカンのトポロジーの援用の単なる延長とみなせるのであろうか。 ラカンのトポロジーへの関心は上記ルディネスコの評伝によると1951年に始まるが、『エクリ』に収められた諸編を見る限りでは、場(topos)と場の関係といったトポロジーの出発点となった観点による考察は色濃いものの、メビウスの輪などのパラドクシカルな図形はそれ以降の60年代後半になって盛んに援用されてくる(メビウスの輪が『エクリ』の中では最も後年に書かれた〈 La science et la vérité〉 で軽く言及されてはいるが)。ラカンがボロメオの輪について初めて言及したのは1972年の2月9日のセミネールでのことであるが、集中的に取り上げられ始めるのはその次の年度である1972–73年度のセミネールEncoreの全11回あった講義の内の第10回目(〈Ronds de ficelle〉)以降のことで、丁度マテームと入れ替わり講義中にしきりと描かれる図式となる。すなわちまとめると『エクリ』以降のラカンの図式に関する主な関心は、トポロジー的な図形→マテーム→結び目、という順で移行している。 マテームとは分析家、大学、主人、ヒステリー患者の四つにディスクールを分け、精神分析の立場を明確に位置づけるものであった。これは当時ラカンの属していたフランス精神分析学会( La Société française de psychanalyse)の解消に伴い、1963年に自ら創設したパリ・フロイト学派( l'Ecole freudienne deParis)の基礎付け、また精神分析が新設されるパリ大八大学に独立した学部を設置するにあたり、取分け科学的な知と精神分析の関係に見通しをつけ、いかに精神分析を「教育」しうるかという問いへの根本的な反省が要請されていたという外部的な事情も重なっている。 結び目を考える時、結び目の取り上げられた時期がこのマテームの時期の後にあるということが重要となってくる。ジャン=クロード・ミルネールはラカンの学説を三つの時期に分けているが、1972–73年度のセミネールEncore を第二期から第三期を分かつ位置にあるとしている。それはこの年度の講義でマテームの時代が頂点に達し、それと同時にそれをいわば「脱構築」するものとしての結び目が本格的に導入され始めるからだ。ミルネールに拠れば、第二期のラカンは数学におけるブルバキの影響を受け、その数学言語の形式化に倣い精神分析におけるディスクールの形式化を推し進めたものであったが(ラカンを除いてはブルバキと同じように執筆者が無記名なパリ・フロイト学派公認の雑誌Scilicet においてその傾向は著しい)、1968年の学生運動から70年代にかけての数学におけるブルバキ自体の後退、そして自身の学派内の不和といった外部的な影響もあり、マテームによる形式化及びそれに基づく精神分析の伝授へのさらなる見直しの必要をラカンが感じざるをえない状況で登場し、マテームに替わり盛んに援用されるようになったのが「結び目」であった。そうした見地に立つと、70年代にラカンが執着を示した結び目とはマテーム以前のトポロジー的な図形の援用とは性格を異とするもの、少なくともその単なる延長にあるのではない、と見なさねばなるまい。ラカンが結び目に着目したのも(少なくとも当時は)結び目が数学的に理論化されていないものであったからである。実際、ラカンの結び目とは以下に見るように、トポロジー的な対象として数学に基盤を求めるものではなく、むしろ数学を含めたあらゆる言語の「起源」を射程にいれたものである。
著者
陽 捷行
出版者
一般社団法人 日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.267-277, 2016-08-05 (Released:2017-08-09)
参考文献数
38
被引用文献数
7
著者
福田 玄明 植田 一博
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.64-78, 2011 (Released:2011-09-07)
参考文献数
41
被引用文献数
1

It is thought that we can discriminate between animate and inanimate things. This ability is called animacy perception. Our discrimination between animate and inanimate things is considered to be an important ability for our social cognition, because animacy perception is assumed to serve as a foundation for considering objects as others that have their own goals, intentions and⁄or emotions. We investigated neural mechanism underlying animacy perception using a real animate thing (turtle) and an inanimate thing (robot) in this study. As far as we know, brain activity related to animacy perception in the course of approaching a real animate thing has not been investigated. In experiment 1, we compared Event-Related Potentials (ERPs) when participants performed reaching actions for the animate thing (animate condition) with those when they performed reaching actions for the inanimate thing (inanimate condition). We found that the amplitude of ERPs in left infero-frontal region, which is said to correspond to mirror system, was significantly higher in the animate condition than in the inanimate condition. Moreover, we found more significant mu suppression in the animate condition than in the inanimate condition, which is said to be an evidence of the activation of mirror system. These results suggest that mirror system is related to animacy perception. In Experiment 2, participants were asked to observe an object, either of the animate thing or the inanimate thing, which was covered in a box so that they could not judge by appearance what it was and to answer whether they felt it as animate or inanimate. We compared ERPs when they performed reaching actions for the objects that they felt as animate with those when they performed reaching actions for the objects that they felt as inanimate. As well as in Experiment 1, we found that the amplitude of ERPs in left infero-frontal region was significantly higher in the former condition than in the latter one. In conjunction with the results in Experiment 1, this result suggests that the activation of mirror system takes a role in subjective attribution of animacy to objects.

6 0 0 0 OA 史料大成

著者
笹川種郎 編
出版者
内外書籍
巻号頁・発行日
vol.続編 第35, 1939
著者
二見 晋平 藤本 貴之
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2010-IS-111, no.18, pp.1-7, 2010-03-10

近年,競技性を持ったコンピュータゲームが 「e-sports」 と呼ばれ,注目を集めている.特に欧米を中心に e-sports を新しいスポーツの一つとしてみるような動きも始まっており,商業的な成功を収めつつある.しかしながら,日本ではコンピュータゲームである 「e-sports」 は,未だまだ 「遊戯」 の域を出るものとは考えられておらず,その認知度も低い.また,コンピュータゲームそのものが 「内向的な遊び」 と捉えられているため,その競技性も認められていない.本論文では,e-Sports が持つ競技性について議論し,それが身体性を拡張に及びす影響について言及をする.そしてそのトレーニングを支援するための e-Sports Learning System を提案する.
著者
上野 千鶴子 Chizuko Ueno
出版者
同志社大学アメリカ研究所
雑誌
同志社アメリカ研究 = Doshisha American studies (ISSN:04200918)
巻号頁・発行日
no.35, pp.47-57, 1999-03-20

11月24日、アメリカ研究所の公開講座「ジェンダー・国家・市民権」が開催された。パネリストは、リンダー・カーバーアイオワ大学教養学部および歴史学科教授と、上野千鶴子東京大学文学部教授であった。カーバー教授は前全米アメリカ史学会会長で、アメリカ市民としての女性のあり方を歴史的に検証する研究を中心に女性と国家の関係について問題提起し国際的に活躍するアメリカ史研究家である。著書にWomen of the Repubilc: Intellect and Ideology in Revolutionary America, Toward an Inteleectural History of Womenなどがある。また、上野教授は社会学者で、日本を代表するジェンダー論の理論家として国際的に活躍しておられる。近著に『近代家族の成立と終焉』、『発情装置』、『ナショナリズムとジェンダー』などがある。なお、コメンテーターは女性史の分野で活躍する西川祐子京都文教大学教授、『近代的家族と国民化について』の著作で近年脚光を浴びる牟田和恵甲南女子大学助教授、モデレーターはアメリカ研究所の池田啓子が務めた。
著者
丸島 和洋
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.11, pp.33-52, 2015-03-13

本稿では、甲斐武田氏を素材に検討した大名間外交の取次構成(一門・宿老と当主側近)という形が、相模北条氏においても確認できることを明らかにする。その際、一門・宿老を「取次」、側近を「小取次」と新たに把握し直し、北条氏外交の特徴を論じた。特に着目したのは、①遠国大名と近国大名との交渉における取次のあり方の違いとその理由、②取次の立場からうかがえる権力構造の相違と変化、という点である。そこで明らかにした北条氏外交の具体的事例として、徳川氏との同盟を検討した。同盟交渉には3 段階の時期があり、北条氏規が取次をつとめた相三同盟段階(永禄12年~元亀2 年)、織田信長との外交を視野に入れ、北条氏照が氏規に取って代わった第一次相遠同盟段階(天正7 年~10年)、氏規が取次に復帰した第二次相遠同盟段階(天正10年~)の順に検討した。氏照が徳川氏担当取次になったのは彼の独断行動の可能性があるが、最終的に氏規がその地位を取り戻し、「取次・小取次」の態勢を調えた。徳川氏との外交は、近国大名との交渉である。このため、きめ細かい交渉が必要となり、早くに「取次・小取次」の形が整えられたといえる。外交面での「取次・小取次」の構成は、従属国衆への取次役「指南・小指南」と同一の構成であり、これが戦国大名北条・武田両氏の特徴である。最後に、「取次・小取次」が受け取った書状はどこに「集積」されるかを検討し、大名に進上されるわけではなく、書状を受け取った取次の家に伝来されるものであるという見通しを述べた。In this article, I investigates a negotiator who are responsible for "diplomacy" in the Hojo clan. I named "Toritsugi" the negotiators of a chief vassal and sept. I was designated as "Kotoritsugi" the negotiators of entourage. I discuss the characteristics of the "diplomacy" of the Hojo clan. Viewpoints is a difference between responsible for the Daimyo of the distant of "Toritsugi" and responsible for the Daimyo of the neighborhood of "Toritsugi". Then, being appointed a "Toritsugi" I consider someone. Based on the results, to analyze the power structure of the Hojo clan.As a concrete example, I pick up the alliance with the Tokugawa clan. For the Hojo clan,"diplomacy" and the Tokugawa clan can be classified into negotiations with the neighboring Daimyo. Therefore, it becomes necessary detailed negotiations, a combination of "Toritsugi" and "Kotoritsugi" is satisfied.Finally, I investigates the storage location of the letter that was sent to the "Toritsugi". Not be passed to the Daimyo letter. I describe the outlook letter that is stored at the home of "Toritsugi".
著者
山下 順助 滝澤 行雄
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.239-242, 1995 (Released:2010-02-25)
参考文献数
2