著者
田上三郎 著
出版者
誠文堂
巻号頁・発行日
1925
著者
高橋 鉄美 曽田 貞滋
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

集団内多型の維持機構を解明することは、遺伝的多様性の維持と直結するため、進化生物学的・生理学的に重要な課題である。私は、シクリッド魚類のあるグループに見られる集団内オス色彩二型を例に、その維持機構を解明しようとしている。本研究課題では、飼育個体群を用いた連鎖解析と野生個体群を用いた関連分析を行い、二型を支配する遺伝子が組み換えの制限された狭いゲノム領域に存在することを明らかにした。しかし、二型の維持機構を解明するには至らなかった。当初、異類交配によって維持されるという仮説を設定していたが、それを支持する結果が得られなかった。このため新たな仮説を提唱し、今後の研究に筋道をつけた。
著者
小川 真 矢崎 俊志 阿部 公輝
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012-SLP-90, no.10, pp.1-7, 2012-01-27

VOCALOID 「初音ミク」 の発売以来,ユーザが自由に歌声ライブラリを制作できるフリーの歌声合成器 UTAU が開発されるなど,歌声合成への関心が高まっている.これら歌声合成器は主にアマチュアの音楽制作に使用されるが,ユーザが声色を任意時刻に混ぜて指定する機能がない.また,声色操作を行うことで処理時間やデータ量が大きくなる.本研究では音声合成分析系 WORLD を用い,メルケプストラムと Vorbis による励起信号からなるコーパスを声色別に収録し,各音素間を時間伸縮関数で接続することで,ユーザがモーフィング率を指定し声色を操作できる歌声合成器 v.Connect を開発した.提案手法を用いて歌声コーパス 「波音リツコネクト」 を制作した.このコーパスの容量は波形の 2 倍程度であった.合成速度は 1.7~2.2 倍と改善され,圧縮による劣化は主観的には感じられなかった.
著者
工藤 哲洋 横山 央明 松元 亮治 工藤 祐己 那須田 哲也 町田 真美 鈴木 昭宏
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

太陽は恒星の集団である銀河に属し、恒星間には希薄な星間ガスが存在しています。そして、星間ガスには磁場が存在し、太陽のような恒星が星間ガスから誕生する時に大きな影響を与えています。しかし、星間磁場がどのように維持されているのかはよくわかっていません。私たちは、星間磁場の維持増幅機構(銀河のダイナモ機構)に興味を持ち、その機構に重要な不安定性を研究しました。特に、星間空間に存在する宇宙線と呼ばれる高エネルギー粒子に着目し、それが不安定に寄与する事で、銀河の中における星間ガスの密度や磁場の分布が大きく変化を受けることを発見し、それがダイナモ機構に影響を与えうることを確認しました。
著者
Shun HIRASAWA Miki SHIMIZU Yuumi MARUI Miori KISHIMOTO Seiichi OKUNO
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.14-0089, (Released:2014-09-05)

We designed a new method of measuring the length of the ulnar nerve and determining standard values for F-wave parameters of the ulnar nerve in clinically normal beagles. Nerve length must be precisely measured to determine F-wave latency and conduction velocity. The length of the forelimb has served as the length of the ulnar nerve for F-wave assessments, but report indicates that F-wave latency is proportional to the length of the pathway traveled by nerve impulses. Therefore, we measured the surface distance from a stimulus point to the spinous process of the first thoracic vertebra (nerve length 1) and the anterior horn of the scapula (nerve length 2) as landmarks through the olecranon and the shoulder blade acromion. The correlation coefficients between the shortest F-wave latency and the length of nerves 1, 2 or the forelimb were 0.61, 0.7 and 0.58. Nerve length 2 generated the highest value. Furthermore, the anterior horn of the scapula was easily palpated in any dog regardless of well-fed body. We concluded that nerve length 2 was optimal for measuring the length of the ulnar nerve.
著者
中野 正俊 神山 保 糸乗 前
出版者
滋賀県立琵琶湖博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

これまでにも国内各地で、防災ならびにエネルギー活用に関する教育は行われてきた。ただ、それらは学校あるいは地域や民間それぞれが単独で実施してきた。社会教育施設等が学校や地域と連携して実践する例はなかった。そのために、当該学校では効果的な学習ができても、他へ広められなかった。そこで今回、博物館・学校・地域の3者が連携し、モデルを作った。このモデルは、全国のあらゆる学校や地域で活用できる。それは、学習指導要領にもとづいたモデルだからである。また、学校教員と話し合い、子どもの実態にそって実践したからである。総合的な学習の時間は減った。これを乗り越えて実践する手だてや工夫が必要である。
著者
長谷川 公嗣 武野紘和 中津 悠斗 大宮 学
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.2829-2840, 2011-09-15

最近,無線LANシステムとして高出力かつ高速データ伝送を実現するIEEE802.11n規格に準拠した機器が流通している.この装置をアクセスポイントとして利用することで,屋内での同一フロア部屋間あるいは複数階での大容量情報伝送が可能である.本論文では,市販の2.4GHz帯無線LANシステムを利用して,屋内伝搬特性測定を行い,受信電界強度(RSSI)と平均スループットの関係を明らかにする.小規模および大規模オフィス環境,戸建住宅での測定と考察から,これら2つの特性には線形の関係があり,測定環境によらず同一の直線で近似できることを示す.このことは,市販製品がMIMO特性を実現していないことを意味し,動作周波数が2.4GHz帯であることおよび小型無線子機の構造上の制約が原因と考えられる.この場合,導出した関係式を利用することで,RSSI値からスループット値を推定できる.RSSIはスループットに比較して測定が容易で,数値シミュレーションでの評価にも適している.そこで,FDTD法によりRSSI分布を求め,その結果と測定結果を比較検討し,両者がよく一致することを確認した.以上のことから,数値解析で得られたRSSI分布と実験から導出したRSSIとスループットの関係を表す近似直線を組み合わせることで,任意の場所でのスループット値を推定することができる.したがって,導出した結論はアクセスポイントの設置位置や設置台数を見積もる際の有効な設計手法となる.
著者
島袋 梢
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究では、デング熱感染症の発生に影響を与えると考えられている気象を解析し、影響を与える特定の気象パターンを見つけだす事を目的としている。特に、デング熱媒介昆虫の生態学的特徴から、本研究では新たに、無降水も影響を与えていると考えている。本年度は、昨年収集したデング熱が流行しているアジア地区を中心とした気象データを解析した。最初に参照した気象データ(日本の気象業務支援センターのデータ・アメリカ海洋大気庁(以下:2次データ))は欠損値が多く、予想に反して2次データを用いての解析が難しい事が分かった。そのため、デング熱患者の疫学データと同地域から直接データを入手し、最終的にはカンボジア国の7地域最大15年の気象データ(降水量・温度・湿度)を用いて解析をおこなったところ、月や年平均の降水量・気温・湿度の大きな相関は見られなかった。特に、本研究で仮定している無降水との関連性も、月別の無降水日数で検討したが大きな影響は見られなかった。その結果を元に問題点を検討したところ、降水量の観測地点と患者発生地点の距離が影響している可能性が考えられた。その仮説をもとに、降水量がどの程度の距離間まで同じ降水パターンを示すか検討することとした。国内の詳細なアメダスデータを基に、平坦な地域で降水量が類似パターンを示す限界が約30キロ圏内であることが推定された(地理的特徴などによっても異なる)。一方で、国内でのデータが海外でも同様の傾向がみられるかを検討するために、シンガポール国にて実際に雨量計で計測を行ってみたところ、30キロ以内のシンガポール国内の観測データを比較したところ、類似性がみられないことが分かった。その原因は熱帯の気象変化が亜熱帯地域と比較してより多様性があることが考えられたことから本研究のように降水量のパターンを調べていく場合、観測地点は30キロマスより小さいレベルで参照することが今後必要になるとの新たな課題が考えられる結果となった。
著者
笠原 俊彦
出版者
長崎大学
雑誌
經營と經濟 : 長崎工業經營専門學校大東亞經濟研究所年報 (ISSN:02869101)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.21-56, 2003-06-25

Acconding to Weber, the Calvinistic pastor in his practice changed the idea of calling in its specific aspect while he was managing the idea in the doctrine and also in the original religious mind of its beliver: in making the idea of calling acceptable to rank and file, the pastor dropped from it the non-or even anti-profit moment and added in this place the con-profit one, thus directing the tremendous energy of the religious mind towards moulding the spirit of the modern capitalism as the ideal of ascetic ethic in the worldly life. The idea of calling so revised is found 'ideal-typically' in English Puritanism, especially in the work of Baxter. He stressed the ceaseless lure of wealth to moral corruption and neglection of ascetic life. However, though his hostility to property was much more strong and strict than that of Calvin himeself, Baxter's doubt was directed not to wealth as it was but to its degrading effect on morality, to idleness and enjoyment of life and resulting resignation of the efforts to holly life for the glory of God. For Baxter the toil in one's calling was on the one hand the means for asceticism : it was the prominent guard against all the temptation to unclean life ; it was on the other just the divine purpose of human life. A specific job as a calling was given to each person secretely by God, so it was his duty to search for this and work hard in this to contribute to the rational formation of society and to the 'common best' in order to be pleased bv God. The liberation from the old restriction and the freedom of the selection of one's job, which Luther could not had admitted, exerted then the amazing influence on constituting the rational labour system both in business and society as a whole. This idea of Barter familiar with utilitarianism shows a peculiar religious aspect, when he sets on it the motives of stableness and of order or method of one's job as his calling, - the motives which lead to the appreciation of the modern professinals. And the more methodically one's ascetic labour is executed the more it yields profit as its result, so became the profit to be used as a measure with practical importance of the degree of one's service to God, and then profit-making to be the very duty of a Puritan as a steward entrusted the assets of God, - the religious appreciation of profit-making, the brilliant glory for business man, which was the strong support of the ethic for the spirit of the modern capitalism.
著者
苦瀬 博仁
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、歴史的にみた鉄道などの大量輸送機関が、都市の産業発展に果たした役割を明らかにすることである。都市の産業振興上必要だった物資輸送のために輸送機関の変遷を明らかにするとともに、環境負荷の小さい輸送機関である水運と鉄道が、都市の物流システムとして過去に成立した理由が明らかとなった。これにより、都市の物流システムとしての利用可能性が明らかとなった。

1 0 0 0 OA 日本船名録

著者
逓信省管船局 [編]
出版者
帝国海事協会
巻号頁・発行日
vol.明治40年, 1912
著者
齋藤 昌利 松田 直 菅原 準一
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

早産の主要原因である子宮内炎症がどのように胎児に波及し、どのように影響するかは未だ不明な部分が多いが、我々は妊娠ヒツジを用いて子宮内炎症モデルを作成し、子宮内炎症環境下に胎児皮膚組織が炎症メディエータとして働くことを明らかにした。また、Polymyxin Bという抗生物質を用いて、胎児皮膚組織において炎症性サイトカインのメッセンジャーRNA発現が抑制されることを示した。この結果は、進行しつつある子宮内炎症を沈静化する治療方法の開発の一助になると思われる。
著者
笹月 健彦 平山 兼二 木村 彰方
出版者
九州大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1986

家族性大腸ポリポ-シス患者由来のポリ-プ30例,大腸癌20例および非遺伝性大腸癌20例を対象として、正常粘膜,ポリ-プ,癌におけるがん遺伝子の発現および種々のプロ-ブを用いたヘテロザイゴシティ消失(LOH)の検索を行なった。調査し得た全例において、cーmyc遺伝子の発現は正常粘膜,ポリ-プ,癌の順に増加しており、その逆にcーfos遺伝子の発現は減少していた。このことよりcーmycは細胞増殖に、cーfosは細胞分化に密接に関与すると推定された。以上の傾向は遺伝性,非遺伝性いずれの大腸癌においてもみられた。家族性大腸ポリポ-シス由来の大腸癌においては、第5,6,12,15,17,22染色体に、20〜50%の症例でLOHが検出された。非遺伝性大腸癌を対象とした場合にも第5,6,15,17,22染色体に10〜30%の症例でLOHがみられた。また本症ポリ-プにおいても、低頻度ながら第12,17,22染色体のLOHが検出されたことより、LOHは遺伝性ー非遺伝性いずれの大腸癌においても特異的な事象ではないが、家族性大腸ポリポ-シスではやや高頻度であり、種々のがん化機構への感受性がより高まっていると推定された。本症多発家系(16家系)構成員を対象として、種々のプロ-ブを用いたRFLP解析を行ない、Mortonの遂次検定法による連鎖検定を進行中であるが、密な連鎖の報告があったCllpllを含めて、有意の連鎖を証明できたものはない。しかし,最大ロッド値が正の値をとるマ-カ-は、第1,5,11,22染色体に各1個、第12染色体に4個見出しており、更に検索を進めている。また本症との連鎖が示唆されていたHLAについては、患者群,り罹同胞対,家系構成員を対象とした解析により、連鎖を否定した。種々の単クロ-ン抗体を用いた組織染色結果より、がん関連抗原(sidlyl Le^など)の発現が、本症患者の正常粘膜では、正常人組織に比して多く認められるため、生化学的にはがん化過程が既に進んでいると思われた。
著者
舘 健一
出版者
二松學舎大学
雑誌
二松 (ISSN:09143602)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.93-115, 2006
著者
上平 崇仁
出版者
専修大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,グローバル化する社会の人々のための重要なコミュニケーション手段として,言語の制約を超える視覚伝達に焦点をあてたデザイン学習ツールキットの開発を行った.10点のデザイン学習ツールの試作,開発,ワークショップを実施し,研究を通して,専門家が少ない環境でも道具によって人々の中に関心が生まれ.そこから学習を支援するきっかけをつくることはできることがわかった.また異なる言語/異文化間においては精度の高いコミュニケーション方法を学ぶよりも,異なる知見を持ち寄った協業を実践することが重要であるという結論に至り,生産的なコミュニケーションを生み出すツールのデザインを生み出すことに焦点を当てた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.429, pp.59-63, 2005-01-01

米シスコシステムズが日本の通信事業者向け市場の再・攻略策に乗り出した。従来のように米国で開発したシスコ製品をそのまま売り込むのではなく,日本のパートナーを活用しながら,日本の特異性に対応した製品を提供する手法に転換。12月には,日米で富士通との提携を大々的に発表,日本市場に本腰を入れ始めた。