著者
山尾 泰 梅田 成視 大津 徹 中嶋 信生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.1364-1373, 2000-10-25
参考文献数
26
被引用文献数
123

携帯電話に代表される移動通信サービスの急速な普及は, 人々のライフスタイルを大きく変えつつある.また社会の情報化の著しい進展に伴い, 21世紀の移動通信においては, 従来支配的であった電話によるトラヒックから, データ/マルチメディアのトラヒックへと比重が大きく移行し, 移動通信システムの高速・大容量化が必須となると考えられる.本論文では, このような社会・経済環境の変化に対応できる第4世代の移動通信システムについて, その課題と性能・機能面での要求条件について考察する.またこれを達成するうえで必要な技術課題, 特に無線システムを中心とした課題について展望する.

1 0 0 0 OA 日本名山図会

著者
谷文晁 画
出版者
東陽堂
巻号頁・発行日
vol.地,
著者
真坂 健太 相原 龍 滝口 哲也 有木 康雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.17, pp.1-6, 2014-12-08

声質変換は,入力した音声を音韻情報などは保ったまま,話者性のような特定の情報のみを変換する技術であり,話者変換や感情変換,発話支援など様々なタスクへの応用が期待されている.従来の代表的な手法である GMM を用いた統計的なアプローチ等は,あくまでクリーン音声を用いた評価を行っており,雑音環境下を考慮した定式化はされていない本研究では,雑音環境下での声質変換など,これまでになかったタスクに対応可能な非負値行列因子分解 (Non-negative Matrix Factorization:NMF) による声質変換を扱う.我々はこれまで,この NMF に基づいた,音声だけではなく唇画像情報を用いたマルチモーダルな声質変換手法を提案してきた.入力話者の特徴量として,音声と画像情報を用いることで変換精度,及びノイズロバスト性の向上を目指した.本論文では,さらに特徴量重みを導入し,新たにコスト関数を提案した.実験結果より,音声情報のみを用いた NMF による声質変換,及び GMM による声質変換よりも提案手法が精度の良い変換が行える事を示す.Voice conversion is a technique for converting specific information in speech while maintaining the other information, such as linguistic information. This technique has been applied to various tasks, for example, there are speaker conversion, emotion conversion and speaking assistance, etc. The GMM-based method is conventional VC method and widely used. In noisy environments, the GMM-based method cannot convert the speech well, because this method cannot model the noisy signal well. Therefore, we have been researched about a noise-robust VC method using Non Negative Matrix Factorization (NMF). In this paper, we propose a multimodal VC method that improves the noise robustness of our previous exemplar-based VC method. Furthermore, we introduce the combination weight between audio and visual features and formulate a new cost function in order to estimate the audio-visual exemplars. By using the joint audio-visual features as source features, the VC performance is improved compared to a previous audio-input exemplar-based VC method. The effectiveness of this method was confirmed by comparing it with that of the conventional audio input NMF-based method and the conventional GMM-based method.
著者
中鹿 亘 滝口 哲也 有木 康雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.30, pp.1-6, 2014-12-08

質変換は,入力した音声を音韻情報などを保ったまま,話者性に関する特定の情報のみを変換する技術であり,話者変換や感情変換,発話支援など様々なタスクへの応用が期待されている.従来の多くの声質変換手法は,同一発話内容の入出力音声対 (パラレルデータ) を学習時に必要とするが,予め発話内容を決めておく必要がある,音声間のアライメントを取る必要があるなど,学習データを慎重に用意しなければならないという問題がある.また,変換モデルの利用は学習された話者対のみに限定されてしまう.本研究では,パラレルデータを必要としない任意話者声質変換を実現するため,確率モデルの一つである Restricted Boltzmann machine(RBM) を拡張した話者適応型 RBM(Adaptive restricted Boltzmann machine; ARBM) を新たに提案する.適応型 RBM は可視素子層と隠れ素子層からなる二層の確率モデルであり,異なる層の素子間には話者によって変化する結合重みが存在する.本稿では,適応型 RBM を用いた任意話者声質変換に関する評価実験の結果について報告する.Voice conversion (VC) is a technique where only speaker-specific information in source speech is converted while keeping phonological information. The technique can be applied to various tasks such as speaker-identity conversion, emotion conversion and aid to speaking for people with articulation disorders. Most of the existing VC methods rely on parallel data—pairs of speech data from source and target speakers uttering the same articles. However, this approach involves several problems; firstly, the data used for the training is limited to the pre-defined articles. Secondly, the use of the trained model is limited only to the speaker pair used in the training. In this paper, we propose a novel probabilistic model called an adaptive restricted Boltzmann machine (ARBM) for VC between arbitrary speakers without use of parallel data. This model consists of a visible-unit and a hidden-unit layer with the speaker-dependent connection. In this paper, we report our experimental results of arbitrary-speaker VC using our model, an ARBM.
著者
勝股 高志
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学教養部紀要 (ISSN:09162631)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.73-94, 2008
著者
佐野 恒吉 江川 薫 野中 直子 滝口 励司
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.343-352, 1999-12-30
被引用文献数
1

硬組織の形成部位のカルシウム (Ca) やリン (P) の含有量を定量分析する方法ではエネルギー分散型X線検出器 (EDX) を用いる方法が分析例の多さ, 試料の扱い, そして分析精度の点で現在のところ最も優れた方法である.しかし, 歯科領域の分析ではCaとP濃度は同時に測定されることが多く, EDXの通常の設定では, 硬組織, 特に歯の象牙質における管間及び管周象牙質などのように, 分析したい部位が必ずしもCaやPのX線発生領域よりも広くない場合が多い.本研究では, このEDXが据付られた走査電子顕微鏡S-2500CX (日立) で, 硬組織上にどの程度まで小さな分析領域を取ることができるかを, 加速電圧の変化に伴う試料中のX線発生領域の変動と試料の分析面を傾斜させることにより分析値の変化を観察した.そして, これらの結果を基に, 走査電子顕微鏡 (SEM) の分析仕様の限界の7kVの加速電圧で, ラットの下顎の切歯断面の象牙質の表面をX線検出器に向かって角度27.5°に傾斜させてX線分析領域を最小にして, CaとPを分析できた.最初は, 象牙質の唇側の管間及び管周象牙質でSEMの加速電圧の違いによる分析値の変化を観察するため, 加速電圧が7と10kVそして15kVでCaとPの含有量の分析を行った.この唇側の結果から加速電圧が7kVで最も正確な濃度が得られたが, 10kVのときの値に対して有意な違いがなかった.次に, 加速電圧7kVの唇側の結果に合わせて舌側とその中間の近心側と遠心側の管間及び管周象牙質も同様に分析した.その結果, 管周象牙質のCa及びP濃度に有意差が見られず, エナメル質に関連する唇側の管周象牙質のCa含有量は舌側管周象牙質より高かった.
著者
二宮 和彦
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.167-175, 1992-09-15
被引用文献数
10

先報のシュミレーション用モデルを適当な近似関係の導入により改変し、シュミレーション解析に便利な2組の関係式群を得た。その結果、まず主要な政策パラメターについて、各企業とも共通して目指すべき変動方向を示すことができた。次に税前利益は、政策ぱらめたー間に特定の関係条件が成立する場合に極大化することを示し、その条件を明らかにした。また限界利益と研究開発費の比率は、企業間の自由競争の結果次第に平準化し、製造業を通じて共通の特定値に収斂する可能性を示し、そこから研究開発費の適値は限界利益の12%程度であると推定した。次に日本の大部分の企業では経営合理化の努力の結果、税前利益はほぼ極大化していると推定し、そこから例えば物的固定費支出の適値は税前利益の2.3倍程度であると推定した。また、研究開発投資効率について新しい考え方を提案し、それについての統計的平均値を示した。さらに従業員1人当たりに換算した研究開発費が、企業の将来性を判断するための尺度になるという統計的な調査結果は合理的な根拠を持つことを示した。
著者
寺井 仁 三輪 和久 田嶋 あゆみ
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.37-49, 2014-08-31 (Released:2014-10-07)
参考文献数
27

本研究では,マジックのトリックを解決する課題を対象に,(a)予期しない現象の原因同定に加齢が及ぼす影響,および(b)高齢者同士の協同が原因同定に与える効果について実験的な検討を行った.実験の結果,高齢者の原因同定のパフォーマンスは若齢者に比して低下することが示され,トリックが存在する箇所および存在しない箇所の弁別が困難であることが示された.一方,すでに得られた情報を起点として原因を探るという問題解決方略は高齢者においても保持されていることが示された.また,高齢者が協同して助け合うことにより,原因同定のパフォーマンスの向上が認められ,そのプロセスにおいて,得られた情報を起点とした原因の推測がより改善され,トリックが存在する箇所への疑いがより強められることが明らかとなった.しかしながら,トリックが存在しない箇所に対する疑義の棄却に関しては協同による助け合いの効果は認められなかった.
著者
前之園 春奈
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.79, pp.17-30, 2014-09-16

ジャン= ジャック・ルソーの『エフライムのレヴィ人』は,旧約聖書の『士師記』を下敷きにして書かれている。作品の最後にはアクサという娘が登場するが,このアクサのエピソードはルソーが創作したものである。このアクサの自己犠牲の行為が『社会契約論』における「全面譲渡」の身ぶりと同じであると考えられることから,『エフライムのレヴィ人』を政治的作品として位置づけた読解を試みた。本稿では,ルソーがアクサのエピソードを挿入することによって,「全面譲渡」成立の瞬間の原風景を物語化して読者に呈示していることを明らかにした。
著者
藪田 慎司 中田 兼介 千嶋 淳 藤井 啓 石川 慎也 刈屋 達也 川島 美生 小林 万里 小林 由美
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.195-208, 2010-12-30

哺乳類の生態や行動に関する野外調査には,しばしば複数の調査者の協力が必要となる.多くの哺乳類は寿命が長く行動範囲が広いからである.このようなチーム研究を維持するには,各メンバーのデータを集約保存し,メンバー全員で共有するシステムが必要である.本論文では,ゼニガタアザラシ(<i>Phoca vitulina stejnegeri</i>)の個体識別調査を支援するために開発したシステムについて報告する.このシステムは2つのデータベースからなる.野外で撮影された写真を管理する写真データベースと,識別された個体についての情報や観察記録を管理する個体データベースである.システムはインターネット上に置かれ,メンバーは,どこからでも新しいデータを登録でき,また登録済みデータを研究のため利用することができる.近い将来,本システムは以下のような研究に貢献すると期待される.上陸場間の移動行動の研究,生活史パラメーター(齢別死亡率,出産間隔等)の推定,個体数の推定,社会構造の研究,等である.<br>
著者
塚本哲三 編
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
1924
著者
中村 睦美
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第31回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.245, 2012 (Released:2012-11-07)

【目的】小学校におけるキャリア教育は,初等教育から高等教育に至る系統的・組織的なキャリア教育の基盤として極めて重要な意味を持つ。平成22年度と平成23年度の2回,このキャリア教育の一環として小学6年生を対象とした職業体験学習に理学療法士として参加したので報告する。【方法】キャリア教育の一環として,職業体験学習の講師募集要項が小学校全学年児童を通して保護者に配布され,児童の保護者や地域住人を中心に医師,大学教員,理学療法士,新聞記者,カラーコーディネーター,編集者,絵本作家,フードコーディネーター,獣医,植木職人,映画監督,消防士の12職種13人が講師として集められた。聴講者は小学6年生で,自分が話を聞いてみたい職業を3職種選び聴講することができる。1つの職種につき講義時間は約30分であり,講義の後仕事体験を行った。理学療法士の仕事体験には,車いす駆動,下肢装具装着歩行,松葉杖歩行を行った。なお,今回の発表に際しては当小学校から承認を得ている。【結果】興味をもって自ら「理学療法士」の聴講を希望した児童数は,22年度は77名中19名,23年度は86名中6名で他の職種に比べて少ない印象であった。後日,実際に感想文として提出されたものの中には「話を聞くまでは何をする人か分からなかった。」「車いすや松葉杖体験が楽しかった。」「話を聞いて理学療法士に興味をもち,将来なりたいなと思いました。」と記載されていた。【考察】今回,小学6年生を対象としたキャリア教育に参加して「理学療法士」の認知度の低さを感じた。「理学療法士」という職種を知らない児童が多く,今回はじめて認識したという児童が多い印象であった。2009年に行われた全国の小学生~高校生を対象とした将来なりたい職業の調査では,「理学療法士・臨床検査技師・歯科衛生士」は高校生では男子で9位,女子で5位であったが小中学生では圏外であった。2010年度の理学療法週間事業での取り組み報告によると「理学療法士」の認知度は3割と低いが,低年齢になるほど低くなるとの報告もある。低年齢時から理学療法士への理解を深めることで,理学療法士としての適性を備えた人材の育成や理学療法士の質の向上につながると考えられる。今回このような経験を得て,小学生を対象としたキャリア教育への理学療法士の参加は児童の勤労観・職業観の育成を促すとともに,理学療法士の社会的認識の向上に非常に有用な場になり得ることを実感した。【まとめ】理学療法士の小学校キャリア教育への参加は,児童の理学療法士への理解を深めるとともに職業選択範囲の拡大をもたらすと考えられる。

1 0 0 0 OA 東航紀聞 6巻

著者
岩崎, 俊章
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],
著者
Katsuhiro YAMASAKI Masami NAKANO Takuya KAWAHATA Haruyo MORI Toru OTAKE Noboru UEDA Isao OISHI Rie INAMI Megumi YAMANE Miki NAKAMURA Hiroko MURATA Tsutomu NAKANISHI
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.829-833, 1998-08-15 (Released:2008-04-10)
参考文献数
14
被引用文献数
75 158

The anti-HIV-1 activity of aromatic herbs in Labiatae was evaluated in vitro. Forty five extract from among 51 samples obtained from 46 herb species showed significant inhibitory effects against HIV-1 induced cytopathogenicity in MT-4 cells. In particular, the aqueous extracts of Melissa officinalis, a family of Mentha×piperita "grapefruit mint", Mentha×piperita var. crispa, Ocimum basilicum cv "cinnamon", Perilla frutescens var. crispa f.viridis, Prunella vulgaris subsp. asiatica and Satureja montana showed potent anti-HIV-1 activity (with an ED of 16μg/ml). The active components in the extract samples were found to be water-solubel polar substances, not nonpolar compounds such as essential oils. In addition, these aqueous extracts inhibited giant cell formation in co-culture of Molt-4 cels with and without HIV-1 infection and showed inhibitory activity against HIV-1 reverse transcriptase.
著者
小原 章裕 松久 次雄 森 一雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.725-729, 2000-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
17

10種類の薬味として用いられる香辛料 (白コショウ, 黒コショウ, サンショウ, トウガラシ, ネギ, タマネギ, ショウガ, ニンニク, 黒ゴマ, 白ゴマ) の抗変異原性を調べた.抗変異原性の測定は変異原物質としてTrp-P1, 1-ニトロピレン (1-NP), 薬物代謝酵素群により活性化されたact.Trp-P1及びact.Trp-P2に対する変異原性の抑制分を Salmonella typhimuriumTA98菌株を用いるAmestestで行った.また, これら試料の各種変異原物質に対する抗変異原性の強弱から活性発現メカニズムについても検討した.薬味10種類のメタノール抽出物の内, 黒コショウ, サンショウ, トウガラシ, ネギ, タマネギ, ショウガの6種類の試料に1-NPに対する抗変異原1生が認められた.一方, Trp-P1に対しても白コショウ, トウガラシ, タマネギ, ネギ, ショウガ, ニンニクの6種類が活性を示した.さらに, それぞれの薬味のメタノール抽出物をヘキサン画分, ベンゼン画分, 酢酸エチル画分及びメタノール画分に分画し, Trp-P1, 1-NP, act.Trp-P1及びact.Trp-P2に対する抗変異原性を検討した.その結果, 多くの試料は薬物代謝系酵素にではなく変異原性を示す物質に直接に作用していた.この結果よりこれらの薬味は各種変異原物質に作用して抗変異原性を示す事が分かった.