著者
深田 祝
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, 1962
著者
石田 憲治 嶺田 拓也 粟生田 忠雄 田村 孝浩 日鷹 一雅 谷本 岳 小出水 規行 若杉 晃介 栗田 英治 芦田 敏文
出版者
独立行政法人農業技術研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

水田における魚類や水生昆虫などの生物の行動特性と水田及び周辺の植生や土壌、水利条件などの環境特性、さらには水田の水環境にかかわる社会条件から生物多様性向上要因を分析した。その結果、(1)生物多様性向上に有効な湿地環境復元に水田冬期湛水が有効であること、(2)初期湛水深、湛水田の配置、湛水期間の工夫で現行の利水条件下でも湛水可能面積の拡大が可能であること、(3)一部の水生昆虫では冬期湛水より通年湛水場所を確保する水管理が重要であること、などを明らかにした。
著者
WHITE P. J.
雑誌
Ann Bot
巻号頁・発行日
vol.92, pp.487-511, 2003
被引用文献数
9 1501
著者
栗原 純 所澤 潤 中田 敏夫 松永 正義 木下 尚子 松田 京子 丸川 哲史 松金 公正
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

日本統治期から戦後の中華民国期の転換期における台湾社会の変容について、日本統治時代に日本語教育を受けた世代を中心に口述歴史の方法に基づいて研究した。この時期は、文献史料が大変限られており、研究が困難な時期であるが、それを補うことを意図した。調査の対象者には、植民地において医学部などの高等教育を受けた方、戦時中は上海に在住し戦後台湾に帰還した方、兵士として太平洋の孤島に赴いた方、台湾総督府の高官、あるいは戦後の政治的弾圧の被害者、マラリアなど伝染病対策の責任者などが含まれ、その結果、歴史研究に資する証言が多く得られた。
著者
木本 晴夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.886-898, 1999-03-15
被引用文献数
33

感性語を検索入力として 花やブラシペイント画像を検索する感性検索システムの開発と評価について述べる. 感性語はシステムが内蔵する 感性語と配色パターンの対応テーブルによって 配色パターンに変換され 各画像から抽出された代表色パターンとの間で類似度計算をして 類似度順に検索結果を出力する. 検索精度評価においては テキスト検索で確立されている検索精度評価方法を使用するなどして評価方法を客観的 数値的なものとした. つまり 評価用の検索対象画像として 花の写真100枚 ブラシペイント画像100枚の合計200枚を準備して これらに対する検索要求と個々の検索要求に対しての評価用正解データを作成して 画像検索を行ったのち これらの精度評価用データを使用して検索精度の再現率・適合率の評価を実施した. 本論文での新規な結果としては次のとおりである. (ア) 花 ブラシペイント画像を検索対象として 今回作成した評価用正解データベースを使用して検索精度評価をした. 従来は 本論文で示したような評価用正解データベースを用いての検索精度評価はなされていなかった. (イ)感性語とそれに対応する検索正解画像の色解析結果から 感性語ごとに 検索における感性語と色相・彩度・明度の関係を明らかにした。この関係を正解特徴量分布としてまとめた。また この正解特徴量分布は離散データであるので 近傍のデータの影響を計算して連続データに補正した。この補正したデータを領域重み分布データと呼ぶ。従来は 画像と感性語の間の関係をアンケートデータを基にして感性語をベースとして分析したり 画像からの代表色抽出のために色相のみのヒストグラム分析をした報告はあったが 感性語と色相・彩度・明度との関連性を上記のような評価用の正解データに基づいて詳細に分析した報告はなかった。(ウ) 検索のための類似度の計算において 上記の領域重み分布データを使って類似度の補正をした結果 検索精度を大幅に向上できた。This paper describes the image retrieval system whose input search keys are impressional words, such as "refreshing", "bold″and "pretty". The databases for search are a flower image database and a brush paint image database. The input impressional words are translated into color patterns which correspond to the impressional words. An impressional words to color patterns table is used for this translation. Dominant colors are also extracted from each of the images of the databases. The similarity matching is made between these color patterns on the L^*a^*b^* color space. And the system outputs the images in the similarity order. The evaluation of the system is made based on the recall-precision measurement that is frequently used for the evaluation of text retrieval systems. The recall-precision measurement is well established in the field of text in formation retrieval. For the evaluation of the image retrieval systems, a relevancy database was constructed. A relevancy database consists of a database of 200 images from flower image database and brush paint image database, 10 queries expressed by impressional words and the relevancy judgements. The result of the evaluation shows a couple of points. The first point is that this evaluation is the first one that uses the relevancy database, and, as a result, the evaluation is accurate. The second point is that for each impressional words, the degrees of the influence of hue, saturation and intensity of colors were made clear when retrieving the images using impressional words. This was made by analyzing the relevancy database. The third point is that the effectiveness of retrieval was greatly improved by using the results of analysis of the relevancy database. As a result, the relevancy database is very necessary for the image retrieval system.
著者
中谷 英明 江島 惠教
出版者
神戸学院大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

1.パーリデータベースの構築研究代表者と分担者は、Association for Pali Text Inputting(=APTI,代表江島恵教(本研究分担者))の活動を通じて、データ入力と、校正作業を継続した。APTI会員は本年10名増加して36名に達した.本年度実績は下記のとおり.(1)校了テキスト:Udana,Thera-theri-gatha.(2)校正中テキスト:Cullaniddesa,Petakopadesa, Dhammasangani.(3)入力テキストKhuddakapatha,Mahaniddesa,Patisambhidamagga,Buddhavamsa,Milin-dapanha,Vibhanga,Paramatthajotika II,Atthasalini.2.データベース作成マニュアル4種のマニュアルを作成した.(1)「APTIへの誘い」(2)「RECOGINITA PLUS使用法」,(3)「OCRデータ処理手順」,(4)「インド学研究とコンピュータ利用」.3.サンスクリットデータ処理システムほぼ完成した.4.研究用プログラムの開発と研究韻律分析プログラムは高島淳助教授(東京外国語大学)の協力によってほぼ完成した.これを利用した研究論文1篇を発表した.(裏面「研究発表」参照)
著者
澤田 匡人
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.185-195, 2005-06-30
被引用文献数
1

本研究の目的は, 妬み感情を構成する感情語の分類を通じて, その構造を明らかにすることであった。研究1では, 児童・生徒92名を対象とした面接調査を実施し, 172事例の妬み喚起場面を収集した。事例ごとの12語からなる妬み感情語リストへの評定に基づいた数量化III類を行って解析した結果, 妬み感情は2つの軸によって3群に分かれることが示された。研究2では, 児童・生徒535名に対して質問紙調査を実施し, 8つの領域に関する仮想場面について, 12の感情語を感じる程度を評定させた。因子分析の結果, 妬み感情は「敵対感情」「苦痛感情」「欠乏感情」の3因子構造であることが確認された。また, 分散分析の結果, (1)敵対感情の得点は, 能力に関連した領域に限り, 女子よりも男子の方が高く, (2)苦痛感情と欠乏感情の得点は, 学年が上がるのに伴って増加する傾向にあることが明らかとなった。このことは, 加齢と領域の性質が妬み感情の喚起に寄与していることを示唆するものである。
著者
上尾 龍介
出版者
九州大学中国文学会
雑誌
中国文学論集 (ISSN:02863715)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.91-104, 1974-05-25
著者
中谷 彰宏
出版者
社団法人溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.489-494, 2003-09-05
被引用文献数
3

「構造解析」という用語は様々な分野で,様々な意味に用いられているが,ここでは,変形体の力学問題に対し,内部に適切な幾何学的構造を記述するモデルを導入して行なう解析方法の総称をこう呼ぶことにする.連続体力学に基礎をおくモデル化を行ない,有限要素法(Finite Element Method; FEM)に代表されるシミュレーションによって,変形体の力学問題にアプローチする構造解析手法は,今や固体力学分野のインフラストラクチャとして定着している.一方,分子動力学(Molecular Dynamics; MD)シミュレーションは,変形体の内部に原子構造モデルを仮定して実施される構造解析手法の一つと位置付けることができる(例えば,MD法の原子レベル構造解析への具体的応用の一例として最近の報告を参照願いたい).MD法は,統計力学の理論やモデルの検証を目的として始まり,今でも,それが基礎となっていることに変わりはないが,ミクロ構造を設計することによる新しいデバイスの開発が進んでいる昨今,ミクロ材料の強度・健全性評価,機能設計,製造プロセスの提案,実装方案の獲得を目指した構造解析手法として,従来のマクロ機械設計においてFEMが果たしているのと同様な役割を原子/分子レベルで担うことが期待されている.ここでは,材料力学分野,特に,構造健全性評価に関わる原子系シミュレーションについて展望する.なお,本稿は,既に報告した資料を再構成し,加筆したものである.
著者
阪本 公美子
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.33-54, 2007-03

本論文は、アフリカにおいて貨幣経済の影響を受け、相互扶助の形態やジェンダーがどのように変容したかをタンザニア南東部農村の事例において考察したものである。リンディ州の2つの農村で行なった男女に対するインタビューから以下の6点が明らかとなった。第1に、人びとは食べ物の生産など自給自足的な側面も保持している。しかし、過去と比較して、生活において病気に対処するためなど貨幣の必要性が増した状況となりつつある。第2に、貨幣経済の影響を受けその形態は変容しつつも、相互扶助関係は現存している。過去には食糧を中心とした相互扶助関係であったが、現在は食糧不足に陥った場合、現金のある者が臨時に雇用するなど、現金と食糧による相互扶助関係へと変化している。第3に、そのような相互扶助の関係は男女によって異なり、一面においては女性が家族・近隣関係に限定され、男性が家族・近隣関係とともにグループ、友人関係にもネットワークを広げている。しかし、女性独自に展開している相互扶助関係もある。第4に、土地や家畜の所有方法は、女性が個人で所有しているのに対し、男性は妻と所有していることが多い。この背景には、農村に住んでいる殆どの男性が妻と住んでいるが、女性は必ずしも夫と住んでいるとは限らない事があげられる。その理由はさまざまであるが、このことが女性の独立に繋がるのか、脆弱性に繋がるのかは、注意が必要な点であろう。第5に、農業における男女分業は、イスラム教の伝授、殖民地などを経て現在に至っており、男性が換金作物、女性が野菜の栽培を担当していることは従来の先行研究に沿う結果であった。しかし、男性が主にモロコシ・雑穀・キャッサバなどの穀物を、男女がともに米を栽培している点は、従来の研究と必ずしも一致しない。最後に、貨幣経済の浸透に伴い男性が換金作物や商売、女性が家事を担当している傾向があり、男性を生産活動、女性を再生産活動に隔離している現状もみられた。他方、男女ともに食糧生産には従事しており、この点は、生産活動と再生産活動が一体化した経済のもと、男女の健全な関係を表している。以上のことから、本事例では貨幣経済の影響を受け変容しつつも、相互扶助の機能及び自給自足的な側面も保持しており、もうひとつの内発的発展のあり方も示している。他方、男女分業については、貨幣経済の影響を受け、男性が生産活動に、女性が再生産活動に隔離されつつある状況がみられ、このことは、世界的にも見られる現象でもある。生産活動と再生産活動が一体化した自給自足的な活動における男女分業と異なり、貨幣経済の浸透による男女分業は生産活動と再生産活動が分離させられ、資本主義経済による人間性の剥奪とも深く関連している。今後、更なる貨幣経済の浸透による生産活動と再生産活動の分離をすすめるか、貨幣経済の影響を受けつつも人間疎外を克服し、アフリカ独自の内発的発展のあり方を示すか、過渡期にあると言えよう。
著者
大橋 弘
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

規制緩和が引き金となり航空会社間の国際的な競争が激しさを増すなか、航空会社による合併・連携(アライアンス)件数が急増している。航空産業において活発化する合併・連携の活動が、航空サービスやその料金体系に与える影響について知見を深めることは、今後も着実な需要増加が見込まれる航空産業を理解する上で、重要な課題である。企業による合併・連携に関しては、これまで産業組織論の分野を中心に数多くの理論的研究がなされてきたが、実証的な研究についてはその多くは産業間(inter-industry)の比較に基づくものであり、理論的な研究が関心を寄せてきた特定の産業(intra-industry)における企業合併に着目した実証研究は未だ揺籃期にある。本研究では、2001年における日本航空(以下、JAL)と日本エアシステム(以下、JAS)との合併事案を取り上げ、その合併が国内航空市場の競争状態にどのような影響を与えたのかについて構造推定手法を用いて分析を行った。まず航空需要については、1996年7月から2005年10月までのデータ期間において、O(起点)-D(終点)ベースのデータを用いて離散選択モデルを用いて推定を行った。航空需要を推計する際には、新幹線を含む鉄道との競合関係も考慮している。需要関数の説明変数のうち、価格およびフライト数については、内生性の問題があることを考慮して、操作変数を用いた一般モーメント法により推定を行った。航空サービス供給については、旅客数(有償座席数)の決定だけでなく、フライト数の決定も各航空会社は行うと考えて、モデルを構築した。推定結果は、需要・供給関数ともデータとの当てはまりは良いことがわかった。この推定値を用いて、本研究では、もし2001年にJAL-JAS合併がなされていなければ、日本の国内航空市場はどのような産業構造になっていたかという点である。本分析の結果、合併により当該合併企業の市場支配力が大きく上昇していることが見て取れた。