著者
Noraini M. NOOR Shukran Abdul RAHMAN Jamil FAROOQUI Ahmad Muhammad NASR Hazizan Md NOON
出版者
Psychologia Editorial Office
雑誌
PSYCHOLOGIA (ISSN:00332852)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.235-245, 2003 (Released:2004-04-06)
参考文献数
21

This study examined the psychological profile of effeminates (n = 45) in comparison with matched-groups of normal males (n = 45) and females (n = 45). Respondents were Malaysian students aged between 19-24 years. Results of the one-way analyses of variance showed that effeminate students were similar to females in terms of their perceptions of their body image, thinking, and gender characteristics. However, they were more androgynous than normal female students. Although effeminates reported the lowest level of self-esteem, contrary to prediction, they showed low psychological distress. The results are discussed with respect to their current situation as well as the general literature in this area.
著者
田中 英明
出版者
経済理論学会
雑誌
季刊経済理論 (ISSN:18825184)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.45-57, 2006-01-20 (Released:2017-04-25)

The main function of the capitalist credit system is to create additional purchasing power in advance of future reflux of money, that is, credit creation. Commercial credit is the most fundamental form of credit creation, but it has the restrictions by individual situations, such as the sum of money due, the terms of payment and the acceptability of a bill. Banking credit is the capitalist social mechanism that overcomes the limitations of commercial credit, and realizes constant and overall credit creation. An individual bank, however, will be exposed to liquidity risk as well as credit risk, by responding to various requests based on many individual situations. This paper shows that the liquidity risk of banking credit is not actualized under the following conditions. 1) The banking system which has the mechanism of bill clearing and settlement, and of inter-bank lending or rediscount, is systematized. 2) The banking system is carrying out inclusion of the whole social reproductive process. 3) The social reproductive process is smooth and favorable. Under the conditions, bank liabilities, banknotes and deposits, which banks create in the course of bill discounting, circulate as means of purchase and payment, achieving the function as reserve that idle money has accomplished.
著者
元田 良孝 宇佐美 誠史 堀 沙恵
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.B_1-B_5, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)
参考文献数
6
被引用文献数
2

ここでは運転免許更新時の高齢者の意識を調査し、主として自己の運転評価と運転免許返納意識について分析を行った。盛岡運転免許センターに更新の手続きに来た70 歳以上の 155 名にアンケート調査を行った結果、運転頻度が低い人、運転の自己評価の低い人、苦手な運転行為がある人は運転免許返納の意識が比較的高いことが明らかになった。高齢運転者が運転免許更新時の実技で指導員による指摘と自分の意識する苦手な運転に違いがあり、自己評価とのギャップが存在する。返納を促進するためには公共交通等の整備とともに運転免許更新時等で自分の客観的な運転技量を認識させる必要がある。
著者
稲垣 喜三
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.674-680, 2017-09-15 (Released:2017-10-20)
参考文献数
5

麻酔科術前診察では,感染症のスクリーニングとして,梅毒やB型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルスの血中抗原や抗体価を検査している.施設によっては,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のスクリーニングも実施し,術中・術後の患者および医療従事者の感染予防に役立てている.成人では,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やクロストリジウムディフィシル腸炎(CDI)の感染の発見と予防が,その後の創部感染や院内感染の防止に繋がる.小児では,年齢によって発症しやすい感染症が存在する.術前診察では,発疹や上気道症状,消化器症状の既往を注意深く問診し,診察による理学的所見を的確に取ることが求められる.不活化ワクチン接種から手術までの期間は2日間で,生ワクチンの接種から手術までの期間は21日間である.手術後の予防接種は,少なくとも術後7日間以上の間隔を空けて実施する.
著者
上杉 慎一
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.38-50, 2022-07-01 (Released:2022-08-20)

2022年2月24日、ロシアが隣国ウクライナに軍事侵攻した。圧倒的な軍事力を背景に、空からのミサイル攻撃と並行し地上軍も進軍させた。当初は首都キーウの陥落も時間の問題とみられた。力による一方的な現状変更にアメリカはじめG7各国は強く反発し、経済制裁を強化した。世界各地で反戦デモが行われ、ロシア国内でも反対の声が上がった。 21世紀に起きた侵略戦争を日本のテレビはどう伝えたのだろうか。それをつかむため、報道量の調査を行った。調査対象期間は侵攻初日から最初の停戦交渉が行われた2月28日までの5日間。調査対象はNHKと民放の夜のニュース番組5番組とした。またこの間の、スタジオ解説や中継・リポート、オンライン取材、SNSで発信された映像についても調査・分析を進めた。調査の結果、期間中の報道では戦況や被害、ロシアの思惑、経済制裁に関する報道量が多かったことが分かった。さらにSNS映像が多用され、一連の報道を「ソーシャルメディア時代の戦争報道」と位置付けられることも判明した。 本稿校了時点で戦闘がやむ兆候は見られず、事態は長期化している。今回の調査は侵攻初期に焦点を当てたものだが、戦争報道の全体像をつかむためにはさらに長期間を対象にした調査や過去の戦争報道との比較も重要となる。
著者
湯口 彰重 河野 誠也 石井 カルロス寿憲 吉野 幸一郎 川西 康友 中村 泰 港 隆史 斉藤 康己 美濃 導彦
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.932-935, 2022 (Released:2022-12-24)
参考文献数
8

We propose an autonomous mobile robot Butsukusa, which describes its observations and internal states during the looking-around task. The proposed robot observes the surrounding environment and moves autonomously during the looking-around task. This paper examined several language generation systems based on different observation and interaction patterns to investigate better communication protocol with users.
著者
稲垣 恭子
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.111-118, 2004-10-31 (Released:2016-05-25)
参考文献数
5
著者
渡部 正浩
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.193-204, 2006-09-30 (Released:2017-05-19)
被引用文献数
2

本稿では,非医療分野の精神衛生施設の経営や立地展開の事例として,東京都における臨床心理士オフィスの経営実態と立地パターン,および立地要因を明らかにした.わが国では,臨床心理士に関して国家的な制度がなく,身分や収入が不安定になりがちである.とりわけ,収入の安定化は臨床心理士オフィスの経営にとって大きな課題となるが,多くのオフィスはカウンセリングに向けて高く動機付けられ,長期継続が見込めそうなクライエントを獲得するために,医師や同業者からの紹介に頼る傾向がある.立地パターンについては,次のことが明らかになった.まず,神経症・心理的問題を臨床領域とするオフィスは,ターミナル駅付近と港区西部および渋谷区東部に立地が集中していた.前者は交通利便性を,後者はクライエントの多くは高所得者であると想定し,彼らが選好しそうな街を意識したためである.また,児童の問題を専門とするオフィスは,医療・福祉機関との近接性を意識して開業地を選定していた.児童の精神問題は,しばしば器質性を帯び,そして,児童のための福祉機関が利用者の需要に追いつけないという事情から,三者の連携が不可欠なのである.以上のように,経営面において主に医療機関への依存度が高い臨床心理士オフィスであるが,医師への従属度がより高いとされる「医療心理師」の新設を見据え,それらとの競合を避けるための新たな経営・立地戦略の模索も必要となろう.
著者
髙橋 紀子 青山 真帆 佐藤 一樹 清水 陽一 五十嵐 尚子 宮下 光令
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.19-29, 2023 (Released:2023-02-03)
参考文献数
29

エビデンスに基づくがん疼痛マネジメントの看護実践を評価する尺度を開発し信頼性・妥当性および関連要因の検討を目的とした.がん疼痛の薬物療法に関するガイドラインに基づき仮尺度を作成し,地域がん診療連携拠点病院1施設の看護師189名に再テストを含む2回の調査を行った.探索的因子分析の結果,一因子50項目のがん疼痛マネジメントの看護実践尺度とその短縮版を開発した.尺度全体のCronbachのα係数は0.98(短縮版0.88)で内的一貫性を,再テストの級内相関係数は0.52(短縮版0.77)で信頼性を,緩和ケアの実践,知識,困難感,自信尺度とのそれぞれの相関で併存妥当性を確認した.がん疼痛マネジメントの看護実践の関連要因は,がん看護の経験年数,卒後教育の回数,卒後教育を十分に受けたと思うかだった.本尺度は,日々の臨床実践の評価やがん疼痛看護研修など教育的な取り組み後の実践評価などに活用できる.
著者
明渡 隆浩 長野 博一 庄子 美優紀 伊東 英幸 藤井 敬宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1029-I_1036, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

わが国では,子育てと仕事の両立支援や女性が出産・育児のしやすい環境づくりに向けた検討が順次進められているが,子ども連れ世帯は就業状況・世帯状況・子どもの発育状況により,外出活動そのものが多様化しており,移動負担要因についても明らかにされていない部分が多い.そのため,これらを支援する内容もより複雑化することが今後予測される.本研究は,保育園および幼稚園通園世帯におけるご両親にそれぞれアンケート調査を実施し,移動時の負担と行動意識,世帯状況等の子育て環境,立地状況の整理を行ったうえで,共分散構造分析を用いて移動負担要因との関係性を定量的に示した.また,移動支援策の利用要因を数量化II類を実施し,共分散構造分析から得られた結果と同等の要因が影響していることが明らかになった.
著者
松村 秀一 権藤 智之 佐藤 考一 森田 芳朗 江口 亨
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.693, pp.2307-2313, 2013-11-30 (Released:2014-07-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

Major prefabricated houses manufacturers started their business around 1960s and became world class large housing companies. This study clarifies 9 major prefabricated houses manufacturers' developments at early stage by interviews with their in-house engineers and architectural designers as well as analysis of relating documents. Early prefabricated houses were developed by small number of engineers intensively. Various architecture and specialists including foreign architecture, famous architects and academics affected these developments in some aspects. Furthermore, each of early prefabricated houses had many unique characteristics in building systems. Some of them had changed in early stages, while the others still remain nowadays.
著者
小林 正治 玉乃井 英嗣 井上 智晴 益山 新樹
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 55 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.PosterP-13, 2013 (Released:2018-03-09)

1. はじめに 食用キノコであるヤマブシタケには,アルツハイマー型老年期認知症の中核・周辺症状を改善する効果があることが臨床試験によって認められており[1],最近では,生もの,乾燥体,粉末,錠剤などの様々な形体で健康食品として販売されている。ヤマブシタケの機能性を司る因子の一つとして,子実体に含まれるヘリセノン類の関与が指摘されている。ヘリセノン類は1991年に発見された天然由来としては初の神経成長因子(NGF)合成促進物質であり,間接的にニューロンの分化・成熟・機能維持を助けることにより脳の老化を予防すると考えられている[2]。ヘリセノン類には多数の同族体が存在し,NGF合成促進活性だけでなく血小板凝集抑制活性[3]や小胞体ストレスによる細胞死の抑制活性[4]などの多彩な生物活性が知られている。しかしながら,これらの生物活性は個別の化合物に対して局所的に調べられたものであり,多様な構造を持つヘリセノン類の包括的な構造活性相関については明らかにされていない。活性試験についても,天然物サンプルの量的供給が隘路となり,in vivoでの毒性試験や薬物動態試験まで十分に検討されていない。以上の背景を踏まえ,本研究では,多様な構造を持つヘリセノン類の体系的な構造活性相関と創薬・治療学的応用を目指し,全合成研究を行った。2. 合成計画 ヘリセノン類は大別して,側鎖の5’位が酸化されているものと酸化されていない図1.ヘリセノン関連天然物の体系的全合成戦略(☆は本研究で合成完了した化合物)ものに分けられ,芳香環右辺や左辺側鎖の構造の違いによって系統化できる(図1)。私たちは,側鎖とコアのカップリングによって生成するフタリド1を共通中間体として,非天然型の誘導体も含めて網羅的に合成するルートを計画した。3. コア部の短段階合成[5] ヘリセノン類を効率的に合成するために重要となるのは,多様な官能基を直截的かつ位置選択的に導入することである。私たちは,不飽和エステル3とアセト酢酸エチルのMichael-Claisen反応によりジケトン5を合成し,臭化銅(II)によるワンポット多官能基化反応を経てコア部6を直截的に合成した(図2)。5→6の多官能基化反応では,酸性度の高いジケトンのα位が選択的に臭素化された後 (中間体i),メタノールの付加,HBrの脱離,芳香環化,ラクトン化が連続的に起こり所望のフタリドが生成したと考えられる。以上のように,市販のカルボン酸2から4工程でコア部を合成するルートを見出した5。図2.コア部の短段階合成4. ヘリセノンJおよびヘリセンA-Cの全合成5 続いて,側鎖とのカップリングを検討した。7aは2つのオルト位に電子供与性置換基を持つ反応性の低いアリールブロミドであったが,条件の最適化を行った結果,CsF存在下,(Ph3P)2PdCl2を触媒として80~85 °Cでカップリングを行うことで,目的の1bが単離収率60-87%で生成した(図3)。なお,本過程では7aから誘導したアリール銅試薬のゲラニルブロミドに対する置換反応も検討した(View PDFfor the rest of the abstract.)
著者
友竹 偉則 後藤 崇晴 石田 雄一 内藤 禎人 荒井 安希 清野 方子 渡邉 恵 市川 哲雄
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.309-319, 2018-12-31 (Released:2019-02-20)
参考文献数
23

顆粒が配合された歯磨剤では,その顆粒がインプラント周囲溝に侵入,残留することで,インプラント周囲組織の炎症を惹起する可能性が懸念される.そこでメインテナンス受診者において,歯磨剤の使用状況とインプラント周囲組織の状態を調査し,顆粒配合歯磨剤を使用した歯磨き試験を行い,インプラント周囲組織の炎症と顆粒の侵入に関して検討した.メインテナンス受診の55名,臼歯部に装着したスクリュー固定式の上部構造78装置を支持するインプラント145本を対象とした.上部構造周囲の歯垢付着とインプラント周囲粘膜の炎症の有無を評価した.顆粒配合歯磨剤の使用者では顆粒の残留を観察した.インプラント周囲粘膜の形態を計測した後,上部構造を再装着して顆粒配合歯磨剤を使用した歯磨き試験を行い,顆粒侵入の有無を確認した.観察調査と歯磨き試験から,周囲組織の炎症の有無とインプラント周囲粘膜の形態における顆粒の侵入の有無との関連について分析した.日常での顆粒配合歯磨剤の使用は19名で,6名14本のインプラントに顆粒が残留していたが,炎症の有無とは相関を認めなかった.顆粒配合歯磨剤を使用した歯磨き試験では55名中13名22本のインプラントで顆粒が侵入しており,炎症の有無と相関を認めなかった.本研究の結果から,歯磨剤に配合された顆粒がインプラント周囲溝に侵入して残留することと周囲粘膜の炎症との関連は少ないことが推察された.
著者
尾形 真実哉
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.49-66, 2012-03-20 (Released:2022-08-27)
参考文献数
38
被引用文献数
9

本稿の目的は,若年就業者の組織適応課題とされるリアリティ・ショック(reality shock)に焦点を当て,それが若年就業者の組織コミットメントや組織社会化,離職意思にどのような影響を与えているのかを理解することにある.本稿では,若年ホワイトカラーと若年看護師を対象として得られた質的/量的データを用いて比較分析を行った.分析の結果,組織コミットメントや組織社会化,離職意思に影響を与えているリアリティ・ショックは,それぞれ異なることが示された.
著者
三浦 沙織
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.107-115, 2019-07-26 (Released:2020-09-18)
参考文献数
18

本研究の目的は,健康診断で糖尿病の可能性を指摘されてから受診行動に至る促進要因と抑制要因を明らかにすることである。健康診断で糖尿病の可能性を指摘され受診した患者10名に対し,半構成的面接を行い質的に分析した。その結果,促進要因に関しては,【年齢や病気経験から自分の健康が気になる】【健康診断結果の自己評価や周囲の勧めで受診の必要性を認識する】【職場や自治体からの受診勧奨がある】【受診への制約が少ない】の4個のカテゴリーが抽出された。抑制要因に関しては,【自覚症状がなく,病気のリスクが感じられない】【要精査は自分で管理できる】【健康診断結果の意味や受診の相談先がわからない】【病院受診に抵抗感や負担感がある】の4個のカテゴリーが抽出された。このことにより,今回の対象者は「要精査」が示す受診の必要性を認識しにくい状況があり,看護職者は健康診断受診の段階から介入し,対象者に健康診断結果に対して正しく理解できるような支援の重要性が示唆された。
著者
小沼 順二 千葉 聡
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.247-254, 2012-07-30 (Released:2017-04-27)
参考文献数
72
被引用文献数
2

分布の重複する2種が、異所的な個体群間では同様の形質値を示す一方で、同所的な個体群間では異なる形質値を示すことがある。形質のこのような地理的パターン形質置換とよばれ、種間相互作用が形質分化に影響を与えたことを示す重要な証拠となる。形質置換は、「生態的形質置換」と「繁殖的形質置換」の2つに分類される。生態的形質置換とはフィンチのくちばしやトゲウオの体型のように、資源利用に関わる形質の分化パターンのことであり資源競争がその主要因として考えられる。一方、繁殖的形質置換とは体色や鳴き声など繁殖行動に関わる形質の分化パターンのことであり、交配前隔離機構の強化の結果生じる分化パターンをさす。種間交雑によって生じるコスト、すなわち「繁殖干渉」を避けるように、交配相手認識に関わる形質が種間で分化するパターンといえる。これまで多くの生態的形質置換研究事例が報告されてきたが、実際それらにおいて種間競争を示した研究は非常に少ない。そこで我々は「生態的形質置換と思われている形質分化パターンの幾つかは実際には資源競争が要因ではなく繁殖干渉によって生じたのではないか」という仮説を立てた。特に体サイズのように資源利用や繁殖行動両方に関わる形質の分化では、資源競争の効果を考えなくても繁殖干渉が主要因として働き形質分化が生じる可能性を考えた。そこで同所的種分化モデルを拡張したモデルを用い本仮説の理論的検証を行った。その結果、たとえ種間に資源競争が全く存在しないという条件下においても資源利用に関わる形質が隔離強化の結果として2 種間で分化し得ることを示すことができた。この結果は、繁殖干渉が種間の形質差を導く主要因になり得ることを示している。
著者
村上 良一
出版者
The Surface Finishing Society of Japan
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.288-292, 2002-05-01 (Released:2009-10-30)
参考文献数
21
被引用文献数
12 17
著者
Kenichi Katabami Takashi Kimura Takumi Hirata Akiko Tamakoshi
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20220240, (Released:2023-01-28)
参考文献数
45

Background:The neurological prognosis of asphyxia is poor and the effect of advanced airway management (AAM) in the prehospital setting remains unclear. This study aimed to evaluate the association between AAM with adrenaline injection and prognosis in adult patients with asystole asphyxia out-of-hospital cardiac arrest (OHCA).Methods:This study assessed all-Japan Utstein cohort registry data between January 1, 2013 and December 31, 2019. We used propensity score matching analyses before logistic regression analysis to evaluate the effect of AAM on favorable neurological outcome.Results:There were 879,057 OHCA cases, including 70,299 cases of asphyxia OHCAs. We extracted the data of 13,642 cases provided with adrenaline injection by emergency medical service. We divided 7,945 asphyxia OHCA cases in asystole into 5,592 and 2,353 with and without AAM, respectively. After 1:1 propensity score matching, 2,338 asphyxia OHCA cases with AAM were matched with 2,338 cases without AAM. Favorable neurological outcome was not significantly different between the AAM and no AAM groups (adjusted odds ratio: 1.1, 95% confidence interval (CI): 0.5–2.5). However, the return of spontaneous circulation (ROSC) (adjusted odds ratio: 1.7, 95% CI: 1.5–1.9) and 1-month survival were improved in the AAM groups (adjusted odds ratio: 1.5, 95% CI: 1.1–1.9).Conclusions:AAM with adrenaline injection for patients with asphyxia OHCA in asystole was associated with improved ROSC and 1-month survival rate but showed no differences in neurologically favorable outcome. Further prospective studies may comprehensively evaluate the effect of AAM for patients with asphyxia.
著者
水原 啓太 柴田 春香 入戸野 宏
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第18回大会
巻号頁・発行日
pp.87, 2021-03-15 (Released:2021-03-15)

左右対称な物体において,正面から見た画像よりも,斜めを向いた画像のほうが好まれる (Nonose et al., 2016)。斜め向きの画像は,物体についての多くの情報を表すため,見た目が良く感じられると考えられている。本研究は,左右対称な物体の画像において,物体の左右の向きが物体の選好に与える影響について検討することを目的とした。オンライン実験で,左右の向きのみが異なる日常物体100個の画像を対提示し,見た目が良いほうの画像を強制選択してもらった。画像は物体が正面を向いた状態から,鉛直軸に関して左右のどちらかに30°回転した画像と,それを左右反転した画像であった。その結果,左向きの物体を選好する割合は平均61.2%であり,有意に偏っていた。物体ごとに検討しても左向きよりも右向きのほうが有意に好まれた物体はなかった。この結果について,物体の操作可能性や左方光源優位性の観点から考察した。