著者
玉英子 著
出版者
樋口隆文館
巻号頁・発行日
1914
著者
石坂 友司
出版者
奈良女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、1998年の開催から10年を経過した長野オリンピックの開催地域が、大会によって得られた遺産をどのように活用し、意義づけているのかを評価するとともに、各開催地域がどのような変容を経験しているのかについて、それぞれの取り組みから明らかにすることを目的とした。多額の投資にもかかわらず、現在でもポジティブな影響が見られるのは一部の地域にとどまり、多くの地域では借金や競技施設の後利用に課題を抱える結果が浮き彫りとなった。一方で、カーリングに代表されるように、遺産を積極的に運用し、スポーツを文化として育むことを目指す地域の取り組みもみられ、そのことを実証的に明らかにした。
著者
石澤 孝
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 = Quarterly journal of geography (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.129-138, 2002-08-26
参考文献数
16

本研究は, 冬季オリンピックの開催にともなう長野市の都市化の現状を, 特に農地の公的転用という観点から検討したものである。その結果は以下のようにまとめられる。<br>第18回冬季オリンピックが, 1998年2月に長野市で開催された。国際オリンピック委員会が冬季オリンピックを長野市で開催することを決定したのは, 1991年のことである。それ以降長野市においては, 新幹線の開業や上信越自動車の建設などの高速交通網の整備が行われた。また, オリンピック施設やアクセス道路およびその付帯施設が建設されるなど, 都市的基盤の整備が進められた。これらの都市的基盤の建設用地の多くは, 農地の転用, 特に農用地区域における農地転用によって生み出された。その結果, 1989年約25,000haあった農業振興地域は1998年までに1%の減少にとどまったのに対し, 1989年に7,700haあった農用地区域は, 同期間に5%近い減少をみせている。このように急速な農用地区域の解除が行われたため, 今後は, 特に農用地区域の解除をともなう都市基盤の整備は難しくなると推察される。
著者
川本 真浩
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、スポーツ史及び帝国=コモンウェルス史の観点から、英連邦大会の初期の歴史を見直し、その新たな局面を明らかにした。同大会は、帝国=コモンウェルス史のなかのスポーツ文化の一つにとどまるものではなかった。同大会とその開催事業によって、政治の世界でいうコモンウェルスとは別の「もうひとつのコモンウェルス」がつくりだされ、しかも政治とも関わりあう形で一定の社会的機能を果たしたのである。さらに、本研究では、グローバルなスポーツ大会と本国の地域ナショナリズムの相互関係を視野に入れつつ、スコットランドの事例を探ることによって、スポーツの世界でナショナリズムと帝国意識が交錯する様子をも明らかにした。
著者
富田 寿代 水谷 令子
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.213-226, 2005-03-20

水環境の現状と保全について検討することを目的として,トルコの黒海沿岸,中部アナトリアおよびイスタンブールとその周辺の生活用水を調査した.黒海沿岸地域は温暖でトルコで最も雨が多い.この地方の水は,Na^+,Cl^-含有量,電気伝導度ともに低く,ほとんどは総硬度100 mg/L 以下の軟水であった.パイプで導水された湧水は,同様の軟水で,細菌学的にも問題はなかった.中部アナトリア地方は乾燥ステップ気候で,年間を通して降水量が少ない.この地方で使われている水は,pH値,総硬度,電気伝導度が高く, Na^+,Cl^-含有量も多い.これは,石灰岩質の土壌の影響によるものであろう.一部のレストランやドライブインでは井戸水を利用していると推測される結果が得られた.イスタンブール近郊は降雨量が少なく,季節により寒暖の差が大きい.この地方では,Na^+,Cl^-含有量が幾分多く,総硬度が200 mg/L以下の中硬水が使われている.トルコの水道水は,細菌学的に問題はなく,CODや遊離炭酸の含有量は日本の快適水質項目の基準値を満たしていることから,通常の浄水処理がおこなわれていることがわかる.いずれの水道の蛇口でも残留塩素は認められなかった.また,いくつかの試料のDOは幾分低い.以上の結果から,使われている消毒剤の量は多くなく,浄水処理過程において硬度調整等の高度処理はなされていないと思われる.イスタンブールの大手ホテルでは独自にイオン交換による軟水化処理がおこなわれていた.
著者
内田 みどり
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

ウルグアイにおける1973年のクーデターと軍の人権侵害について、歴史家は一致して「少数派の大統領が軍に頼った末に生じた「国家テロリズム」とみなしている。だがゲリラと軍の双方に責任があるという「二つの悪魔」説が市民の間で生き残っているのは、合法政党に転身した元ゲリラを選挙戦で攻撃するために、自分たちは軍政の被害者だと考える政治家がこの説を利用してきたからだ。
著者
山田 満 吉川 健治
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

広義の平和構築を考えると、長期的視野を持った社会経済的開発が求められ、特に社会開発・人間開発の視角から平和構築に必要な適正規模の「開発」とは何かが問われている。本研究では、紛争経験国のラオスと新生国家で開発段階に至った東ティモールとの比較研究を行った。その結果、政治体制及び独立に至る歴史的背景、つまりラオスはインドシナ旧仏領諸国との連携、また東ティモールは国連やドナー諸国の援助という外部アクターとの関係性が開発方法の基本的な相違点として浮き彫りになった。
著者
MASANAGA YOSHIMOTO
出版者
久留米大学医学部
雑誌
The Kurume Medical Journal (ISSN:00235679)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.157-165, 1984-12-20 (Released:2009-08-11)
参考文献数
11

We examined 20 episodes of nephrotic crisis (Cx) in 13 nephrotic children and report hematological findings and pathogenesis of the crisis. All physical and clinical data including serum and plasma protein levels and urinalysis, were recorded at the onset of Cx, during recovery and the interventing interval. There was a total of 20 incidences of Cx: 17 occurred at relapses and 3 at the onset of the nephrotic syndrome. We compare the Cx data with the data we additionally collected from 14 other children sufferring with nephrotic syndrome but without the complication of Cx (non-Cx) either at relapses (10) or first onset (4). The most characteristic Cx clinical manifestations (compared with non-Cx group) were abdominal pain in 85 % (cf. 14.3 %), vomiting in 70 % (cf. 0 %), and facial pallor in 65% (cf. 7.1 %). There were significant differences of the Cx clinical and hematological data when compared with the non-Cx data. The Cx group showed a significantly lower blood pressure, higher hematocrit value, lower serum sodium concentration, lower C3 level, lower CH50 activity and lower serum total protein and albumin (standardized for hematocrit values). We conclude that hypovolemia was the pathogenesis for Cx: the sudden loss of massive serum protein into urine, causing subsequent hypoproteinemia (hypoalbuminemia) and decreased colloidal osmotic pressure impairing re-entry transport of interstitial fluids from tissue to the blood. The hypovolemia of Cx is aggravated by the hyponatremia which arises due to a sodium shift from the blood to interstitial tissue. We investigated the role and mechanism of a possible hypoadrenocortical state and report negative findings in all cases.
著者
黄 錚 外岡 豊 王 青躍 坂本 和彦
出版者
環境科学会
雑誌
環境科学会誌 = Environmental science (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.348-361, 2009-09-30
参考文献数
30

都市大気汚染問題は古くて新しい課題である。多くの先進国の都市が経済発展の過程で二酸化硫黄等による厳しい大気汚染を経験してそれらの汚染物質排出量が顕著に削減されていったが,近年自動車による都市交通量の増加で窒素酸化物等による新しい都市大気汚染が問題になっている。一方,発展途上国は急速な都市化で短期間の間に先進国が今まで経験した様々な大気環境問題に対処しなければならなくなっている。発展途上国が経済発展をさせながら都市大気環境を同時に改善しうる可能性を見出すために,先進国の都市大気環境の汚染対策史からどのような汚染対策を学ぶべきかという立場から,本稿では環境クズネッツ曲線を用いて大気汚染物質である二酸化硫黄と二酸化窒素を中心に,2008年のオリンピック開催地の中国北京の大気汚染対策と戦略に注目し,オリンピック開催経験のある先進国の都市との比較を試みた。その結果,各都市では二酸化硫黄対策では環境クズネッツ曲線の変化が見られたが,二酸化窒素の場合,先進国では対策の取り遅れのため低減傾向が見られなかった。一方,後発的な都市である北京では,先進国で実施中の対策を早い段階で取り入れたことによると推定される削減効果が見られた。これらの結果は,環境クズネッツ曲線が当てはまるという確証は得られなかったが,それを前提とする解析では,発展途上国は先進国の経験から学び,先進国で現在実施中のより効果的な環境対策を積極的に実施することによって早い段階で環境改善の方向に向かうことができるという可能性を示唆していた。
著者
入江 詩子 佐藤 快信 菅原 良子
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学現代社会学部紀要 (ISSN:13481142)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.51-62, 2007-03-31

ボランティア活動への参加の動機やきっかけも、従来の自己犠牲的あるいは献身的な動機から、自身の充実感とそれに付随した楽しみや喜びが主流になってきている。ただし、そこには自己満足的な独りよがりなボランティアを生む危険性が存在している。ボランティア活動そのものが学びであり、ボランティア活動の目的が自己実現であり、活動そのものは手段で、学習の成果の還元・活用・発展としてのボランティア活動がある。学習の成果を社会に還元するという行為は、社会貢献であり、自己が社会的に認知され、自己のアイデンティティを確立することにつながるのである。この点において、生涯学習とボランティアは結びつき、共に自発性という本質的なところで両者は結びつく。まちづくりの視点でみた場合、市民リテラシー(市民としての意識)の醸成をどのように形成していくかということは重要な課題で、先の生涯学習とボランティアの関係性はその初期段階を形成する意味で有効な手法といえよう。また、独りよがりにならない、押し付けにならないボランティア活動を展開する上でも市民リテラシーを持つことが重要である。以上のことをふまえ、市民として社会参画していく手段としてボランティア活動を位置づけた場合、「ボランティアをしたい」という意思を持つ人やグループなどとボランティア活動を受けたいとする人または組織集団との間にたって、それらニーズを充足するために必要な支援をおこなう介在者・媒介者としての担い手または組織が必要になってくる。ボランティアコーディネーターには、ボランディア活動を地域とつながったまちづくりという線上に位置づけながら関わること、高齢者、若者、子どもの生活スタイル、商業施設や企業、事務所の日常生活をまちづくりに反映させ、生活を中心においたまちづくりを創造していくことを意識することが求められる。

1 0 0 0 OA 地獄変

著者
芥川竜之介 著
出版者
文芸春秋社出版部
巻号頁・発行日
1926
著者
丹野 忠晋 山田 玲良 櫻井 秀彦 林 行成
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

理論パートでは医薬品卸と医療機関の間の交渉力の差によってどのように上流の製薬メーカーの利潤に影響を与えるかについて定性的な結果を得た.現行の薬価制度では卸の交渉力が高いほど上流の製薬メーカーの利潤は高くなる.実証分析による主要な結論は,病院や薬局の規模が大きいほど総価取引になる確率が高まることである.一方で,取引する卸の数が多くまたは後発医薬品の利用割合が高いほど単品単価取引に移行する確率が高くなる.四大医療用医薬品卸は上流の製薬メーカーに様々な情報を提供しており,その対価が大きな利益の源泉になっていることが明らかになった.
著者
山口 喜教 角田 良明 阿江 忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.97, no.569, pp.13-16, 1998-02-25
参考文献数
2
被引用文献数
3

1997年9月8日から9月12日までイタリアのコモにおいて、開催されたコンプレックスコンピュータシステム国際会議(ICECCS'97)の概要について報告する。ICECCSは、コンピュータシステムの複雑さに対処するための工学的な問題について議論するための会議で、1997年が3回目の開催となる。
著者
上野 芳久
出版者
湘南工科大学
雑誌
相模工業大学紀要 (ISSN:02860910)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.121-168, 1989-03-31

L'histoire du droit penal et celle de la procedure penale ont ete deja traitee dans mes deux articles precedents. Mais il faut aussi connaitre l'histoire de la juridiction, parce que la procedure penale est toujours exercee dans le systeme de la juridiction, ou apparait la conception du droit penal des gouvernements differents a chaque epoque. Dans cet article, ce qui differe des articles precedents, c'est que la periode qui precede la Revolution est decrite. D'autre part plus de details sur la periode qui suit la Revolution sont donnes, car c'est alors que les bases de la juridiction ont ete etablis.
著者
上野 芳久
出版者
湘南工科大学
雑誌
相模工業大学紀要 (ISSN:02860910)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.79-108, 1988-03-26

Pour bien comprendre le droit penal, il faut aussi etudier le droit de procedure penale qui constitute un des deux colonnes supportant le droit penal au sens large. L'histoire du premier a ete deja traitee dans mon article precedent, celle du second sera examinee dans le present article. Il va sans dire que la forme de table chronologique, les abreviations sont meme que dans l'article precedent; seul est different le regime de chaque epoque ecrit dans le carre pour aider a mieux comprendre.
著者
平野 浩 小林 良彰 池田 謙一 山田 真裕
出版者
学習院大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2007

本研究プロジェクト(JES4)では、2007年参院選後から2011年末までの期間に、全国の20歳以上の男女から無作為抽出したサンプルを対象として、前後7回にわたるパネル調査(面接調査5回、郵送調査2回)を実施した。得られたデータの分析を通じて、(1)選挙制度や政党システムの変化、(2)社会経済的な構造の変化、(3)情報環境の変化、などが投票行動に及ぼす影響が明らかにされつつある。

1 0 0 0 THE HYDE

著者
寶井秀人著
出版者
ソニー・マガジンズ
巻号頁・発行日
2012