著者
Arita Makoto
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.299, pp.1-5, 2007-10-25

The H-IIA and H-IIB launch vehicle is a Japan's flagship satellite launcher developed by the Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA). The development of the H-IIA started in 1996 as a successor to the former H-II rocket. The first launch was made successfully in 2001 but it encountered its first-ever failure in 2003. This was followed, however, by the successful launch of the new and improved No. 7 launch vehicle in 2005, which once again has set the H-IIA rocket on the path as Japan's flagship launch vehicle. After that we achieved seven continuous success by No. 13 launch vehicle in 2007. Also the development of the H-IIB launch vehicle in under going. The H-IIB will launch the HTV to carry cargos to the International Space Station. Maiden flight of the H-IIB is scheduled in 2009.
著者
山中 浩二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.162, pp.15-20, 2000-06-23

本論文では、無人宇宙機のランデブ軌道設計について、その基礎と具体例を紹介する。ランデブ軌道は、大きく分けて打上からターゲット近傍に至るまでの遠方域ランデブ軌道と、ターゲットまわりの近傍域ランデブ軌道に分けられる。遠方域ランデブ軌道においては、ターゲットとの軌道面・位相・高度の調整を行い、近傍域ランデブ軌道においては、ターゲットに対する安全性を確保しつつ、ターゲットへの最終接近を図ることが目的である。それぞれの設計技術の基礎と具体例を述べる。
著者
河野 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.142, pp.21-28, 1997-06-27
被引用文献数
3

21世紀初頭になると国際協力により開発している宇宙ステーション(ISS)が運用フェーズに入り、物資の補給や機器の交換等のサービスを行うために、軌道上の宇宙機に接近し、結合するランデプ・ドッキング(RVD)技術が必要である。宇宙開発事業団では、無人宇宙機によるISSへの物資の補給・回収や、軌道上作業機OSVのプラットフォーム衛星へのサービス等を念頭においてRVD技術の研究を実施して来た。現在平成9年11月の打上げを目指し、RVD及び宇宙ロボット技術の軌道上実証を目的とする技術試験衛星VII型(ETS-VII)の開発を行っている。本論文では、無人宇宙機のRVDシステムの概念を示し、ETS-VIIのRVD実証ミッションの概要について示す。論文の後半では、ETS-VII実験により実証されたRVD技術の展開、応用シナリオについても述べる。
著者
鎌田 誠 中村 敏夫 河野 秀文 久野 敦史 内川 英明 深津 敦 佐々木 宏
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2006, no.5, pp.305-306, 2006-09-15

HTV is the transfer vehicle to carry cargoes to the International Space Station (ISS). This paper presents the outline of structural strength test results. The strength test were planed and performed to confirm that HTV principal structure (Propulsion Module) withstand the launch load. Test results approximately correspond to predictive value derived from numerical simulation.
著者
野口 孝文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.226, pp.7-12, 2003-07-19
被引用文献数
2

我々は,コンピュータ上に可視化したオブジェクトをダイナミックに組み合わせプログラムすることができるIntelligentPadシステムを用い,教材を自由に再編集できる学習支援システムを作成してきた.本論文では,ユーザが利用した教材を自動的に分類し,再利用を促す学習支援環境を提案する.本システムでは,教材をサムネイル化し,過去に利用した教材との関連度に応じて作業空間上に自動配置する.配置された教材ばかりでなく,関連の教材の参照も容易になる。本論文では,教材のサムネイル化と分類のためのコード化,教材同士の類似度の計算方法について述べる.
出版者
京都大学附属図書館
雑誌
静脩
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.2-2, 1967-07
著者
池田 憲昭 土井 和美 宇野 彰男 山崎 美智子 宮原 英夫 山本 昇 木川田 隆一
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.376-382, 1991-08-31

計算機ネットワークを利用して,研究教育のための様々な情報をオンラインで利用可能とする試みの一つとして,北里大学全学部図書館の全所蔵雑誌および医学図書館所蔵図書の一部に関する所在情報を提供するシステムKLIS(Kitasato Library Information System)を作成した。データベースは,学術情報センター学術雑誌総合目録データベースの個別版提供サービスによって得た磁気テープから必要な情報を抽出し,医学部研究用ミニコンピュータHP9000/855sの磁気ディスクファイルとして作成した。収録した件数は欧文雑誌5,134件,和文雑誌4,551件で,各レコードは雑誌名,発行所名,所蔵図書館名,所蔵期間などからなる。さらに,本学医学図書館のオリジナルデータベースである雑誌特集記事索引および最近4年間の新着図書目録も検索の対象としてデータベース化した。検索システムはUNIXオペレーティングシステム上のC言語を用いて作成した。
著者
遠藤 裕英 畑田 稔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.2259-2268, 1998-07-15

本論文では次のような特徴を持つ研究情報サービスシステムを構築し,評価する.(1)紙媒体で入手したニュース系情報を電子化して,ネットワーク経由で遅滞なく配信するシステム.(2)インターネットのホームページの新着記事を収集し,キーワードを抽出して配信するシステム.(3)ウェブ閲覧ソフトでニュース系情報と図書系データベースを統一的に閲覧できるネットワークサービスを提供するシステム.本システムを利用者約600人の職場で評価した結果,ニュース系閲覧サービスで250人/日,図書系サービスで46人/日,プッシュ型(配信型)サービスで50?57人/日の利用者があった.研究情報の伝達迅速化では,次の結果が得られた.(a)従来,約4時間要していた紙媒体情報の配信を約2時間に短縮できた.(b)従来,約1週間遅れで閲覧されていたワールドワイドウェブの新着記事に対し,12時間以内に要約情報を配信できるようになった.(c)従来,図書室に出向く必要のあった図書データの検索を,利用者の端末からウェブ閲覧ソフトで利用できるようになった.This paper reports on the implementation and evaluation of a laboratory information service system that: (1) Digitizes news-oriented information obtained from print media and distributes it without delay over the network; (2) Collects newly arrived articles from home pages on the internet and extracts and distributes key words from these articles;and (3) Provides a network service that enables news and library databases to be read in an integrated manner through a Web browser.Evaluation of this system at a work place consisting of about 600 users revealed that about 250 people/day used the news service,about 46 people/day used the library service,and about 50 to 57 people/day used a distribution service.The following benefits were obtained as a result of speeding up the laboratory information service: (a) Distribution of print-based information that previously took about four hours has been reduced to about two hours; (b) Distribution of summaries with respect to newly arrived articles perused on the WWW can be performed within 12 hours compared to one week in the past; (c) Retrieval of library date that previously required a trip to an actual library can now be performed from a user's terminal using a Web browser.
著者
遠藤 裕英 藤田 義之 上林彌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.2534-2543, 1997-12-15
被引用文献数
1

企業の技術情報サービス部門ではWWW (World Wide Web)のホームページから新製品情報や新技術情報を取得し,研究者に迅速に伝達することが重要な課題になってきた.そこで,あらかじめ登録したホームページに毎日アクセスし,新着記事のキーワードを電子メールで配信するプッシュ型の技術情報サービスを開発した.ホームページから新着記事を抽出する方式として,ホームページに現れるアンカーのURL (Universal Resource Locator)の一致を照合する「アンカーを手掛かりとした新着記事抽出方式」を採用した.また,新着記事のキーワードにはホットテキストとホットイメージ代替文を用いた.上記方式を実装したWWW新着記事収集・配信システムを開発し,著者らの研究所で運用した.新着記事のキーワードを毎日配信することにより迅速な技術情報サービスが実現できた.また,「アンカーを手掛かりとした新着記事抽出方式」によって新着記事だけを抽出できることと,画像の新着記事を抽出できることが分かった.An increasingly important topic in the technical information service divisions of large corporations is the obtaining of new product and technical information from homepages on the World Wide Web,and the quick transfer of this to researchers.In this regard,a"push"technical information service has been developed that accesses pre-registered homepages everyday,and delivers keywords of new articles by electronic mail.This system compares and checks the anchor URL(Universal Resource Locator)that appears on the homepages,using this anchor as the key to extracting new articles.Hot text and altenative text to hot image are also used in the keyword of new articles.A World Wide Web new article extraction and delivery system incorporating the said system has been developed,and is operating at our laboratories.By delivering keywords of new articles everyday,a fast technical information service has been achieved.In using this new article extraction system,it has been found that new articles can be extracted regardless of differences in location of articles or exression of articles,and that even keywords of new images can be extracted.
著者
大嶺 裕幸 薮下 剛 田邊 宏太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.446, pp.1-6, 2006-12-15

H-II Transfer Vehicle(HTV)は,国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給を担う無人・自動ランデブ宇宙機である.HTVはISSの日本実験棟(JEM)と通信を行いながらISSへの接近,係留を行うため,ISS近傍領域においても通信を行う必要がある.このため,ISS構造物によるマルチパスの影響は,通信成立に影響を及ぼす可能性がある.ここでは,ISS構造物によるマルチパスを考慮した放射パターン解析並びに通信解析結果について報告する.約100m規模の複雑なISS構造物を多面体と円筒で構成し,更に,パドルやラディエータ等の駆動部も考慮してISS構造物のモデルを構築した.ISS構造物からの散乱波は,Uniform Geometrical Theory of Diffraction(UTD)法により解析し,HTV軌道に連動したISS構造物による通信レベルの変動を算出した.又,解析の妥当性を検証するために,1/13スケールモデルを基にしたISSの部分模擬構体を用いた放射パターン測定を実施し,この結果,解析結果とほぼ一致する結果が得られている.
著者
相馬 幸作 増子 孝義 清水 千尋 山田 和典 蔡 義民
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.495-500, 2006-11-25
被引用文献数
4 3

北海道の基幹草種であるチモシーを対象に,地域,生育ステージ,刈取り時刻および品種などの要因を設定し,可溶性炭水化物(WSC)含量および糖組成に及ぼす影響を調べた.地域において,1番草のWSC含量は最大2.67%(乾物中),2番草では2.37%の差があった.生育ステージでは,6月30日(出穂期)にWSC含量がピークに達した.しかし,グルコース,フルクトースおよびスクロース含量は増加しなかった.刈取り時刻では,7時からWSC含量が増加し始め,17時に最大値に達し,その差は3.00%(乾物中)になった.グルコースおよびフルクトース含量は13時に最大値に達した.品種では,1番草はクンプウ(極早生)とノサップ(早生),2番草はノサップがそれぞれWSC,グルコースおよびフルクトース含量が高かった.ただし,グルコースおよびフルクトース含量の増加はわずかであった.以上の結果から,チモシーのWSC含量と糖組成は,地域,生育ステージ,刈取り時刻および品種などの要因により著しく変動することが明らかになった.
著者
高橋 薫 福崎 篇 目時 利林也 折笠 精一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.806-812, 1986

経皮的腎結石摘出術後の腎瘻を有しIVP上正常尿管と考えられる10症例10尿管について,特別な水分負荷をすることなく,仰臥位,無麻酔下で腎瘻よりPressure-Flow Study(PFS)を行なった.腎瘻からの溶液注入量を低注入率(0.5ml/min)から高注入率(10ml/min)まで変化させ,各注入量時の腎盂内圧の変化を比較検討した.また注入液に色素を加えたものを0.5ml/minの定速で注入し,色素が膀胱に達するまでの時間(transit time, T)を測定した.さらに腎瘻から造影剤を注入して各注入率時の尿管の輸送形態をレ線学的に比較し,PFSの結果と比較した.生理的自尿排出時(注入率,F=0ml/min)の腎盂内圧は12〜22.5cmH_2O,平均16.2±3.0cmH_2Oであった.(2)3ml/min以下の低注入率では,腎盂内圧の上昇をみるが,4ml/min以上の高注入率では不変ないし下降した.(3)Transit time(T)は,350〜850sec,平均610±158secであった.腎盂の形態が正常の3例の平均は417secであり,transit time(T)は水腎症の程度に影響された.(4)尿管輸送形態のレ線学的観察により3ml/min以下の低注入率時には主に蠕動運動により,また4ml/min以上の高注入率時には主に尿管が管状となって尿を輸送することが判明した.(5)PFSの結果に基づき計算した尿管抵抗は,注入率が3ml/min以下と4ml/min以上でそれぞれの回帰直線は明らかに異なっていた.このことは(2)及び(4)の結果とよく一致していた.
著者
深津 敦 高田 智美 武内 信雄
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.40-47, 2007-01-01
被引用文献数
1

JAXAは我が国初の有人宇宙開発計画である「きぼう」の開発に際し,宇宙飛行士の安全に関するリスクをいかに低減するかという点を重視して開発を進めてきた.そしてその成果はHTVの開発に受け継がれている.本報告では,「きぼう」開発におけるリスクマネージメントのうち安全信頼性の確保に関する技術的な側面に焦点をあて,有人宇宙開発におけるリスクマネージメントの方法を紹介する.安全確保の取り組みとしては,ISS計画で定められた安全解析手法,安全確保の体制,安全審査プロセスにより,組織的且つ系統的な活動を実施している.安全解析としてはハザード解析を行い,その結果をまとめたハザードレポートをもって安全審査を実施している.信頼性確保の取り組みとしては,FTAのみならず,機器レベルからのFMEAを実施している.特にISSでは考慮すべき故障モードやFMEAの様式について共通の技術要求を各国際パートナーで遵守している.故障モードについてはFTA,FMEA,ハザード解析の内容を相互に比較し,網羅性を高め,リスクの低減につとめている.また,新たな取り組みとして定量的評価を加えたリスク評価を実施し,運用におけるリスクの抽出とその対応策の検討を行っている.
著者
込山 敦司 橋本 都子 初見 学 高橋 鷹志
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.496, pp.119-124, 1997
被引用文献数
20 6

This study makes clear the effects of floor square and ceiling height on the sense of volume and impression of interior-space. Subjects experienced the experimental space (wider floor square and lower ceiling height), and experienced the compared space (the same volume of the experimental space, smaller floor square and higher ceiling height), and answered the sense of volume and which space was felt yuttari^*. The results were summarized as follows: 1) The volume of the space of high ceiling height was felt bigger than that of the space of wide square. 2) The results of the feeling of yuttari showed three tendencies. A) The feeling of yuttari was not felt in the space of lower ceiling height (under 2100mm). B) If the difference in floor square of two spaces was 30% or smaller, the feeling of yuttari was felt in the space of bigger volume. C) If the difference in floor square is bigger, the feeling of yuttari was felt in the space of wider floor square. *The Japanese word "yuttari" includes loose, spacious and feeling of easy.
著者
根本 裕史
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.1268-1272, 2009-03-25

本稿の目的はゲルク派の学者達が「常住(rtag pa)」という概念をどのように理解しているか明らかにすることである.同派の学者達はサキャ派の見解と対照的に,常住な物の存在を積極的に認める立場に立っている.ツォンカパやチャンキャ・ルルペードルジェはダルマキールティのPramanavarttika II 204cdに依拠して,「常住」とは「それ自体が消滅しないこと」を意味すると解釈した.ゲルク派の学者達によれば,「常住」を「常に存在すること」の意味で捉えるのは毘婆沙師と非仏教徒の劣った見解に過ぎず,経量部などその他の仏教学派の見解では常住な物は必ずしも常に存在するとは限らない.例えば壼に限定された法性(空性)は「一時的にのみ存在する常住者(res 'ga' ba'i rtag pa)」であるとされる.なぜなら壺の法性は壺の存在時にのみ存在し,なおかつ,消滅の作用を受けない存在だからである.ここで「消滅」という語が「なくなること」ではなく,むしろ「変化すること」の意味で用いられている点には注意を要するであろう.壺の法性は壺が存在しなくなれば壼と共になくなるが,そのことは壺の法性が消滅したことを意味しない.ゲルク派の学者達によれば,常住な物には未来(未だ生起していない状態)も現在(現に生起している状態)も過去(既に消滅した状態)もない.それは非時間的(dus bral)な存在である.時間的変化とは無縁の存在のことをゲルク派の学者達は「常住」と言い,「無為法」と言う.そして,それは彼らにとって「法性」や「涅槃」といった仏教教義を語る上でなくてはならない存在なのである.