著者
野呂 浩 Hiroshi NORO 東京工芸大学工学部基礎教育研究センター
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.30-38, 2001

Scholars of American literature have produced innumerable interpretations on Nathaniel Hawthorne's masterpiece The Scarlet Letter. Notably, each different approach to the work has revealed a different viewpoint hidden within the story. Here, the story is to be analyzed in relation to the lifelong inner angst of author Nathaniel Hawthorne. This new approach shows the main characters to be individuals into whom the depth of Nathaniel Hawthorne's psychological mindset has been projected. Arthur Dimmesdale, a young minister, reflects the author's internal struggle over his ancestor's past involvement in the judgement of witches, including at the Salem witch trial in 1692. Chillingworth, a diabolical man, represents Nathaniel Hawthorne's sense of guilt, and shows his commitment as an artist to observing people's inner souls. Hester's freethinking manner and way of life can be seen as Nathaniel Hawthorne's strong determination to become an independent artist, and one who is never to fall victim to the stains of the past and society. Nathaniel Hawthorne's longing for British culture is reflected in Pearl. The particular end that each character meets can also be interpreted as carrying its own unique message. Nathaniel Hawthorne is very negative about Chillingworth; the author shows no sympathy for his own inevitably sinful fate of peeping into people's inner souls. The implications of Dimmesdale's death after his final confession on the scaffold are somewhat ambiguous. It is uncertain whether he was saved or severely judged. More likely, there is a mixture of both elements, and his death clearly shows us that the sinful lifestyle of Nathaniel Hawthorne's ancestors must end. Hester ultimately returns of her own free will to the puritan society of Boston, after having lived for a while in the Old World with her daughter Pearl. Hester's return tells us that Nathaniel Hawthorne's desire for freedom includes the possibility of serving the puritan society. Pearl is the only character alive at the end of the novel, happily married, and possibly in England. Nathaniel Hawthorne's decision to live as an artist includes aspirations of British heritage. Dimmesdale's inherited strong animal nature is the root of the persecuting spirit in the history of the author's' ancestors. Therefore, the scarlet letter A in the story can be interpreted as the initial letter of the word 'animal.'
著者
細谷 和海 足羽 寛 西野 麻知子
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集 日本陸水学会第68回大会 岡山大会
巻号頁・発行日
pp.97, 2003 (Released:2004-11-26)

一般に、淡水魚は発育・成長に伴って生息場所を変えるのが普通である。特に、河川の附属湿地である水田やワンドは、梅雨時に生産性の高い一時的水域として現れ、種々の淡水魚にとってきわめて重要な産卵場と生育場として機能する。そのため、淡水魚を保護するためには、成魚の生活場所である河川を部分的に保全するだけでは不十分で、農業用水路を介した河川と附属湿地のネットワークをつなぐ施策が望まれる。個体の移動が保証されるならば、生活環を全うできるばかりか系統の異なる集団間で交配が可能となり、遺伝的多様性を高めることにも役立つ。
著者
田中悠樹
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第57回総会
巻号頁・発行日
2015-08-07

問題と目的 現在,教育現場の課題として自然体験活動の欠如が取り上げられている(日置, 2004; 国立青少年教育振興機関, 2010)。その要因のひとつとして昆虫に対して嫌悪感を示す子ども・教師が増えている(日高, 2005; 鑄物・地下, 2014)ことが考えられる。しかし嫌悪は恐怖や不安といった感情と近い属性を備えた感情であるとされるものの,対人的な場面以外の研究は多くなく,特に昆虫に対する嫌悪は従来本能的なものであると考えられており,その構成要因についてはほとんど明らかでない。 よって,本研究は,対人嫌悪の研究を参考として尺度作成を試みることで昆虫に対する嫌悪感情の構成を明らかにすることを目的とする。方法 調査対象者 関西の国立大学で,2015年1月から2月に質問紙調査を実施した。分析対象は大学生51名(男性:17名,女性:34名)である。 質問項目 日高(2005)において想起されやすかった昆虫「ハチ・ダンゴムシ・イモムシ・チョウ・カブトムシ・バッタ・ゴキブリ・セミ・ガ」についてそれぞれA:(比較的)好ましく思う,B:(比較的)いやだと思う,C:どちらでもない,のどのイメージ群に当てはまるか解答を求めた。なお,統制のためにそれぞれスライドショーで該当する昆虫の画像を提示した。その後,金山・山本(2003)の嫌悪対象者に対する感情の尺度のうち4因子を応用し,昆虫に対する嫌悪感情の尺度を作成,各群について回答を求めた。質問項目は全20項目×3群であり,6件法である。結果と考察 昆虫へのイメージ 各昆虫に対するイメージ群の選択率をFigure 1に示す。χ2検定で選択率を比較した結果,好ましく思う群にはチョウ・カブトムシ・バッタが,いやだと思う群にはハチ・イモムシ・ゴキブリ・ガが選択される傾向にあることがわかった(p<.05)。この結果は日高(2005)の結果を概ね支持し,嫌悪対象となる昆虫とそうでない昆虫とは区分されていることが示唆された。今後昆虫の持つどのような属性が感情に影響を及ぼしているのか調査する必要があると考える。 昆虫に対する嫌悪感情の構成 昆虫に対する嫌悪感情の尺度20項目の3群それぞれ主因子法・Promax回転による探索的因子分析を行った。その際に全群において信頼性係数を低下させていた1項目を分析から除外した。金山・山本(2003)との比較のために,いやだと思う群について取り上げたところ,4因子構造が妥当と判断され下位項目の特徴から各因子を命名した。それぞれの因子名・下位項目・α係数をTable 1に示す。 今回の調査で得られた因子構造のうち「恐怖感情」「無関心」は金山・山本(2003)の尺度と一致したものの,新たに「不快感情」「敵意感情」の因子が抽出された。このことから,嫌いな他者といやだと思う昆虫とで抱く嫌悪感情は概ね似通っており,昆虫に対しては不快と嫌悪が別の感情であることがわかった。 また,嫌悪感情4因子の各尺度得点について,好ましさによる平均値の比較を分散分析によって行った。結果,無関心以外の3因子において好ましさの程度によって差が見られ(不快感情:F(2, 100)=66.68, p<.01; 恐怖感情:F(2,100)=55.89, p<.01; 無関心:F(2,100)=0.39; 敵意感情F(2,50)=12.66, p<.01),いやだと思う群が他の2群と比べて該当する3因子すべてで有意に得点が高かった。こしたことから,いやだと思う昆虫に対する不快や恐怖,敵意といった感情は他の昆虫と比べて強いものであることが示唆された。
著者
仲谷 一宏
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

ヘラザメ属の分類について、Springer(1979)などにより分類学的研究が行われ、Meng et al.(1985)などにより、多くの種が記載された。Paulin et al.(1989)やLast and Stevens(1994)は多くの未記載種を分類学的に未整理のまま報告した。したがって、現在ヘラザメ属の分類は著しく混乱した状況にあり、属の分類学的再検討を行った。その結果、世界の模式標本の自らの調査結果に基づき、既知種の再検討を行い、31種を独立種と認めた。また、世界各地からの標本を検討した結果、既知の31種とは一致しない21種を発見した。これらの種は未記載種であると考えられ、一部の種は新種として投稿中で、他の種に関しても更に詳細な検討をし、公表の予定である。現在、本属の種数は50種を越えるが、すべての種の外部形態、内部形態、計測計数形質を検討した。その結果、吻長、口角部の唇褶、らせん弁数の3形質に一定の関係が認められ、このことから本属は少なくとも3群の種から成り立つことが示唆された。すなわち、1)吻が非常に長い群、2)吻が短く、上顎唇褶が短く、らせん弁が少ない群、および3)吻が短く、上顎唇褶が長く、らせん弁が多い群、である。用いられた形質は独立した形質で、それぞれから得られた結果が極めてよく一致したこと、この3形質以外の形質でも3群が支持されたことから、この3群は系統類縁関係を反映した群である可能性が強い。この3群の分類学的な取り扱いに関しては、本属が属するメジロザメ類全体の系統類縁関係に基づいて、統合的な見地から決定されるべきであり、本研究ではこれらの群に分類学的な処理を差し控えた。また、いくつかの分類学的に未解決の既知種に関しては、原記載などを参考にして3群への帰属を検討し結論を得た。
著者
船引 彩子 納谷 友規 斎藤 広隆 竹村 貴人
出版者
日本堆積学会
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.137-152, 2014-12-26 (Released:2015-02-24)
参考文献数
32
被引用文献数
3

関東平野西部には武蔵野台地に代表される中期更新世後期以降の段丘地形が広がり,段丘堆積物の下位に鮮新世末から中期更新世に堆積した海成層を主体とする上総層群が分布することで知られている.本研究は武蔵野台地のうち,立川面に位置する東京都府中市おいて掘削された,CRE-TAT-1及びCRE-TAT-2コアについて堆積相の観察を行い,含水比,懸濁液のEC·pH,珪藻分析,蛍光X線分析による元素の含有率などの測定を行い,堆積環境を推定した.本研究では,対象地において実験用の熱交換井50m分を掘削する際に同深度のボーリングコア試料を採取し,堆積相の詳細な記載を行い,堆積物の各種物性値を計測し,堆積環境の復元を行った.その結果,対象地の地下50mに分布する地層は複数の堆積サイクルからなることが明らかになった.両コアは主に3枚の礫層とそれに挟まれた砂層および泥層からなり,下位よりユニット1〜7に分けられる.このうちユニット2·4·6は砂礫層からなり,河川堆積物を形成する.ユニット1は主に砂質の河川チャネル堆積物から構成される.ユニット3は主に砂〜シルト層からなり,淡水生の珪藻や生痕が含まれ,氾濫原〜チャネルのような環境を示す.ユニット5は下部で陸域の環境を示すが,中部は青灰色のシルト層で海生の珪藻を産出する.硫黄の含有量,ECともに高い値を示し,海成層と考えられる.このシルト層は上方に向かって砂質のチャネル·氾濫原堆積物へと漸移的に変化し,浅海化の傾向が見られる.各ユニットは大まかにはユニット1〜4が陸成,ユニット5が海成〜陸成,ユニット6·7が陸成の堆積物からなる.ユニット6は立川面を構成する段丘礫層,ユニット7が立川ローム層,またユニット1〜5は上総層群の舎人層である可能性が高い.
著者
村上 直樹 MURAKAMI Naoki
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 = Bulletin of the Faculty of Humanities and Social Sciences,Department of Humanities (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
no.33, pp.99-120, 2016

ある制度論の論者は、「社会を記述するとは制度を記述することである。社会を説明することは、制度を説明することである」(志田・永田1991:69)と主張する。我々はこの主張に同意する。人々が社会と考えるものの中核にあるのは制度である。デュルケムも言うように、社会の学としての社会学は基本的に「諸制度およびその発生と機能にかんする科学」(Durkheim1895=1978:43)なのである。(ただし、デュルケムが考える制度と我々が対象としている制度は、必ずしも完全に重なり合うわけではない。)社会学は、制度を最重要の研究対象としなければならない。ただし、制度を説明することがそのまま社会を説明することになると言っても、制度イコール社会なのではない。例えば、財務省という一つの制度体、法廷での審理という一つの制度的相互行為、あるいは商法という一つのルール群が、そのまま一つの社会なのではない。社会は、制度よりも大きなまとまりである。では、この社会というまとまりは実質的にどのようなまとまりなのだろうか。本稿の主な目的は、多元的制度論の立場からこの問いに答えることと、社会の研究はどのような課題に答えなければならないのかを明らかにすることである。また、本稿は、グローバリゼーションと呼ばれている過程が世界社会や国際社会といった「大きな社会」を形成しているわけではないこと、並びにヨーロッパ統合が「社会の交差」という事態をもたらしていることも併せて指摘することになるだろう。
著者
柏倉 俊介 熊谷 祐一 久保 博 松八重 一代 長坂 徹也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第19回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.241, 2008 (Released:2008-11-25)

日本国内において年間に1千万t程度排出されている産業廃棄物である石炭灰は、石炭の燃焼及び灰の生成過程において、環境規制物質、とりわけ注目されるホウ素・ヒ素・セレンをその表面に濃化させやすいことが知られている。著者らは石炭灰に対して酸洗浄を施すことによりこれらの環境規制物質の除去を目指しているが、ヒ素及びセレンに対しては洗浄後の石炭灰が原灰よりも溶出濃度が上昇してしまうといったケースが見られた。そこで本研究では希硫酸を用いて石炭灰の洗浄過程におけるヒ素及びセレンの液中濃度を測定した。その結果、石炭灰中のアルカリ成分の溶出に伴うpHの上昇に伴って、一度溶出していたヒ素及びセレンが石炭灰表面に静電的な再吸着を起こしている可能性が強く示唆された。
著者
山末 祐二 植木 邦和 千坂 英雄
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.188-197, 1987-10-30
被引用文献数
4

タイヌビエ種子の休眠・発芽における生態的挙動に対する生理・生化学的機構(physiological ecology or ecophy siology)を解明しようとする研究の第一歩として、休眠および休眠覚醒種子の生理的特徴を呼吸およびその関連酵素の活性から検討した。供試種子は農研センター鴻巣試験地由来のタイヌビェから採集したもので、休眠種子は採種後-21℃に貯蔵してその休眠性を維持させ、またこの一部の種子を4℃土壌埋没処理によって休眠覚醒種子を得た(Figure 1)。測定項目は30℃、明条件の発芽床に置床したときのCO_2/0_2交換、エタノール生成、呼吸関連酵素(G6PDH、 6PGDH、 ADH、 ICDH、 cytochrome c oxidase、 polyphenol oxidase、 catalase、 peroxidase)活性の変動であった。休眠種子は置床全期間を通じてCO_2/O_2交換量、すべての酵素活性においてほとんど変動がたく、呼吸代謝的にも全く静止状態にあると考えられた。また、RQ値が1.0付近に維持され、cytochrome c oxidase活性も低いレベルで存在することから(Figures 3,4)、休眠種子は通常の電子伝達系で僅かだから好気呼吸していることが示唆された。しかし、測定された酵素の活性(Figures 4,6)、とくにADH活性は休眠覚醒種子の置床0 hrに比べ比較的大きく、休眠種子内では酵素活性そのものが制限要因でなく、何らかの機作で酵素反応が静止しているものと考えられた。しかし、休眠覚醒種子においては、置床直後からRQ値、ADH活性などが急激に増大し(Figures 3,4)、多量のエタノールが生成されるが(Figure 5)、その後鞘葉、根鞘の突出によって外被が破られ外部酸素が利用可能とたるとADH活性は低下し、代ってcytochrome c oxidase活性が増大し始め、RQ値も1.0に近づいた(Figures 3,4)。したがって、休眠覚醒種子は花被、果皮などを含む外被によって胚に対する酸素の供給が制限されており、置床後から鞘葉だとの突出までの幼芽の生長に必要なエネルギーはアルコール発酵系によって獲得されることが示唆され、この置床初期におけるADH活性の急激な増減は発芽の肉眼的観察以前におこる重要な生理的形質と考えられた。
著者
泉田 大宗 森 彰 二木 厚吉
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4_199-4_218, 2012-10-25 (Released:2012-11-25)

本稿では動的解析と静的解析を組み合わせたマルウェアの振る舞い解析手法について述べる.静的解析部ではバイナリコードを低レベルの記号式で解釈した上で静的単一代入形式に変換し,後方解析を行うことで間接ジャンプの行き先を可能な限り解決している.静的解析では解析しきれない制御フローに関しては動的解析によって補遺する.従来のバイナリコード解析手法ではC言語などの高級言語からコンパイルされたバイナリのみを対象としていたが,本手法ではマルウェアのようにそのような前提条件を満たさないバイナリも解析可能である.また,動的解析部としてハイパーバイザ機構を使った仮想環境を用いる試みについても述べる.
著者
井上 芳光 米浪 直子 小倉 幸雄 久保田 豊司 芳田 哲也 中井 誠一
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.235-243, 2002-04-16

本研究では, 夏季スポーツ活動時における子ども (少年野球・ミニバスケットボール) , 若年成人 (女子ソフトボール・男子野球) , 高齢者 (ゲートボール) の発汗率 (TSR: g/m2/h) ・体重あたりの発汗量 (%TSL) ・水分補給率 (総発汗量あたりの水分補給量: %FIV) を調査し, それらの年齢差, 子どもにおける性差および種目間差 (屋内種目VS.屋外種目) , 飲料差 (スポーツ飲料VS.お茶) をそれぞれ検討した.なお, いずれの場合も水分補給は自由摂取とした.子どものバスケットボールにおいて, TSR, %TSL, %FIVには有意な性差はみられなかった.少年野球時のTSRおよび%TSLは, 高いWBGTに起因してバスケットボール時より有意に高かったが, %FIVには有意な種目間差は認められなかった.なお, 少年野球時のTSRはほぼ400g/m2/hに達し, 先行研究で報告されているその最大値に相当した.スポーツ飲料を補給した場合, 子どもの%FIVは両種目ともほぼ100%であり, %TSLが同等であった若年成人より有意に高かった.子どもの%FIVはスポーツ飲料摂取時がお茶摂取時より有意に高かったが, 若年成人の%FIVには飲水物の影響はみられなかった.高齢者のTSR, %TSL, %FIVは, 若年成人や子どもより有意に低かった.これらの結果は, 夏季スポーツ活動時において, 子どもにスポーツ飲料を自由摂取させれば, 性・環境温度に関わらず, 自発的脱水を予防できることが示唆された.しかし, 子どもの炎天下スポーツ活動時の発汗率が先行研究で報告されている最大発汗率に相当したことから, 深部体温がかなり上昇していることが推測され, 夏季スポーツ活動時には熱中症予防に向けた積極的休息, 練習時間の短縮, 運動強度の軽減の必要性がうかがえた.高齢者はスポーツ活動時の水分補給率が低いことから, 積極的な水分補給を奨励することが熱中症予防に重要であることが示唆された.
著者
有末 賢
出版者
慶應義塾大学
雑誌
法學研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.1-27, 2000-05-28
被引用文献数
1

論説1 はじめに2 社会調査方法論と意味論3 質的調査法とインタヴュー4 調査者 : 被調査者の関係性と意味の生成5 モノグラフ法と記述から作品化へ6 調査のバイアスとジレンマ7 おわりに

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出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.143-143, 1998 (Released:2009-05-29)
著者
及川 昌典 及川 晴
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.485-491, 2010 (Released:2011-04-20)
参考文献数
44
被引用文献数
2

The present study explores the division of labor for consciousness and the unconscious by examining the effect that the conscious mental compilation of implementation intentions has on unconscious goal priming. Temptations (e.g., leisure activities) that compete with goals (e.g., to study) inhibit relevant goal pursuit. However, forming an implementation intention to pursue a goal without succumbing to temptations may set off automatic self-regulation based on renewed associations where activation of temptation triggers goal pursuit. An experiment with undergraduates (N=143) revealed that in the “no conscious compilation” control condition, goal priming facilitated and temptation priming inhibited subsequent task performance. However, in the “conscious compilation” condition, temptation priming facilitated subsequent task performance equally as much as goal priming did. These results are consistent with the notion that automatic goal pursuit in the direction counter to existing mental associations could be achieved following conscious compilation of implementation intentions. Implications of these findings for effective coordination of consciousness and the unconscious in self-regulation are discussed.
著者
唐沢 好男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.396, pp.57-62, 2015-01-15

MIMOシステムの伝送特性評価(通信路容量やBER特性)には、通信路行列(A)の相関行列(A^HA、AA^H)の固有値分布を把握することが重要である。次世代ワイヤレスシステムでは、大規模アレーによるMIMOシステム(Massive MIMO)に期待が高まっているが、Massive MIMOでは、相関行列のサイズが大規模になる。そのような大規模ランダム行列の漸近固有値分布は、マルチェンコ・パスツール則に従う。本稿では、漸近固有値分布とそこから導き出される漸近通信路容量に対し、限定されたMIMO(それほど大規模でないMIMO)の特性評価に、漸近固有値分布の理論がどこまで通用するかを明らかにする。