著者
葛山 浩 小紫 公也 桃沢 愛 荒川 義博
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, SPACE TECHNOLOGY JAPAN (ISSN:13473840)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.9-16, 2003
被引用文献数
5 14

エンジンサイクル解析を用いて,パルスレーザーラムジェット機のSSTO打ち上げの検討が行われた. 高々度では,多くのレーザーエネルギーが化学反応凍結流によって失われるが,重量100kg,断面積 1m<sup>2</sup>程度の機体にたいして,100MW程度のレーザーパワーでレーザーラムジェット機をSSTO打ち上げ 可能であることがわかった. また,エンジンサイクル解析により得られた運動量結合係数Cmを, CFDを用いて得られたCmと比較することでその妥当性を検討した. 結果として,エンジンサイクル解析はCmを過小評価していることがわかった. この理由は,実際の加熱過程における強い非定常なエネルギー入力と機体のafterbody上での 空間的にローカライズされた圧力上昇のためであると考えられる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1055, pp.42-53, 2011-05-02

東日本大震災の発生から1週間後。岩手県大船渡市の避難所で歓声が上がった。停電のために真っ暗な避難所内を、一筋の光が照らしたのだ。電力を供給したのは、太陽電池モジュールと鉛蓄電池を組み合わせた「移動式太陽光発電機」だった(図1)。 この移動式太陽光発電機を開発した相光技研(神奈川県相模原市)は、過去に2台の試作機を製作しただけで商品化を断念した経緯がある。
著者
松木 洋忠 江崎 哲郎 三谷 泰浩 池見 洋明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1-8, 2011 (Released:2011-08-19)
参考文献数
27
被引用文献数
1

河川流域の土地利用は過去の人間の働きかけの蓄積である.本論は,遠賀川の河川・流域の特性を理解するため,人為的開発が始まった古代の土地開発の変遷を把握しようとするものである.検討にあたっては,地質と地形による基本的な自然条件を整理した上で,縄文時代,弥生時代,古墳時代の各時代の最先端の土木施工技術を勘案しながら,遺跡等の分布と考古学的な研究成果に解釈を加えている.分析の結果,弥生時代の木製の鍬と鋤,古墳時代の鉄製刃先は,水田稲作の伝来以来,沖積地の開発に寄与したといえる.そして開発の対象地は,古墳時代までの土木施工技術に発達に伴って,干潟周辺の低平地から,上流の盆地や源流域に移っている.このような古代の土地開発の歴史は,今後の河川・流域管理を考える上で考慮するべき情報である.
著者
田中 誠
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.77-80, 2006

ヘミングウェイの簡潔な文体は、様々な要素が絡み合って構成されていると考えられるが、その中でも、この稿ではandの使用頻度に注目をする。ヘミングウェイがandを多用しているという印象は多くの人が感じていることであると思うが、andの使用頻度は本当にヘミングウェイの作品の中で、統計的に見ても多いと言えるのか、また、最初の頃の作品と、晩年の作品では、andの使用頻度に違いはあるのかの調査をしてみることにした。コーパス作成のために選んだ作品は、The Sun Also RisesとThe Old Man and the Seaである。また、比較のために「小学館コーパスネットワーク」のWordbanksOnlineを使用し、その中のandの使用頻度を調べた。結果として、WordbanksOnlineと比較して、ヘミングウェイ作品中のandの使用頻度は、統計的に見ても高いということが分かった。またThe Sun Also RisesとThe Old Man and the Seaでは、後者の方がさらに、andの使用頻度が高いということが分かった。上記のヘミングウェイ作品においては、他の単語と比べてもandの使用頻度は高いということが分かった。
著者
鈴木 章
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.105-108, 2005-02-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
2

症例の概要: 本症例は咀嚼・審美障害を主訴とする51歳男性に対して, 支台歯への負担軽減, 清掃性の向上, 審美性などの点から, コーヌス義歯治療を選択した. しかし, 食事が味気ない, 温度感覚がないなどの口腔機能感覚のさらなる改善を求められたため, 上顎臼歯部にインプラント補綴治療を行った. 前歯部についてはコーヌス義歯の内外冠を利用した可撤性ブリッジに改良した.考察: 本症例を通じて, 患者の要望に応じた適切な治療計画を選択することの難しさが痛感された.結論: 治療計画を変更したことにより, 口腔内不快感は消失し患者のQOLは改善された. 定期的にメインテナンスを行い装着後3年経過するが, 良好に推移しており患者も大変満足している.
著者
Fujii Yoichi Muro Hideo
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.23-26, 1980-01-01

A new opticalmodulator in an optical fiber directional coupler, where the coupling of two optical fibers is electricauy controlled by Kerr effect, is proposed and experimentally verirled. This modulator consists of two parallel fiber cores immersed in a Kerr-effect liquid. The characteristic of this modulator is theoretically analyzed and it is shownthat a change of the refractive index by Kerr effect in theliquid in the order of 10(-4) is sufficient to a complete switching for the coupling length of 5 mm.
著者
片平 和俊 鈴木 秀人 岡田 昌巳 友田 陽 岩野 利彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.64, no.622, pp.1475-1480, 1998-06-25
被引用文献数
7 1

To improve the fatigue reliability for SMn 435 steel by an environmentally sound surface modification, the influence of the modification on fracture mechanism was studied experimentally. The fatigue properties of SMn 435 are found to be obviously improved by gas soft-nitriding, so that they can no longer be estimated by using a concept of "S-N Globe"which has successfully been applied to many surface-treated materials. The detailed observations have revealed that fatigue crack initiation in a gas soft-nitrided SMn 435 specimen occurs in a hardened region near surface not in a subsurface region with virgin microstructure. The crack initiation is attributable to cyclic plastic deformation in the subsurface region. Such a crack initiation mechanism is different from that previously observed in other surface treated materials, explaining the reason why the S-N Globe concept can not be applied to the present case.
著者
花澤 佳代 喜多 祐荘
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.103-107, 1997

今回、精神病院に勤務する若い世代の精神医学ソーシャルワーカー(以下、PSW)を対象に、業務内容・専門職としての意識について調査を実施した。精神保健福祉士の国家資格化が図られようとしている状況の中で、国家資格に対する意識を通じPSWの専門性の意識に焦点をあてた。調査結果からは以下の点が明らかになった。1.国家資格化の実現により、PSWの社会的な身分の保証がされると考えられていること。2.PSWの国家資格化が図られることで、クライエントに対して、何らかのプラスになる援助が可能になると考えているPSWが多いこと。3.各精神病院においては運営上の格差があり、それによりPSW業務に違いが大きくあること。4.現状におけるPSW業務は、個別援助の割合が高いこと。5.PSWの専門性は知識であると考えられていて、国家資格化により社会福祉に基盤を置いた共通の専門性が生まれてくると考えているPSWが多いこと。
著者
今井 博康 高志 博明
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学北方圏学術情報センター年報 (ISSN:21853096)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.31-41, 2013

国家資格化後,新人精神保健福祉士の急増をみる一方で,若手精神保健福祉士の転退職も増加の一途をたどっている。障害者総合支援法により必置義務がなくなったことを背景とした雇用の不安定性も無視できないだろう。しかし筆者らに届く転退職に関する相談では,業務上抱えた悩みやジレンマを適切に扱ってくれる職場上司や先輩が存在しないという声が少なくない。そこで本報告では,比較的経験の浅い精神保健福祉士へのグループインタビューを実施し,転退職に至る要因がどこにあるかについて,就職当初の動機からその後の業務内容,抱えたジレンマとそれへの対処を経過的に探り,新人精神保健福祉士養成に必要な手立てを検証した。その結果,所属機関の業務に従事する中で感じる課題やジレンマについて,各人なりの自己点検を行っているものの,その自律性を支えるものとして支持的スーパービジョンの存在が浮上した。またインタビュー結果から,養成に当たる精神保健福祉士や上司,養成校,専門職能団体に求められる役割を検討した。
著者
西松 慶子 田村 理 関根 政実 高野 光男
出版者
低温生物工学会
雑誌
凍結及び乾燥研究会会誌 (ISSN:02888297)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.48-50, 1993-10-20

Cell suspension of Nicotiana tabacum L. cv. BY2 was cultured with a modified LS medium. The cells were examined to vitrify through two methods. The 7-days culture was replaced in the medium with 1M sucrose and cultured for 1 day. In the method 1, the cells were vitrified with PVS2 (by SAKAI) in liquid nitrogen. In the method 2, the cells were transferred to the medium containing 2M glycerol plus 0.4M sorbitol, and then to that containing 4.5M glycerol plus 1.46M sorbitol successively. Cells in the concentrated medium were vitrified similarly to the method 1. Plasmolysis of the cells was observed in both methods, but more mildly in the method 2. The ratio of heat of devitrification to that of thawing was 0.82 or 0.67 in the two methods, respectively. The thawed cells in both methods were hard to grow on the solid medium. Only the growth was observed on a solid medium through nursing culture plate of the cells from methed 2.