著者
千葉 百子 大道 正義 稲葉 裕
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.572-579, 1999-01-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
18
被引用文献数
7 10 7

This report reviews the biological effects and case reports of suicidal or accidental ingestion of, and occupational exposure to sodium azide. Ingested doses of sodium azide were estimated for the 6 survival and 4 fatal cases studied. The lowest dose among survival cases was 5-10mg. The patient reported headache, sweating, and faintness within approximately 5 minutes of ingestion. Four victims ingested 20 to 40mg and recovered within 2 hours. However, a man who took 80mg reported chest pain for 6 months after ingestion. The smallest doses among fatal cases were 0.7-0.8g for women and 1.2-2g for men. All victims suffered from hypotension, tachycardia, hyperventilation, diaphoresis, vomiting, nausea, and diarrhea. There is no antidote for sodium azide. Detoxicants for cyanide such as sodium nitrite or thiosulfate were tried, but were unfortunately, ineffective. Sodium nitrite may worsen the hypotension caused by sodium azide, and is not recommended. Occupational exposure to sodium azide is thought to be common, however, fatal exposure is rare. NIOSH “Recommended Exposure Limits” for sodium azide is 0.3mg/m3.
著者
横関 俊也 萩田 賢司 矢野 伸裕 森 健二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1095-I_1104, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

本研究では,千葉県東葛地域を対象として,通行方法別に分類した自転車の遭遇台数調査のデータと自動車と自転車間で発生した事故の統計データを用い,自転車の通行方法別に事故率の比較を行った.その結果,進行サイドでの比較では,車道における自転車の右側通行の危険性は左側通行の2.8倍高くなった.歩道においても同様に自転車の右側通行の危険性は左側通行の2.7倍高いという結果になった.また,通行位置による比較では,自転車の歩道走行(左側通行・右側通行)と比較した車道走行(左側通行)の危険性は3.0倍となり,車道走行の危険性が高くなっていた.以上により,自転車に通行方法を遵守させるためにも,より安全な自転車の車道走行環境を形成していく必要性が示唆された.
著者
松本 毅 形井 秀一
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.140-146, 2015 (Released:2015-08-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

日本では,他の国にはない,精製度の高いモグサが作られている。しかし,近年,中国産ヨモギが輸入され,それを原料とした製品も販売されているが,それらの現状は,詳しく報告されていない。そこで,日本国内のモグサ製造,加工,国内卸業を行っている14社に対して,2011年11月16日に郵送で,製造の現状と問題点など15領域29項目について,アンケート調査を実施した。その結果,有効回答は,14社中12社(85.7%)で,仕入れについては,ヨモギの葉が,国内産88t,外国産45t,モグサが,国内産13t,外国産50t だった。製造時期は,11月下旬から3月下旬頃までであった。製造用機器は,石臼,長通し,唐箕などで,多くは職人により手作りで製作されていた。今回の調査では,ヨモギやモグサの納入や輸出に関する事柄,製造や製造機器に関する現状,また,製造業者の抱えている問題点や今後の展望などについて検討することができた。
著者
大本 周作
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.182-186, 2020-08-15 (Released:2021-08-15)
参考文献数
31
著者
礒濱 洋一郎
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.3, pp.115-119, 2014 (Released:2014-03-10)
参考文献数
6
被引用文献数
2

アクアポリン3(AQP3)は主に皮膚のケラチノサイトに存在する水チャネルであり,皮膚の保湿のみならずケラチノサイトの遊走にも関わることが示されている.従って,AQP3の発現を促進する薬物は皮膚疾患時の乾燥症状や外傷の治療薬としての応用が期待できる.我々は,種々の生薬についての検討から荊芥(ケイガイ)に著明なAQP3発現亢進作用を見出した.ケイガイエキスはこの本作用を通じて,in vitroでのケラチノサイト遊走能を促進するとともに,in vivoでも実験的に形成したマウスの創傷治癒を促進することが分かった.これらの作用は皮膚科領域で用いられる漢方方剤にケイガイが含まれる薬理学的意義を示唆するとともに,これらの漢方薬の作用を応用した新たな治療薬の開発の可能性を示している.
著者
多田羅 浩三
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.3-17, 2009 (Released:2014-06-13)
参考文献数
50
被引用文献数
1
著者
Toru Maruyama Hayata Uesako
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.2298-23, (Released:2023-08-23)
参考文献数
37

Vaccination against COVID-19 has raised concerns about myocarditis in young men, as out-of-hospital cardiac arrest (OHCA) or sudden death after vaccination has been reported sporadically. Common features of these cases are occurrence in young men, within a few weeks after vaccination, in patients with no structural heart diseases. Cases of unexplained nocturnal death showed fibrotic or hypertrophied myocardium, and one case of OHCA presented ventricular fibrillation (VF) triggered by a prominent J wave on an automated external defibrillator and histopathologic findings compatible with myocarditis. Both myocarditis and J waves are prevalent in young men, and these cases imply that myocarditis augments J waves, which trigger VFs, and primary electrical disorders are a leading cause of death. To prevent such issues, artificial intelligence (AI)-assisted interpretation of historical electrocardiogram findings may help predict future J wave formation leading to VF, as digital ECG findings are well suited for AI interpretation.
著者
河野 通方 新岡 嵩
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.329-335, 1993-04-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
5
被引用文献数
1

無重力状態における燃焼の研究のなかで,ロウソクに関するものがわが国,米国,ヨーロッパなどで行われている.最近のスペースシャトルでの実験では約1分で消えてしまった.なぜ消えてしまったのかについて考察を行う過程において,その研究が実は拡散燃焼と呼ばれる燃焼学における重要な研究分野に貢献していることを述べる.さらに,この考察をもとにした無重力状態で長時間燃焼可能なロウソクのアイデアを紹介する.
著者
Alvin Sanjaya Taiki Kobayashi Ryo Nishijima Harue Shinoyama Yusuke Kazama
出版者
Japan Mendel Society, International Society of Cytology
雑誌
CYTOLOGIA (ISSN:00114545)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.265-272, 2023-09-25 (Released:2023-09-25)
参考文献数
15

The popular ornamental flowering plant Dianthus hybrida cv. Telstar Scarlet has been found to exhibit two populations, each with distinct flower morphology: female-like and hermaphroditic. In this work, flower development of D. hybrida was characterized through scanning electron microscopy, light- or stereo- microscopy, from flower meristem formation to the fully matured, open flower. The difference between hermaphrodite and female-like plants was initially marked by the phenomenon of anther shrinking in the latter, which was closely associated with pollen shrinking phenomenon, and soon followed by differential elongation rates of pistils and stamens. Furthermore, the female-like anther, albeit exhibiting delay in pollen development initially, could produce microspores, resembling its hermaphrodite counterparts at some point, before shrinking. However, female-like’s pollen and cell wall size never became as large as the hermaphrodite’s.
著者
遠藤 基
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.208-214, 2022-04-05 (Released:2022-04-05)
参考文献数
15

ミューオンの異常磁気モーメントの研究の歴史は長い.ミューオンのスピン磁気モーメントが初めて測定されたのは,1950年代にコロンビア大学ニーブズ(Nevis)研究所でのことだ.その後,60年以上にわたって研究されてきた背景には未知の素粒子理論の存在がある.素粒子の振る舞いは標準理論と呼ばれる基礎理論によってとてもよく説明することができる.この理論は2012年にヒッグス粒子が発見されたことで確立したが,時代とともに,それでは説明のつかない現象が見つかってきた.そのため,なにか新しい理論が存在するのは確かなのだが,その正体は依然として明らかではない.ミューオン異常磁気モーメントの測定は新しい理論を探索する有力な手段として注目されてきた.とてもよい精度で測定することができるうえに,未知の粒子がつくる量子効果の影響を強く受けるからだ.20年近く前にブルックヘブン国立研究所で行われた実験結果は標準理論の予想と大きく食い違っていた.この結果に多くの研究者は頭を悩ませてきた.はたして素粒子の未知の理論がついに見えてきたのだろうか.それとも実験結果が間違っていたり,標準理論に見落としがあるのだろうか.ブルックヘブンの結果の確認と,さらなる高精度の測定を目指して,2018年にフェルミ国立加速器研究所で新しい実験が開始された.データの解析には長い時間がかかったが,2021年4月7日についに最初の結果が発表された.多くの研究者が待ち望んでいた結果だ.解析に使われたデータ量はまだ多くないが,結果はブルックヘブンの実験を追認するものであった.もう一方の標準理論の予想はというと,じつは,依然として混沌としている.量子論によれば,ミューオンは仮想的に光子(フォトン)を放出して,さらにそのフォトンからクォークをつくり出すことができる.クォークは強い相互作用をもつために計算がものすごく難しい.これまでは,この難しさは実験データを使うことで回避されてきた.つまり,この部分を理論的な関係式を使って別の観測量に置き換えてしまうという方法だ.このアプローチはうまくいっており,異常磁気モーメントの理論値を決める方法として長いこと使われてきた.これで標準理論の計算は決着がついたと思われていたが,最近そこに一波乱あった.Budapest–Marseille–Wuppertalグループが発表した格子QCD計算の結果だ.それによると,クォークの寄与はこれまでの実験データを使った値から大きくずれている.もし本当であれば,ブルックヘブンやフェルミの実験結果と標準理論の間にあった食い違いは消えてしまうというのだ.いまだにどちらの結果が正しいのか決着はついていない.もし従来の結果が正しくて,そしてミューオン異常磁気モーメントの実験の検証も進めば,いよいよ未知の素粒子理論の発見に期待が高まる.これまでに様々な模型が提唱されてきたが,実験と理論の発展によって候補はかなり絞られてきた.興味深いことに,ほとんどの模型は近い将来に実験で検証できるようになることが予想されている.ミューオン異常磁気モーメントのこれからの実験と理論の進展に関心が高まっている.
著者
志田 寛
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.107-111, 2010 (Released:2012-04-01)
参考文献数
16

代表的なプロバイオティクスであるLactobacillus casei YIT 9029(乳酸菌シロタ株)は、生きて腸管内に到達し、腸内フローラの制御や代謝産物の産生を介して整腸効果を示すばかりでなく、宿主免疫系に働きかけて様々な保健効果を発揮する。特に、発癌リスク低減効果やNK活性回復効果を支持するデータが多くの動物試験や臨床試験で得られている。近年、アレルギー疾患の制御にプロバイオティクスを利用しようとする試みが様々な菌株を用いて行われており、L. casei YIT 9029は本分野の研究において先駆けとなったプロバイオティクス株のひとつである。本総説では、インターロイキン-12(interleukin-12; IL-12)産生誘導を介するTh1/Th2バランスの制御がプロバイオティクスによるアレルギー抑制機序のひとつであることを明確に示した研究例に加え、L. casei YIT 9029含有乳酸菌飲料の花粉症患者に対する臨床試験の成績について紹介する。
著者
遠藤 利彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.150-161, 2010-03-30 (Released:2012-03-27)
参考文献数
85
被引用文献数
6 2

ボウルビーの主要な関心は, 元来, 人間におけるアタッチメントの生涯にわたる発達(すなわち連続性と変化)と, 情緒的に剥奪された子どもとその養育者に対する臨床的な介入にあった。近年, 幼少期における子どもと養育者のアタッチメント関係が, 子どもの, アタッチメントの質それ自体を含めた, その後の社会情緒的発達にいかなる影響を及ぼすかということについて, 実証的な知見が蓄積されてきている。本稿では, まず, 児童期以降におけるアタッチメントとその影響に関する実証研究と, 乳児期から成人期にかけてのアタッチメントの個人差の安定性と変化に関するいくつかの縦断研究の結果について, 概観を行う。次に, アタッチメント理論の臨床的含意について, 特に, 無秩序・無方向型アタッチメントとアタッチメント障害, そして, そうした難しい問題を抱えた事例に対するアタッチメントに基づく介入に焦点を当てながら, レビューし, また議論を行う。最後に, 日本の子どもと養育者のアタッチメント関係の特異性をめぐる論争とそれが現代アタッチメント理論に対して持つ理論的含意について批判的に考察し, さらに日本におけるアタッチメント研究の現況が抱えるいくつかの課題を指摘する。
著者
菅野 正洋 山田 雄一
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集 (ISSN:24332976)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.7-13, 2019 (Released:2020-02-04)
参考文献数
24

The distance between origin and destination and the range of the area tourist travel at the destination show a positive correlation. This relationship is known in the Japanese tourism study field as the ‘Racket Theory' in analogy to the shape of tennis racket. In this study, for the purpose of contributing to the destination marketing of Japanese DMOs, we examined the difference of strength of Racket Theory according to the income or purpose of travel. The results showed that the correlation is stronger in the tourist with standard household income and also the correlation is stronger in mass tourism, in the other hand, the correlation is weaker in the alternative tourism.