著者
西崎 祐輔 瓜田 明 田中 周治
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2003, no.2, pp.341-342, 2003-08-05

3 dimensional wake structures behind rectangular flat-plate wings with aspect ratios of 0.1∿1.0 have been investigated using Laser Doppler Velocimeter and yaw-probe. Flow details, such as vorticity vectors and vortex lines in the wakes, have been analyzed for the 5 typical flow configurations (PS-1∿PS-4,FS), which were classified in the previous report from the measurements of aerodynamic characteristics and surface flow visualization. Trailing vortices are clearly formed for flow configurations, PS-1 and PS-2. Ring-type vortices are shed for FS. Vortex structures for PS-3 and PS-4 appear to be mixed types of trailing vortices and ring-type vortices.
著者
寺本 研一 高瀬 浩造 寺岡 弘文 有井 滋樹 斉藤 佳子 田中 雄二郎
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1)ES細胞より肝細胞の分化誘導に関する研究前年度までの研究で、我々はマウスES細胞より胚様体細胞を経由してアルブミン産生細胞を分化させることに成功した。この細胞は尿素合成能、アンモニア分解能を持ち、肝細胞にきわめて近い細胞と考えられた。この細胞をC57BL/6マウスに肝障害の条件下細胞移植したところ生着し、アルブミンを産生した。しかしながら、同時に20-30%の頻度で奇形腫の発生をみた。今回、奇形腫発生を抑制するために、細胞のセレクションを行った。まず、胚様体細胞より単層細胞培養を行い15日目に分離し、パーコール法により比重で細胞をセレクションした。この細胞群はoct3/4の発現はネガティブであった。この細胞を上述の肝障害モデルマウスに移植したところ奇形腫の発生は認めなくなった。以上より、ES細胞より奇形腫の発生しない細胞群の回収が可能になった。また、さらにこの細胞群をFACS, MACSを使用し他の血球成分を除去することによりアルブミン陽性細胞を多く得ることが可能になった。また、これらの細胞は四塩化炭素による強い肝障害マウスにおいて凝固因子を有意に増加させることが判明した。2)カニクイザルES細胞ES細胞の臨床応用を目指して霊長類カニクイザルES細胞から肝細胞の分化誘導を試みた。霊長類ES細胞の分化誘導はマウスES細胞の分化誘導と異なる方法が必要であるが、我々の方法でアルブミン産生細胞を誘導することができた。3)血からの肝細胞の分化誘導我々は膀帯血からの肝細胞分化誘導に成功したが、アルブミンとCK-18、アルブミンとCK-19を発現する2種類の細胞を確認した。現在、胆管上皮細胞に分化誘導が可能かどうか研究中である。
著者
井上 清俊 金田 研司 木下 博明
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

肝臓において、類洞壁星細胞が活性化し線維化を生じるに伴って細胞質型のプリオン蛋白(PrPc)を発現することをヒントとし、肺の線維化におけるプリオン蛋白の発現について基礎研究および臨床研究を行なった。基礎研究として肺組織におけるプリオン蛋白産生細胞の解析を、肺線維症モデルを作成し免疫組織化学的手法を用いて行なった。正常肺では細気管支に多く分布し小顆粒を有するクララ細胞の細胞質にPrPcの発現が認められたが、核と顆粒には発現は認められなかった。ブレオマイシンの細気管支投与によって作成した線維化肺では、終末細気管支の周囲の線維化巣において細気管支が増殖し、増殖細気管支はPrPc陽性のクララ細胞に覆われていた。また、PrPc陽性細胞は、肺胞管の上皮と肺胞の再生した上皮にも存在していた。また、線維化巣にはα-smooth muscle actin陽性の筋線維芽細胞が多数存在していたが、PrPc陽性細胞とはその分布は異なっていた。これらの所見より、肺胞が障害を受けた際、クララ細胞が増殖し終末細気管支から腺房に遊走し、肺の幹細胞として増殖し損傷を修復する可能性と、肝と肺の筋線維芽細胞のheterogeneityの可能性を示唆している。臨床研究は、当病院において原発性肺癌症例で放射線療法と化学療法を施行した後、外科的治療を行なった摘出標本を用いて、プリオン蛋白発現を指標とした至適放射線量と範囲および術式の再評価を行なうことを目指した。摘出した標本においては、免疫組織化学的手法およびPCR法を用い検討じたが、放射線療法終了後約6〜8週経過し線維化が完成した為か、明らかなプリオン蛋白陽性細胞の増殖は認めなかった。今後はプリオン蛋白の発現が最も顕著と思われる時期、すなわち放射線療法の影響が強く存在し、明らかに線維化が完成する以前の肺組織を対象として、再度検討する予定である。
著者
羅 黨興
出版者
作新学院大学
雑誌
作新経営論集 (ISSN:09186220)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-17, 2008-03

台湾経済の独自的発展はすでに休止符です。中国大陸への依存はますます拡大すると同時に、いわゆる(関閉自守)政策はどういう結果になりますか。台湾の現政権の経済政策 中国大陸のWTO加入により台湾企業(台商)に与える影響 中国大陸は大陸に進出する台湾企業に優遇政策 西進政策の環境分析(空洞化及び閉鎖政策) 石油化学、ハイテク産業、三通政策、双方の依存とその代償、人材の流出と汚職横行、庶民生活の変動、大三通、小三通、春節包機、南進政策 華人企業と儒教
著者
金子 邦彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

生命現象の本質を適度に抜きだした力学系モデルを設定し、そこでの現象を解析することを通して、どのような条件のもとで、生命現象の特性があらわれるかを明らかにし、そのための論理を探った。(1)細胞分化システム:細胞内の化学反応ネットワーク、拡散相互作用、増殖だけによって、分化発生が起こることを示してきたが、この時にカオス的なダイナミクスを持って分化するような反応ネットワークを持った方が集団として速く増殖でき、選択されてきたことを示した。幹細胞から、分化、決定していく不可逆性が、多様性やカオスの減少として記述されることを示した。(2)空間的相互作用を含めた細胞分化モデルを解析し、チューリングの形態形成理論とは異なる型のパタン形成が生じることを示した。さらに、細胞内部のダイナミクスに基づいて位置情報が生成し、安定なパタンが維持されることを示した。(3)総分子数が少なく、ゆらぎが多い系では、コントロール的役割を持つ少数の分子と多様増殖をになう分子への分離過程が生じることを示し、デジタル情報を担う遺伝情報と代謝への役割分化を捉えた。(4)少数個の分子での反応系では、連続極限の力学系にゆらぎを加えた系とは本質的に異なる相への転移が起こることを見出し、その機構を求め、細胞内でのシグナル分子の性質との関連をも議論した。(5)ダーウィン進化論の枠の中でも相互作用によって表現型が分化すると、それが遺伝的進化を促しうることを示し、その成立条件調べ、特に、これまでの進化理論で説明されにくい、発生と進化の関係、進化のテンポの非一様性などを議論した。(6)時間スケール、空間スケールの異なる力学系が相互作用したときに速いスケールが遅いスケールに連鎖的に影響を与えるケースを探り、記憶、履歴構造を持つ力学系の原型を探索した。(7)分子内のモードが分化し、分子の一部に長時間エネルギーを蓄える構造が出現することを明らかにした。その時間が蓄えたエネルギーEについて、指数関数的に増大し、この緩和時間が余剰Kolomogorov-Sinaiエントロピーに逆比例することを示した。さらにこうして蓄えられたエネルギーを変換して利用するモデルを構築した。これは分子モーターの原理のひとつを与えると思われる。(8)この他、力学系ゲーム、関数力学系という新しい分野の開拓、計算の力学系的研究なども行った。
著者
金子 正幸 葭原 明弘 伊藤 加代子 高野 尚子 藤山 友紀 宮崎 秀夫
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.26-33, 2009-01-30
被引用文献数
6

平成18年度より,地域支援事業の一環として口腔機能向上事業が実施されている.本調査の目的は,口腔機能向上事業が高齢者の口腔の健康維持・増進に与える効果を検討し,今後の事業展開のための指針を得ることである.対象者は65歳以上の高齢者で,基本健康診査を受診し,厚生労働省が示す特定高齢者の選定に用いる基本チェックリストの「半年前に比べて固い物が食べにくくなりましたか」「お茶や汁物等でむせることがありますか」「口の渇きが気になりますか」の3項目すべてに該当する55名である.対象者に対して,口腔衛生指導や集団訓練としての機能的口腔ケアからなる口腔機能向上事業を,4回または6回コースとして3ヵ月間実施した.口腔衛生状態,口腔機能およびQOLについて事業前後の評価を行った.その結果,反復唾液嚥下テスト(RSST)積算時間は,1回目:事前7.5±5.6秒,事後5.6±3.1秒,2回目:事前16.2±9.7秒,事後12.4±6.9秒,3回目:事前25.7±14.7秒,事後19.4±10.9秒と改善がみられ,2回目,3回目について,その差は統計学的に有意であった(p<0.01).口腔機能についてはその他のすべての項目について,統計学的に有意な改善がみられた.本調査より,新潟市における口腔機能向上事業は,高齢者の摂食・嚥下機能をはじめとした口腔機能の維持・増進に有効であることが認められた.
著者
江波 義成
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.40, pp.39-42, 1989-12-25

滋賀県の土壌中からササラダニ類ジュズダニ科Belbaの1新種を記載し,ササカワジュズダニBelba sasakawaiと命名した.本種は,その1対の後体部背毛(ps_1)が長い点でB. meridionalis BULANOVA-ZACHVATKINA,1962と類似する.しかしなから,後種のps_1はps_2やps_3の約2倍長であるのに対し,本種のそれは3倍以上あること,また本種は8対の背毛(c-, l-, h-series)がやや内側に列生することとより小型(約2/3の体長)であることからB. meridionalisと区別される.
著者
BRAND Amy:著 高木 和子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.410-418, 2004 (Released:2004-09-01)
被引用文献数
1

CrossRefは,共有技術を築くことを目的とした自立的な会員制の協会である。その使命は学術出版社や専門書出版社間での共通な合意が求められるサービスを通して,学問研究の出版物へのアクセスを向上させることである。CrossRefのネットワークは今日,数百の出版社から出版される数百万の論文やその他コンテンツを網羅する。本記事は,CrossRefが2000年に開始されて以来どこまで進んだか,そして科学・学術・専門コンテンツをオンラインでリンクする真に包括的なネットワークに到達するには,何を進める必要があるかを見ていく。
著者
前田 茂則 椋木 雅之 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1617-1625, 1999-10-25
被引用文献数
8

画像検索システムでは,利用者が頭にイメージした検索したい画像の内容をいかに的確に引き出せるかが重要である.そのため最近,概略画,類似画像等の画像を検索キーに採用し,利用者のイメージの表現の自由度を高める試みが多くなされているが,画像は多義性が大きいため,従来のキーワード等の言語を検索キーに用いる方式に比べて検索キー自体の示す内容のあいまいさが増大し,利用者の意図が適切にシステムに伝わらない場合がある.そこで本研究では,画像検索をシステムと利用者とのイメージコミュニケーションという観点から見直して問題点を検討し,これをもとに,画像を検索キーに用いながらもそのあいまいさの増大を抑える対話機構を提案する.この対話機構では,検索結果が得られた理由等を示す釈明情報をシステムから利用者に提示し,それに基づいて利用者が検索キーの修正をして再検索を行う.実際にこの対話機構を画像検索システムに実現し,実験によりその有効性を確認した.
著者
Shinya Hayashi Yusuke Matsubara Seunghun Eu Hironobu Hayashi Tomokazu Umeyama Yoshihiro Matano Hiroshi Imahori
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.846-847, 2008-08-05 (Released:2008-07-05)
参考文献数
15
被引用文献数
64

Fused five-membered zinc porphyrin carboxylic acid has been synthesized to improve light-harvesting capability in the visible and near-infrared regions. The fused porphyrin-sensitized TiO2 cell exhibited the photocurrent generation extending over 800 nm, although the power conversion efficiency was found to be moderate (0.30%).
著者
合田 和生 喜連川 優
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.3, pp.211-221, 2010-03-01

本論文では,グリーンレプリケーションと称し,業務継続を目的としたレプリケーションシステムにおける二次系ディスクストレージの省電力化方式を提案する.提案手法は,サービス復旧にかかる時間を意識した制御系のもとで,二次系に転送された更新情報をコンパクト化し,更新の反映操作を集中化することによって,ディスクドライブを長時間アイドル化する.商用データベースシステムを用いた実験により,30秒から100秒程度のサービス停止時間のオーバヘッドのもとで,二次系ディスクストレージの消費電力のうち80~85%を削減可能であることを示す.
著者
相澤 彰子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.3332-3343, 2000-12-15
参考文献数
40
被引用文献数
10

本論文では語と文書の共起関係に注目し,与えられた文書集合中での語の特徴度の量的表現やその適用について,情報量的な観点から考察を加える.今日,情報検索の分野において広く用いられている ?tfidf (term frequency -inverse document frequency)は,語頻度と対数文書頻度の逆数を乗じた尺度である.ここで $tf$ を語の総出現頻度で正規化した値は,語の出現確率の推定値に対応しており,さらに $idf$ は一種の情報量として解釈できることから,?tfidf ? は確率と情報量をかけあわせた尺度であるといえる.本論文では,このような ?tfidf ? の定義を拡張して,語の特徴度を,「語の出現確率」と「語の持つ情報量」の積の形で一般的に定義し,実際のテキストデータに適用した結果を示す.This paper presents a mathematical definition of the {\it featurequantity}, a measure of specificity of terms in documents which isbased on an information theoretic view of retrieval events. Theproposed feature quantity is expressed as a product of the frequencyof terms and their amouts of information, and has a goodcorrespondence with \tfidf-like measures commonly used in today'sinformation retrieval systems. In the paper, the mathemtaicaldefinition of the feature quantity is shown together with someillustrative examples.